【ラブライブ!】梨子「ルビィちゃんを監禁しちゃった♡」
- 2020.04.30
- SS

ルビィ「ぅ…ぅうん…」
ルビィ「……あれ?ここ……」
ルビィ「ルビィの家じゃない……あれ?」
梨子「あ、ルビィちゃん起きた?」
ルビィ「梨子さん?」
梨子「あのね、落ち着いて聞いてね」
梨子「ルビィちゃんを監禁することにしたの♡」
梨子「今日からルビィちゃんはここに住むの」
梨子「大丈夫、ご飯とか私が作って世話するから」
ルビィ「うぇ!?い、家の人達が心配しますから帰ります!」
梨子「駄目、帰さない」
梨子「と言ってもその牢屋からは出られないと思うよ」
ルビィ「うう…」ガチャガチャ
ルビィ(だめだ…ここから出られない)
ルビィ「どっどうしてこんな事を!?」
梨子「……」
梨子「………」
ルビィ「え!?どうして黙るんですか!?」
梨子「!」
梨子「あ、ごめんなさい……そうねルビィちゃんが可愛いからかな♡」
ルビィ「な、なんですかその理由……」
梨子「一緒に居ましょ♡」
ルビィ(これって……冗談だよね?)
ルビィ(でも梨子さんって冗談でこんな事する人じゃないけど……)
・
・
翌日 朝
ルビィ「……」パチリ
ルビィ(昨日と同じ部屋……いや牢獄?)
ルビィ(夢じゃない……本当にルビィ監禁されたの?)
ルビィ(ここは何処なんだろ?梨子さんの家でもない様な……)
ルビィ「ごほ、ごほ」
ルビィ「古そうな場所……咳がでちゃう」ゴホゴホ
梨子「あ、おはようルビィちゃん♡」
梨子「よく眠れた?」
ルビィ「………」
ルビィ「あの……家に帰してください」
梨子「昨日も言ったけど駄目よ」
梨子「何か欲しいものがあったら言ってね」
梨子「出来るだけ用意するから」
ルビィ「そ、それじゃ この牢屋のカギを……」
梨子「もうルビィちゃんったら面白いこと言うのね」クスクス
梨子「ここから出られそうな物は渡さない」
梨子「ルビィちゃんは嫌?」
ルビィ「ろ、牢屋じゃなきゃいいですけど……」
梨子「え!?本当に!?」
梨子「でも、もう監禁しちゃったし」
梨子「今更止めれないよ」
ルビィ「そんなぁ…」
梨子「ふふ、困ってるルビィちゃん可愛い♡」クスクス
ルビィ「うぅ……///」
梨子「お腹すいたでしょ?」
ルビィ「はい……」
梨子「ご飯にしましょ」
梨子「」ガチャガチャ
ルビィ「え!?」
梨子「どうしたの?」
ルビィ「まさか梨子さんが牢屋に入ってくるなんて……」
梨子「もしかして、私が牢屋のカギを開けたと同時に何とか力ずくで出れるんじゃないって思った?」
ルビィ「はい……」
梨子「この家から抜け出せない様にしてるのよ」
ルビィ「そんな……」
梨子「だから堂々と鍵を開けっ放しにできるの」
梨子「なんならコレから牢屋の鍵開けとく?」
ルビィ(そこまで言うのなら、この牢屋じゃなくて)
ルビィ(この家じたいが一つの牢屋なんだね……)
ルビィ(それにルビィの力じゃ梨子さんを押しのけたりできないよね)
梨子「食欲はある?」
ルビィ「はい…」
梨子「一緒に食べましょ♪」
ルビィ「……」
ルビィ(ルビィ……これから、どうなっちゃうんだろ?)
