【ラブライブ！】希「おせっかいなウチ」

凛「どうして凛ばっかり怒られるの！？」

希「！？」

海未「凛は何度注意しても間違えるからです」

海未「私達三人の時はスローテンポの曲が多いので先走り過ぎないようにと、何度も言ってるではありませんか」

海未「それに、一つ一つの動きを丁寧にしないと…」

凛「もう、その話は聞き飽きたの！」

凛「大体、希ちゃんだって踊り間違える事もあるでしょ！？」

希「あはは…」

希（ウチにまでとばっちりが…）

凛「それなのに、凛ばっかりいつもいつも…」

海未「希は一度注意しただけで修正できるのでしつこく言う必要が無いからです」

海未「なら、その通りにしてくださいね」

凛「うっ…できるもん！」

海未「希も来たことですし、練習再開しますよ」

凛「凛も…かよちんみたいに、穂乃果ちゃんやことりちゃんみたいな優しい二人とやりたかったよ…」ﾎﾞｿｯ

海未・希「…！」

凛「あっ…」

海未「…分かりました」

海未「今日は練習…やめにしましょうか」

希「海未ちゃん…」

海未「希…すみません…」

希「待って！海未ちゃん」

海未「…すみません」

凛「…どうしよう」

凛「凛、海未ちゃんにあんなひどい事言っちゃった…」

希「凛ちゃん…」

凛「海未ちゃんは何も悪くないのに…」

凛「それなのに…凛が怒って…あんな事…」

希「一緒に謝りに行こう？海未ちゃんも許してくれるよ？」

凛「ううん…今は海未ちゃんに会いに行くの怖いの…」

凛「あんなに落ち込んだ顔の海未ちゃん…初めて見たから…」

凛「もし、許してくれなくて…もう一緒に歌ってくれないって言われたら…」

凛「凛、どうしていいのか分からないよ…」

希「…」

希「ウチの事はええよ…凛ちゃんのいう事も最もやん？」

凛「ごめんなさい…希ちゃん…」

希「海未ちゃんも、凛ちゃんの事キライになったりしないから大丈夫」

希「だから、今ならきっと許してくれるよ？」

凛「ごめんなさい…希ちゃん…」

凛「今は一人にしてほしいな…」

希「…うん」

凛「ごめんなさい…」

希（本当なら、練習の指示も注意もウチが出した方がいいのに、海未ちゃんに甘えて）

希（一番年下の凛ちゃんの事も慰めてあげられなくて…）

希（ウチ、何やってるんやろ…）

？？「…！」

希（今日はもう家に帰ろうかな…練習なんてする気もおきないし…）

にこ「希！」

にこ「さっきから呼んでるじゃないのよ」

希「あはは…ごめんなぁ」

にこ「別にいいけど…」

希「えっ…？」

にこ「自分の顔、鏡で見てみなさいよ。酷い顔してるから」

希「何にもないよ。ちょーっと考え事してただけやし」

希「それに酷い顔って…にこっちも随分口が悪いなあ…」ｱﾊﾊ

にこ「…いいからこっち来なさい」

希「ウチの事より練習は？えりちと真姫ちゃん待ってるよ？」

にこ「今は休憩中…それよりも」

にこ「本当、希って手が焼けるんだから…」

希「ウチは…そんな事…」

にこ「希はいつも他人の事優先で、自分の事は後回しなんだから」

にこ「そういうところ、手が焼けるって言ってるのよ」

にこ「うるさいわよ。さっさと本題に入りなさい」

希「海未ちゃんと凛ちゃんとちょっとね…」

にこ「ちょっとじゃわからないわよ…」

希「うん…ごめんね…」

希「そんな事って…にこっち酷いなあ…」

にこ「めんどくさい事考えすぎなのよ。いつもみたいに飄々としていればいいじゃない」

希「にこっち…」

にこ「大体、希が仕切って練習なんて無理なんだから、そういう事は海未に任せておけばいいの」

にこ「それに、凛なんておこちゃまなんだから、海未にしつこく怒られたら反発するのも当然でしょ」

にこ「希はそういう時に、ちょっとおせっかいな事して解決するぐらいがちょうどいいのよ」

にこ「ほら、もう希の悩みなんて解決したじゃない」

希「…」

にこ「何よ」

希「にこっちは凄いなあ…」

にこ「…」ﾌﾝ

希「にこっちの言う通りやね、下を向いてる暇なんかないもん」

希「ウチに出来る事…まだまだ沢山あるもんね」

希「ありがとう、にこっち」

にこ「…頑張りなさいよ」ﾎﾞｿｯ

希「ん？」

にこ「何でもないわ」

にこ「…聞こえてるじゃないのよ」ﾌﾝ

希「何の事かな？」

にこ「でも、そういうつかみどころのない方が希らしいわ」ﾌﾌｯ

にこ「それじゃあ、本当に行くわね」

希「うん、いってらっしゃい」

希「…」

希「ありがとう、にこっち。頑張るよ」

希「本当なら、あの場で止めてあげるのが一番良かったけど…今日はできなかったから」

希「ここは正々堂々解決するしかないね」

