【ラブライブ!】海未「ことりが可愛すぎるせいで作詞に身が入らない」ズーン

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2: ◆.JdQukOlf6 (庭)@\(^o^)/ 2016/01/16(土) 00:50:22.37 ID:/aSXrKwG.net

–部活後–
–帰路につく海未とことり–

ことり「今日は穂乃果ちゃんいつもより早く帰っちゃったね」

海未「そうですね、端午の節句なので、『穂むら』は忙しいみたいですよ」

海未「明後日くらいまでは『穂むら』の手伝いをするらしいです」

ことり「端午の節句か~、こどもの日だよね?」

ことり「ことり、『穂むら』の柏餅すきっ♪」

海未「ええ、私も好きです」

海未「『穂むら』が落ち着いた頃に買いに行きましょう」

ことり「うんっ、そうしよ~♪」

ことり「そういえば、海未ちゃんっ」

海未「なんです?ことり」

ことり「今日は、部活の最初の方の基礎練だけ参加して、あとは部室で歌詞を書いていたんだよね?」

海未「ええ、もう真姫が曲を作ってしまいましたからね」

海未「私も早く歌詞を書き上げないとと思い、今日は絵里と相談して、一人で歌詞を書いていました」

ことり「そうだったんだ、歌詞は出来そう?」

海未「うーん、なかなか筆が進まないですね……」シュン

海未「最初に曲の方向性を真姫と話し合ったのですが、全然イメージが湧かなくて」

ことり「確か、新曲はラブソングなんだよね?」

海未「ええ、前の曲が『友情ノーチェンジ』だったので、今回は恋愛の曲にしようと真姫と話し合いました」

ことり「『友情ノーチェンジ』、ことり好きだよ~♪」ワクワク

ことり「あの曲聞くと、ことり元気が出るんだっ!」ピョンッ

海未「ふふ、頑張って歌詞を書いた甲斐がありました」ニコッ

海未「そう言ってもらえると、私はもちろん、真姫も喜ぶと思いますよ」

ことり「次の曲も本当に楽しみっ」

海未(ことりが私と真姫の作る曲を楽しみにしてくれている……)

海未(いや、ことりだけじゃない、μ’sのみんなのためにも頑張って書き上げなくてはっ)キリッ

4: ◆.JdQukOlf6 (庭)@\(^o^)/ 2016/01/16(土) 00:51:08.97 ID:/aSXrKwG.net

–別れ際–

海未「ではまた明日」

ことり「うんっ」

ことり「ねえ、海未ちゃん」

海未「どうかしましたか、ことり」

ことり「ことり、『友情ノーチェンジ』の歌詞を読んで思ったの」

ことり「海未ちゃんの歌詞は、沢山の人の心を動かすことができるって」

ことり「どんなに落ち込んでいても、『友情ノーチェンジ』を聞くと、すぐに元気になれる」

海未(ことり……)

