【ラブライブ！】「小さな恋の物語(前)」

花陽「ほっほっ…ん、っと…ふぅ…」

凛「これで終わりにゃ～！」ﾀﾝｯ

希「…………」

穂乃果「ふひ～終わったあ…」ｸﾞﾃﾞ

ことり「お疲れさま～」

海未「新しい振付もだいぶ形になってきましたね」
　

真姫「花陽大丈夫？」

凛「かよちん、なんだかしんどそう…」

花陽「え、そんなことないよ？ ふぅ…」

にこ「これくらいでバテてるようじゃ本番大変よ？」

花陽「うん、ありがとう…」

希「…………」
　

花陽「うん、またね凛ちゃん」

花陽(あ、そうだ、あの雑誌もう発売してたかな…本屋さん寄っていこ)ﾀﾀｯ

　ｺｿｺｿ…

花陽「ん……？」

？？「スキあり～！！」ｶﾞﾊﾞｯ

花陽「ひやっ！？」ﾋﾞｸｯ

希「ひさしぶりの、わしわしＭＡＸ～！！」ﾜｼﾜｼﾜｼﾜｼ

花陽「ぴぃぃぃやぁぁぁぁ！！」ﾌﾞﾙﾌﾞﾙﾌﾞﾙ
　

花陽「自業自得です！ホントに驚いたんだからっ！？」

希「まぁでも立派な防犯意識があってうちは嬉しいよ」

花陽「と、ところでどうしたんですか？ 希ちゃんのお家は逆方向じゃ…」

希「それはもちろん、かよちんの胸をワシワシするために…！」

花陽「…………」ｼﾞｯ

希「きっついわーその視線…あと逃げる態勢やめて」

花陽「それでホントのところはなんなんです？」ｼﾞﾄ

希「だからかよちんの胸を…」ﾜｷﾜｷ

花陽「そのくだりはもういいですよ」

希「ううん、ほんとに用事はそれなんよ。ねえかよちん…」ｼﾞｯ

花陽「え、な、なんですか…？」ﾋﾞｸ
　

花陽「ど、どうして…？」

希「今日の練習中ずっと苦しそうだったし、それにいつもの揺れ方じゃなかったからねー」

花陽「揺れ方って……なにみてるんですか？」

希「ズバリ！かよちん、ブラが合ってないんとちがう？」ﾋﾞｼｯ

花陽「う……それは…」

希「うちの目は誤魔化せんし、さっき触診して確信したんよ！」

花陽「それであんな痴漢行為を……」

希「痴漢いわないで…」ｼｭﾝ
　

花陽「えと…それは……」

希「詮索するようで悪いけど、合わないブラつけて過ごすのはおすすめしないってか、辞めた方がいいね」

花陽「うう……」

希「なにか事情があるん？」

花陽「ん………はい……」

希「うちでよかったら相談のるよ？」

花陽「希ちゃん……ありがとう」
　

花陽「はい…なんかすぐに合わなくなっちゃって…でもまたすぐ新しいの買ってって言い辛くて…」

希「だからって無理して使ってても体に悪いだけやん？」

花陽「それは…はい、わかってるんですけど…」

希「自分で買うっていうのは？」

花陽「それも考えたんですけど、その…高くてなかなか…」

希「んーなるほどなぁ。アイドルやってる以上、あんまり安物ですますのもアレやしねぇ…」

花陽「そ、そうなんです。そのあたりにこちゃんのチェックが厳しくて」

希「なんやにこっち、みんなの下着とかコソコソチェックしとるみたいやしね」

花陽「可愛いの着けたいっていうのは私もそうなので、いいんですけど…ふぅ…」
　

花陽「はい？」

希「その胸……もしかして現在も？」

花陽「そ、それは……はい///」

希(とんだ怪物がいたわけね…エリチはそのうち抜かれるかなぁ…)

花陽「はぁ…そのせいもあって、今無理して買ってもまたすぐに合わなくなるんじゃないかって…」

希「ふむ。確かにそういう悩みはなかなか相談しにくいね…特にあの子らには」

花陽「は、はは……」

希(凛ちゃんは…なんかよくわからない感じで話進まないだろうし、真姫ちゃんも拘りなさそうだし…)

花陽「でも、希ちゃんに話せてちょっとスッキリしました」

希「ん、そうなん？」

花陽「悩みというか、ほとんど愚痴みたいになっちゃうので誰にも言えなかったんだけど、やっぱり…」

希「溜め込んでるより全然いいやんね。それでよかったらいくらでも話聞くよ」

花陽「ありがとう～」ﾎﾜﾝ

希(おぉぅ…頭抱きかかえてうりうりしたい)
　

花陽「日曜ですか、特に何もなかったと思います」

希「それじゃ、うちの家に来ない？」

花陽「え、希ちゃんの家？」

希「確か使ってない昔の下着あったと思うから、いくつかかよちんにあげるよ」

花陽「ほ、ほんとですか！？」

希(思いのほかすごい食いつき…)

