【ラブライブ!】にこ「海未の足のにおいを嗅ぐわ!」
- 2020.04.10
- SS

にこ「何よ」
希「ガム食べる? ほらっ」
凛「……」
にこ「……食べないわよ。何か怪しいし」
希「ふーん……じゃあこれ、海未ちゃんにあげてきて」
にこ「まあ、いいけど」
凛「そのままの状態でだよ!」
希「コラッ!」
凛「あっ……!」
にこ「?」
にこ「あ、海未。はいこれ」
海未「え? ガムですか……頂いていいのですか?」
にこ「あ、うん」
海未「ありがとうございます。では、頂くことにします」
にこ「お礼はいいわよ。これはのぞ……」
バチンッ
海未「いたっ!」
にこ「え?」
海未「にぃ~こぉ~!!!! 私を騙しましたね!」
にこ「ち、違うわよこれは……!」
海未「何が違うんですか! 全く、部長だというのにこんな悪戯を!」
にこ「これは希と凛が!」
海未「悪戯した上に他人の所為にするとは……あなたはそれでも上級生ですか!?」
にこ「もう! だから違うって!」
海未「何がもう、ですか!」
にこ「にこじゃないのにぃーー!!!」
海未「あっ! 待ちなさい! にこ!!!」
希「うわーめっちゃ怒られてるやん」
凛「こんなガムの玩具に引っかかるの海未ちゃんくらいだにゃ」
希「ごめん、にこっち! でも、出て行きにくいわ……」
――
にこ「あーあ……酷い目にあったわ」
にこ「というか、こんな玩具にそこまで怒らなくても……こうやってセットして」
カチッ
にこ「こう引くと……」
バチンッ
にこ「っつ……結構痛いわねこれ」
にこ「まあいいや……元に戻して希に帰しとこ」
ギギ……シュッ
絵里「あら、にこじゃない。もうすぐ授業始まるわよ?」
にこ「ちょっと馬鹿二人に嵌められて海未から逃げてたのよ」
絵里「へえ。また悪戯でもしたの?」
にこ「まあ、そんなところよ……なにもあんなに怒らなくても」
にこ「ちょっとびっくりさせただけよ。それなのに海未ったら、上級生としてどうとかこうとかって」
絵里「ふふ、海未らしいわね」
にこ「確かにあの子は年下なのににこよりしっかりしてるけど」
絵里「ほんとにね」
にこ「なーんか仕返ししてやりたいわね……何かいい方法ないかしら」
絵里「先輩としてしっかりとした姿を見せることが何よりの仕返しになるんじゃないかしら」
にこ「そんな優等生みたいな答えいらないのよ」
絵里「いいじゃない、そうしたら海未も『流石にこですね』って言ってくれるわ」
にこ「あんたじゃないんだからそんなこと言わないわよ」
絵里「まあ何にしても、もう一回悪戯なんかしたらまた怒られるわね」
にこ「そうね……放課後までには機嫌が直ってるといいけど」
絵里「あら? にこ、それ何持ってるの?」
にこ「え? あ、これ?」
絵里「ああ、ガムね。私にも一個ちょうだ……」
バチンッ
絵里「痛い!」
にこ「あんた一人で何してるのよ……」
にこ「何か海未に仕返ししたいわ……」
にこ「でも、海未って弱点とかないわよね……文武両道、容姿端麗、おまけに後輩にモテモテ」
にこ「あ、そうだ! 知ってそうなのが二人ほどいたわね」
――
穂乃果「それでね、その後大きなランチパックの上に乗っててね、『やったー!』って思って食べようとしたら」
ことり「うんうん」
穂乃果「急に池上彰が現れてランチパックの解説をしだしたんだよ」
ことり「忙しいんだね」
穂乃果「そこで目が覚めたの」
ことり「何を解説したかったんだろうね」
にこ「ちょっと、あんたたち!」
穂乃果「あ、にこちゃん!」
にこ「海未は……いないわね?」
ことり「海未ちゃんは弓道部に顔出してからくるって」
にこ「よしよし。あんた達に相談があるのよ」
穂乃果「なになに?」
ことり「弱点?」
にこ「これに弱いとか、これが苦手だとか」
穂乃果「うーん……だいたいのことは海未ちゃん出来ちゃうからなー」
ことり「あ、そうだ! 海未ちゃんは恥ずかしがり屋だからそこが弱点かも」
にこ「ああ、なるほどね」
穂乃果「でも、何で急にそんなこと聞くの?」