ことり「……ふうっ///」

ことり「えへへ、ごめんねっ、今からちょっと照れくさいことを言うから、後ろを向くねっ///」クルッ

海未「え、ええ」

ことり「海未ちゃんの歌詞はね、人の心の中にある『感情のボタン』を押してくれる」

ことり「きっと、そんな力があると思うんだ」

海未「『感情のボタン』?」

ことり「そう、『感情のボタン』」

ことり「『笑いのボタン』、『怒りのボタン』、『悲しみのボタン』、他にもたくさんのボタンが……」

ことり「人の心の中にはあるの」

海未「……」

6: ◆.JdQukOlf6 (庭)@\(^o^)/ 2016/01/16(土) 00:52:10.09 ID:/aSXrKwG.net

ことり「海未ちゃんの歌詞は、そういった『感情のボタン』を押してくれる」

ことり「現にことりは、『友情ノーチェンジ』を聞いたら、いつも『元気のボタン』が押されるんだっ♪」

海未「ありがとう、ことり……」ウルッ

海未「そう言ってもらえると、次も頑張ろうと思えます」

ことり「うん、だからね、海未ちゃん……」クルッ

ことり「海未ちゃんならだいじょうぶっ」パァッ

ことり「きっと次の曲も、素敵な歌詞を書けるよっ♪」ニコニコ

海未「こ……」

海未「……ッ///」ドキドキ

海未(『ことり、ありがとう』と言いたかったのですが……)ドキドキ

海未(振り向いたことりの顔は、夕日に彩られていて……、幻想的で……)ドキドキ

海未(いつもと違うことりの姿に、不覚にも息を呑んでしまいました///)ドキドキ

ことり「そ、それじゃあ、また明日ねっ!頑張ってねっ、海未ちゃんっ!」タッタッタッタ…

海未「え、ええ……」バイバイ

海未「……///」ポツーン

7: ◆.JdQukOlf6 (庭)@\(^o^)/ 2016/01/16(土) 00:53:47.77 ID:/aSXrKwG.net

–翌日帰り道–

海未(昨日は、家に帰ってから歌詞を考えてたのですが……)

海未(ことりの顔が事あるごとに脳裏をよぎってしまい、全く作業になりませんでした……)

海未(そして迎えた部活後の帰宅……)

ことり「今日も二人っきりだねっ」

海未「え、ええ」ドキドキ

海未(昨日のことりの言葉……)ドキドキ

海未(『きっと次の曲も、素敵な歌詞を書けるよっ♪』)

海未(昨日のことりの言葉とあの表情を思い出して、鼓動が早く……)ドキドキ

海未(私は、どうかしてしまったのでしょうか?)

海未(部活中も、ことりのことを思い出して、歌詞が思い浮かばなかった)

海未(何故だろう、昨日の去り際のことりを見てから……)

8: ◆.JdQukOlf6 (庭)@\(^o^)/ 2016/01/16(土) 00:55:04.47 ID:/aSXrKwG.net

–ポツッ、ポツッ–

ことり「あ」

海未「雨……?」

–サーッ!–

ことり「わわわわわっ、朝はあんなに晴れてたのに~」ヤンヤン

ことり「ことり、傘なんて持ってきてないよ~」アセアセ

海未「わ、私もですっ」

海未「とは言え、雨宿りできる場所なんて」キョロキョロ

ことり「近くの公園に、屋根付きのベンチがあったよねっ?」

海未「そうですね!そこまで急ぎましょうっ」

9: ◆.JdQukOlf6 (庭)@\(^o^)/ 2016/01/16(土) 00:56:15.88 ID:/aSXrKwG.net

–ベンチにて–

ことり「ふう、なんとか公園に着いた~」ホッ

海未「でも……」

–ザーッ!!–

ことり「この雨じゃ、帰れないね……」シュン

海未「濡れた体を拭かないといけないですね……」

ことり「あっ、そうだね、部活で使ったタオルで拭こうか」ゴソゴソ

海未「ふう、タオルがあったのは不幸中の幸いですね」ゴソゴソ

ことり「うんっ」フキフキ

海未「ふー」フキフキ

10: ◆.JdQukOlf6 (庭)@\(^o^)/ 2016/01/16(土) 00:57:19.98 ID:/aSXrKwG.net

–ザーザーッ!!–

ことり「雨、全然止まないね……」ショボン

海未「ええ……」チラ

海未(雨に濡れたことり……)

海未(湿気った髪、雨に濡れてことりの肌に張り付いた制服……)

海未(なんというか、とても艶っぽい気がします……)ドキドキ

ことり「くしゅんっ!」

海未「だ、大丈夫ですかっ」

ことり「えへへ、5月といっても雨に濡れると流石に冷えるね……」プルプル

海未(ことり、震えて……)

ことり「海未ちゃん、ちょっとくっついていい?///」

海未「え、ええっ!?」ビクッ

ことり「あ、嫌かな……?」シュン

海未「そ、そんなことはありませんっ」アセアセ

海未「風邪を引いたら大変ですし、い、いいですよ、ことり……///」

ことり「海未ちゃん、ありがとう~」ピトッ

11: ◆.JdQukOlf6 (庭)@\(^o^)/ 2016/01/16(土) 00:58:02.16 ID:/aSXrKwG.net

海未「ッ!」ドキッ!!

