【ラブライブ!】千歌「怖い話!」 曜「大会!」 梨子「冬なのに!?」
- 2020.04.28
- SS

梨子「こんばんは、曜ちゃん。お邪魔します」
千歌「どうぞ、どうぞ」
梨子「なんで千歌ちゃんが言うの?」
千歌「ほら、わたしももうこの家の子どもみたいなところあるし」
曜「ないない。ほら、二人とも入って入って」
曜「そうだよ。梨子ちゃんはじめてだったっけ?」
梨子「うん。集まる時はわたしか千歌ちゃんの部屋だったからね」
曜「そっか。うちはちょっと離れてるもんね」
千歌「あっ!」
曜「どうしたの?」
千歌「わたしの小さい頃の写真また飾ってる! 恥ずかしいからやめてっていったのに!」
曜「なんか千歌ちゃんの写真見てると落ち着くんだよね」
梨子「あっ、少し分かるかも」
曜「やっぱり? 今度小さい頃の写真何枚かあげるよ」
梨子「ほんと? ありがとう」
千歌「ちょ、ちょっと!? 二人してなに言ってるの!?」
曜「果南ちゃんも言ってたから三人だね」
千歌「えっ!?」
千歌「ちょっと待って。今の話、詳しく聞かせて?」
梨子「うん。お友達の家にお泊りだなんて久しぶりだからドキドキしちゃった」
曜「そう? それならよかったよ」
千歌「えっ!? 無視するの!?」
曜「千歌ちゃんは大丈夫だった?」
千歌「う、うん。明日も休みだし。特に用事もないし」
曜「よかった。じゃあのんびりできるね」
千歌「……まあいいや。それで、なんで急にお泊り会しようだなんて言い出したの?」
曜「今日はパパとママが仕事でいないんだ。だから、ちょうどいいかなと思って」
梨子「あれ? それお昼にも聞いたけれど、その時はそんなこと言ってなかったよね?」
曜「そ、それは、その、ついさっき思いついたんだよ」
千歌「……嘘だね」
曜「え!?」
千歌「うん。だいたいは」
曜「ま、まあいいじゃん! それよりさ、二人はここに来る前何してた?」
梨子「怪しいわね」
千歌「ですな」
曜「あ、怪しくないよ! ほら、答えて!」
梨子「わたしはテレビを見ていたの。心霊写真のやつ」
千歌「あっ! それわたしも見てた!」
梨子「千歌ちゃんも見てたんだ。怖かったよね」
千歌「うん! 特に再現ドラマが怖かったよ」
梨子「分かる分かる。すっごい力入ってたよね」
千歌「そうそう!」
曜「…………」
曜「わ、わたし!? わたしは……、そ、そう! 本を読んでたの! 昨日買った小説がおもしろくてさぁ!」
梨子「……千歌ちゃん?」
千歌「嘘ですね」
曜「なっ……!」
梨子「読書ではないとすると、曜ちゃんもテレビ見てたとか?」
曜「そ、そんなことないよ!」
梨子「千歌ちゃん?」
千歌「テレビを見ていましたね」
曜「ちょっと! 千歌ちゃんレーダーやめて!」
千歌「ほんとですか? 梨子ちゃん警部」
梨子「ええ。……曜ちゃんはわたしや千歌ちゃんが見ていたのと同じ、心霊写真の番組を見ていた。だけれど、途中で怖くなってしまった。運の悪いことに今夜はご両親もお仕事で不在。どうしても一人で夜を明かすことに耐えきれなくなった曜ちゃんは私たちを……」
曜「そ、そんなことないってば!」
梨子「千歌ちゃん?」
千歌「そんなことありますね」
曜「ぐぅ……」
千歌「え? なんだって?」
梨子「曜ちゃん、聞こえないわ」
曜「もうっ!/// こわかったの!/// わるい!?/// わたしが怖がりじゃだめ!?///」
梨子「曜ちゃんもかわいいところあるのね」ニヤニヤ
千歌「自慢の幼馴染です」ニヤニヤ
曜「もうねるっ!/// おやすみっ!///」
千歌「あっ! 待ってよ、よーちゃん!」
…………
千歌「同じく。ごめんなさい」
曜「……まあ、本当のことだし。もういいよ」
梨子「じゃあ気を取り直して何かしよっか」
曜「そうだね。まだ寝るには少し早いよね」
千歌「じゃあさ、怖い話しようよ!」
曜「……はい?」
梨子「ちょ、ちょっと千歌ちゃん!?」