―――
――
―
梨子「……」ジィー
ルビィ「あ、あの何ですか?」
梨子「ルビィちゃんを見てるの」
ルビィ「そんなじっと見られると落ち着かないよぉ」
梨子「ごめんね……する事ないから」
ルビィ「だったら、ここから出ましょうよ」
ルビィ「ルビィをここに閉じ込めても楽しくないですよ?」
梨子「ううんルビィちゃんと一緒に居るだけで楽しいよ」
梨子「ルビィちゃんみたいな可愛い娘をこの目に焼き付けておきたいの」
ルビィ「怖いですよ梨子さん……それにいつも会ってるじゃないですか」
ルビィ「これからもずっと会えるじゃないですか」
梨子「……」
ルビィ「え?梨子さん?」
梨子「!」
梨子「ご、ごめんルビィちゃんが可愛くて見惚れちゃった♡」
ルビィ「もう…さっきからソレばっかりじゃないですか」
梨子「だって本当の事よ♡」
・
・
・
梨子「はいルビィちゃん脱いで」
ルビィ「い、いきなり何言ってるんですか!///」
梨子「体拭いてあげる」
ルビィ「お、お風呂入らせてくださいよ!」
梨子「いいじゃない」
梨子「はい脱いで」
ルビィ「ひゃ///」
梨子「ふふ可愛いんだから♡」
ルビィ「うう……」
梨子「一応お湯で温めた布だけど……冷たくない?」
ルビィ「だ、大丈夫です……」
梨子「…………」フキフキ
ルビィ(こうして世話してくれる梨子さんはルビィのお姉ちゃんみたいに優しいのに……)
ルビィ(どうしてこんな事を……)
梨子「…」
梨子「……」
ポタポタ
ルビィ「!」
梨子「!」フキフキ
ルビィ(今、ルビィの背中に何か冷たい水が流れたような……)
ルビィ(それにしても、咳がよくでる……風邪気味なのかな?)
・
・
・
ルビィ「ぅぅ……」
ルビィ「ゴホ、ゴホ…」
ルビィ(風邪気味じゃなくて、これ風邪だよぉ)
ルビィ(頭が重い……)
ルビィ「ゴホ、ゴホ……」
梨子「大丈夫?ルビィちゃん?」オデコ、クッツケ
梨子「……」
梨子「風邪ね」
ルビィ「はい……」
ルビィ「あまりないです……」
梨子「何も食べないのも体に悪いし……果物とか食べる?」
梨子「今すぐだせるのは林檎くらいかな?」
ルビィ「ほ、欲しいです……」
梨子「剥いてあげるね」サクサク
梨子「ルビィちゃんは寝ててね」
ルビィ「はい……」
ルビィ(やっぱり梨子さんは優しいなぁ……)
・・・・・・
ルビィ「あ、あの」
梨子「どうしたの?」
ルビィ「ルビィ、風邪ひいてるから近くに居たらうつっちゃうよ」
梨子「ふふ、気にしないで」
梨子「それに私にうつしてルビィちゃんが元気になるなら」
梨子「喜んでもらっちゃうよ♡」
ルビィ「相変わらずですね……」
ルビィ「ゴホ…ゴホ……」
梨子「大丈夫?」
ルビィ「辛くなってきたので、寝ます……」
梨子「うん。おやすみルビィちゃん」
・
・
・
ルビィ「……ふぁ~」
ルビィ(まだ、だるさはあるけど少しマシになったかな?)
梨子「すぅ……すぅ……」
ルビィ「梨子さん……」
ルビィ「座ったまま寝てる……」
ルビィ「もしかして、ずっと見てくれたとか……」
ルビィ「梨子さんなら、しそう……」
ルビィ「わぁ……綺麗な寝顔……」
ルビィ「あ」
ルビィ(そういえば牢屋のカギは開けっ放しだったんだ」
ギイイイ
ルビィ「そろ~り、そろ~り」ジリジリ
梨子「すぅ…」
ルビィ(梨子さんを起こさないように通り抜けて……)
ルビィ(どういった仕組みで外に出れないか確認しないと)
ルビィ(梨子さんが言うにはこの家じたいが牢屋って言ってたし)
ルビィ(あ、完全に治ってないから……)
ルビィ「ゴホ、ゴホ!」
梨子「!」ビク
ルビィ「あ……」
梨子「…」
ルビィ「……」
梨子「………おはようルビィちゃん♡」ニコ
ルビィ「…おはようございます……」
ルビィ(咳がでちゃった……)
――――
―――
――
―
ルビィ「うぅ……」
ルビィ(あれから意外にも何もされなかったけど……)
ルビィ(動きにくい……いつも以上にルビィの事見てくる……)
ルビィ(脱走しようとしたもんね……当り前か……)
ルビィ(今は休んで万全な状態にしないと)
梨子「クスクス」
ギイイイ
ルビィ「!」
ルビィ(いつも牢屋の外に居る梨子さんが入ってきた)
ルビィ「……」
梨子「………」
ルビィ「…………」
梨子「………………」
ルビィ「え?」
梨子「え?」
ルビィ「何もしないんですか!?」