にこ「ちょっと先輩の威厳を取り戻そうかと」
ことり「威厳?」
にこ「まあ、こっちの話よ。でも、具体的にどうすれば……」
ことり「じゃあ前やったチラシ配りとかは? 海未ちゃんが恥ずかしがって配れないところをにこちゃんが颯爽と配るの!」
にこ「うーん……」
にこ(前やった時、私は無視されたのよね……)
ことり「こ、攻撃じゃないよお」
にこ「そうね、海未にこのにこにーのラブラブおねだり攻撃を食らわせたらさすがの海未もにこの可愛さにメロメロね」
ことり「……あ、うん! そうかも!」
にこ「何よその間は! あんたもにこにこ攻撃食らわせるわよ!」
ことり「やーん! メロメロになっちゃう~」
穂乃果「攻撃名変わってるけど」
にこ「よーし! 早速、海未に試してみるわ!」
穂乃果「それって先輩の威厳は関係あるのかな?」
海未「では、最後にあと1セットやって終わりにしましょうか」
穂乃果「うぇ~……もう穂乃果ヘロヘロだよぉ」
海未「だからあと1セットで終わりにするんです」
にこ「私も、もう限界だわ……」
花陽「は、花陽ももうだめです……」
海未「もう、最後くらいビシッとしてください!」
にこ「そんなこといっても……あ! そうだわ!」
花陽「?」
にこ「ここで練習終わらせてよぉ」
海未「駄目です、もう1回です!」
にこ「海未ちゃん……お願い☆」
海未「……」
にこ「……」
海未「……」
にこ「……」
海未「では、にこから始めてください」
にこ「ぬわんでよぉ!」
にこ「ラブリーにこちゃんお願い作戦失敗だったわ……」
真姫「何よそれ……ていうか早く着替えに行きたいんだけど」
にこ「今、海未の弱点を探してるのよ」
真姫「また変なことしてる……」
にこ「変なことって何よ! あんたも何か考えなさいよ」
真姫「考えろって言われても……海未の弱点って……あっ」
にこ「何!?」
真姫「海未って後輩からモテるみたいだけど、結構純情なのよね」
にこ「確かにそうね」
真姫「案外年上とかの甘い言葉に弱かったり……」
にこ「それだわ! ありがと真姫ちゃん!」
真姫「……しないわよね……って、あれ? にこちゃん?」
にこ「海未……」
海未「にこ? まだ着替えてなかったのですか? もうすぐ完全下校時間ですから……」
にこ「悪かったわ、あんたを一人ぼっちにさせてしまったわね」
海未「いえ、皆で着替えてましたが」
にこ「もう、寂しい思いはさせないわ」
海未「真姫も既に着替え終わりましたよ?」
にこ「ずっと傍にいさせて」
海未「臭いので着替えてから近寄ってください」
にこ「誰が臭いのよ! キィー!」
希「今年は申年やし」
にこ「誰が猿よ!」
海未「もう! いいから早く着替えてください!」
にこ(結局この作戦も失敗ね……)
―――
にこ「海未って何が苦手なのかしらね……今日は徹底的に観察するわ!」
――
海未「穂乃果、今日の宿題はやってきたんですか?」
穂乃果「あ! 忘れてた! 海未ちゃ~ん……」
海未「もう、まずは自分でやってみてください。時間が間に合わないようなら私のを見せてあげますから」
穂乃果「ありがたや~神様仏様海未ちゃんだよ!」
海未「もう、穂乃果は調子がいいんですから」
にこ「……」
ことり「にこちゃん何やってるの?」
にこ「しー!」
海未「はぁ……はぁ……」
絵里「二年生の体育は大変そうね」
にこ「持久走だしね。それにしても、海未って体力もあるのよね」
絵里「運動面では凛に負けず劣らず凄いわ」
にこ「ここでも特に弱点は見つからないか……」
希「にこっち! ボールそっち行ったよ!」
にこ「え? ふべっ!!」
希「にこっち、大丈夫!?」
にこ「ったぁ……もう! にこの可愛い顔が台無しになったらどうするのよ!」
希「大丈夫! ツインテ崩れてないから!」
にこ「顔の心配しなさいよ!」
ことり「三年生の方賑やかだね」
海未「そうですね」
にこ(弱点……弱点……)
海未「あの、にこ? 私の顔に何かついてますか?」
にこ「え!? い、いや別に何でもないわよ!」
