【ラブライブ!】梨子「梨子と!」善子「ヨハネの!」二人「「アクマで堕天使らじお!」」
- 2020.04.17
- SS

♪ オープニング ♪
梨子「みなさーん! おはリリー! スクールアイドルユニットAqoursの桜内梨子です~」
善子「リトルデーモンのみなさーん! おはヨハネ!」
梨子「おはよしこ!」
善子「だからヨハネよっ!」ダン
梨子「ぴょん(棒読み)」
善子「Aqoursの津島ヨハネです!」
梨子「善子ね…」
善子「こ、この番組は、リリーこと桜内梨子と、私、ヨハ――」
梨子「よっちゃんこと津島善子が――」
善子「だからヨハネ…」
梨子「あ、ごめんねよっちゃん。進行表にそう書いてあるし…よっちゃんは、私に『善子』って呼ばれるの、嫌だった…?」
善子「――べ、別に…。でもできればヨハネって呼んでほしいかなぁ、なんて」
梨子「よかった! えっと…よっちゃんこと津島善子が」
善子「…学院のみんなと一緒に浦女とAqoursを盛り上げていっちゃおう、というラジオ番組でーす…」
善子「り、リリーが意地悪するからでしょぉ!?」
梨子「あ、はは…ごめんごめん」
梨子「いやー、しかしついに始まりましたね! 『アクマで堕天使らじお!』」
善子「始まってしまったわね…『終焉へのカウントダウン』が…」
梨子「ちょっと何を言ってるのかわからないけど、まあ簡単に言うと私たち二人が…あれ? これさっき言っちゃった」
梨子「まぁ、そんなラジオ番組の、これが初回放送にあたります! こっちは確か言ってなかったよね…」
梨子「そ、そういうよっちゃんだってさっき一回自己紹介で噛んで編集点作ってたじゃない!」
善子「ちょ、なんでバラしちゃうのよ! カットしてもらうんだから言わなきゃバレないでしょぉ!」
梨子「えー、なんとなく?」
善子「ハッ…! ここに編集点を作れば今のやり取りもカット――な、なんでダメなのよぉ! ちょっとスタッフ!」
梨子「とまぁ、こんな風にとってもかわいいよっちゃんですが、何か最近いいことってありましたか?」
善子「かわ…!? え、えと、そうね。いいことね…」
梨子「お、何か思い当たる節がありそう」
梨子「あー、あのセ…何とかイレブンさんの。あ、スタッフさん今の部分マズかったらピー音入れておいてくださーい! あ、大丈夫?」
善子「で、そのくじが当たったこと…かしら」
梨子「え!? よっちゃんがくじであたりを引くなんて珍しい! それで、何が当たったの?」
善子「………」
善子「おじさま向けの、シャンプー…」
梨子「…あー…なるほど。よっちゃんっぽいかも」
善子「リリーも私、ヨハネのリトルデーモンだから…。いいことってあんまり起こらなそうだけど」
梨子「ちょっと、勝手にリトルデーモンにしないでよ! よっちゃんのことは好きだけどもっとこう、お友達としての好きっていうか…」
梨子「そ、それはさておき、いいことならあったよ! たとえばこの浦女に転校してきたこと、とか」
善子「リリー…あなた」
梨子「ホント言うと、もっと都会がよかったなぁ、とか思ってたけど。最初はね?」
梨子「でもほら、みんな――千歌ちゃんや曜ちゃんが仲良くしてくれて、Aqoursに誘ってくれて、よっちゃんや、他にも沢山の仲間に出会えて――」
梨子「それが、私のいいこと、かな。なんて。ちょっとクサかったかな…あはは」
梨子「え、何急に…。恥ずかしいんだけど…。照れちゃう!」
善子「――――ハッ!?」
善子「い、いいい今のは忘れなさいよっ! あっ…は、早く進行してってカンペが…」
梨子「ご、ごめんなさい! そっかまだこれオープニングトークだっけ…」
善子「そ、それでは! 『アクマで堕天使らじお!』、スタートです!」
梨子「この番組は、『ゲーマーズ』、『和洋菓子 松月』、『淡島ホテル』の提供でお送りします」
♪ ジングル ♪
