【ラブライブ!】希「うちの目に映る大切な人」
- 2020.04.10
- SS

凛「う、うん!が、頑張るね!かよちん!皆!!」グッ
綺麗な純白のウエディングドレスを身に纏っている凛ちゃんが皆に微笑む。
うちらは今日の主役の凛ちゃんに合わせてのタキシード姿。
普段と違ってとっても女性らしく、今一番この中で誰よりも可愛い凛ちゃん。
……のはずなんやけど、今うちの目に映ってしまうんは……。
タキシード姿の絢瀬絵里やった。
真剣な目をして自分の衣装を最終チェックしとる。
白い手袋をくわえて片方の手袋を伸ばしてる。
絵里ちが真剣な目で鏡を見てるときは大体……。
絵里「ひゃっ!?の、希!?な、何よ……びっくりしたじゃない……」フウ
希「何や、緊張してたん?」
絵里「別に……緊張なんか……」
希「絵里ち、顔怖いよ?」
絵里「……むぅ」
希「大丈夫やって!そんな緊張せんでも!うちらはおまけや!」
希「今日の主役は凛ちゃんなんやから!しっかり目立たせてあげんと!」
本当は嘘。
うちもめっちゃ緊張しとる。
絵里ちの前だからこうやって笑顔でいられるんやけど
一歩外に出たら多分、立てない。
何度も何度もステージに立ってきたけど、この瞬間だけはだめや……。
手が震えて……足も震えてくる……。
ガシッ!
急に絵里ちがうちの手を強く握り締める。
絵里「希、もしかして緊張してる?」ニヤリ
希(ぐっ……しもうた……)
にこ「ちょっと!いつまで遊んでんのよ!!」
真姫「もう凛と花陽の準備もできたんだから、早く行きましょ」
希「あ、うん……」グイッ
希「おっと、え、絵里ち?」
俯きながら呼吸を整えた絵里ちはうちを見て
絵里「……大丈夫ね。さあ、行きましょ」
希「……うん、うちはもう大丈夫や」
絵里ちも緊張してたんやね。
わかってたけど、自分の事よりもうちの事を優先してくれるあたり。
流石だな。って思っちゃうんよ。
凛「希ちゃーん!絵里ちゃーん!早く行こうよー!」
花陽「楽しみだね!凛ちゃん♪」ニコニコ
凛「うん♪」ウキウキ
凛ちゃんも花陽ちゃんも涙を流しながら凄い喜んでたなぁ。
その一方でうちと絵里ち達は遠くでそれを微笑んでたんや。
ふふっ、いいなぁ。ウエディングドレス。
純白のドレスを着て自分だけのステージを歩く。
そして、最後は誓いの言葉を言って……
……て、何考えてるんやろ?
でも、もし……もしやで?
その相手が絵里ちなら、悪くないって思うんよ。
だって……ん?なんでだろ?
希「そうやなぁ……って、もうこんな時間!?」
希(思ったより片付けが長引いてしもうてうちらだけになってしもうた)
絵里「希?まだ??」
希「今行くよー」トコトコッガッ!
希「ふぇ?」グラッ
絵里「希!!」ダッ
何かに躓いたと思ったら床がどんどんとうちに近づいてくる?
あ、これ。やばっ……
ガシッ!!
希「え?あ、うん。な、なんとか」
絵里「本当に?怪我はないのよね?」キョロキョロ
希「だ、大丈夫やって……」
絵里「はぁ、よかったぁ……」ホー
希「もう心配性やなぁ絵里ちは」アハハ
絵里「もう、希だから心配したのよ……」
希「え?」
絵里「あ、いや!希ってボーっとしてること多いでしょ?そ、それでね!」
希「そ、そうなんかなぁ?」
絵里「ま、まあ無事ならいいわ。さあ帰りましょ」
希「あ、うん……うん?」
絵里ちの差し出した手を握ると若干だか震えているのがわかる。
それに妙に汗ばんでいた……。
なんでやろ……凄く嬉しい。
嬉しいけど……この優しさがうちには辛い。
うちはどうするべきなんだろう……。
絵里ちはうちの事をどう思ってるんやろ?