海未「それなら練習に集中してください!」
にこ「は、はい!」
――
希「にこっち~」
凛「帰りにラーメン屋に寄っていくにゃ!」
希「昨日のお詫びにうちらが奢るから」
にこ「昨日? ああ、あれね……あれはもういいんだけど……」
希「弱点? そんなの探してどうするん?」
にこ「決まってるじゃない! ……あれ、なにするんだっけ」
凛「特に何も考えてないのかにゃ?」
にこ「うーん、まあにこの素晴らしさを教えるためよ……多分」
希「でも、弱点って言ってもなあ」
凛「凛は運動得意だから海未ちゃんにも負けない自信あるけど、勉強は苦手だし」
希「海未ちゃんって武道系なんでもできそうやもんね」
凛「柔道とか剣道とかもできるのかな?」
にこ「うっ、剣道……」
にこ(そういえば前に、にこも剣道着を着たことあったけど……)
にこ「あれ臭くて嫌なのよね」
凛「そう、この豚骨の臭さがたまらないにゃ!」
にこ「そうじゃないわよ」
希「にこっちのチャーシュー、うちと凛ちゃんで分けてええかな?」
にこ「何でよ! 駄目よ!」
にこ(もう! こいつらといると碌な作戦が思いつかないわ)
―――
絵里「今日は外も雨だし、部室でミーティングすることにします」
穂乃果「あ!」
花陽「どうしたの? 穂乃果ちゃん」
穂乃果「穂乃果の体操着ここにあったのかぁ」
海未「あなたという人は……持って帰らなかったのですか?」
穂乃果「えへへ、忘れちゃって……うわ、臭い! ほら、にこちゃん!」
にこ「何でにこに嗅がせようとするのよ!」
穂乃果「苦しみは仲間で分かち合わないと……」
にこ「無駄な苦しみはいらないわよ!」
真姫「雨の日に一日体操着置いたらそりゃ臭うわよ……しかも二年の体育ってマラソンでしょ?」
にこ「確かにその状況じゃ誰でも臭くなるわよね……はっ!」
にこ(これよ!)
にこ「その『ハッ!』じゃないわよ!」
ことり「そういえば明日も体育あるよね」
穂乃果「うへぇ~また走るのぉ!?」
ことり「穂乃果ちゃん、一緒に頑張ろう!」
穂乃果「ことりちゃん、穂乃果を負ぶって走って!」
ことり「ええ~!? 無理だよお」
海未「穂乃果は基礎体力がないんです」
穂乃果「そうなのかなぁ」
海未「そうなんです!」
にこ(サンキュー穂乃果。あんたのおかげで名案が浮かんだわ!)
にこ(見てなさい、海未。あんたにだって弱いところはあるのよ!)
―――
花陽「今日は晴れて良かったね」
穂乃果「おかげで体育は辛かったよぉ~」
花陽「あはは……大変だったね」
海未「では、この前の続きから始めましょうか」
にこ「あ、あー……ちょっとトイレ行ってくるわ」
――
にこ(誰も部室にいない今がチャンス!)
にこ(海未の服は……)
にこ(まずは制服から……うーん)
にこ(……)
にこ(良い匂いしかしないわね……あ、そうだ! 二年生は体育があったから……)
ガサガサガサ
にこ(あったわ! 園田って書いてるしこれね……)
凛「あれ? にこちゃん?」
にこ「どわぁああー!! り、凛!? 何でここに」
凛「凛もトイレ行こうと思ったら部室のドアが開いてたから何かと思って」
にこ「そ、そう。お笑い芸人が泥棒に来たら困るわよね!」
凛「にこちゃんこそ、ここで何やってるの?」
にこ「え、えっと……にこは……」
凛「あ、それ海未ちゃんの……何でにこちゃんが今持ってるの?」
にこ「え!? えーっと……ちょっとここがほつれてたから気になって……」
凛「ふーん」
にこ「で、でもにこの勘違いだったみたい! さあ、もう戻るわよ!」
凛「あ! 早く戻らないと海未ちゃんにまた怒られるにゃ!」
にこ「ほらほら、早く行くわよ!」
凛(……でも、何でにこちゃんは部室にいたんだろう)
海未「では、一旦休憩にします」
穂乃果「はー、疲れた」
絵里「ちゃんと水分は取るのよ」
にこ(さっきは凛に見つかりそうになってだめだったけど……)
海未「ふう……」
にこ(休憩中に弛緩しきったその隙ににおいを嗅いでやるわ!)