ことり「海未ちゃーん、あったかぁい♪」

海未「そ、そうですか……、ことりのお気に召してもらってよかったです、ハイ……」ドキドキ

ことり「うふふ、海未ちゃん変な言葉遣いになってるよっ」クスッ

ことり「『お気に召す』なんてっ」クスクス

海未「そ、そうでしょうか……」

海未(右肩に感じることりのぬくもり……)ドキドキ

海未(鼻孔をくすぐることりのにおい……)クンクン

海未(……)

海未(なんでしょうか……?この充足感は……)

海未(これが、恋心……?)

海未(私は、ことりに恋をしてしまったのでしょうか?)

海未(……)

海未(あなたに伝えたい、この気持ちを)

海未(でも口に出すことなんて……、出来るわけがありませんね……)

12: ◆.JdQukOlf6 (庭)@\(^o^)/ 2016/01/16(土) 00:58:46.65 ID:/aSXrKwG.net

–ヒュー–

海未(風が私達の間を通り抜けていく)

海未(この時期の風は生ぬるさと、わずかな湿気を含んでますね)

海未(……)

海未(……もし、もしも、私の気持ちが風になれば、あなたの耳に聞こえるでしょうか?)

海未(私は、あなたが隣にいるとすごく幸せです)

海未(心からそう思えます)ウットリ

海未(そう……、まるで夢の中にいる、よう、な……)スー

海未「……」コックリ、コックリ

13: ◆.JdQukOlf6 (庭)@\(^o^)/ 2016/01/16(土) 00:59:48.48 ID:/aSXrKwG.net

–10分ほど経って–

海未「……」スースー

ことり「……ふふっ」ナデナデ

海未「……」スヤスヤ

海未「……はっ!」パチ

ことり「あ、海未ちゃん起きた~」ナデナデ

海未「ことり?」

海未(どうやら私は、少し眠っていたようですね……)

海未(それにしても)

海未(なぜ、私はことりに頭を撫でられているのでしょう)

海未「こ、ことり……、なぜ私の頭を」

ことり「あっ、ごめんっ///」パッ

海未(あ……、ことりの手が)

ことり「最初はことりが海未ちゃんに寄りかかっていたんだけど……」

ことり「途中から海未ちゃんが寝ちゃって、ことりにもたれてきて……」

ことり「それで、眠りについてる海未ちゃんが気持ちよさそうにしてたから、つい……///」

海未「……っ!///」ドキッ

ことり「そ、そういえば、ついさっき雨も止んだんだよっ」

ことり「帰ろっか、海未ちゃんっ」スクッ

海未「え、ええ、そうしましょう……」スクッ

14: ◆.JdQukOlf6 (庭)@\(^o^)/ 2016/01/16(土) 01:00:59.07 ID:/aSXrKwG.net

–公園入口にて–

ことり「それじゃあ、ことりこっちだから」

海未「ええ」

ことり「また明日ね~♪」テクテクテク

海未「ええ、また明日」バイバイ

海未「……」チラ

海未(さっきまであのベンチにことりと二人で寄り添っていたのですね……///)ジー

海未(すごく素敵なひとときでした///)ポケー

海未(……)ジー

ベンチ『』ポツーン

海未(ですが)

海未(離れて見るベンチはよく見ると……)ジー

海未(屋根を形作る木材は古めかしく、ベンチのペンキは色あせていて……)

ベンチ『』ポツーン

海未「どこか物悲しい風景に感じますね……」ボソッ

15: ◆.JdQukOlf6 (庭)@\(^o^)/ 2016/01/16(土) 01:02:04.75 ID:/aSXrKwG.net

–その夜–
–海未の部屋–

海未(正直あんなことがあって、私の心は大いに乱れてしまっていますが///)