梨子「え!?……うん」
ルビィ「入ってきたから何かするかと思った…」
ルビィ「ずっと見てるじゃないですかぁ…」
梨子「ふふふ♡」
ルビィ「恥ずかしいよぉ///」
梨子「ルビィちゃんは恥ずかしがっても可愛いね」
ルビィ「ぅぅ…」
ルビィ「…」
ルビィ「……?」
ルビィ「い、いえ!何でもないです!」
梨子「?」
ルビィ(どうしてだろ……)
ルビィ(梨子さんが凄く辛そうに見えてしまうのは……)
ルビィ(いつも見せてくれる笑顔のままなんだけど・・・)
ルビィ(違う……とっても辛そう……)
ルビィ(梨子さん……)
梨子「……」
・
・
翌日
ルビィ「…」モグモグ
梨子「……」モグモグ
ルビィ(閉じ込められて数日……)
ルビィ(アレから梨子さんはルビィと一緒に牢屋の中に居る…)
ルビィ(牢屋から出ても何も言わないけど……)
ルビィ(ジーっと見てくるから動きにくいよぉ……)
梨子「ごちそうさま」
梨子「果物いる?」
ルビィ「は…はい」
ルビィ(もしルビィを見つけたら梨子さんが怒られちゃう……)
ルビィ(閉じ込められたと言っても殆ど自由に動けるし……梨子さんいつも通り優しいし)
ルビィ(嫌いにはなれないよ……)
梨子「~♪」サクサク
梨子「はい、ルビィちゃん」
梨子「あ~ん♡」
ルビィ「うぇ!?じっ自分で食べれるから///」
ルビィ「え、遠慮してません!」
梨子「あ~ん♡」
ルビィ「ふぁあ」
ルビィ(無理やり食べさせられた……)
―――
――
―
ルビィ「そうですか、ここが牢屋じゃなきゃルビィも賛成ですけどね」
梨子「もう冷たいんだから」
ルビィ「誰のせいだと思ってるんですか……」
梨子「でもね……こんな状況だけど私は本当にルビィちゃんと一緒に入れて楽しいよ」
ルビィ「……」
ルビィ「ルビィも……」
ルビィ「たのし」
ポタ
ポタポタポタタ
ルビィ「あれ?」
梨子「!!!」
グラァ
ルビィ(ああ……重い……だ……め)
ドサ
・・・・・・・・・・・・・・・
梨子「泣かないでルビィちゃん」
ルビィ「だって、だって!」
梨子「手を貸して」ギュ
ルビィ「ふええぇぇ……」
梨子「ずっといるから」
梨子「どんな時もずっと……」
・・・・・・・・・・・・・・・
ルビィ(出会った時から梨子さんは優しくて憧れのお姉ちゃんみたいな人)
ルビィ(だからこそ……違和感を感じる)
・・・・・
・・・・
・・・
・
梨子「!!!」
梨子「よっかた……目を覚まして……」
ルビィ「ルビィ……寝てしまってたんですか?」
梨子「う、うん」
梨子「気分はどう?」
ルビィ「ちょっと……まだしんどいです」
梨子「そう……風邪が治りきってないのよ」
梨子「寝ててね」
ルビィ「……」
梨子「ルビィちゃん?」
ルビィ「だから、おかしいと思っちゃうんです……」
ルビィ「ルビィを閉じ込めるなんて……」
ルビィ「何か理由があるんですよね」
梨子「だからね……前も言ったけどルビィちゃんが可愛いから監禁してるの」
ルビィ「梨子さんは、そんな理由でルビィを閉じ込めたりしませんよね」
梨子「するよ……私は……」
ルビィ「梨子さん……教えてください」
ルビィ「……」
梨子「………」
ルビィ「」ギュ
手を握り
梨子「あ……」
ルビィ「梨子さん……お願いします……教えてください」
梨子「…」
梨子「……」
梨子「………」
梨子「ルビィちゃんがとても傷つく答えだとしても?」
ルビィ「はい……」
ルビィ「どんな答えでも受け止めます」
ルビィ「だから……」
ルビィ「泣かないでください」
梨子「………」ポロポロ
梨子「泣いてるルビィちゃんを泣きやませようとしてる私……」
梨子「・・・・」ゴシゴシ
梨子「……」スーハー
梨子「ルビィちゃん……あのね……」
・
・
・
――遠い昔の話
――医学がまだ現代の様に進歩していない時代
梨子「今日もルビィちゃんと遊ぼ♪」
梨子「あれ?ルビィちゃんの家に誰かいる……」ヒョイ
梨子「あれは……村長にお医者さん?」
医者「はい…残念ながら死の病です」
医者「今の医学では治す術はありません」
村長「その病は……人にうつるのか……」
医者「はい……聞いた話ではその病のせいで村に住んでる者が全員死ぬ程です」
村長「なんてことだ……」
親「うぅぅ……ルビィが……」ポロポロ
梨子(る、ルビィちゃんが病気!?)