穂乃果(あれ、にこちゃん何やってるんだろ?)
にこ(こっそり、後ろから近付いて……気付いてないわね、今よ!)
クンクンクンクン
穂乃果「にこちゃん、何やってるの?」
にこ「どぅわああああああ!!」
海未「!!」
にこ「び、びっくりさせないでよ!」
海未「それはこっちの台詞です! 二人して何やってるんですか?」
穂乃果「何もしてないけど」
にこ「ちょっと海未の背中にゴミがついてたから取ってあげようと思っただけよ」
海未「そうだったのですか。それはありがとうございます」
にこ「いや、いいのよ別に」
穂乃果(なんでにおいを嗅いでたんだろう)
希「あの、ちょっと帰るの待ってもらっていいかな」
海未「何ですか? にこと花陽はもう帰りましたが」
希「その、にこっちのことなんやけど」
真姫「にこちゃんがどうかしたの?」
希「最近様子がおかしいんよ」
絵里「そうかしら? 確かにいつもより少しそわそわしてるけど」
海未「私も少し落ち着きがないような気もします……気にするほどではありませんが」
希「それはな、にこっちが海未ちゃんをいっつも見てるからや」
海未「私を……ですか?」
ことり「えっと……にこちゃんが海未ちゃんを気にしてるってこと?」
真姫「そういえばにこちゃんに海未のことを聞かれたわね」
希「うちと凛ちゃんも聞かれた。これって……」
凛「そういえば……にこちゃんさっき部室で海未ちゃんの服を持って何かしてたにゃ」
海未「……。何か、とは?」
凛「それはよく分からないけど、何で海未ちゃんの服を持ってるのか聞いたら、ほつれてるから気になったとは言ってたにゃ」
海未「ほら、にこは私に気遣ってくれただけですよ。それで、私にいつ言おうか迷ってそわそわしてたんです」
希「そうかなあ……」
海未「そうに決まってます! さっきだって私の服にゴミがついてると言って親切にしてくれましたし。ね、穂乃果?」
穂乃果「うん。でも、あの時にこちゃん海未ちゃんの髪のにおい嗅いでたよ」
海未「……」
真姫「それって……」
ことり「あはは……」
希「間違いないなぁ」
絵里「ちょ、ちょっと待ってよ! にこが海未のにおいを嗅いで変なことをしてたって言うの!? にこはそんなことする子じゃないわ! 冗談はやめてちょうだい!」
凛「誰もそこまで言ってないにゃ」
絵里「え? そうなの?」
希「海未ちゃんはどう思う?」
海未「……絵里の言う通りです。そんなことあるわけないじゃないですか」
絵里「あ、そうだ! 今週は合宿もあるし、にこが海未に気があるか寝るときに聞いてみましょ?」
穂乃果「うーん。もし、にこちゃんが本当に海未ちゃんのことが好きでも本人がその場にいるときは言わないと思うけどな」
凛「みんな一緒の部屋で寝るんだし、それはもうギャグだにゃ」
希「というか、えりち……そういうシチュエーションに憧れてたん?」
絵里「な、何よ私のこと馬鹿にして! いいじゃない楽しくなれるんだから!」
海未「やっぱり私がにこに直接聞いてみます」
真姫「だ、駄目よそれは!」
海未「何故ですか!」
希「そういうのはデリケートな問題なんや。海未ちゃんも分かるやろ?」
海未「わ、私はそういうのは疎いもので……」
穂乃果「恋愛の歌詞書いてるのに?」
海未「なっ、悪いですか!? いいでしょう、別に! 推理小説家が殺人をしてないといけないんですか!?」
ことり「まあまあ、海未ちゃん」
希「あ、そうや! いい案思いついた!」
凛「なになに? 面白そう!」
海未「あなたたちの案は悪い予感しかしないのですが……」
―――
ガチャ
にこ「あれ、誰もいないし……」
希「にこっちが部室に入ったで!」
凛「どうするのかにゃ?」
海未「あの、本当にこんなことしてもいいのでしょうか」
花陽「これは何をしてるの?」
絵里「にこが海未の服のにおいを嗅ぐかのテストよ」
真姫「そんな猿の知能テストみたいに言わなくても……ていうかこれ盗撮よね?」
穂乃果「なんかドッキリの番組みたい! 希ちゃん凄い!」
ことり「穂乃果ちゃん、しーっ!」
にこ(制服があるわね……でも、これ臭くないって昨日判明したし、そもそも海未のかどうかも分からないし)
凛「にこちゃん、においを嗅ぎません!」
海未「ほら言ったでしょう? にこはそんな人では……」
希「あっ! にこっちに動きが!!」
にこ(!! 練習着! 間違いなく海未のだわ! これはチャンス!)