友達?親友?μ’sの仲間?それとも……恋人?いや、それはないか。
そんなことをずーっと考えていたらいつの間にか1週間ぐらい過ぎたりしている。
希「ポケー」
海未「……最近、希の様子がおかしくないですか?」
穂乃果「うん……なんかずっと考え事してるというか上の空というか?」
ことり「大丈夫かなぁ……ちょっと聞いてくるね」
海未「はい、お願いします」
希「ん?ことりちゃん?どないしたん??」
ことり「さっきからぼけーっとしてるから……何かあったのかなって」ニコッ
希「ああ、大丈夫大丈夫!うちは元気やから心配せんでも平気だよ!」ニッコリ
ことり「そう?んーならいいかな?」
ことり「何かあったら相談してね♪」ニッコリ
希(うぅ……あかん、ことりちゃんにバレとるかも……)
ことり「うーん、希ちゃん自身はなんでもないって」
穂乃果「希ちゃん自身は?」
ことり「うん、だけどあれは何かあるね♪」ニヤリ
穂乃果「こ、ことりちゃんが悪い顔してる……」ゴクリ
海未「え、ええ……あんなことりの顔を見るのは久しぶりですね……」
ことり「ふふっ♪希ちゃん、隠しててもことりにはわかっちゃいました♪」
海未「?」
穂乃果「?」
海未「あ、はい……」
穂乃果「すっごい、目がキラキラしてたね……」
海未「はい……こんなことりを見るのも久しぶりな気がしますね」
穂乃果「そうだねぇー、小学校以来だよね?あんなことりちゃん見るの」
海未「ええ、あの頃は人形の様に色んな服を着せられてましたね」
穂乃果「だねー」
希「ん?またどうしたの?ことりちゃん」
ことり「んー?あのね、遠くから見てても希ちゃんが悩んでるのがわかってね」
希「うっ……ま、まあそんな気にするようなことやないよ」アハハ
ことり「うーん?」ジー
希「ど、どうしたん……?」
ことり「希ちゃん」
希「な、なに?」
ことり「絵里ちゃんが見てるよ?」
希「え!?」ビクゥッ!
希「……あ」
ことり「♪」ニンマリ
希「だ、誰にも言わんといて!///」アセアセ
ことり(真っ赤な希ちゃんかわいいです♪)
ことり「大丈夫だよ!誰にも言わないから安心して!」
希「う、うん……///」
ことり「それで、どうしてため息ばっかりついてたの?」
希「う、うーん……何というか絵里ちを見てると胸が詰まるというか……」
ことり「うんうん♪」
希「すっごい楽しんでるねことりちゃん……」
ことり「いいからいいから、ことりに構わず続けてください♪」
希「うーむ……ま、まあええか」
希「そ、そんでな?前なんやけど、転んで倒れそうな時、すぐにうちを守ってくれたんや……///」
ことり「それがかっこよくて惚れちゃったんだね!」
希「こ、ことりちゃん……声、大きい///」
ことり「あ、ご、ごめんね……」
ことり「うーん、普通にしてあげるのが一番じゃないかなぁ?」
希「で、でも……うち、絵里ちの顔見るだけで顔が赤くなってしまうんよ?」
希「そ、それで絵里ちに気づかれてしもうたら……引かれちゃう……」
ことり「それは大丈夫だと思うけどなぁ……」
希「そう……かなぁ?」ウワメ
ことり「の、希ちゃんだめだよ!!そんな顔しちゃあ!!///」
希「へ??」
ことり「と、とりあえずことりに任せて下さい!//」
希「え?あ、うん……?」
うちはことりちゃんに生徒会のお仕事のお手伝いを頼まれて生徒会室来たんやけど。
ほとんど海未ちゃんの完璧な指示と行動力のおかげで作業はスムーズに進んでいる。
まあ、流石は海未ちゃんやなーとか思いながらもその光景をぼーっと眺める。
でも、これならうちはいらんやろ?