梨子「改めましてこんにちは~。桜内梨子です!」
善子「こんにちは、津島ヨハネです!」
梨子「善子ね!」
善子「…これ、永遠にツッコまれるワケ?」
梨子「うーん…。どっちかが諦めるまでは、かなぁ」
善子「メンタル強いわねぇ…」
梨子「よっちゃんこそね。…ちょっとお水飲んでいい?」ゴクゴク
善子「いいけど…。なんで今許可とったの?」
梨子「いやほら、スタッフさんの手違いでお水のボトル一個しか用意されてないらしいし」
梨子「さ、気を取り直してまずはふつうのお便り、いわゆる『ふつおた』のコーナーです~」
善子「ちょ、お水は…。まあいっか。そういえば、初回にもかかわらずそれなりにお便りが来てるらしいわね。リトルデーモンのみんな~! ありがとっ!」
梨子「いや、別によっちゃんのファンだけがメール送ってくるわけじゃないよね…」
善子「では一通目! リトルデーモンネーム『みかんの旅館』さんからいただきました!」
梨子「ありがとうございまーす。…ところでリトルデーモンネームって何?」
梨子「ぴょいん」
善子「えー、『私は今、とっても悩んでいます』」
梨子「ふむふむ」
善子「『と、言うのも、昔から仲のいいお友達が私の趣味を理解してくれないんです』ふんふん…趣味を理解されないのは辛いわねぇ」
梨子「うーん、それは確かに悲しいことですね…」
善子「『どうしたら私の趣味が友達に理解してもらえると思いますか? それと、もしよかったらお二人の趣味を教えてください』ですって」
梨子「これ絶対千歌ちゃんでしょ…」
善子「うーん、結局『みかんの旅館』さんはダジャレが趣味で、それを理解してもらえないっていうことでいいのかしら」
梨子「た、多分そういうことだと思うけど…。ホント、説明しなくていいよ千歌――『みかんの旅館』さん…」
善子「わかるわぁ…。ヨハネも悪魔召喚の儀式が趣味って言ったらルビィとマルにすっごい顔されたもの…。趣味とは理解されないもの…」
善子「そう、この私が人間の理解の範疇を超えたモノであるように…」フッ
梨子「そ、そうだね…」
梨子「が、頑張ってね、『みかんの旅館』さん…」
善子「それで? リリーの趣味ってなぁに? 私は悪魔召喚とか、小悪魔ファッションとか…」
梨子「こ、小悪魔ファッションって趣味なの…?」
善子「うるさいわねぇ、立派な趣味よ!」
梨子「ごめんごめん。えっと、私の趣味は…。絵を見たり、描いたりすること、とか?」
梨子「そうそう、美術部。んー、でも油絵はそんなに描かないかなぁ。どっちかというと水彩の方が、ほら、乾くのも全然早いし」
善子「そうなの? よく知らないんだけど…」
梨子「えっとね、油絵はまず下絵を描いて、それから下塗りって言って、できあがったときに色に深みが出るように補色を一度塗って、そのあとに本当に塗りたい色を塗ったりするんだけど…」
善子「う~ん?」
梨子「詳しいことは今度実際に描いて、そのときに教えてあげるね」
善子「へ!? あ、お、おねがいします…!」
善子「なるほどね。要するに一枚描くのに一週間くらいかかるのも普通ってことね」
梨子「まあ、そうなるかなぁ。私が前に描いたときは確か、二週間くらいかかったっけ。夏休みに家で描いたんだけど」
善子「…もしかして、友達いないの?」
梨子「失礼な…。友達くらいいるよ! 本当に仲のいい友達は、まぁ、二、三人くらいだけど…」
善子「へぇ~?」
梨子「な、なに、その勝ち誇ったような顔は…。ま、いいや。続いてのお便り行きましょう。今度は私読むね」
善子「お願い」
善子「ありがとうございまーす」
梨子「『梨子さん、善子さん、こんにちは』はい、こんにちは~」
善子「こんにちは~。ってだからヨハ」
梨子「『わたくしの友人の妹の話を聞いてください。友人の妹は、昔からアイドルに憧れていて、よく親に隠れてテレビでアイドルが出ている番組を視聴していたのですが』」