海未(それでも歌詞は書かねばなりませんっ!)キリリッ

海未「よし、頑張りましょうっ」フンスッ

16: ◆.JdQukOlf6 (庭)@\(^o^)/ 2016/01/16(土) 01:03:02.87 ID:/aSXrKwG.net

–1時間後–

海未「……ふふ、中学時代のことりは可愛いですね~」ポワポワー

海未「あ、修学旅行に行った時に3人で撮った写真だ」

海未「確かこの後、穂乃果が川に落っこちてしまうんですよね……」フフフ

海未「懐かしいなあ……」ホケー

海未「……」

海未「……ってなんでですか!?」ビシィッ!

海未「なぜ!私は!?」ドン!

海未「歌詞を書かないといけないのに!」ドドン!

海未「中学時代のアルバムを開いているのです!?」ズガーン!!

海未「ハア、ハア……」

海未「……」

海未「そう、何故か急にことりの顔を見たくなって……」

海未「それでアルバムを取り出して」

海未「5分だけ見ようと自分を制したはずですが」

海未「気づけば1時間も見てしまっていたっ!」ガーン

17: ◆.JdQukOlf6 (庭)@\(^o^)/ 2016/01/16(土) 01:04:09.22 ID:/aSXrKwG.net

海未「ことりが可愛すぎるせいで、作詞に身が入らないっ!」ズーン

海未「……」

海未(やっぱりそう、私はことりに対して友情だけでなく……)

海未(恋心を抱いてしまったのですね……)

海未(この気持ちが目覚めたのやはりあの時……)

海未(昨日の帰り際に、ことりに言われたことがきっかけだと思います)

海未(そして今日の、公園での一件を経て、この気持ちはどんどん膨らんでいる……)

海未(私がことりを想うように、ことりもまた私を想ってくれてはいるでしょうか?)

海未(……どれだけ考えても分かりませんね)

海未(十年以上一緒にいたあなたのことなんて、知らないところは無いと思っていましたが……)

海未(驕りでしたね)

海未(あなたの気持ちを知りたいです、ことり……)シュン

18: ◆.JdQukOlf6 (庭)@\(^o^)/ 2016/01/16(土) 01:04:54.86 ID:/aSXrKwG.net

–さらに翌日部活後帰り道–

海未(昨日あのあと夜中まで作詞していましたが、気づけば机に突っ伏して寝てしまっていました……)

海未(体を痛めてしまったのと、早く歌詞を書き上げないといけないので、今日は最初からずっと部室で作詞をしていましたが……)

海未(やはり駄目)ズーン

海未(私に作詞の才能なんてあるのでしょうか……)ショボーン

海未「……」テクテク

ことり「今日で最後だね」テクテク

海未「え、何がですか?」キョトン

ことり「二人で一緒に帰るの」

海未「あ……」シュン

ことり「穂乃果ちゃんには悪いけど、少し名残惜しい気もするなぁ」テヘヘ

海未「ことり……」ジーン

海未「わ、私もです……///」カアッ

ことり「ふふっ、たまには穂乃果ちゃんに内緒で二人で帰っちゃおっかっ?」ニコッ

海未「こ、ことりぃっ!?」ドキドキ

19: ◆.JdQukOlf6 (庭)@\(^o^)/ 2016/01/16(土) 01:05:55.66 ID:/aSXrKwG.net

ことり「えへへ、冗談だよ~♪」

ことり「そんなことしたら、穂乃果ちゃんが寂しがっちゃうよっ」

海未「もう、ことりったら……」ショボン

海未(そんなこと言われたら、『穂むら』がずっと忙しければいいのに、なんて自分勝手なことを考えてしまうじゃないですか)