と思ってことりちゃんに聞いたら、居て下さい!って言うからうちは残ることに……。
穂乃果「……」カリカリカリ
海未「では、次ことり。これを分けといてくださいね」ヒョイ
ことり「はーい♪えーっと、こっちは許可で……こっちは却下だね……」
海未「それにしてもやはり生徒会の仕事は大変ですね」フー
ことり「そうだね、絵里ちゃんも希ちゃんもよくμ’sの活動と一緒にできたね♪」
希「ポケー」
海未「……ふむ」
ことり「これは重症だねぇ」
海未「果たして本当にこの状態を治せるのですか?」
ことり「うん♪ことりに任せて下さい海未ちゃん♪」ギュッ
海未「こ、こら//」
穂乃果「……」ジー
海未「あ、ほ、穂乃果!て、手が止まってますよ!」
穂乃果「ふん!」カリカリカリ
海未「あ、うぅ……」シュン
ことり(こっちも大変そうだね♪)
穂乃果「終わるもん」
海未「少し手伝いましょうか?」
穂乃果「いいもん」
海未「うぅ……穂乃果ぁ」
穂乃果「知らないもん」
希「ぽけー……」
ことり(……な、なんか凄い光景だなぁ)
ガチャッ
絵里「お待たせ。どう?進んでる?……ってどういう状況なのこれ?」
ことり「うーんと話すと長くなるけどいい?」
絵里「なら簡潔に話して頂戴」
絵里「まとめなくても簡潔だったわね」
穂乃果「あ!絵里ちゃーん!ここ教えて欲しいなー♪」
絵里「え?いや、海未がいるじゃない……」
穂乃果「えー……」ジトー
海未「うぅぅ……」
絵里「はぁ……ごめんなさい穂乃果。今日は遅くまで居られないから海未に見てもらって?」
穂乃果「えー……うん、わかった」
絵里「いい子ね穂乃果は」ヨシヨシ
穂乃果「えへへー♪」クゥーン
海未「……」ジー
絵里「おっと、じゃあ私は希を迎えに来ただけだから」
海未「そうですか。穂乃果、ここは私が教えます。いいですね」
穂乃果「……わかった」ムスッ
希「ポケー……」
絵里「……おーい、希ー?」
希「んー?絵里ちが見えるー?……絵里ち?」
絵里「そうよ?どうしたのよ……」
希「ちょ!?な、なんでここに絵里ちがいるの!?」ガバッ
絵里「な、何よ……私がいたら悪いわけ?」ビックリ
希「え!?い、いや……そういうんじゃなくて……」モジモジ
絵里「?」
海未「あ、もうそんな時間でしたか……では、一旦このぐらいにして帰りましょうか穂乃果」
穂乃果「……わかった」ムスー
海未「いつまで拗ねてるんですか……」
穂乃果「いいもん!ことりちゃんの事ばっかだもんね!」フーンダ
海未「ほ、穂乃果!!」
穂乃果「ふん!帰ろう、絵里ちゃん!希ちゃん!ことりちゃん!」
希「え?あ、うん!」
絵里「ほら、落ち込まないで海未。すぐ仲直りできるでしょ?」ヨシヨシ
海未「うぅ……穂乃果が意地悪に……」グスン
ことり「あ、あはは……ご、ごめんね?海未ちゃん……」
絵里「ん?どうしたの?」
穂乃果「何処か寄って帰ろうよ!お腹すいちゃったー」エヘヘ
海未「だ、だめですよ!もう遅い時間なんですから真っ直ぐ帰りますよ!」
穂乃果「……ぶぅ」
海未「うぅ……どうしたら機嫌を直してくれますか?」
穂乃果「……今日、うちに泊まってくれたら許す……かも」
海未「ほ、本当ですか!」
穂乃果「……た、多分だからね!///」
海未「は、はい!」
絵里「あっちもなんとか収まったみたいね」
希(収まったのかなぁ?)
絵里「じゃあ、私と希は寄る所があるからここで失礼するわね」
希「ふぇ!?」
ことり「あ、うん♪じゃあね、絵里ちゃん!希ちゃん」ニコニコ
希「ちょ!ま、待って!!」
絵里「じゃあ帰るわよ希」グイー
絵里「……」
希「……チラッ」
絵里「……はぁ、どうしたの?」
希「ビクゥッ!?」
絵里「な、何よ……驚きすぎよ希」ビックリ
希「う、うん……ごめんね///」
絵里「大丈夫?最近調子悪そうに見えるけど……あ、そうだ!ねえ希!」
希「なんや?絵里ち」
絵里「今日、希の家に泊まりたいんだけど……いい?」
希「ふぇ?///えええ!?///」
絵里「いいかしら?」ニコッ
希「か、かまへん……けどぉ」
絵里「ふふっ♪じゃあ決まりね♪」
希「うちに着いた途端にぐうたらになるのやめんかい」ハァ
絵里「いいじゃない別に」グデー
希「はぁ、まあええけど……じゃあ適当におうどんさんでも作ろうかなぁ」
絵里「うどんね!楽しみだわ♪」
希「まあうちはそれぐらいしかできへんけどね」
絵里「あら?そうなの?」
希「うん、だから結構簡単な食事で済ませたりしとるんよ?」
絵里「希」
希「なんや?絵里ち」
絵里「……今日の食事は私が作るわ。あなたはそこで待ってなさい」キリッ
希「あ、うん……?」
希(な、なんやろう……まあ絵里ちのお手製食べれるならええかな?)
