【ラブライブ!】花陽「はなよふかし」
- 2020.04.09
- SS

みじかく
花陽「花陽が夜11時をお伝えします」
花陽「…なんて。お伝えも何も、今は部屋に1人なわけなんですが」
花陽「今夜の花陽は、一味違います」
花陽「ふ、ふふふ…」
花陽「…今夜は!」
花陽「花陽、ワルになってみようと思います!」
花陽「…あ、ちょっとだけ、ですよ?そんな、危ないことなんてしません…」
花陽「つまりオトナの女性に近づいている…はず。なんですけど」
花陽「まだまだ周りの皆には…。なんというか、妹を見るみたいな目で見られてるなあ、って思うんです」
花陽「…悪い気はしないんですけどね?」
花陽「ですが、さっきも言った通り今夜の花陽は一味違います…」
花陽「そう!花陽は今夜、いわゆる『オール』をして、このまま朝まで起きちゃいます!」
花陽「ああ、なんて花陽は悪い子なんでしょう…。こんなのばれたら絶対に怒られちゃいます」
花陽「でも花陽、決めたんです!少しでもオトナに近づこうって!」
花陽「…」ドキドキ
花陽ママ「あら?まだ起きてたの?」ガチャッ
花陽「ぴゃあっ!?」ビクッ
花陽ママ「言われた覚えないんだけど…」
花陽「…そういえばそうかも」
花陽ママ「明日も練習と学校あるんでしょ?まだ寝ないの?」
花陽「あ、え、えっと…」
花陽「さ、最近気になってるアイドルがもうすぐテレビに出るの!」
花陽ママ「あら、今日は録画で済ませないの?」
花陽「ど、どうしてもリアルタイムで観てから寝たくて…」
花陽ママ「ふうん…」
花陽「…」ドキドキ
花陽ママ「観終わったら早く寝なさいね?」
花陽「!」
花陽「う、うん!うん!」コクコク
花陽ママ「それじゃあ、おやすみ」
花陽「お、おやすみ!」
花陽「…ふう」
花陽「びっくりした…」
花陽「ごめんなさいお母さん、今夜の花陽は悪い子なの…」
花陽「でも、もうお母さんも寝るみたいだし…」
花陽「これで!花陽の夜更かしを邪魔するものは何もありません!」
花陽「残り約6時間、花陽はワルの限りを尽くすことを誓います!」フンスッ
花陽「さて、何をしようかな?」
花陽「考えてみると、夜更かしをするにしても何をすればいいのかわからないや」
花陽「…部屋の掃除でもしてようかな」
ゴソゴソ…
花陽「…あ!こんなところに千円札が!」
花陽「ふふ…。いつ落としたのかはわからないけど、思わぬ収穫です」
花陽「机の下とかベッドの下とか、普段は見ないもんね」
花陽「掃除機に吸われる前に救出できて良かったです…」
花陽「この調子でどんどん片付けちゃいましょう!」
ゴソゴソ…
花陽「…あ、ここにもお菓子のゴミ…」
花陽「…さっきから、見つかるのは袋の切れ端とかのゴミばかり…」
花陽「いや、いいんだけどね?部屋が綺麗になるのは嬉しいし」
花陽「でも、最初にお金を見つけちゃった分、期待はずれな感じがします…」
花陽「掃除はここまでにしましょう」
花陽「…はっ!!」
花陽「夜更かししてまで掃除だなんて…全然ワルじゃありません!」
花陽「な、何かワルいことしなきゃ、えっと、ワルいこと、ワルいこと…」
ピピッ
花陽「ひゃっ!?」
花陽「…あっ」
AM00:00
花陽「ついに、日付が変わりました…」
花陽「…そっか、さっきの音はきっと時計の音だったんだね」
花陽「この時計は0時になったら音が鳴る機能が付いてるんだ」
花陽「こんな時間まで起きてたこと無かったから知らなかったけど…」
花陽「…この機能、いるのかなあ?」
花陽「早くも手詰まりです…」
花陽「こういう時は…どうすれば時間をつぶせるんだろう」