善子「…。どこかで聞いたような話ね…」
梨子「『この間、ついにスクールアイドルを始めたようなのです。わたくしの友人もその妹を人質に取られ、スクールアイドル活動を強要される始末…』」
善子「これ間違いなくどこかの会長よね!?」
梨子「『…あくまで、友人のためにお尋ねいたします。わたくしも、みなさんと仲良くなりたい、素直になりたい…。そう、友人は言っていましたわ』…なるほどねぇ」
善子「フン、素直じゃないわね、この『硬度10の金剛』さん…。の、友人さん?」
梨子「私たちは全然そんなこと気にしてませんよ。ね、よっちゃん?」
善子「当たり前でしょ。そんなことを気にしてる暇があったら歌やダンスを練習しなさいよ。苦手なメンバーだっているんだから、サポートするとか…」
梨子「へぇ。よっちゃんって意外とそのあたりしっかりしてるんだね」
善子「意外って何よ! 私はいつもしっかりしてるわよ!」
梨子「硬度が0に近づく日をお待ちしてますよー!」
善子「リリー、もしかしてだれかさんのダジャレ趣味がうつっちゃったの?」
梨子「…今のカットでお願いします」
善子「まぁ、今回はこの二通くらいでいいかしらね。この番組、そんなに尺ないし」
梨子「尺とか言わないの! え、と。たくさんのお便り、ありがとうございます。この次もお便り、お待ちしておりま~す」
♪ BGM『Aqours☆HEROES』 ♪
二人「「『堕天使の、ほほえみ』」」
善子「はぁい! このコーナーでは私、ヨハネが、あなたたちリトルデーモンの悩みを聞くだけ聞いて、気が向いたら解決しちゃうわ!」
梨子「『ふつおた』もお悩み相談になってたけど、こっちでもお悩み相談やるんだ…」
善子「ただのお悩み相談じゃないわ…。ヨハネが解決しちゃう“かも”だから」
梨子「気が向いたらっていうところがポイントなんだね。大丈夫かな、このコーナー…」
梨子「えぇ!? 私が!? …まぁいいけど」
梨子「こほん。えー、ラジオネーム――」
善子「リトルデーモンネーム!」
梨子「えぇ~。恥ずかしいんだけど…。こほんっ! リトルデーモンネーム『がんばる紅玉姫』さんからいただきました、ありがとうございます~」
善子「ありがとう」
善子「だからヨハネよぉ~…」
梨子「『お姉ちゃんは生徒会長をやっているしっかり者で、頭もよくて美人な完璧超人です』」
善子「あ、今これ『がんばる紅玉姫』さんのお姉さんの自慢されてるのね」
梨子「『そんなお姉ちゃんですが、私に対してのあたりが強い気がします。特にここ数か月くらい…』」
善子「ヨハネには姉妹がいないからいまいちわからないけれど、大体どこの家もそんなもんじゃない? ほら、思春期ってやつ?」
梨子「うーん、私にも姉や妹はいないからよくわかんないかなぁ…。千歌ちゃんなんかに聞いてみたいところだけど…。あ、続き読むね」
善子「あの、だからヨハネ」
梨子「よっちゃん、かわいそうだし相談にのってあげようよ!」
善子「…しょうがないから今回は乗ってあげるわ。ヨハネに感謝しなさいよ!」
梨子「相談されている立場とはいえ、なぜこんなに偉そうなんでしょうね。よっちゃんは…」
梨子「っていうか、浦女のスクールアイドルって私たち以外にいないから、これって必然的にメンバーの誰かだよね…。っていうかルビィちゃんだよね」
善子「――スクールアイドルたるもの、その輝きでお姉さんを魅了してしまいなさい! トリコにするの!」
梨子「えぇっと…。も、もっと現実的な解決手段はない?」
善子「ないわ!」
梨子「お悩み相談コーナーとして意味をなしてないよ!? これ何も解決しないよねぇ!」
梨子「…えぇー。…続いてのお便りはこちら。リトルデーモンネーム『二年ぶりのひまわり』さんからです、ありがとうございます」
善子「おしゃれなラジオネームね。気に入ったわ」
梨子「…リトルデーモンネームじゃなかったっけ、よっちゃん」