花陽「あぁ、助かります～。あ、でも私のじゃ希ちゃんの合うかな…」ﾁﾗ

希「そこは大丈夫。少し大きめのを使うコツとか教えてあげるから」

花陽「わぁ」ﾊﾟｧ

希「そ、そんなに喜んでくれるんなら良かったわー」
　

花陽「お邪魔します～」

希「どうぞー、遠慮せんとはいってー」

花陽「なんだか不思議な感じがします」

希「んー不思議って？」

花陽「毎日一緒に練習したり遊んだり、ライブやったりしてるのに、こうやって二人で話すのってあまりないなって」

希「そういえばそうやね。部室で毎日話てるからあんまり違和感もないけど」

花陽「うん」

希「適当に寛いでて、お茶淹れてくるね」

花陽「ありがとうー」
　

花陽「おそまつさまです」

希「さて、それじゃこっちきて～」

花陽「はーい」

希「今日のために昔のやつ引っ張り出しておいたんやけど…」ｼﾞ…

花陽「？」

希「ちょっとごめんなー」ｻﾜ…

花陽「ぴゃっ！？ち、ちょっと希ちゃ…！」

希「動かんとって、今図るから」

花陽「あ……は、はい…」

希「んー、やっぱり上着邪魔かな。ちょっと脱いでくれる？」

花陽「ひゃい！？」

希「？」
　

希「大丈夫よ、うちしかいてないし、ここは盗聴もされてないから」

花陽「そこまで気にはしてないです。わかりました…」ｽﾙｽﾙ

希(あらー肌綺麗だなぁやっぱり)

花陽「ぬ、脱いだよ…」

希「やっぱり……ほら見てみ、下からはみ出ちゃってるよ。これはキツイわー」

花陽「うぅ……」

希「それじゃうちのお古やけど、ためしていこっか」

花陽「ありがとう…」

希「そいじゃ、ブラも取ってね」

花陽「へ？」

希「へ…て、付け替えるんやし……」

花陽「…………」

希「…………」
　

希「はいはい、じゃあこれに付け替えてみて、うちのやつ」

花陽「あ、かわいい」

希「最近はサイズが大きくてデザイン性があるブラも増えてきたからねー」

花陽「昔はもっと味気なかったってお母さんが言ってました」

希「そういう部分ではいい時代やんね。はいっ」

花陽「…………」

希「恥ずかしいのはわかるけど、言ったやろ？上手いつけ方おしえたるって」

花陽「そ、そうですよね、気にしない…気にしない……」
　

希「いい形のおっぱいやね～」ｼﾞ

花陽「じっと見ないで～！」ｻｯ

希「冗談やって、それじゃつけてみてー」

花陽「えっと…よっ……ん…」ｸﾞｲ　

希「はいストップ」

花陽「え？」

希「ちょっとそのまま前屈みになって…そう、それでこっちから…はい、肩上げてー」

花陽「う、うん…」

希「ちょっとこっちから集めながら…」ﾑﾆｯ

花陽「ひゃああぁ！」ﾋﾞｸｯ

希「そろそろ慣れてーな…」
　

花陽「すごい、少し大きめだったのに違和感ありません！」ﾋﾟｼ

希「うんうん。なかなか似合うし、いいんとちゃう？」

花陽「ありがとう希ちゃん、あーやっぱり着け心地が違います」

希「お役に立ったようでうちも嬉しいよ。それで…」

花陽「～♪」

希「ナイトアップのほうは大丈夫？あれはカップサイズに余裕あるのが多いけど…」

花陽「はい？」

希「だから、ナイトアップブラ」

花陽「？」

希「………」
　

花陽「え、う、うん…」ﾎﾟﾁ…

希「………手、どけて？」

花陽「セクハラ？」

希「視覚確認や」

花陽「？……///」ｽｯ ﾎﾜﾝ

希(マジなのこの子…！？)

花陽「恥ずかしいよ？」

希「今までナイトアップブラとか、使ったことないん？」

花陽「ん、なにかわからないけど、たぶん……」
　

希「そっ、寝る時専用のブラ。これ使ってると型崩れしないし、綺麗なバストラインが作れるんよ」

花陽「す、すごいです…！」

希(実際は小さめの子が大きくするために利用するのが一番の理由なんだけど)