真姫「部室の鍵を……閉めたわね」
海未「……」
にこ(では、早速……)
クンクンクン
にこ(……ってこれ洗濯してるじゃない! 私が嗅ぎたいのは海未の汗が染みついたやつなのに!!)
花陽「あれ? 海未ちゃんは?」
ことり「凄い勢いで出て行ったけど」
ドンドンドン
にこ「うわっ! だ、誰か来た!」
ガチャ
海未「にこ……部室で鍵を閉めて……何をしていたんですか?」
にこ「え、えええと……べ、べつに……」
海未「ならどうして鍵を?」
にこ「あの、その……家出るときとか鍵をいつも閉めるからその癖で……」
にこ「ほ、ほんとよ? ほんとなんだから……うん」
海未「そうですか……」
にこ(危なっ!! 危うくばれるところだったわ……鍵閉めておいてよかった)
海未(やはりにこは私のことを……)
希「気まずくて見てられんなあ」
凛「でも、このままだとにこちゃんが変態になっちゃうにゃ」
穂乃果「なんで?」
真姫「あなたは気にしなくていいのよ」
―――
凛「休みの日もずっとみんなといられるなんて嬉しいにゃ」
穂乃果「バスに乗ってるだけでわくわくするね!」
絵里「あら、遊んでばかりじゃ駄目よ? 合宿の意味がなくなっちゃうわ」
穂乃果・凛「はーい」
にこ「それでね、なんとあの子がそのグループに入るらしいの!」
花陽「ほ、本当に!?」
にこ「同じ学校の子がばらしたらしいわよ」
花陽「そうなんだ……何か怖いね」
海未(にこは私の隣に座ると思って緊張していたのですが……花陽と座るとは……何だかフラれた気分ですね)
希「以外とにこっち、がっついてないんやな」
海未「ま、まあ、あれが本当だとも限りませんし」
希「面白くないなあ」
海未(そうですよ。真相を確かめなければ……)
絵里「じゃあ今日は軽めにするから取りあえず二人一組で……」
海未「にこ! 私と一緒にやりましょう」
希(海未ちゃんから動いた!)
にこ「え!? ま、まあいいけど」
――
海未「ふう……。では、次は私の番ですね」
にこ「じゃあ押すわよー」
海未「あ、ちょっとお手洗いに行ってもいいですか?」
にこ「ええ、待ってるわ」
海未「すぐ戻りますので」
――
海未(さて、にこはどうするのでしょうか)
クンクンクン
にこ(うーん……やっぱり上着じゃ分からないわね……良い匂いしかしない)
海未(あ、ああああ……。にこが私の上着のにおいを嗅いでいます! 破廉恥です……!)
穂乃果「海未ちゃん、そんなところで何をクネクネしてるの?」
――
海未「い、今戻りました……」
にこ「じゃあやるわよー」
海未「は、はい……どうか、よろしくお願いいたします!」
にこ「何をそんなに気合い入れてるのよ。押すわよ」
海未(うう……にこの身体が密着していて嫌でも意識してしまいます……何でしょうこの気持ち)
にこ(ていうかこの状態だと海未のにおい嗅ぎ放題じゃない!)
花陽「あの二人、あの状態から全然動かないね」
ことり「そ、そうだね……」
ことり(にこちゃん……)
海未「では、次は私の番ですね」
凛「シャワールームまでついてるなんて真姫ちゃんちの別荘は凄いにゃ」
真姫「え? 普通ついてるものじゃないの?」
穂乃果「普通は別荘も持ってないよ! いいなあ」
にこ(またもやチャンス!)