希「もう、なんよ?」
絵里「あなた、本当に簡単な物しか作らないのね……」
絵里「冷蔵庫の中身、ほとんど空っぽじゃないの」
希「あ、あー……今日買いに行こうと思ってたんよ」
絵里「……本当?」
希「ほ、ほんまよ?」
絵里「そう?……そうだ!なら、今から一緒に買いに行きましょうよ!」
希「え?うーん」
絵里「どうせ買いに行くんでしょ?ならついでよついで」
希「そうなんかなぁ……色々買うし高くなりそうやん……」
絵里「大丈夫、私もしっかり出すからほら、行きましょ!」
希「え、絵里ちー……ちょいこれ買いすぎなんじゃないの?」
絵里「そうかしら?まあ、冷蔵庫空っぽなんだしそれぐらいあってもいいんじゃないかしら」
希「そ、そうなんかな?」
にこ「なわけないでしょ」
希「おわっ!?にこっち!?」
にこ「買い物に来てたらあんたらがいたから話かけようとしたんだけどさ」
にこ「なんなのこのカゴに入れてあるいろんな物は……」
絵里「今日、私が希の家で料理を作るのよ!だから、その為の材料をね」
にこ「……参考までだけど、何作る気なのよ」
絵里「え?そ、それは……」
にこ「はぁ……ほら、耳貸すから小声でね」
絵里「流石にこね!」
絵里「……」ボソボソ
にこ「……は?なら、こんなにいらないじゃない!」
絵里「え?」
にこ「後これは高いからこっちの方がいいでしょ?」
にこ「お肉はこっちの方がおいしいのよ!もう!!」
絵里「あ、あらー……」
希「お、おぉ……にこっちが主婦しとる……」
にこ「に、にこにーはアイドルなんだからこんぐらい出来て当然なの!ふん!!」
希「うん、まっとるよ」
絵里(大丈夫……あの後、しっかりにこにレシピもおさらいしてもらったわ!)
絵里「待っててね!希!」グッ
希「絵里ち、声でとるよ?頑張ってね」
絵里「……今作るわ」
希(今、うちの後ろには制服にエプロン姿の絵里ちがキッチンに立っています)
希(あのポニーテールをユラユラ動かしながら鼻歌を歌ってます)
希(……か、可愛い///)
絵里「どうかしら……んー、いい感じね!」
希「んで?何作ってたの?」
絵里「ん?ボルシチよ」
希「おぉ、あのロシア代表料理の!」
絵里「何よそれ」クスクス
絵里「あとは簡単にサラダの盛り合わせとあとはライスよ!!」バーン
希「普通にご飯っていいなよ……絵里ち」
絵里「い、いいじゃない……//」
絵里「どう?どう!?」グイグイッ
希「うん、おいしいよ」ニコッ
絵里「そ、そう!よかった……」ホッ
希(凄いほっとしたような顔やなぁ……ふふっ、やっぱり絵里ちはかわええなぁ)
絵里「まだまだあるからたくさん食べて!」ニコニコ
希「うん♪」
絵里「ふふふ♪」
希(おいしいのはほんまやけど、一番は絵里ちの笑顔が見れたことが一番かな)
希「絵里ち、マ○オカートはそんなに力入れんで落ちついてやらんとー」
絵里「だ、だって!私始めてよ!?そ、そんなに落ち着いてできないわよ!」アセアセ
希「ふふふ♪それもそうやね♪」
絵里「あ、やったわ!一位よ!希♪」パァー
希(50ccのキノコカップやで?一位取れて当たり前や)クスクス
絵里「ハラショー!良く頑張ったわね!マ○オ!」パァー
希(まあこの笑顔が見れただけで十分やな)ニコッ
絵里「ん?何よ、さっきからじっと見ちゃって?」
希「んや、絵里ち可愛いなぁーって」
絵里「ちょ///きゅ、急に恥ずかしい事言わないでよ……もう///」
希「うちは思ったことを……!///」ハッ!