医者「村長……」
村長「……」
村長「村の為だ」
村長「解ってくれるな……」
親「……」
親「ぅぅぅ……」ポロポロ
村長「村に広がるまでに、この娘を殺さなければ」
梨子「……え!?」
梨子「っ!」
親「せめて…今日の夜まで待ってもらえませんか」
村長「うむ……」
医者「では私達はこれで」
梨子(か、隠れなきゃ)サ
村長「ああは言っていたが親の情で殺せないかもしれん」
村長「見張りを手配しよう」
医者「どの様な形で伝染するかも不明ですから村から追い出すだけでは確実ではないですね」
村長「うむ……残念だが村の為だ」
医者「はい……」
・
・
・
親「可愛そうな娘」ポロポロ
ルビィ「すぅ…すぅ…」
親「こんな泣いてる顔みられたら心配されるわね……」
親「最後くらい……笑顔で過ごしたい……」スタスタ
梨子「…」
梨子「……」
梨子「………」
梨子(これは私の我儘……だけど)
梨子(嫌だ、嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ!!!)
梨子(ルビィちゃんと別れるなんて!)
ルビィ「すぅ……」
梨子「寝てる……」
梨子「…」キョロキョロ
ガバ
ルビィを抱き抱え
ルビィ「ぅぅん……」
ルビィ「すぅ……すぅ……」
梨子「ルビィちゃんが朝弱くてよかった」
梨子「ごめんねルビィちゃん……」
・
・
・
梨子「はぁ……はぁ」
ルビィ「ぅぅん……」
梨子「だいぶ村から離れたけど……もうそろそろルビィちゃん起きちゃうよね」
梨子「何て説明したらいいのか……」
梨子「説明……」
梨子「ルビィちゃんにルビィちゃんはもうすぐ死ぬの……なんて言えるの?」
梨子「………あ」
梨子「家?……こんな森奥に」
キィィィ
梨子「これは……牢屋?」
梨子「そういえば昔に聞いた事がある」
梨子「戦の時に捕虜を閉じ込めておく小屋があるって……」
梨子「使われなくなったのね……」
梨子「……」
梨子「ここを使いましょ」
ルビィ「ぅぅ……」
梨子(ルビィちゃんも起きそう……)
ガチャガチャ
梨子(本当に私のやってることはルビィちゃんにとってもいいことなのだろうか?)
梨子(何も知らずに……死んだ方が……でも)
梨子(それでも……私にとってルビィちゃんは……)
梨子「例え……嘘をついてでも……」
ルビィ「……あれ?ここ……」
ルビィ「ルビィの家じゃない……あれ?」
梨子「あ、ルビィちゃん起きた?」
ルビィ「梨子さん?」
梨子「あのね、落ち着いて聞いてね」
梨子「ルビィちゃんを監禁することにしたの♡」
・
・
ルビィ「ルビィ……病気なんですね」
梨子「……」コクコク
ルビィ「有難うございます……ルビィの為に……」
梨子「……」フルフル
ルビィ(やっぱり……梨子さんは優しいなぁ…)
梨子「私のやった事は本当に正しかったのか……」
梨子「かえってルビィちゃんを傷つけるんじゃないかって……」
ルビィ「梨子さん……」ギュ
梨子「ルビィちゃん……」
ルビィ「こんな事になってしまったけど……ルビィ、梨子さんと居れて嬉しいです」
ルビィ「だから……自分を責めないでください」
梨子「ルビィちゃん……うん…有難う」
ルビィ「?」
梨子「ずっと……一緒に居てもいい?」
ルビィ「…はい……お願いします」
ルビィ(この時はルビィは自分が死ぬ事にショックで……)
ルビィ(でも、それ以上に悲しんでる梨子さんが可哀想で……何とかしたい思いでいっぱいだった)
ルビィ(だから忘れていたの……)
ルビィ(梨子さんはルビィと一緒にいちゃいけないだって……)
・
・
数日後
ルビィ「ゴホ、ゴホ……」
ルビィ「はぁ…はぁ……」
ルビィ(あれから体調はよくならない……むしろ悪くなる一方)
梨子「大丈夫?ルビィちゃん?」サスサス
ルビィ「ありがとうございます……」
梨子「何かしてほしい事があったら遠慮なく言ってね」
ルビィ「はい……」
梨子(どんどん……やつれていってる……)
梨子(治らない……病……)
梨子(いずれ……死ぬ……)
梨子(あんまりだよ……神様……どうしてこの娘なの?)