にこ「えーと! トイレトイレ~」
ことり「……」
――
にこ(しめしめ、海未は何も気づかずシャワーを浴びているわね)
にこ(それじゃあちょいと拝借……)
クンクンクン
にこ「やっぱり上着とかズボンはそんなに臭わないわね……」
にこ「ひょぅわああ!!」
ことり「何、やってるのかな?」
にこ「ち、違うのよことり! これは……」
ことり「これ、海未ちゃんの服……だよね?」
にこ「……こうなった以上本当のことを話すしかないわね」
ことり「やっぱりにこちゃん……海未ちゃんのことを」
にこ「……海未って、顔もいいし、勉強もできる方だし、運動だってできて、人望もあって、性格だって悪くないわ」
ことり「……」
にこ「でも、足は臭そうじゃない?」
ことり「……え?」
ことり「にこちゃん……」
にこ「だから私は足を嗅ぐわ。そして知りたいの。海未の足が臭いかどうかを」
ことり「にこちゃん、そこまで海未ちゃんのことを考えていたなんて……」
にこ「ことりにも協力してほしいわ。あの子のことをよく知ってることりに」
ことり「分かったよにこちゃん! ことり、海未ちゃんの靴下取ってくるよ!」
にこ「ありがとう……ことり……!」
ことり「ことり、行ってく……」
ガラガラガラ
にこ「あ、やば……」
海未「にこ! あなたは最近様子がおかしいと思ったらそんなこと考えていたんですか!」
にこ「ち、違うのよ海未、これは……」
海未「何が違うんですか! ことりとの会話はすべて聞かせてもらいました!」
ことり「う、海未ちゃん、あのね」
海未「ことりもっ! にこの世迷言に耳を貸して、更には協力するなんて」
にこ「……」
ことり「……」
海未「何か他に言いたいことはありますか?」
にこ「あの……」
海未「何ですか!」
にこ「服、着たら?」
海未「……!」
ガラガラ ピシャッ
海未「私はにことは離れて寝ます」
にこ「えぇ!?」
にこ(寝てる間にこっそり嗅ごうと思ったのに)
穂乃果「にこちゃん何かしたの?」
海未「今のにこと隣で寝たくありません!」
にこ「……」
絵里「海未、にこが可哀想よ」
海未「自業自得です!」
花陽「うん!」
真姫「ヴぇ!? そ、そうね……」
にこ「あんた達一年生だけが私の癒しだわ」
海未「元はと言えばあなたが……!」
希「あなたが?」
海未「!! ……何でもありません」
ことり(やっぱり恥ずかしいんだ……)
海未「とにかく、明日も早くからやるんですから、もう寝ましょう」
にこ「はーい」
にこ(まだ、手はあるわ……)
にこ(電気を消してから1時間……もうみんな寝静まったかしら)
にこ「……」
にこ(一旦トイレに行くふりして様子を見ましょうか)
にこ「……」
8人「……」
――
にこ(大丈夫みたいね。よし、じゃあ『海未の隣に寝てる穂乃果の布団に間違って入ってしまった』作戦、開始よ!)
にこ「……」
トコトコトコ スッ
穂乃果「ん、んぅ……」
にこ(よし、準備完了! あとはこのまま布団の中で体を反転させて……)
穂乃果「ふにゃ……」
ガシッ
にこ(!? う、動けないわ!)
穂乃果「温かい……むにゃ」
にこ(こいつ! 何でにこを腕でがっちりホールドしてるのよ!)
穂乃果「……」
にこ(力強っ!! まあいいわ……力を緩めて隙に離れて……)
穂乃果「んん……アンコ飽きたぁ……」
にこ(今にこっ!)
ギュッ
にこ(ぬわんでまた力を入れるのよ! この! この!)
グルン
にこ(どわー! 寝返り打つな!!! そっちじゃないのよ海未は!)
穂乃果「むにゃ……」
にこ(駄目だわ……もう固定されてしまったわ……)
穂乃果「ぶふっ……」
にこ(何笑ってんのよこのー!!)