絵里「ちょ、ちょっと……希まで赤くならないでよ……」
希「ご、ごめん……///」
絵里「もう、どうしたのよ今日は?」
希「な、なんでもあらへんよ……///」
絵里「?」
希「あ、うん」
絵里「じゃあ、お先に」ガチャッバタン
希「ほーい」
希「……」ペラッペラッ
希(あれ?今考えたら絵里ちの生入浴シーンやないの!?///)ボッ
希(ちょ、ちょっと見てみたいかもしれへん……)
希(……)
希(よ、よーし……ちょ、ちょっとだけ覗いてみようかな……//)
ガチャッ!
希「ビクゥ!?」
絵里「な、何驚いてるのよ……」ビックリシタワー
希「は、早くない???絵里ち」
絵里「そりゃそうよ、お湯張ってないからシャワーで済ませたわよ」
希「あ、そう」
絵里「?」
希(そうやった、うちお風呂入れんの忘れてた……)
絵里「そうだ!今からお風呂入れましょうよ♪」
希「え?」
絵里「よーし!綺麗にするわよー!」
希「いや、絵里ちはシャワー浴びたんだし汚れることはないんやないかなぁ?」
絵里「いいのいいの♪」ゴシゴシ
希「ふうーん?」
絵里「さあ流すわよ」
希「ほいほい」
絵里「……」ニヤ
絵里「あー!ごめーん!手が滑ったチカァ!!」ジャー
希「わっぷぅぅ!!!!」バシャー
絵里「い、いやー失敗しちゃったわぁ……ご、ごめんね希?」
希「え、絵里ち……」グッショリ
絵里「あ、は、はい……」
希「絵里ちのばかああああああああ!!!!」ウガー
希(濡れたままだといけないという事で何故か絵里ちとお風呂に入ってます)
絵里「の、希ぃ……まだ怒ってる?」
希「……ふん!」プイッ
希(まあ、怒ってると言えば怒ってるんやけど……)
希(そ、それよりも絵里ちの生入浴が目の前に……///)
絵里「本当にごめんなさい!ただ、こうしないと私の顔をしっかり見てくれないって思ったの」
希「別にこんなことしなくてもうちは見てるよ?」
絵里「そうね。いえ、そうよね」
絵里「じゃあ、今しっかりと私を見れる?」ジッ
希「え?」
絵里「ジー」
希「……」メソラシ
絵里「ほら、やっぱり」
希「う、うぅっ……///」カァー
絵里「どうしたの?何か私、希にしたかしら?」
希「してないよ!!……してない……けど……///」
絵里「……まあ言いたくないならいいわ」ザパァ
希「あ……」
絵里「何してるの?早く上がりなさい。頭洗ってあげる」
希「な、なんか楽しそうやね?」
絵里「そうかしら?まあ希の髪の毛が多いから洗ってて楽しいのよ♪」ワシャワシャ
希「さっきまで怒ってたやん」
絵里「怒ってないわよ」
希「嘘、怒っとる」
絵里「しつこいわよ」
希「絵里ちこそ、怒ってたんやろ?」
絵里「……」
希(あ、やば……)
絵里「ふん!!」ワシィ!
希「うひゃああああ!?」ビクゥッ!!
絵里「……何?まだ何か言う気?」ニマー
希「な、何のこと……」
絵里「まだ言うつもりなら!ワシワシよ!!」ワシワシ
希「ひゃああああ!!//だ、だめぇ!//あ、あかんって絵里ちぃぃ!///」ワシワシ
絵里「くっ……わ、私より大きいなんて悔しいわね……」ワシワシ
希「……んくっ////あ、あんっ///」ビクンビクン
希(あ、あかん!変な声出てまう……///)
絵里「はい、これで私の怒りは収まりました」パッ
希「はぁはぁ……//ほ、ほんま?」
絵里「ええ、本当よ」ニコッ
絵里「ええ、ありがとう」
希「さっきはごめんね絵里ち……」
絵里「……ねえ希、許して欲しいのよね?」
希「え?う、うん……だって……ね?」
絵里「そう」
ガシッ!!