梨子「どうしたの?」
ルビィ「ずっと、ずっと昔の事を思い出してたんです」
ルビィ「ルビィが生きてきた記憶を……」
梨子「うん……」
ルビィ「辛いことも沢山ありましたけど……」
ルビィ「楽しいこともいっぱいありました」
ルビィ「その中でも……梨子さんと遊んでいる時が一番楽しかったです」
梨子「ルビィちゃん……」ウルッ
ルビィ「がはぁ…」ピチャピチャ
梨子「!」
梨子(ルビィちゃんの口から血がっ!)
ルビィ「ヒューヒュー」ガタガタ
梨子「ルビィちゃん!」
ルビィ「…」プルプル
ルビィ「り……こ……さん」
梨子「!」
ルビィ「お…ねがい……です……」
ルビィ「手をにっぎって……てください」
梨子「うん!」ギュウウ
梨子(冷たい手を握り締めた)
梨子(何も出来ない自分を悔いながら……)
・・・
・・
・
数日後
ルビィ「……」
ルビィ(意識ははっきりしてるけど……起き上がれない)
ルビィ(体中に重りが乗ってるみたいに体が重くて……痛い)
ルビィ(とても怖い……でも)
梨子「……」テヲニギリ
ルビィ(梨子さんがいつも居てくれる)
ルビィ(それだけで……心が温まる)
ポタポタ
ルビィ(あれ?……何か生暖かいのがルビィの手に……」
ルビィ「……ぇ?」
ルビィ(梨子さんが鼻血を出した!?)
ルビィ(え?……でもルビィも鼻血を……)
ルビィ(あ……何でルビィは忘れちゃってたの!?)
ルビィ(居ちゃいけないんだった!ルビィは梨子さんと居ちゃいけない!!)
ルビィ「り……こ……さん」フルフル
ルビィ(ルビィの病気がうつっちゃうんだった!)
梨子「……」
梨子「バレちゃった……」
ルビィ「ぇ?」
梨子「うん……ルビィちゃんが思っている通りだよ」
梨子「私も病気になったの」
ルビィ「ぁ”ぁ”ぁ”……」
ルビィ「なんで……梨子さんが……」
ルビィ「ルビィの……せいで……」
梨子「自分を責めないでルビィちゃん」
梨子「うつっちゃう事……解ってて一緒に居たんだから」
ルビィ「そ…ん…な」ポロポロ
梨子「優しいルビィちゃんの事だから私を遠ざけて……一人で死のうとするでしょ?」
梨子「それに……これは私の望み……」
梨子「覚えてる?数日前に……私が一緒に居ていい?って聞いたら」
梨子「ルビィちゃんはいいよって言ってくれたの……だから一緒に居るの」
ルビィ「どうして……」
ルビィ「どうして、そんなにルビィを大切にしてくれるんですか?」
ルビィ「勉強も苦手で運動も苦手で……しかも病気になっちゃうルビィだよぉ!?」
ルビィ「どうして……梨子さんがそこまで……」ポロポロ
梨子「ルビィちゃん言ってくれたよね」
梨子「今までの生きていた中で一番楽しかったのは私と居た時だって……」
梨子「凄く嬉しい……だって私も同じだよ」
梨子「ルビィちゃんと一緒に居た時が一番楽しかったの……」
梨子「私の世界には、なくてはならない人なのよ……ルビィちゃんは……」
ルビィ「ぅぅ……梨子さん……」
梨子「だから自分の所為と思わないで」
梨子「それにほら……お揃いじゃない」クスクス
ルビィ「なんですか…それ……ふふふ」
ルビィ(梨子さん……有難うございます……)
ルビィ(もう……ルビィは……)
・
・
・
梨子「ゴホ、ゴホ……」
ルビィ「……」
ルビィ(もう起き上がるどころか……首も動かない……)
ルビィ(暫く喋るのも辛くなってきて……ずっと寝たっきり……)
ルビィ(それでも……梨子さんは傍に居てくれた)
ルビィ(とっても嬉しくて……辛くても……我慢できたけど……)
ルビィ(何となく解るんだ……今日が……)
ルビィ(だから……最後に……)
梨子「え!?」ビク
ルビィ「―――」
梨子「何か言ってる……辛くないの?」
ルビィ「――り ・ ん」
ルビィ「りこ……さ ん」
梨子「うん、うん!聞こえてるよ!」テヲニギリ