千歌「そ、そうじゃなくてさ! どうせ私たちが考えたって中途半端な話にしかなりっこないじゃん! だからそんな話で上書きしちゃえば、よーちゃんも怖くなくなるかなと思って!」
梨子「そ、そんな言い訳通用するはずが……!」
曜「…………」
梨子「……よ、曜ちゃん?」
曜「確かに、千歌ちゃんの言うことも一理あるね」
千歌「でしょ!?」
梨子「え!?」
曜「分かった。わたしもやるよ」
千歌「わーい! じゃあ怖い話大会に決定!」
梨子(こんな案に乗っかるだなんて……。曜ちゃん、よっぽど怖かったのね)
曜「よっ! 千歌ちゃんがんばれ!」
千歌「はーい!」
梨子「こ、こんなノリでいくの? 怖い話なのに?」
曜「まあいいじゃん。千歌ちゃん、どうぞ!」
千歌「ごほん! ……これはわたしが実際に体験した話なんだけどね、わたし、小さい頃は旅館の空き部屋で遊ぶのが好きだったんだ。なんか、いつもと違う世界にいるみたいでさ」
曜「あぁ、一緒に遊んだこともあったね」
千歌「うん。……それでね、その日も一人で空き部屋で遊んでたんだけど、いつの間にか寝ちゃってたの。まあ小さい頃だから仕方ないよね」
千歌「それでね、誰かが部屋のドアを叩く音で目が覚めたんだよね。時計を見てみたらもう夜でさ、こりゃ怒られると思っておそるおそるドアの穴をのぞいて外を見てみたんだ。そうしたらさ、そこには誰もいないの」
梨子「え……? もういなくなってたとかじゃなくて?」
千歌「わたしもそう思ったんだ。だけど、ドアを叩く音は鳴り続けてるんだよね。コンコンって音じゃなくてさ、ドンドンみたいな、強い音が」
曜「そ、それで?」
曜「開けちゃったの!?」
梨子「ちょっと、曜ちゃん静かに! それで……?」
千歌「うん。ドアを開けた瞬間白い塊が飛び込んできて、わたしはそれに押し倒されちゃったの。おそるおそる見てみたらそれは……」
曜・梨子「そ、それは……?」
千歌「しいたけだった!」
曜・梨子「……え?」
千歌「わたしを心配して探してくれてたみたい! 多分においで分かったんじゃないかなぁ。その頃からわたしとしいたけは強い絆で結ばれていたんだね!」
曜「梨子ちゃん、次お願いできる?」
梨子「ええ。これはわたしがまだ東京にいた頃の話なんだけど……」
千歌「ちょ、ちょっと!? 拍手とか感想は!?」
千歌「え!? 怖かったじゃん!」
梨子「まあ途中までは確かに怖かったけれど……」
曜「最後は心温まるハートフルストーリーだったじゃん」
千歌「えぇ!? そういう趣旨じゃないの!? よーちゃんを怖がらせないためにって言ったじゃん!」
曜「いや、そうだけどさ、最初に言ってたのは怖い話をしようとしても、結局、私たちだったらあんまり怖くない話になっちゃうってことでしょ?」
千歌「うん」
曜「千歌ちゃんの話はそもそもの着地点がずれてたじゃん。最初から怖い話じゃなくてハートフルな話をしようとしてたじゃん」
千歌「わたしにとっては怖かったんだよ!」
梨子「大丈夫よ。わたしは千歌ちゃんの話、楽しめたから」
千歌「だから楽しい話はしてないよ!?」
千歌「そ、そこまで言うならよーちゃんがやってみてよ!」
曜「わたし? 梨子ちゃん、先にしてもいい?」
梨子「どうぞ」
曜「よし! じゃあわたしがお手本を見せてあげるよ!」
千歌「怖がりなよーちゃんが怖い話なんてできるのかな~?」
曜「そんなこと言ってられるのも今のうちだからね」
梨子「失敗しちゃったときのトラウマとか?」
曜「ううん。その子はとっても飛び込みがうまくて、その直前まで大会とかでもいい成績を残していたんだ」
曜「それで、一度も練習で飛び込めないまま、次の大会を迎えちゃったの。周りは止めたんだけどさ、その子がどうしても出るって聞かなくて」
千歌「そ、それで?」
曜「うん。ついにその子が飛ぶ番になってさ、みんながハラハラして見守る中、その子は勢いよくジャンプしたんだ」
梨子「失敗しちゃったの?」
曜「ううん。結果は大成功。今までのが嘘みたいに華麗にジャンプしてさ、優勝とまではいかなかったけれど、いい成績をとったんだ」