ことり「あ」ピタッ

海未「ん?どうしたのですか立ち止まって」チラッ

海未「あ」ピタッ

–看板–
『本日、水道管の工事のため迂回をお願い致します』

ことり「仕方ないね、別の道から帰ろっ」

20: ◆.JdQukOlf6 (庭)@\(^o^)/ 2016/01/16(土) 01:06:43.22 ID:/aSXrKwG.net

–迂回路–

ことり「こっちの道は全然使わないよね」

海未「そうですね、単なる遠回りですし」

海未(少し帰る時間が長引きましたっ)

海未(工事に感謝せざるを得ないですね、これは)

ことり「もしかしたら何か新しい発見があったりしてっ♪」キョロキョロ

海未「ふふ、何となく穂乃果が言いそうなセリフですね」

ことり「あっ!」タッタッタッタ

海未「あっ、ことり」タッタッタッタ

ことり「わあ……」ジー

海未「どうしたのですか、急に走りだして」チラ

海未(おお、これは……、実に見事な花が咲いていますね)

海未(白に、オレンジ?、あとは青も咲いている)

ことり「うわぁ……、これ全部牡丹の花だよ~♪きれいだねっ♪」

海未「ふむ、これが牡丹なんですね?見たことはありましたが名前までは覚えていませんでした」

海未「でもことり、詳しいのですね」

海未「花を見てすぐに品種名が出てくるなんて」

ことり「うんっ、ことり牡丹の花はすぐに覚えたんだ」

ことり「たまたま見かけた牡丹の花に心奪われちゃって……」

ことり「ママに花の名前を聞いたら『牡丹の花』だよって教えてくれたのっ」

ことり「花言葉も教えてくれたよ」

ことり「『風格』と『恥じらい』だって」

海未「花言葉も覚えているのですか」

海未「感心します、ことり」

ことり「えへへ///」

21: ◆.JdQukOlf6 (庭)@\(^o^)/ 2016/01/16(土) 01:07:24.42 ID:/aSXrKwG.net

ことり「牡丹の花の花言葉ってさ」

ことり「なんだか海未ちゃんみたいだよね」

海未「え、ええっ!?」

ことり「だって海未ちゃんが弓を引いているときは、なんだか風格あるし」

ことり「かといって、短いスカートの衣装履くだけで顔真っ赤にして恥ずかしがるし」

ことり「ね?牡丹の花の花言葉は、海未ちゃんのこと言ってるみたいじゃない?」

海未「うーん、そ、そうでしょうか?」ウーン

海未(ことりの好きな花の花言葉が、私みたいだななんて……)

海未(すごく嬉しい///)

ことり「ところで、海未ちゃんはどの色の牡丹が好き?」

海未「えっ、そうですね~」ウーム

海未「どの色も素敵だとは思いますが」

海未「私が一際美しいと感じたのは、『白』でしょうか」

ことり「海ちゃんは『白』選びそうだなって思ってた♪」

海未「ふふ、ことりには隠し事できないですね」ニコッ

海未「ことりはどの色の牡丹が好きですか?」

ことり「う~ん、『青』の牡丹を初めて見て、これも素敵だなって思ったんだけど」

ことり「でも、やっぱりことりは『オレンジ』の牡丹が一番好きかな~♪」

海未「ほう、そうなのですか」

22: ◆.JdQukOlf6 (庭)@\(^o^)/ 2016/01/16(土) 01:08:10.21 ID:/aSXrKwG.net

海未「『オレンジ』も美しいですね、まるで太陽のようです」

ことり「うんっ、なんだか穂乃果ちゃんみたいだよね~」

ことり「ことりが昔見かけて、見とれちゃった時の牡丹がこの色だったんだ~」

海未「……ッ」ズキッ

海未(穂乃果みたいな『オレンジ』の牡丹、か……)シュン

海未(『オレンジ』が穂乃果なら)

海未(ことりに選ばれなかった『青』はさしずめ、私でしょうか)