希「ふぇ?わっ!たった!!え、絵里ち!?」グイー!
絵里「……」タッタッタ
バンッ!!
希「ちょ!う、うちの部屋のドアくらい静かに開けてや!」
絵里「ちょっと静かにしなさい」グイッ
希「きゃん!」ドサッ
希「な、え!?」
絵里「しっかり私を見なさい。希」グイッ
希「!!?////」
希(な、なんでうちのベッドに放り出されて、思いっきり顔を近づけられてるん?!)
希(あ、あかん!うちの頭おかしくなってしまう!!////)アワワワワ
希「な、なんよ?///」
絵里「なんで私から視線を逸らすの?」
希「え?」
絵里「あなた最近だけど、私から視線を外すわよね?なんで?」
希「そ、それは……///い、言いたくない///」
絵里「だめよ、逃がさないわよ」グイッ
希「あ、あかんって、袖が伸びちゃう……///」
絵里「伸びれば良いわ」
希「いや、うちが良くないと言うか……いやだなーって……」
希「……チラッ///」
絵里「今私がどんな顔してるかわかる?」
希「う、うん///」
絵里「それで?どういう顔してるかしら」
希「……怒ってる」
絵里「正解よ」
絵里「なんで、私を見てくれないの?」
希「……絵里ちの顔見とると頭がクラクラするんや……///」
希「それに顔も赤くなっちゃうし……引かれるって思ったし……///」
絵里「……そんなことだったの?」
絵里「実はね、私もあなたの顔を見ると頭がクラッてするのよ」
希「え?」
希「そ、それは……ど、どういうこと??」
絵里「あなた自身を見ると気持ちを抑えるの精一杯よ」ハァ
希「そ、それって……どういう……」
絵里「私はあなたが好きって事よ」
希「」
絵里「本当に感謝してるわよ……希」ギュ
希「絵里ち……」
絵里「それに私から視線を逸らすなんてひどいじゃない」
絵里「あなたから視線を逸らされるたびに傷ついてたのよ?」
希「……うん、ごめんね」
絵里「それで?お返事をお聞きしたいのですが?」ニコッ
希「……///」
絵里「あら?だんまり?ここまで聞いといてそれはないんじゃない?」
希「う、うちも……うちも絵里ちの事が好きや!///」
絵里「あら」
希「う、うちも絵里ちの事見てるとすぐ傍にいてほしい思ってしまう……//」
希「だ、誰のとこにも行かずにうちだけを見て欲しいって思ってしまうんよ!!///」
絵里「ふふっ、それはハラショーね♪」
絵里「なら、これからはずっと一緒よ……希」ギュー
希「絵里ち……うん、うちもう離れんから……離さないでね」ギュ
希「あ、あはは///」
にこ「まーいつかはこうなるとは思ってたけどねー」キョウミナシ
花陽「オツキアイシチャッタノォ!?」」
凛「わーい!希ちゃーん!絵里ちゃーんおめでとうにゃー!!」
真姫「まあ問題が一つ解決してよかったわね」カミノケクルクル
海未「はい、これでしっかりと練習に身が入りますね!」
希「あれ?そういえば穂乃果ちゃんとことりちゃんは??」
海未「え、えーっと……穂乃果はちょっと早退で……ことりはもうすぐ来ますよ」
希「早退??」
バンッ!!