千歌「えー!? ぜんぜん怖くないじゃん!」
曜「ここからが怖いの!」
梨子「な、何かって?」
曜「詳しく聞いてみるとさ、自分が飛び込もうとすると、練習場のプールの水面に顔が浮かんでたんだって。だからどうしても飛べなかったの」
曜「そんなこといっても信じてもらえないだろうし、みんなも普通に飛び込んでるから誰にも言えなかったみたい」
千歌「…………」
曜「あとから調べてみるとさ、その練習場では前に事故が起こってて、女の子が一人死んじゃってたんだって」
曜「その女の子も飛び込みが上手な子でさ、自分と同じように飛び込みが上手な子に嫉妬したんじゃないかってことらしいよ」
千歌・梨子「…………」
曜「ということでお話はおしまい! どう!? 怖かった!?」
曜「そ、そう!? それなら良かったよ! 千歌ちゃんは?」
千歌「……まあ、悪くはなかったかな」
曜「え?」
千歌「だから、悪くは……」
曜「え?」
千歌「もうっ! 怖かったよ! わたしの負けです! これでいい!?」
曜「へへへっ。 ありがとう、千歌ちゃん!」
千歌「……でもさ、飛び込みがうまい人が狙われるんだったらさ、次はよーちゃんだね」
曜「え?」
曜「だ、だからこれはそういうお話だってば!」
梨子「……ありえないことではないわね」
曜「梨子ちゃんまで!?」
千歌「今度、飛び込む時にさ、水面見てみなよ。もしかしたら顔が映ってるかもよ?」
曜「ちょ、ちょっと!? 怖いこと言わないでよ!?」
千歌「よーちゃん、わたし達はずっと友達だからね」
梨子「曜ちゃんのことはぜったいに忘れないわ」
曜「やめて! ほんとに飛び込めなくなるから!」
千歌「最後のトリだから期待してるよ!」
梨子「あんまりハードル上げないで。わたしのはそんなに怖くないから」
曜「ハートフルな話じゃなければぜんぜんいいよ」
千歌「まだひっぱるの!? よーちゃん、もしかしてけっこう怒ってる!?」
曜「そんなことないよ。ほら、はじまるよ」
千歌「わ、分かったよ。梨子ちゃんどうぞ」
千歌「へぇー。やっぱり都会は大変なんだね」
曜「そもそも土地の値段が違うからね」
梨子「それで、その日の夜もトイレに入ろうとしたら電気がついていたの。誰か入ってるんだろうなと思ってドアの前で待ってたんだけど、一向に出てくる気配がなくて、ノックをしてみても返事がないの」
曜「誰かが電気を消し忘れちゃったとか?」
梨子「ううん。中から音は聞こえるの。でも、その音が少しおかしくてね、タンタンって音がするの。それもリズムよく、タン、タン、タン、って」
梨子「それで気になってドアを開けたんだけどね、中にはお母さんがいたんだ」
千歌「なんだ、お母さんだったんだ」
梨子「うん。でも、少し様子がおかしいの。お母さん、トイレの中でダンスを踊ってたんだ」
千歌・曜「……え?」
千歌・曜「…………」
梨子「それでね、わたし、声をかけたの、お母さんって。だけど、こっちを見ないの。ずっと踊ってるの」
梨子「怖くなって、大きな声で呼びかけたの。お母さん! お母さん! って。そうしたら、いきなり動きが止まって、こっちをじーっと見つめてきたの」
梨子「その目が、なんていうかいつものお母さんじゃなくて、マネキンみたいで怖くなっちゃって、その日はそのまま部屋に帰って寝ちゃったの」
千歌・曜「…………」
梨子「それで、わたし勇気を出して聞いてみたの。昨日の夜、何をしてたのって。そうしたら、お母さんはこう言ったんだ。『あなたこそ、夜中に何してたの?』って」
梨子「その後にこう続けたの。『大声でお母さんって呼ぶのが私の部屋にまで聞こえたわ。心配して部屋まで見に行ったけれど、布団をかぶって寝ちゃってるし、寝言だったの?』って」
千歌・曜「…………」
梨子「それからはもうその音を聞くことはなくなったの。だけど、いまだに夜中にトイレの電気がついていると怖くなるの。もしかして、ドアをあけたらお母さんが踊ってるんじゃないかなと思って。あれは本当にお母さんだったのかなぁ」