花陽「私今まで何もつけてなかったです」

希「ノーブラ！？」

花陽「どうしてもその、寝る時は苦しくて…Ｔシャツだけとか…」

希「それでそんな綺麗な形なんて、ほんと若さだけじゃないんやねぇ…」

花陽「そ、そうなんでしょうか……」

希「ちょっと揉んでいい？」ﾜｷﾜｷ

花陽「ぴゃっ！？」ﾋﾞｸ

希「冗談やって…ん、じゃあとりあえず」
　

花陽「はあ？」

希「すごい声でたよかよちん」

花陽「ごめんなさい、いきなりだったので…でも…」

希「寝ながらナイトアップブラについてレクチャーしてあげるから、ほらほら」

花陽「わ、わかりましたけど……」

希「ちなみにこれもうちのお古やけど、２，３枚あげるよ」

花陽「あ、かわいい。いいの？」

希「うちは今のサイズに合ったのを使ってるからねぇ」

花陽「わぁ、ありがとう～」

希(意外に物で釣られるんだね……)
　

希「嬉しそうやね」

花陽「え、あぁ…最近はずっと悩んでばかりだったから……」

希「誰かに相談してみようって……ああ、そっか…」

花陽「///」

希「エリチとかにも相談してみたらよかったのに」

花陽「うん……そうなんだけどね……ちょっと……」

希(エリチ…まだちょっと怖がられてるのね……)

花陽「ん……しょ」ﾄｻ

希「」ﾄﾞｷ
　

希「ふふ……」ｽｯ

花陽「希ちゃん……？」

希「花陽、綺麗だぜ……」ｶﾞﾊﾞ

　ﾄﾞｽ

希「かよ……ちん……膝は……アカンて…」ﾜｷﾊﾞﾗ…

花陽「ごめんなさい、なんだか身の危険を感じてつい……」

希「軽い冗談やったのに、かよちんけっこうなツッコミキャラなんやね…知らんかったわ」

花陽「ツッコミというより防衛本能です」

希(手厳しい子だったのね…)

花陽「あの、やっぱり恥ずかしいんで服着ていいですか？」

希「んー、まぁ使い方はだいたいわかるやろうし、またわからん事あったらなんでも聞いてな」
　

花陽「あ、うん」

希「適当に着け心地試して、合うかどうか見といてー」

花陽「ありがとう」

　ﾄﾀﾀﾀ…

花陽「…………」ｷﾞｭｯ

花陽(び、ビックリした……冗談とはいえいきなり覆いかぶさってきて…)ﾄﾞｷﾄﾞｷ

花陽(希ちゃん、ああいう顔もするんだ……)ﾄﾞｷﾄﾞｷ
　

　ﾋﾟﾝﾎﾟｰﾝ

希「ん、誰かな……はーい」ｶﾞﾁｬ

にこ「やっぱり家にいたわね」

凛「希ちゃんやっほ～」

海未「こんにちは、希」

希「あれ、みんなどうしたん？」

にこ「どうせ家でゴロゴロしてるだろうと思ってアポなしで突撃しにきたのよ」

希「ようわからん冒険しとるんやねー海未ちゃんまで」

海未「私は途中でにこ達に会って、半ば強引に……」

凛「みんな暇にゃ～」

希「はは、まあうちは全然いいんやけどな。家にいなかったらどうするつもりやったん？」

にこ「その時はその時よ」
　

にこ「そうさせてもらうわ。ん、誰かきてるの？」靴

希「かよちんが遊びにきとるんよー」ﾀﾀｯ

凛「かよちんいるにゃ！？ かーよちーん！」ｽﾀﾀﾀ

海未「これ凛、行儀が悪いですよ」

にこ「珍しい組み合わせね」
　

花陽(はぁ、楽ちん……こんないいものがあったなんて…仰向けでも気にならない…)ﾄｻ

花陽(これ…希ちゃんが使ってたんですね…)ﾄﾞｷﾄﾞｷ

花陽(は、またさっきの希ちゃんの顔が…うう…)ﾄﾞｷﾄﾞｷ

花陽(それに、こうやって触ると……)ﾑﾆ

花陽(まるで……希ちゃんの胸を触ってる感じが……ﾊｯ)

花陽(な、なに考えてるんだろう私…)ﾓｿﾓｿ

花陽(あ、この布団……希ちゃんの匂いがする……)ｽｩ

花陽(って、また何してるの私！！)ﾊﾞﾀﾊﾞﾀ

花陽(さっきの希ちゃんの顔が……離れないよ……///)ﾓｿﾞﾓｿﾞ
　

にこ「………」

海未「………」

花陽「………へ？」

凛「かよちん……なにしてるの……？」

にこ「なんでベッドに…し、下着で寝て……」

海未「は、ははは、破廉恥です///」ｼｬｷﾝ

花陽「え…ええーなんで凛ちゃん達……ええ！？」
　

希「それにしても………」

希「さっきのかよちん、可愛かったなぁ……ﾊｧ///」ﾎﾟﾁ ｳﾞｳﾞｳﾞ

希「いつもにこっちやエリチで遊んでたけど、ちょっと標的変えてみよっかなー」ｼｬﾜｼｬﾜｼｬﾜ

希「………」

希(あれ、なんでこんなにドキドキするんだろ？)
　

　ＳＳ「小さな恋の物語(前)」

　　おわりっ！