ことり「希ちゃん!絵里ちゃん!!すぐ講堂に来てください!!」
絵里「へ?」
希「うちら??」
彼女がこんなに行動的になるときは決まって衣装関係だろうなあと思うんだけど……。
今日はそのレベルが違っていた。
希「……ね、ねえことりちゃん?」
ことり「なんですか~希ちゃん♪」
希「なんでうちが通された部屋に……こ、これがあるんや?」
目の前には純白のウエディングドレス。
うちは一瞬その眩しいほどの白さに見惚れてしまった。
きっと、うちはこれを着せさせられる。
ことり「これは今日の為にことりが頑張ってつくりました!!」
希「え?い、一日で!?」
ことり「うーん、本当はねライブとかで使うかなーって思って色んな衣装を作ってたんだ」
ことり「そのときにウエディングドレスの衣装も作ってあったんだぁ♪」
ことり「でも、元々はことり基準で作ってたから希ちゃんのサイズに直すに時間が掛かっちゃってね」
希「う、うちのサイズとか調べてないのに?」
ことり「衣装を作るときのサイズを参考にしてるから大丈夫だよ」ニコッ
希「わ、わぉ……」
ことり「じゃあ、早速♪」
ことり「お着替え開始しましょー!!♪」ガバー
希「ひゃあああああ!!?」
穂乃果「だねぇー」
絵里「それと穂乃果、あなた早退してたんじゃなかったの?」
穂乃果「え?何それ??」
絵里(……海未なりの嘘ってわけね……)
絵里「というかなんで急にタキシード着せられてるのよ私」
穂乃果「え、えーっと……ほ、穂乃果まだ絵里ちゃんのタキシード姿見てないし!」
絵里「写真で見せたじゃない……」ハァ
穂乃果「うっ……」
絵里「……多分、言いたくない理由があるのね」キュッ
穂乃果「ううん」
絵里「?」
穂乃果「言いたくないじゃなくて、言えないんだよ」
穂乃果「すぐわかるから穂乃果の口からは絶対に言えないの」ニッコリ
絵里「……そう、わかった。何も聞かないわ」フッ
絵里「どう?おかしい所あるかしら?」
穂乃果「ううん、完璧!かっこいいよ絵里ちゃん」ニコッ
絵里「かっこいいね……。一応、私も女の子よ?可愛いがいいわ」
穂乃果「そっか……えへへ」
<ファイトダヨッ!ファイトダヨッ!
穂乃果「あ、ことりちゃんからメールだ……」ピッ
穂乃果「よし、じゃあ希ちゃんも準備できたみたいだから……行こう!絵里ちゃん!」
絵里「……ええ」
うちは海未ちゃんに手を引かれながらゆっくりと講堂の階段を下りていく。
そして、スポットライトが唯一照らされているステージには。
タキシード姿の絵里ちと横には穂乃果ちゃんが立っている。
更に周りを良く見ると、観客席にはメンバーがしっかりと座っていてこちらに拍手をしていた。
ふふっ、まるで結婚式みたいやね
海未「少し、恥ずかしいですね……いくら観客がメンバーだけと言っても」
希「そう……やね」
海未「気をつけてください。階段、踏み外したら危ないですから」
希「ありがと、海未ちゃん」
海未「……希、とても綺麗ですよ。ドレス、凄い似合ってます」
希「ふふっ、海未ちゃんまでうちに惚れてしまったんか?」
海未「な!ち、違います!!///わ、私には……」
希「わかってるよ。海未ちゃんも想いを伝えんと……ね?」
海未「はい。必ず伝えます」キリツ
何故か観客席にはメンバーの皆が座っている。
そして神父さん役のことり。
穂乃果は……いつまで横にいるのかしら?