善子「か、噛んだのよっ! 編集点編集点! ――ダメ、使わないでホントに…」
善子「ぐ、ぐっもーにん…?」
梨子「『私が内浦に来たのって二年ぶりなんだけど、来てすぐのころはカナンってば、なーんか私に冷たくって…』」
善子「カナン…? えらく聞き覚えのある名前ね」
梨子「よっちゃん。もうなんかさっきからこういうの、気にしたらダメなんだと思う。私は気にしないことにしたよ…」
善子「そ、そう? リリーがそう言うなら気にしないでおくわ」
梨子「『もしかして私が前にカナンたちにしたことが原因なんじゃないか、って思うんだけど…きっともう許してくれると思うんだ。だから、謝ろうと思うんだけど』」
善子「『硬度10の金剛』さんといい、『二年ぶりのひまわり』さんといい、どうしてこうも微妙に重い相談をしてくるのよ…。これただの女子高生がやってるラジオの、しかも初回なんだけど!」
善子「――続けて、リリー」
梨子「『カナンやあなたたちのスクールアイドルグループ…「Aquors」だっけ? にね、入ってみてもいいかな、なんて…。あの子たちと、あなたたちと、一緒に輝きたいなって、そんな相談でした。善子、ぜひ相談に乗ってください! チャオ☆』――との、ことで…」
梨子「これもしかして、九人目のメンバー見つかっちゃったんじゃない? この『二年ぶりのひまわり』さん、Aqoursに――あ、微妙につづり間違えてますよ、『二年ぶりのひまわり』さん!」
梨子「ま、まぁね。千歌ちゃんたちに相談してみよっか。…いや、『二年ぶりのひまわり』さんの中ではもう答えが出ていて、あとは背中を押してほしいのかも」
善子「そ。ならこのヨハネとリリーがあなたの背中を全っ力で押したげる! トクベツなんだから!」
梨子「私も応援します! 『二年ぶりのひまわり』さん、ぜひ――私たちと一緒に輝きましょう!」
善子「そんなところで、尺の都合もあってこのコーナーはおしまい。リトルデーモンのみんな、次回からもお便り待ってるからね!」
梨子「なんだかんだ優しいよっちゃんがお悩みを解決してくれるかもしれないので、どしどしお送りくださいね~」
♪ エンディング ♪
梨子「残念ながらこのラジオ、初回放送はそろそろお別れのお時間となってしまいました~」
善子「えっ! もう終わりなの!? まだヨハネの魅力が十分に伝わってないじゃないの!」
梨子「大丈夫だよ、よっちゃん。よっぽどのことがない限り次回放送があるし――いつやるかは未定だけど」
善子「ラジオって毎週配信じゃないの!? ひょとしてこの番組不定期配信なの…?」
梨子「まぁほら、録音に加えて編集作業も素人の手でやるわけだし、みんなが高校生だから忙しい身だもん。しょうがないっていうか…」
梨子「ハードル高いなぁ…。それにリスナーさんの中にはリトルデーモンじゃない人も結構いるでしょう?」
善子「でもみんな、このヨハネの声を聴いてリトルデーモンにきっとなったわ! フフフ――私って、罪な女よね」
梨子「あー、はいはい。よっちゃんは罪な女の子ですねー」
善子「感情が全然こもってない! リリーがまた意地悪する~!」
梨子「まぁまぁ。よっちゃん、初めてのラジオはどうでしたか? 結構緊張したけど私は楽しかったなぁ」
善子「そんなの楽しかったに決まってるじゃない。だってリリーとのラジオよ? 血沸き肉躍るわ――」
善子「それでは次回、またお会いしましょう!」
二人「「またね~!」」
梨子「この番組は、『ゲーマーズ』、『和洋菓子 松月』、『淡島ホテル』の提供でお送りしました」
読んでくださった方、ありがとうございます
誤解のないように言っておくとラジオ形式のSS書くのは初めてです。
それではまたどこかで。
アニメでも何らかのよしりこ描写あればいいなあ
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