【ラブライブ!】梨子「あのー…曜ちゃんは休日をどう過ごしてるの?」
- 2020.04.08
- SS

曜「あははっ。実際なにも無いよ。梨子ちゃんの言うとおり、海がバーンと広がってるだけだね」
曜「そう言ってもらえると嬉しい」
梨子「それでね、内浦の人の生活が気になったの。曜ちゃんさえ良かったら聴かせてくれない?」
曜「んー……どうって言われてもね」
曜「見たまんま、て感じ?」
梨子「ふんふん。見たまんま、と」
曜「あれ」
梨子「それで見たまんま、てどういうこと?」
曜「ごめん、テキトーに答えたんだけど…」
梨子「あ、もう。まじめに聞いてるのに」
曜「わかった、わかった。ちゃんと説明する。でもほんとに見たまんまだよ?」
梨子「ううん、いいの。よろしくおねがいしますっ」
梨子「なるほど……」カリカリ…
曜「朝日を見据えてダイビングするときもちいーんだ!朝日に向けて敬礼!って」
梨子「朝日…ダイビング…」カリカリ…
曜「……梨子ちゃん?メモするようなことを言ったつもりはないんだけど……」
梨子「あ、おかまいなく。続けて?」
梨子「うん?続けて?」
曜「イヤー!メモしないで!恥ずかしい―!」
梨子「そう?とってもカッコイイと思うよ?」
曜「そんなメモ、何に使うのさ!」
梨子「え?だから内浦の人の」
曜「やかましい!」
梨子「やかましい……ごめんなさい」
曜「私の生活なんてほんとに大したことないってば!さらっと聞き流すくらい軽い気持ちで聞いてて」
梨子「……曜ちゃんがそう言うなら」
梨子「すごい。ずっと身体うごかしてるのね」
曜「もちろん!父に憧れて水泳も鍛えてたからね」
梨子「わあ…!」
曜「……ていうのは建前で、海くらいしか遊ぶものが無かっただけだけど」
梨子「それは言わなければカッコイイのに。フフフッ」
曜「かっこよくないって!それにウソついたら申し訳ないよ」
梨子「これからは『正直者の曜ちゃん』って覚えるね」
曜「うええ?べ、べつに全くウソつかないわけじゃ……あーんもー!次いくよ次ー!」
梨子「うん♪」
梨子「あ、休むんだ」
曜「そう。午前は休憩して、身体の疲れを十分に癒してから午後の鍛練に備える!」
梨子「じゃあ午前中はぼうっと過ごしてる?」
曜「そんなことはない。たいしたことしないけど。宿題済ましたり、筋トレやランニングしたり、そこらへんを散歩して友達と喋ったり、くらいかな」
梨子「筋トレとランニングって休憩に入るの……?」
曜「入る、入る」
梨子「……メモしていい?」
曜「うへえっ…」
梨子「あぁごめんなさい…!」
梨子「えっ千歌ちゃん?」
曜「うん。千歌ちゃん家は旅館だからね。余った料理を分けてもらってるの。もちろん、うちからもお土産を送ってギブアンドテイクだよ!」
梨子「ほあぁ…旅館の料理を…すごい……」
曜「一度千歌ちゃん家にお泊りに行ってみなよ。居心地良いよ~。料理は美味しいし、温泉から見る海の景色は星空と相まって輝いて見えるし。あー、あの部屋に永住したいなー」
梨子「千歌ちゃんの家…か……」
曜「梨子ちゃんなら千歌ちゃんのお気に入りだから大歓迎されること間違いなし。むしろ千歌ちゃんにお呼ばれされちゃう?」
梨子「あはは…スクールアイドルの件を脇に置いてくれるなら考えようかな」
梨子「ううん。千歌ちゃんが本気なのはわかるよ。良い子だと思う」
曜「うーん…」
梨子「曜ちゃん?」
曜「千歌ちゃんの場合、本気というより猪突猛進なだけな気もするんだよねえ……」
梨子「ああ……イノシシの着ぐるみがとても似合う気がする」
曜「うん…ま、そういうわけだから、千歌ちゃんから受けるお願いは適度に受けたり断ったりしてくれていいよ」