希「ちょーっとウチらしくないかもしれないけど」

希「ここは、おせっかい焼きのウチらしく行こか」

凛「かよちん？来たよー？」

希「いらっしゃい、凛ちゃん」

凛「の…希ちゃん！？」

凛「あ…あの…かよちん知らない？ここで大切な用事があるって聞いたんだけど」

希「ごめんなぁ、用事があるのはウチなんよ」

希「こうでもしないと、凛ちゃん来てくれないと思ったから」

凛「…ごめんなさい」

希「謝らなくてもええよ。凛ちゃんと少しだけお話ししたいんよ」

希「いいかな？」

希「実はね、ウチ、良くここで一人で練習してるんよ」

凛「えっ…？」

希「後、みんなが朝練に来る前にもね。こっそり一人で」

希「ウチは生徒会も神社のお手伝いもあるから、練習に参加できる時間がみんなより少ないからね」

希「だから、海未ちゃんやえりちに指摘されたところはこっそり練習して修正してるんよ」

凛「知らなかった…希ちゃんがそんなに努力してなんて…」

凛「それなのに…凛は…」

希「でもね、ウチが言いたいのはそういう事じゃなくて」

凛「えっ…？」

希「海未ちゃんに謝るよりも、まずは凛ちゃんはちゃーんとできる子だって証明してあげよ」

希「あそこまで言われたらちょっと悔しいもんね」

凛「うん…」

希「それじゃあ、厳しく行くよ！」

希「練習は普通にやるけど、凛ちゃんが一回間違えるごとに…」

凛「希ちゃん…手の動きが…」

希「いい子やね、凛ちゃんは察しが良くて」

凛「こ…これだったら、海未ちゃんのスパルタレッスンの方がマシにゃ…」

希「それじゃあ、スタート！」

凛「そんなぁ…」

凛「ひいっ」

希「ほら、変なことしないから映像見て？」

凛「う…うん…」

希「これが、海未ちゃんのダンスね」

凛「うん」

凛「あっ…」

希「もう分かったかな？」

凛「凛！もう一回踊るから見てて！」

希「ええよ」ｸｽｯ

凛「希ちゃん？」

希「やっぱり、凛ちゃんは元気いっぱいの方がかわいいなあって」

凛「…///」

希「でも、その意気やね」

凛「うん！」

希「それじゃあ、がんばろっか！」

希「そろそろ…限界やね…」

凛「うん…でも…」

希「海未ちゃんみたいになるにはまだまだやね、お互い」

凛「うん…」

凛「いい…かな？」

希「ウチが断るわけないやん？」

凛「えへへ…良かった…」

希「それじゃあ…明日は朝練の一時間前に」

凛「の…希ちゃん、そんなに早くから練習してたの！？」

希「うん」

凛「そっか…やっぱり希ちゃんはすごいや」

希「あまり長話する時間でも無いし、そろそろ帰ろうか？」

凛「うん！今日はありがとう！」

希「お疲れ様、凛ちゃん」

凛「また、明日ね！！」

希「後は…海未ちゃんやね」

希「やっほー海未ちゃん」

海未「の…希！？こんな時間にどうしたのですか？」

希「ちょーっとお話しよって思ったんよ」

海未「そ…それでしたら、中に」

希「ううん、すぐ終わるから」

希「ウチがここに来た理由は分かるやろ？」

海未「……はい」

希「それじゃあ、一つだけ」

希「海未ちゃんは海未ちゃんらしくこれからも頑張ってね？」

希「困った時はウチがついてるから」

海未「希…」

海未「はい…」

希「もう一つあったわ、これからもよろしくね。ウチは海未ちゃんの事待ってるから」

海未「の…希！…私も…」

希「今は返事しなくてええよ」

希「ごめんね、これで最後なんだけど」

希「明日の朝…」

凛「少しお寝坊さんしちゃったのかな？」

凛「とりあえず。凛一人で練習してよっと」

凛「早く希ちゃん来ないかなあ」

海未「今のところは、こう踊るのですよ。凛」

凛「えっ…あっ…海未ちゃん…」

海未「ですが、昨日間違えていたところは完璧にできていましたね」

凛「うん…」

凛「う…海未ちゃん…あのね…」

海未「凛」

凛「は…はい！」

海未「昨日はいささか言い過ぎました…申し訳ありません…」

凛「それよりも、もっとひどい事言っちゃったから…」

凛「海未ちゃんは、凛の為に怒ってくれたのに、あんな事言って…」

凛「凛は、海未ちゃんも希ちゃんも大好きなのに…」

海未「凛…」

海未「ええ、こちらこそよろしくお願いします」

凛「えへへ…良かった…」

凛「でも、どうして凛がこんな時間から練習してるって知ってたの？」

海未「その理由は一つに決まっているではありませんか」

凛「やっぱり、希ちゃんもいないとダメだね」

海未「はい、私達は三人でいるのがちょうどいいみたいですね」

凛「うん♪」

希「二人とも、練習するよー！」

海未・凛「おーっ！」

おわり