まあ、このことから考えられるのはこれは……。
絵里「結婚式のリハーサルね」
穂乃果「うん♪」
ことり「ばれちゃった?」テヘッ
絵里「まあね。しかし、よく一日でこれだけのセットをしたもんだわ」
ことり「皆で休み時間を使って頑張ったんだよ?」
穂乃果「そのせいで簡単な物になっちゃったんだけどね……」
絵里「というか、私と希が付き合うことがもう昨日の時点で確定していたとは……」
ことり「ことりはわかってました♪」
絵里「ある意味、希の次にスピリチュアルかもね……」
ことり「テヘッ♪」
穂乃果「あ、希ちゃん来たよ」
そこには純白の衣装に身を包んだ希が海未に手をひかれて現れた。
一言で言うなら、女神と言うかしら。
綺麗で、美しくて……。
目を離せないままずっと彼女を見ていた。
髪の毛も普段のようにではなくちゃんと綺麗にまとめて結んである。
そして、今。
私の目の前にその女神が立ち止まった。
希「え、えーっと……ど、どうかなぁ?//」テレッ
絵里「あ、え?あーうん、綺麗よ」
だめだ、返しが混乱して思いつかない。
絵里「き、綺麗よ!あ、あと……か、かわいい!」
希「ふふふっ、何そんなに慌ててるの?」
絵里「あ、あう……」
希「ほら、リボンが曲がってるよ?」クイックイッ
絵里「え?あ、うん」
ことり「じゃあ早速」ゴホン
ことり「汝、絢瀬絵里は、この女、東條希を妻とし、良き時も悪き時も、富める時も貧しき時も」
ことり「病める時も健やかなる時も、共に歩み、他の者に依らず、死が二人を分かつまで、」
ことり「愛を誓い、妻を想い、妻のみに添うことを、神聖なる婚姻の契約のもとに、誓いますか?」
絵里「……ま、待って?これ結婚式っという仮定でやるライブのリハよね?」
海未「何を今更……そんな練習、今までしてないでしょうに……」
絵里「え、え?ええ???」
ことり「えーりちゃん♪」
ことり「汝は婚姻の契約のもとに、誓いますか?」
絵里「……はぁ、わかったわよ」
ことり「よろしい!」
ことり「なら、汝東條希は……」
希「うちも誓います」
ことり「あれ?んーまいっか!」ニコッ
海未「いいんですか?本当に……前口上なしって?」
穂乃果「まあまあ」
海未「え?なんで私を見るんですか?ことりが用意してるんじゃ?」
ことり「へ?えー!!昨日メールしたじゃん!」
海未「え?す、すいません……メール見てませんでした……」
ことり「もう!夜何してたのさー!海未ちゃん!!」
海未「え、えーっと……そ、それは……」チラッ
穂乃果「/////」カァー
ことり「ど、どうしよー……」ウゥッ
希「ふふ、それなら大丈夫やで」
ことり「え?なんでぇ?」
希「絵里ち、手出して?」
絵里「え?ええ……」
スッ
絵里「……こ、これ!」
希「うん、絵里ちが我がまま言ってうちが買った御揃いの指輪」ニコッ
絵里「……もう、考えてることが一緒ね」
絵里「私も持ってきちゃった……」
希「ふふっ♪本当に考えてることは同じやったね♪」
ことり「じゃあ、絵里ちゃん!希ちゃん!誓いのキスをお願いします!」キラキラ
絵里「え!?ほ、本当にするの!?」
ことり「当然だよぉ!結婚式なんだから当たり前だよね?」
凛「ほらー!早くするにゃー!!」
花陽「だ、だめだよ!凛ちゃん静かにしてなきゃ!」
にこ「ちょっと!!あんたらうるさい!静かに見れないでしょ!!」ガタッ!
真姫「そういうにこちゃんが一番うるさいんだけどね」ハァ
にこ「ぬぁんですってぇええ!!」
真姫「はいはい……」
絵里「もう……人の気もしらないで……」
希「絵里ち」
絵里「ん?どうしたのよのぞm……」チュッ
絵里「……!?」
一瞬、頭の中が真っ白に弾け飛んだ。
突然の事だったからかも知れないし、希の唇が柔らかかったからなのかも。
希「……っご馳走さん♪」ペロッ
絵里「あ、あ、あうぅ……/////」
当然、その後色々な質問をされたりして大変やったんだけど。
それはまた別のお話や。
希「あ、そうだ!」
希「ほーのかちゃん♪」
穂乃果「ふぇ?どうしたの?希ちゃん??」
希「はい、これ♪」ヒョイッ
希「ちゃうちゃう、これはブーケや」
穂乃果「はぁ……?これがどうしたの?」
希「ふふっ♪次は穂乃果ちゃんの番って事や」ニッコリ
穂乃果「え?ええええええええ!?」ポーイ
希「あ、ブーケが……」
ガラッ
海未「何を騒いでいるんですか穂乃果……おっと」ポスン
海未「これは花束??」
希「ありゃ。これもまた運命ってとこかな?」ニコッ
海未「??」
穂乃果「////」
希「うん♪」
希「今日も、うちの家においでよ♪」
絵里「え?どうしてよ?」
希「ご馳走、作ってあげるから。ね?」ニコニコ
絵里「そうね、ご馳走の為に今日もお泊りしてあげようかしら?」
希「えへへ、明日は休みなんだし楽しも?♪」
絵里「じゃあ、明日のデートプランも考えとく?」
希「賛成♪」
おわり
乙!
乙です
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