ギシギシギシ
希(隣で何か怪しいことしてる……)
―――
穂乃果「おっはよー!」
にこ「う……あんたのせいで酷い目にあったわ……」
穂乃果「あれ? にこちゃん何で穂乃果の布団で?」
海未「おはようございます……にこ、あなたはそんなところで寝ていたのですか。また何か企んでいたんじゃ」
にこ「ち、違うわよ!」
希「そ、そうやて海未ちゃん……こういうのはあんまり詮索した駄目や」
にこ「あんたは何で顔を赤らめてるのよ」
希「にこっち、あの……そういうことをするなとは言わんけど……もうちょっと場所を考えた方がええで?」
にこ「何の話よ!」
絵里「ふふっ、夜中トイレに起きたら穂乃果がにこを抱き枕にしてたのよ……微笑ましかったわ」
希「え、えりち! そういうことじゃなくてな……」
コソコソコソ
絵里「えっ!!!?」
にこ「ちょいちょいちょい! なんかあんたは勘違いしてるわ!」
希「!! 穂乃果ちゃん! そういうことは人前で言うもんじゃないって!」
穂乃果「へ?」
にこ「あのねえ! 私と穂乃果は何もないわよ!」
希「嘘や! 夜中あんなに激しく……」
真姫「そ、そうなの!?」
にこ「またややこしい人が……」
凛「にこちゃん、海未ちゃんだけじゃなくて穂乃果ちゃんまで……」
にこ「ち、違うわよ!」
花陽「見損ないました!」
にこ「何でよ! 花陽ぉ……」
穂乃果「え? 何が?」
真姫「にこちゃんの感想よ!」
穂乃果「えーっと……気持ちよかったよ?」
希「うわぁ……」
絵里「やっぱり……」
真姫「きも、きも、キモチイイ……」
花陽「真姫ちゃんが壊れちゃった!」
海未「皆は何の話をしてるんですか?」
ことり「う、海未ちゃんは知らなくても大丈夫だよ!」
にこ「もう、何なのよ!」
絵里「なんだ、そういうことだったのね」
希「いやー、うちはてっきりにこっちと穂乃果ちゃんがこんなところでお盛んかと」
にこ「大体、なんでにこが穂乃果とこんなところで」
穂乃果「え? 穂乃果とにこちゃん何をしてたの?」
真姫「まあ、穂乃果がするわけないわよね……」
海未「よく分かりませんが朝食を食べたら練習始めますよ?」
にこ「はい、この話は終わり!」
――
にこ(夜は穂乃果に邪魔されたけど……どうしようかしら)
希「お、にこっちが何か真剣に考えてる」
にこ(今度は穂乃果じゃない人の方に潜りこもうかしら)
凛「どうせ大したことじゃないにゃ」
希「にこっち、何考えてるん?」
にこ「うるさいわねー……あ、そうだ!」
にこ「あんた達にも協力してほしいのよ」
希「協力?」
にこ「あんたたち、海未の特徴って何だかわかる?」
凛「特徴……?」
希「真面目!」
凛「ぶんぶりょーどー」
希「あとすぐ怒る」
凛「1年生に人気だにゃ!」
にこ「はぁ~分かってないわね」
希「何か腹立つわぁ」
にこ「足が臭そう、でしょ!」
凛「え?」
希「は?」
希「臭そうから臭いに変わっとるし……」
凛「で、それが一体何なの?」
にこ「皆で協力して海未の足のにおいが臭いかどうか確かめるのよ!」
希「えー」
にこ「えー、じゃない!」
希「まあ、確かに海未ちゃんの足が臭かったらそれはそれで面白いけど」
にこ「いい? 海未がこっちに一人で来たら希が目隠ししてその隙に凛が靴下を脱がせて私のところに持ってくるの」
凛「何で凛がそんなことを……」
にこ「じゃあ、私は海未をここに呼び寄せるから、よろしく頼むわよ!」
希「……行っちゃった。でも、なんか面白そうだしやろっか!」
凛「ええー。凛、海未ちゃんに怒られるの嫌だにゃ」
希「……凛ちゃん、いつまでいい子ちゃんを演じてるん?」
凛「……希ちゃん」
希「本当は悪戯したいんやろ? にこっちの話を聞いてた時から心が動いてたんやろ?」
凛「ふふっ……」
希「じゃあここで待っといてな、うちが向こうから目隠しするから」
凛「うん」
海未「誰を目隠しするんですか?」
凛「それは海未ちゃんに決まってるにゃ」
海未「目隠しした後どうするんですか?」
希「そしたら靴を……って、あっ」
海未「希、凛。これはどういうことですか?」
凛「にゃあああ!!」