ことり「……」ジー

海未「……ハッ」ビクッ

海未「ど、どうしたのですかことり」ニコッ

ことり「海未ちゃん、なんか悲しそう……」シュン

海未「えっ、べ、別にそのようなことは……」アセアセ

ことり「最近海未ちゃん、いつもと様子が違うこと多いから」

海未(えっ、き、気づいていたのですか)ドキドキ

ことり「やっぱり、作詞がうまくいかなくて悩んでるの?」

海未「そ、そうですね……」

海未「この2日間で1フレーズもできていないですからね……」

海未(実は作詞がうまくいかない以外の悩みもありますが……)

海未「私には作詞の才能なんか無いんじゃないか、そう思ってしまいます……」

ことり「海未ちゃん……」

ことり「……そんなことないよっ!」

23: ◆.JdQukOlf6 (庭)@\(^o^)/ 2016/01/16(土) 01:09:25.22 ID:/aSXrKwG.net

ことり「ことりが海未ちゃんに言ったこと覚えてる?」

海未(『海未ちゃんの歌詞は、沢山の人の心を動かすことができる』)

ことり「『海未ちゃんの歌詞は、沢山の人の心を動かすことができる』って」

海未「……」

ことり「海未ちゃんが自信を無くしそうなんだったら」

ことり「海未ちゃんの才能を心から信じていることりのことを信じてよっ」

海未「……っ!」

海未「こ、ことり」ジーン

ことり「海未ちゃんとことりは親友なんだから」

ことり「親友のことは信じられるよね?」

ことり「あ、またことりなんか照れくさいことを言っちゃった///」

海未「……ふふっ」

ことり「あー!海未ちゃんことりのこと笑ったー!!」ヤンヤン

海未「……いえ、ことりのことを笑ったのではありません」

海未「親友にここまで言わせる自分の不甲斐なさを笑ったのです」

ことり「な、そ、そんなこと……」

海未「言わせてください、ことり」

ことり「う、うん……」

海未「私は、恋の歌を書くことから逃げていたのかもしれません」

海未「ことりのように待っていてくれる人がいることを忘れて」

ことり「海未ちゃん……」

24: ◆.JdQukOlf6 (庭)@\(^o^)/ 2016/01/16(土) 01:10:24.30 ID:/aSXrKwG.net

海未「……」

海未「ことり」

ことり「な、何かな?海未ちゃん」

海未「私は今日、必ず歌詞を完成させます」

海未「そして曲ができたら」

海未「真姫以外のメンバーでまず、ことりに聞いてほしい」

海未(本当は一番にことりに聴いて欲しいですが、しかたない)

海未「その時に、私が抱えるもう一つの悩みをあなたに打ち明けます」

海未「こんな自分勝手な頼みを聞いてくれますか?」

ことり「もちろんっ!自分勝手なんかじゃないよっ♪」

ことり「海未ちゃんの悩みはことりの悩みみたいなものだよっ♪」

海未「ことり、ありがとう……」

25: ◆.JdQukOlf6 (庭)@\(^o^)/ 2016/01/16(土) 01:10:58.73 ID:/aSXrKwG.net

–夜、園田邸–

海未「ふ~、ようやく、ようやく書き上げることが出来ました」

海未(これまで全然歌詞を書けなかったのに)

海未(スランプから抜け出せたのは、あなたのお陰です、ことり)