花陽「…そうだ!」
AM00:30
パラ…パラ…
花陽「…あ、これは遠足の時だね」
花陽「ふふっ…。凛ちゃん、はしゃぎすぎて小川に落ちちゃったんだっけ」
花陽「それで、花陽が大丈夫?って近づいたら花陽も落ちちゃって…」
花陽「2人でずぶ濡れになりながら帰って、お母さんに怒られたっけなあ…」
花陽「懐かしいなあ…」
花陽「これです!!これこそオトナの振る舞い!!」
花陽「静かな夜、1人きりの部屋、光源は机の明かりだけ、憂いを帯びた顔でアルバムをめくる…」
花陽「…完璧です!!」
花陽「あとは、なにがあるかな…」
花陽「…ベランダに出て、少し悲しそうな顔で空を見上げるとか?」
花陽「~~~っ!!」
花陽「どうせならベランダで時間をつぶしちゃいましょう!」
花陽「ココアとかあったらあったかいかな?」
花陽「起こさないように、抜き足、差し足、忍び足…」
花陽「えっと、牛乳…」ガチャッ
花陽「…あっ」
花陽「コーヒー…」
花陽「…」ゴクリ
花陽「牛乳に混ぜれば、そんなに苦くない…よね?」
カララッ
花陽「…さぶっ」ブルッ
花陽「うう、ブランケット羽織ってきて正解でした…」
花陽「…座っちゃお」ストン
花陽「そして、だいたい1:1のカフェオレ…」
花陽「そのお味は…」コクリ
花陽「…げえっ」
花陽「こんなの飲みきれないよぉ…」
花陽「…ううん、これを飲まなきゃオトナとは言えません」
花陽「飲まなきゃ…」コクコク
花陽「…げええっ」
AM01:30
花陽「なんとか飲み終えました…」グスン
花陽「もう当分あの液体は飲みたくありません…」
花陽「…そろそろ部屋に戻りましょう」
花陽「…ふあぁ」
花陽「…はっ!?」
花陽「ち、違います!!眠いなんて、これっぽっちも思ってませんから!!」ブンブン
花陽「日が昇るまであと5時間ちょっと、ここを耐えれば花陽の勝ちです…」
花陽「…」ブルルッ
花陽「…」チラッ
花陽「…」
花陽「ちょっとだけ、あっためるだけ…」
モソモソ
花陽「はあぁぁぁ…」ヌクヌク
花陽「もうこのままでもいいかも…」
花陽「このまま朝までこうしていましょう…」
花陽「スマホでネットサーフィンしてれば、当分寝ない…よね」
花陽「…暗い部屋でスマホ見続けるなんて、花陽は、悪い子、で、す…」
花陽「…zzZ」
花陽「…ぅ」パチリ
花陽「んぅ…」モゾモゾ
花陽「…」ボー
花陽「…はっ!?」
花陽「い、今何時!?」バッ
AM07:00
花陽「あっ…」
花陽「寝ちゃい、ました…」ガクリ
花陽「はあ…。もう一眠りしよう」モソモソ
凛『かーよちーーんっ!!』
花陽「…ふぇ?」
花陽「凛ちゃん…外から?」
凛「あっ、かよちん!」
真姫「え?どこ?」
凛「上!ベランダ!」
真姫「あ、花陽。…まさに寝起きって感じね」
花陽「2人とも…。こんな朝早くからなあに…?」
凛「かよちん、今日まだ木曜日だよ?」
真姫「練習。まさかサボる気?」
花陽「…」
花陽「…あ」ハッ
花陽「ああああーーーっ!!!」
真姫「まったく…」
花陽「ちょ、ちょっと待ってて!すぐ行くから!」ドタドタ
花陽「うう、もう夜更かしなんて二度としません…」
花陽「あっ、朝ごはん食べる時間…無いよね」
花陽「花陽の、エネルギー源…」ガックシ
花陽「…誰か助けてええぇぇぇ!!」
おわり
みんな早く寝ようね。
では。
乙
乙です
なにやってもかわいい
乙です
乙
オールナイトに失敗するかよちんかわいい
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