【ラブライブ!】千歌「許せなかった自分へ」
- 2020.04.28
- SS

太陽のような迷いのない瞳に惹かれたんだ
……私が無茶なことをやっちゃったせいで
あの時は私の大好きな気持ちをみんなと共有したいって思いだけだったの
でも、よく考えてみればやっちゃいけないことだってわかってたのに……
自分のことだけしか考えずに取り返しのつかないことをしちゃったんだ……
でもね、みんなは優しいから冬大会があるって言ってくれて私のしたことを許してくれたの
それで少しは救われたんだけど……
それでも私がみんなに迷惑をかけっちゃったのは事実なんだ……
出場したアイドルが失格になることなんて前代未聞なんだって……
この件以降Aqoursはいろんなイベントにも呼ばれるようになったし
ランキングでも今まででは考えられないぐらいの順位になったりしたの
みんなはチャンスだって張り切ってるし、私だってそう思うようにして頑張ってるよ
自分がやりたいことをやっちゃったせいでみんなに迷惑をかけちゃった時のことが……
こんな時、私は比べることをやめたはずのあの先輩のことを考えてしまうの……
穂乃果さんならどうしたんだろうって
それこそメンバーが今何してるかがインターネットとかで出回るぐらいに
……ある一人を除いてなんだけどね
穂乃果さんは高校を卒業した後全く行方が掴めなくなったらしいんだ
……でもそれが穂乃果さんらしさなんだと思うの
μ’sのときのように急に突拍子のないことをして、成功させちゃう
それが穂乃果さんらしさ
考えちゃいけないんだけどね、あの時私じゃなくて穂乃果さんだったらどうなんたんだろうって思っちゃうの
きっと成功させてたんだろうなって思うと胸が痛むんだ……
取り柄もない普通の私だったからみんな迷惑をかけちゃったんじゃないかって……
μ’sを追いかけるのをやめるって決めたのに今でも私は穂乃果さんと比べることをやめられないんだ……
曜「そうだよ 練習中もミスすること多いし」
千歌「あはは…… ちょっと寝不足なだけだよ」
梨子「……もしかしてあのことをまだ気にしてる?」
千歌「……っ!」
梨子「そうよ! それに千歌ちゃんを止めなかった私達だって悪いのよ」
梨子「だから千歌ちゃん一人のせいじゃないのよ?」
千歌「……でも、私があんなことをしなかったらラブライブ本戦に進出できたかもしれないんだよ!」
千歌「私はみんなの夢を潰しちゃったんだよ……」
曜「千歌ちゃん……」
千歌「きっと今の私が練習に参加しても足引っ張るだけだし……」ダッ
梨子「千歌ちゃんっ!」
ようりこ「……」
曜「……あんな千歌ちゃん初めて見たよ」
梨子「……うん」
梨子「……はい」
梨子「ダイヤさん達なら千歌ちゃんを助けることができるんじゃないかって思って……」
果南「あはは、嬉しいこと言ってくれるねぇ でもね……」チラッ
鞠莉「ええ…… 多分私達にも無理ね」
曜「どうしてですか……?」
ダイヤ「多分ですが…… 千歌さんに私達が何を言っても逆効果になると思いますわ」
果南「 ……千歌はあの件で私達に引け目を感じてるんでしょ?」
果南「……私達が励ましたところで気を遣ってもらってるって感じると思うんじゃないかな?」
鞠莉「……ちかっち自身で立ち直ってもらうしかないわね」
梨子「そんな……」
鞠莉「……私達だってなんとかしてあげたいわ」
鞠莉「でもね、今回に関しては私達が何をしても裏目にでるような気がしてるのよ……」
果南「……現に曜と梨子ちゃんのときだってそうだったでしょ?」
ダイヤ「……辛いでしょうが私達は千歌さんを信じるしかありませんね」
曜「……そうだね」
鞠莉「……」
鞠莉(とは言ってもこの問題はちかっち一人じゃキツイわよね……)
鞠莉(でも私達以外でちかっちを救うことができる人っているのかしら……)
なんで二人から逃げてきちゃったんだろう……
ふたりとも私のことを心配してくれてただけなのに……
やっぱり私はダメ千歌だなぁ……
???「ねぇ、そこのあなた」
……可愛いお姉さんだなぁ
……でも一体誰に話しかけてるんだろう?