26: ◆.JdQukOlf6 (庭)@\(^o^)/ 2016/01/16(土) 01:11:44.76 ID:/aSXrKwG.net

–次の日部活後帰り道–

穂乃果「こうやって3人で帰るのも久しぶりな気がするねー」

海未「ええ、、そうですね」ニコッ

ことり「ふふ、『穂むら』の手伝いは忙しかった?穂乃果ちゃん」

穂乃果「うー、大変だったよー」ダラーン

穂乃果「あ、そうだ売れ残りの柏餅が少しあるんだけど、食べていかない?」

ことり「えっ、いいの!?」

穂乃果「うん、いいよー♪傷んだら捨てちゃわないといけないし」

海未「今日買いに寄ろうと思っていたのですが、そういうことでしたらいただきに参ります」

海未&ことり「ありがとう穂乃果(ちゃんっ)」

穂乃果「えへへ、どういたしましてー」ペコッ

27: ◆.JdQukOlf6 (庭)@\(^o^)/ 2016/01/16(土) 01:12:55.05 ID:/aSXrKwG.net

–穂乃果部屋–

穂乃果「じゃあ柏餅持ってくるねー」バタン

海未「じゃあ、ちょうどいい機会なので」

ことり「新曲だねっ♪早く聞けるのを楽しみしてたんだ~」

海未「音楽プレーヤーを、っと……」ゴソゴソ

海未「はいどうぞ」サッ

ことり「ありがとう」ポチッ

ことり「えーっと、曲名は……」

28: ◆.JdQukOlf6 (庭)@\(^o^)/ 2016/01/16(土) 01:13:25.79 ID:/aSXrKwG.net

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『baby maybe 恋のボタン』
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ttps://www.youtube.com/watch?v=Pe-UnM-tk-k

※リンク先は音が出るので注意!
 URLはようつべで見つけた恋のボタンの動画です。

29: ◆.JdQukOlf6 (庭)@\(^o^)/ 2016/01/16(土) 01:14:15.17 ID:/aSXrKwG.net

海未(人は誰しも心に感情の数だけボタンを持っている)

海未(喜んだり、怒ったり、悲しんだりした時に押される感情のボタンが)

海未(それを私に教えてくれたのはあなたでしたね、ことり)

海未(今、私の心にはずっと押されたままの感情のボタンがあります)

海未(『恋のボタン』……)

海未(あの日、あなたに恋をしてからずっと押されたままのボタンです)

ことり「……」シーン

海未(ことりが目を閉じて真剣に、『baby maybe 恋のボタン』を聞いてくれている……)

海未(この曲は、『友情ノーチェンジ』の時のように、あなたの『感情のボタン』を押すことができるでしょうか?)

海未(少し不安ですが……)

ことり「~~♪」フンフン

海未(ふふ、すごく楽しそうに聞いてくれていますね)ニコッ

海未(これなら大丈夫ですね)ホッ

海未(この曲は、あなたへの恋心を綴った歌です)

海未(あなたは、私の『恋のボタン』を押したことに気づいていないでしょう?)

海未(私はあなたに恋をして、今とてもすごくうれしくて、楽しくて、そして切ないです)

海未(……)

30: ◆.JdQukOlf6 (庭)@\(^o^)/ 2016/01/16(土) 01:14:52.10 ID:/aSXrKwG.net

海未(きっと、あなたの心の中では私に恋する『恋のボタン』は押されていないでしょう)

海未(ことりが今聞いている曲が終わったら、私はあなたにこの心を打ち明けます)

ことり「……ふー♪」

海未「聴き終わりましたか?ことり」

ことり「うんっ!聴き終わったよ!もう~、海未ちゃんすごいっ」

ことり「歌詞も曲も最高だったよ~♪」

海未「それは良かった……」ホッ

ことり「そういえば海未ちゃん、この曲聞いたらことりに悩みを打ち明けるって言ってたよね?」

海未「ええ、聞いていただけますか?ことり」

ことり「う、うん……、ことりで頼りになるかなぁ」

海未(私があなたに告白したら)

海未(あなたは驚くでしょうか?喜んでくれるでしょうか?)

海未(それとも、怒ったり、悲しんだりしてしまうでしょうか?)

海未「いえ、今から話すことはことりにだけ聞いてほしいです」

ことり「う、うん、そういうことなら……」

海未(ただ私は、あなたにこの想いを伝えないで後悔したくない)

海未(ことり、私の『恋のボタン』を押してくれて本当にありがとうっ!)

海未(あなたの『恋のボタン』を押すために、私は今からあなたに伝えます)

海未「ことり……、驚かないで聞いてください」

海未「私は、あなたのことが、好きです……」

おわり