ルビィ「がいが……」
梨子「お願い?」
ルビィ「そと…の……けしき……みたい」
梨子「…」
梨子「……」
梨子「……うん」
・
・
・
梨子(それでも今のルビィちゃんは軽かった……)
梨子「あ……」
梨子(満天の……星空……)
ルビィを膝枕して
ルビィ「……綺麗です」
梨子「うん……」
ルビィ「…」
梨子「……
ルビィ「………」
梨子「……………」
ルビィ「ルビィ……何となく解るんです……もう……長くないです」
ルビィ「それも……あと少しだけって……解るんです」
梨子「……」ポロポロ
ルビィ「だから……どうしても伝えたいんです……」
ルビィ「ルビィと居てくれて有難うございます」
ルビィ「大好きです……」
梨子「私も……」テヲニギリ
ルビィ「ルビィ……生まれ変わっても……梨子さんと一緒に居たいです……」
梨子「うん…うん」
ルビィ「でも……ルビィ……ドジだから」
ルビィ「離れちゃうかもって……ちょっと心配です……」
梨子「大丈夫よ……ルビィちゃん」
梨子「例え離れ離れになっても……巡り合ってみせる……」
梨子「どんなに離れてたって……会いにいくよ」
梨子「例えそれが……何年経とうが……ルビィちゃんと一緒に居る為に……」
ルビィ「生まれ変わって……また一緒になって……遊びたいです……」
ルビィ「ずっと……ずっと……」
梨子「うん……」
ルビィ「あ……」
梨子「流れ星……しかもこんなに沢山……」
ルビィ「……」
ルビィ(梨子さんの顔を眺めながら……)
ルビィ(ルビィの瞼は閉じて行く)
ルビィ「梨子さん……」
ルビィ「ありがとう……ルビィ……不幸じゃないよ……」
ルビィ「梨子さんのお陰で……し…あ…わ…せ……」
梨子「…」
梨子「……」
梨子「………そう」
梨子「辛かったでしょ……私も今が凄く痛くて……辛いから……解るよ……」
梨子「よく……頑張ったね……」
梨子「もう……我慢しなくても……いいよね……」ポロポロ
梨子「うああああああああああああああああああああああああ」
梨子「何で!?何でなの!!?どうしてルビィちゃんが!?」
梨子「嫌だよぉ嫌ぁぁ……」ギュウウウ
梨子「もっと一緒に居たかった もっと一緒に遊びたかった」
梨子「ルビィちゃんと一緒に……料理を作りたかった……」ポタポタ
梨子「ゴホッゴホッ!」
梨子「はぁ……はぁ……」
梨子「……」
梨子「ルビィちゃん……怒るかな?」
梨子「でも……病気で死んだら……ルビィちゃんはずっと自分を責めそう……」
梨子「だから……私は病気では死なないよ」
・
・
牢屋
ゴオオオオオオ
部屋の真ん中に梨子とルビィ
梨子「ほんの少しだけど……私とルビィちゃんが過ごした家が燃えていく……」
梨子「辛かったけど……ルビィちゃんと入れて幸せだったよ」
包丁を握り
梨子「さっきも言ったけど……生まれ変わっても」
梨子「また逢おうね」
梨子「私も……」
梨子「大好きだよ……」
ザク
ゴオオオオオオオオオオオオオオ
―――――――――ー
―――現代
内浦
梨子「そう、あとは焼きあがるの待てばクッキーの出来上がり」
ルビィ「わぁ~梨子さんに教えてもらったら上手くできました!」
ルビィ「有難うございます」
梨子「ふふ♡いいのよ♡」
ルビィ「明日も教えてくれますか!?」
梨子「もちろん♡」
ルビィ「有難うございます!梨子さんは優しくて大好きです!」
梨子「ふふ♡私もよ」
ルビィ「明日も遊びましょう♡」
梨子「ええ……ずっと、ずっと……」
梨子「一緒に居よ♡」
梨子(それを……遠い昔に望んだ気がする……)
終わり
有難うございました
実際離れてたところから会いに来てるんだよな
こういうの好きだわ
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