梨子「うん。そうさせてもらうね」
千歌「……悪口を言われた気がするっ」
曜「げっ」
梨子「あっ千歌ちゃん……」
曜「ヤア千歌ちゃん。こんな人通りの少ない場所で逢うなんて偶然ダー」
千歌「学校の校庭の片隅で人通りがあるはずないよ…。質問をはぐらかすんだ、曜ちゃん?むぅ」
曜「あ、いや、だから」
千歌「梨子ちゃん!梨子ちゃんは悪口なんて言わないし隠し事もしないよね!」
梨子「え、うん。千歌ちゃんの家の旅館が素敵なところだって聞いて、言ってみたいなあって話してたの」
千歌「うんうん!そうだよ!うちの自慢の料理でみんな笑顔になるし、デザートの内浦ミカンは格別だし、温泉は美肌と成長促進に効くし、露天風呂から眺める海の景色は絶景!一度遊びに来てよ!なんなら泊まって行ってくれるとウレシイなあ?」
梨子「お、お母さんと相談しておくね?」
千歌「今度の日曜はどう!?」
梨子「急にはちょっと…」
千歌「そこを何とか!」
曜「はいそこ、ストップ!千歌ちゃん自重しなさい」
千歌「ぐぬぬぬぬ…曜ちゃんどいて!梨子ちゃん誘えない!」
梨子「あはは……ごめんね?」
千歌「むぅ。わかったよう」
千歌「戦略的撤退!梨子ちゃん!約束わすれないでねー!」
曜「こらー!ぜんぜんわかってないでしょー!」
梨子「ぷくくっ……」
梨子「ううん。あんなに愉快な人が友達だと毎日が楽しそう」
曜「でしょう?」
梨子「うん♪」
梨子「あと、曜ちゃんってやっぱり正直者だと思う」
曜「ええ?さっき必死に千歌を騙す嘘を考えてたのに。だませてなかったけど」
梨子「正直者はウソをつくのが苦手です」
曜「…やめて!そういう褒め方されるの慣れてない!恥ずかしい!」
梨子「……曜ちゃんってカッコイイだけじゃなくて、かわいいと思う」
曜「いやー!ちょっとだまって!梨子ちゃん!おねがいだから!///」
梨子「正直者でかわいい曜ちゃんの私生活が知りたいな?♪」
曜「勘弁してー///」
梨子「海かあ……気持ちいいだろうね……」
曜「うん最高!とくに高飛び込みは好き!限界まで跳んだところから着水するまでの流れが、ウリャーーーーーーーーーーーー!て叫びたくなるくらいワクワクする!」
梨子「ぷくくっ…なにそれ。叫びながら飛び込む曜ちゃんを見てみたい」
曜「まー、叫ぼうものなら身体のバランス崩して水面に叩きつけられちゃうからやらないけどね」
梨子「あっ、そうなの」
曜「水面とぶつかると危ないよー。一時期は首が折れたんじゃないか、てぐらい首を痛めてたなー」
梨子「はぁー…たいへんだね……」
梨子「ええ!よければ今度の休日にも見せてくれる?」
曜「わたしは全然OKだよ。ほんとにそうしちゃう?」
梨子「うん!」
曜「そうかそうかー!千歌ちゃんにはわるいけど、梨子ちゃんの日曜日は曜がもらっちゃうね!」
梨子「やった♪」
曜「夜は内浦と東京の人で変わんないじゃないかな。漁師の人ならまた変わるけど」
梨子「暗い夜だと泳ぐのは危ないものね」
曜「そうそう。ただ果南ちゃんならたまに夜でもダイビングしてるよ」
梨子「まあ…!夜でもできるものなの?」
曜「ナイトダイビング自体は観光地でもやってる。内浦では商業じゃやってないんじゃないかな」
梨子「ナイトダイビング……素敵!」
梨子「あ、ううん。いいの、いいの。私は眺めていられればそれで満足しちゃうから」
曜「夜のダイビングを眺めるの?どこから?」
梨子「……あっ」
曜「いいじゃん。果南ちゃんといっしょに潜れば大丈夫」
梨子「んー……水中カメラならどう?」
曜「そこまでするなら潜ろうよ!」
梨子「でも私、運動苦手だから…」
曜「あっはっはっ。潜るだけならそこまで運動能力は求められないよ。ダイバーが支えてくれるし」