にこ「凛の奴遅いわね……」
凛「にこちゃん……」
にこ「あ、凛! どうだった!? 取れたかしら?」
凛「ごめんねにこちゃん」
ガシッ
にこ「ちょ、ちょっと何するのよ! 離しなさいよ!」
希「さあ、行こか」
凛・希「えっほ! えっほ!」
にこ「ちょっとぉ! 降ろしなさーい! 凛! 希ー!」
凛「連れてきました」
海未「ご苦労様です」
希「ははーっ。では、わたくしめはこれで……」
海未「あなたもですよ」
希「げっ」
凛「……」
海未「逃げようとしてる凛、あなたも……三人ともそこに正座してください!」
3人「ひぃー!!」
――
海未「大体あなたは昨日も怒られたのにまだ懲りていないんですか!」
海未「――――――――」
凛『海未ちゃんの説教長いにゃ』
希『うちら何も悪くないのに』
海未「そこ、うるさいですよ!」
希・凛「はいっ、すみません!」
海未「待ちなさい」
にこ「はい……」
海未「そもそも、どうしてあなたは私に悪戯しようとするんですか!」
にこ「そ、それは……」
海未「私があなたに何か悪いことをしたでしょうか? それでしたら謝ります、しかし……」
にこ「あーもう!!」
海未「何ですか! あーもう、などと!」
にこ「もう言っちゃうわ! あんたの足のにおいを嗅がせて!」
希「言っちゃた」
凛「大胆だにゃ」
海未「……今、なんと」
にこ「あんたの足のにおいを嗅がせなさいよ! こんなことしたのも全部あんたが足のにおいを嗅がせてくれないのが悪いのよ!!」
凛「もう暴論だにゃ」
希「怒られ過ぎて理性がおかしくなったんやない?」
にこ「嗅がせてよー! 一回でいいから! 一回やったらもうしつこく言わないし! お願い! お願い!」
希「もう変な意味に聞こえて来たわ」
にこ「お願い海未! 先っぽだけでもいいの!」
海未「ちょ、ちょっと、落ち着いて下さい!」
にこ「じゃあもう泣くわ! 惨たらしく泣くわよ! あんたが泣かせるのよ、いいの!?」
凛「その執念はどこから来るのかにゃ?」
海未「……分かりました」
にこ「え?」
海未「分かりました。一度やったらもう変なことはしないんですよね?」
にこ「う、うん……」
海未「少し、そこで待っていてください」
にこ「海未……!!」
希「言ってみるもんやね」
凛「流石はにこちゃん……執念で海未ちゃんを動かしたにゃ」
海未「はい。それじゃ、すぐに済ませてください!」
にこ「……」
海未「は、恥ずかしいから早くしてください!」
にこ「……」
クンクンクン
にこ「石鹸の匂い……」
海未「これでいいですよね? 以後、こういうことは二度と……」
にこ「何でシャワー浴びちゃうのよ!」
海未「ええっ!?」
にこ「私はあんたの練習で汗かいて蒸れた足のにおいを嗅ぎたいのよ! これじゃあ意味がないじゃない!」
凛「うわあ」
希「流石のうちもそれは……」
にこ「ひっ!」
海未「にこ、あなたは邪な気持ちがあり過ぎです! 私が鍛えなおします! さあ、外に出て下さい!」
にこ「ち、違うのよ! これには崇高な理念が……」
海未「問答無用です!」
にこ「に、逃げるにこー!!」
海未「あっ! 待ちなさい! にこー!」
ダダダダダッ
希「行っちゃった……」
凛「皆のところに戻ろ?」
海未「待ちなさーい!」
にこ「嫌よぉ!」
絵里「あら、追いかけっこなんて楽しそうじゃない」
花陽「楽しそうには見えないけど……」
真姫「またにこちゃんが何かやらかしたんじゃないの?」
穂乃果「にこちゃん頑張れー!」
ことり「大丈夫かなあ?」
海未「にこ、追い詰めましたよ」
にこ「ひぃい! ま、まあまあ落ち着いて!」
海未「私はとても落ち着いてますよ?」
にこ「うぅっ……ほ、ほらこのガムでも食べて」
海未「それはこの前私に悪戯したおもちゃじゃないですか!」
にこ「ひぃ!」
海未「この期に及んでこんな小細工を……覚悟はできてますよね?」
にこ「いやぁああああああ」
END
エリチの程よいポンコツがよかった
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