お姉さん「もうっ! 無視しないでよっ!」
千歌「……もしかして私のことですか?」
お姉さん「うんっ! 十千万旅館まで道案内してくれないかな?」
お姉さん「高海千歌ちゃん」
お姉さん「だってあなた、結構有名人だよ?」
お姉さん「ラブライブ予選でやったことは全国ニュースになってたしね」
千歌「……そうなんですか」
お姉さん「……もしかして、あの時のこと後悔してたりする?」
千歌「……」コクン
お姉さん「……そっか」
お姉さん「ねぇ、少しだけ話を聞いてもらってもいいかな?」
お姉さん「辛いこともあったし苦しいこともあったけど私達は突き進んだの」
お姉さん「私の……いや、私達の信じる道をね」
お姉さん「私達の中でのスクールアイドルってね、キラキラして楽しくて、そして心がワクワクするようなものだったの」
お姉さん「私はね、そんなスクールアイドルをみんなに知ってもらいたかったんだ」
お姉さん「そのためにイベントなんかもやったことがあったなぁ」
お姉さん「自慢になっちゃうかもしれないけどね、イベントも成功したしスクールアイドルはあの頃よりも広まっていったんじゃないかって思うの」
千歌「……はあ」
お姉さん「……なんだかラブライブで勝つためにスクールアイドルをやってるようにしか見えなくなったの」
お姉さん「私達が余計なことをしなかったら彼女達から楽しさを奪うことはなかったんじゃないかって思うことだってあったよ」
お姉さん「そんなある日、メールが届いたの」
お姉さん「とあるμ’sに憧れた一人の女の子からね」
千歌「えっ……?」
千歌「もしかして、あなたは……」
お姉さん「うん 元μ’sの穂乃果だよっ」
千歌「ほ、本当に穂乃果さんなんですかっ!?」
千歌「……でもどうしてこんなところに?」
穂乃果「それはね…… あなたに会いにきたんだよ」
穂乃果「うーん…… あなたが私に似ていたから……かな?」
千歌「私と……穂乃果さんが似てる?」
穂乃果「うん あなたからのメールを見てて思ったんだ」
穂乃果「……それにあのメールを見てね、実は少し安心したんだ」
穂乃果「私達の想いはちゃんと伝わってるんだって」
穂乃果「だからかな…… あの件があって心配だったんだ」
穂乃果「もしかして自分のやったことを後悔してるんじゃないかって……」
穂乃果「言ったでしょ? 私達はよく似てるって」
穂乃果「私だってあの頃は迷惑を掛けてばっかりだったしね」
穂乃果「私のせいでラブライブに出れなかったことだってあったし……」
穂乃果「あの時、私もずっと後悔してたよ」
穂乃果「その直後にも色々あって最終的にはスクールアイドルをやめるってまで思い詰めてたっけ」テヘハ
千歌「その後、どうなったんですか……?」
穂乃果「みんなのおかげで立ち直ることができたんだ」
穂乃果「結局さ、自分だけが自分のことを許すことができなかったんだよね」
穂乃果「だからあんなことになったんだと思うんだ」
穂乃果「確かにあの時やったことはダメなことだったのかもしれないね」
穂乃果「でもさ、そのことで自分をずっと責め続けるのって悲しいことだよ?」
千歌「……」
穂乃果「千歌ちゃんだってもう十分反省したでしょ?」
穂乃果「千歌ちゃん……そろそろ自分のことを許してあげようよ?」
千歌「……私はみんなの優しさに甘えてもいいんですか?」
穂乃果「もちろん!」
穂乃果「失敗なんて誰だって必ずするものなんだよ?」
穂乃果「大事なのはその後どうするか」
穂乃果「……これも私の実体験なんだけどね」
穂乃果「ずっとそのことを引きずってると知らずに迷惑を掛けちゃってたりするものなんだよ?」
千歌「……っ!?」
穂乃果「ねぇ、千歌ちゃん そろそろ進み出そうよ?」
穂乃果「あなたにだって私にとってのμ’sのみんなのような仲間がいるでしょ?」
穂乃果「きっとあなたのことを心配してるはずだよ?」
千歌「穂乃果さんに言われて気づきました」
千歌「……私は最近ずっと過去の自分のことしか見てなかったんですね」
千歌「きっとみんなに迷惑を掛けちゃってた……」
千歌「だから、そんなウジウジした私はもう捨てます!」
千歌「これからは前を見続けます!」
千歌「だって私にはみんながいるんだから!」
穂乃果「……きっとあなた達はこれから先もたくさんの辛いことも経験するんだとおもうんだ」
穂乃果「でもね、あなた達なら乗り越えられるよ!」
穂乃果「だってあなた達は私達によく似てるんだから」
穂乃果「……だからね、今しかないスクールアイドルを精一杯楽しんでね?」
穂乃果「千歌ちゃん、ファイトだよっ!」
穂乃果「だったら今から千歌ちゃんがしなくちゃいけないことはわかるよね?」
千歌「はいっ! みんなに謝ってきます!」
千歌「穂乃果さん、これからも見ててくださいね!」
千歌「私たちAqoursの進むこれからを!」
千歌「誰も見たことのないところに連れて行ってあげますから!」
ダダダッ
穂乃果「うんっ! 楽しみにしてるねっ!」フリフリ
穂乃果「……バイバイ、千歌ちゃん」
……そして感謝の気持ちも
そして、もう一人で抱え込まないってことも
みんな私のことをずっと気にかけてたみたいでホッとしていました
……みんな、ありがとうね
……どうしてそんなに冷静なのかって?
……なんとなくそんな気がしてたからかな
きっと私を励ましてくれるためだけに来てくれたんじゃないかって思ってるんだ
……自意識過剰かな?
私はこれからも前を向いて進んでいきます
時々キツイこともあるかもしれない
でも、私は一人じゃないから
みんなが一緒にいてくれるから
だからどんなことがあってもきっとうまくいくと思うんです!
私達にしか作ることのできない未来を
誰の真似でもない私達の輝いた証を!
キャラ崩壊してたらごめんなさい
ありがとう、乙
>>1は誰もが口にするだけで書かなかった失格ルートの先行者となったのだ
偉い
>>1 乙
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