曜「果南ちゃんならお客さんに負担をかけずに案内するの慣れてるよ」
梨子「う、うん……考えておくね?」
曜(身体動かすのが得意じゃないのかー。千歌ちゃん、こりゃ梨子ちゃんのスクールアイドル化は望み薄だぞー)
曜「いやだから東京の人と大して変わらないって」
梨子「知らなきゃ変わらないかどうかわからないじゃないっ。もう」
曜「えぇぇ……ほんとにつまんないよ?」
梨子「いいの。聞かせて?」
曜「……夕食たべて、友達とネットで話して、お風呂入って、10時頃に寝る。おしまい」
梨子「ふむふむ。寝るのは早いのね。やっぱり朝早いから?」カリカリ
曜「そこ!メモしなーい!!」
梨子「あ、つい」
梨子「内浦の人の生活についてインタビューしてるようなものだから間違ってないんじゃないかな?」
曜「ぬっ……そうだけど。でもインタビューの相手がもっと限定されてるよね!?千歌ちゃんとか果南ちゃんにもインタビューするならわかるけど!」
梨子「う、うん…いつか訊こうかな……」
曜「んー……なんかあやしい…」
梨子「そんなことないよ。あっ曜ちゃん!そろそろお昼休みが終わっちゃう!教室に戻りましょう!」
梨子「そうなの?じゃあゆっくりお話しながら戻りましょうか」
曜「インタビューは勘弁してね」
梨子「うん。いっぱい楽しい話を聞かせてくれてありがとう♪」
曜「ふぅ。じゃあお礼代わりに梨子ちゃんの話も聞きたいな?」
梨子「わ、わたし?」
梨子「わたしの生活なんて退屈なだけだよ?」
曜「わたしもそう言ってたのに、誰かさんが話せ話せってせがんできたんだけどなー?」
梨子「ええと……ほんとにつまらないよ。曜ちゃんみたいに身体動かさないし。せいぜい絵を描いたり編み物したり料理したりピアノを弾いたり…」
曜「十分多彩じゃない!梨子ちゃんのピアノ、また聴きたいな!」
梨子「…!曜ちゃんがお望みなら、喜んで!」
曜「音楽室のピアノで演奏したらもれなく千歌ちゃんも付いてくるだろうけどね!」
梨子「あはは……そのときは曜ちゃんが千歌ちゃんの勧誘攻撃から守ってくれる?」
曜「はいはい、わかった。でもそんな扱い方したら千歌ちゃんが泣くよー?」
梨子「強引な千歌ちゃんがわるいの♪」
梨子「ふんっ、ふんふんふ~んっ♪」
梨子「ん~~♪ふふんふ~ん、ふんふん♪」
梨子「……ふう。こんなところかな?」
梨子「……わたなべ曜ちゃん。海でよく遊んで、高飛び込みが大好き」
梨子「……かっこいいな。東京にあんな素敵な娘、いなかった」
梨子「それに…曜ちゃんってば、自分自身のことを誉められるのに弱いんだ……恥じらって…かわいい♡」
梨子「私のできる範囲で曜ちゃんと親密になるには、これくらいしかないものね」
梨子「曜ちゃんに送り物をしたいな。いきなり送ったらびっくりされちゃうから、きっかけが欲しい」
梨子「そうだ。曜ちゃんが良ければ、お休みの日のお昼を作ってあげようかな?」
梨子「それとも……いっそのこと、これをプレゼントしようかな?喜んでくれるかな?」
梨子「わたしが想像して描いた、曜ちゃんの高飛び込みで飛ぶ瞬間の絵♪ウフフフッ」
梨子「なんてね。お話するようになったばかりなのに、こんなの贈ったら退いちゃうよ。無難にご飯を食べてもらって、曜ちゃんの胃袋を掌握しちゃえ♪」
梨子「ああ、楽しみ。早く日曜日にならないかな」
おしまい。
梨子ちゃんも都会暮らしよりこちらの方が落ち着いて勉強や趣味に時間を使う事が出来るから
結構充実した毎日を送って行けるのかもしれない
いつ曜ちゃんが襲われるのかとハラハラしてた俺は既に毒されている
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