千歌・曜「…………」
梨子「っていう話でした。ど、どうかな?」
千歌・曜「…………」
梨子「あ、あれ?」
千歌「よーちゃん、今日の夜、トイレ行くときは声かけてね。わたしも一緒に行くから」
曜「……ぜ、ぜったいだからね!? 千歌ちゃんも一人で行っちゃいやだよ!?」
千歌「うん」
梨子「えっ? えっ?」
千歌「梨子ちゃん、わたしが言えたことじゃないけれど、この会ってそういう趣旨じゃなくない?」
曜「千歌ちゃん、手、つないでもいい?」
千歌「いいよ」
梨子「えっ? ど、どうしたの急に?」
千歌「話が怖すぎるよ! これじゃよーちゃんのトラウマを増やしただけじゃん!」
梨子「え? そんなに怖かった?」
千歌「よーちゃん震えちゃってるじゃん! わたしだって夜中にトイレ行くの躊躇しちゃうよ!」
梨子「そ、そう? えへへ……」
千歌「いや、褒めてないからね!?」
梨子「まだ寝るには少し早いわね」
曜「もう一周する? また千歌ちゃんの話が聞きたいな」
千歌「こ、今度はわたしだってちゃんとした話するんだから!」
ピーンポーン
曜「あれ? こんな時間にだれだろう?」
梨子「……誰かが踊ってたりして」
千歌「ちょっと、梨子ちゃん!?」
梨子「ご、ごめんなさい」
曜「そんなこと言われると出て行きづらいよ!」
梨子「わ、わたし!?」
曜「おねがい! 梨子ちゃん!」
梨子「えぇ……? でも、わたしが原因なのかな。じゃあ、ちょっと見て来るね」
千歌「頑張って!」
曜「何かあったら呼んでね!」
梨子「はいはい」ガチャ
…………
梨子 ガチャ
千歌「あっ、どうだった?」
梨子「曜ちゃんのご両親よ」
曜「え……?」
曜「泊まっていってもよかったのに」
梨子「いえ、ご両親が帰られたのなら悪いわよ」
千歌「うん! 今度こそお泊り会しようね!」
曜「ほんとにごめんね。わたしの都合で呼びつけたのに」
梨子「いいの。わたしも楽しかったし」
千歌「わたしも、わたしも!」
曜「……二人とも、ありがとう。それじゃあ、また明日!」
千歌・梨子「うん!」
梨子「千歌ちゃんのお姉さん、夜遅くに送って頂きありがとうございます」
美渡「いいっていいって! また千歌のことよろしくね! 梨子ちゃんみたいなしっかりした子といれば安心だからさ!」
千歌「ちょっと!? それどういうこと!?」
美渡「あんた一人じゃ何するか分かったもんじゃないってことだよ」
千歌「もー! みーとーねーえー!」
梨子「うふふ。じゃあね、千歌ちゃん」
千歌「うん! またね!」
千歌「ふう。……それにしても、梨子ちゃんの話、怖かったなあ」
千歌「トイレ、今のうちにいっとこ」
コンコン
千歌「ひゃい!?」
志満「変な声あげて、どうしたの?」
千歌「な、なんでもないよ! それよりなに、しま姉?」
志満「千歌ちゃん、梨子ちゃんと一緒に曜ちゃんのところでお泊り会するんじゃなかったの?」
千歌「そのつもりだったんだけど、曜ちゃんのお父さんとお母さんが帰ってきてさ、私たちも帰ることにしたんだ」
しま姉「ええ? ついさっき曜ちゃんのお母さんから電話があったんだけど」
千歌「え?」
志満「あのね、もしかしたら曜ちゃんがそちらにお邪魔してないかって。千歌ちゃんと梨子ちゃんが曜ちゃんの家にお泊りに行ってることを伝えたんだけど」
千歌「え? じゃあ、急に帰れるようになったとか?」
志満「その時は帰れそうもないからよろしくって言われたんだけどねぇ。……まぁ、帰ってきたということはそういうことなのかしら。お邪魔したわね。おやすみなさい」
千歌「う、うん」
千歌「…………」
千歌「……まさかね」
最後までお付き合い頂きありがとうございました
元ネタあるの?普通にこわいんだけど
トイレで母親が踊っているという話はかなり前にどこかのスレで見ました
怖い話としてではありませんが
おトイレ…
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