【ラブライブ!】花丸「やる気のない堕天使」
- 2020.05.02
- 雑談

花丸「やる気のない声が聞こえてきた」
善子「失礼ね。全身フカフカに包まれてありえないくらい脱力してるだけよ」
花丸「そろそろクッション返して欲しいんだけど」
善子「無理。二度と起きられない。一生埋まる」
花丸「マルが買ったのにぃ」
善子「喉乾いた。まるちゃん何かちょーだい」
花丸「まっ……え、善子ちゃんにその呼ばれ方されるとムズムズする。どうしたの?」
善子「さあ。癒されモードで心が柔らかヨハネになってるからじゃないの」
花丸「いつもとはまた違うおかしな善子ちゃんずら……」
善子「ありがとうございます」
花丸「本当いつもと違うね。クッションに包まれるとキャラが穏やかになる設定?」
善子「設定ってなによ。そんなんじゃない。今心が柔らかいから気負ってないだけ……あぁ~」
花丸「心が柔らかいとマルの呼び方も変わるんだ」
善子「癒しの力で魔のオーラが浄化され人間に逆戻りしちゃったから、みたいな?」
花丸「ずら丸呼びって堕天使キャラの一環だったってこと?」
善子「ぎくり」
花丸「人の名前でキャラ付けするのよくないずら」
花丸「人をダメにするクッションって売り文句だったけど本当なんだね」
善子「違う。これは堕天使をダメにするクッションよ」
花丸「人間に逆戻りしたって言ってたのに」
善子「知らない」
花丸「堕天使を更に堕落させる……神話に出てくるアイテムみたい」
善子「つまり悪をも惑わす罪なるアーティファクトが聖地内浦に顕現しているという話ね!」
花丸「あ、いつもの調子戻ってきた?」
善子「……ない。気力とか全部これに吸われる。だてーん」
花丸「最近ずっとこんなずら。今日はいつ帰ってくれるのかなあ」
善子「え。別に。むしろ精神衛生すこぶる良好だけど。どうして?」
ルビィ「最近丸くなったっていうか、あまりおかしなこと言わなくなったっていうか」
善子「おかしなことって堕天使の話のことじゃないでしょうね!」
ルビィ「ピッ。ご、ごめ……」
花丸「ウチにある巨大クッションにハマってからちょっと温厚になったよね」
善子「あー……うん。余りにトリコリコだから我が家にプリーズ」
花丸「こっちのユニットネタ取らないで欲しいずら」
善子「お返しにギルティなキスを」
花丸「いりませぬ」
善子「何て言うか……癒しって堕天使を人間へと堕落させるものね、って悟ったのよ」
花丸「まーたおかしな話が始まったずら」
ルビィ「どぅゅぅこと?」
善子「人間を超越せし我ら堕天使はね、存在を保つだけでも常に魔力を消費するものなの」
花丸「キャラ付け続けてると疲れるって意訳であってる?」
善子「そんな疲弊している時、魔界に湧く清浄なるオアシスに出会い、身を清められてしまったの!」
花丸「キャラ意識しない素の状態って気楽でいいよねって話かな」
ルビィ「だから最近花丸ちゃんのお家によく行ってるんだぁ」
善子「あの子は寂しがりやだから毎日顔を見せに行かないと拗ねてしまうの。ふっ、どうしようもない使い魔ね」
花丸「自分で買ってよ。マルのなのにー」
善子「ホント!? 例えば!?」
花丸「凄い喰い付き」
ルビィ「えっと、アロマとか。良い香りで気分が安らぐの。オイルとか持ってるよ」
善子「これ? ……あっ。良いかも。……あっこれ良いかも。あー……あああー……」
ルビィ「よ、善子ちゃん!? 大変、顔がふやけてきちゃったよぅ!」
花丸「癒しグッズに触れるといつもこんな風になるから大丈夫だよ」
ルビィ「そうなんだ……本当にハマってるんだね」
善子「しゅごいぃ……これ毎晩寝る前に塗りたいぃ……あへぇ~」
花丸「なにそれ? 顔をマッサージするやつ?」
ルビィ「うん。とっても気持ちいいの!」
善子「…………違う」
ルビィ「えっ!? だ、駄目だった……?」
善子「お肌に効くのはわかるけど、何か……何か違う!」
ルビィ「じ、じゃあこっちは? 手のひらマッサージのグッズなんだけど」
花丸「丸いトゲトゲがついてるゴムボールみたいずら。これ握るの?」
善子「……うーん……ツボ押しが気持ちいいは気持ちいいけど……」
ルビィ「こ、こっちも駄目なんだ……あっ! じゃあルビィが肩揉んであげるね!」
善子「いたあああああああああああいっ!」
ルビィ「ピギャッ!? ご、ごめんなしゃぁ……うぅ、おねぃちゃぁはこれくらいでちょうどいいって言ってくれるから……」
花丸「ダイヤさん肩凝ってそうだよね」
善子「肩があー! 肩がもげるー! 癒しプリーズ!」
善子「あへぇ~」
ルビィ「身体の癒しじゃなくって、心の癒しが良いってことなのかなぁ」
善子「あー……かも」
花丸「クッションは身体的だと思うけど」
善子「柔らかいものに包まれてるのが心の癒しになるのよ」
ルビィ「ごめんね、好みに合わないものばかり出して……」
善子「気にしないで……ふへぇ~……心配りができる優しさが大切なのよ、ルビィちゃん」
ルビィ「ルビッ!?」
花丸「癒されモード入ると堕天使設定が解けて呼び方変わるんだって」
ルビィ「どぅゅぅことなの……で、でも、何だか新鮮で良いかも……♡」
善子「だてーん……」
曜「わっ!? なにこの浜に打ち上げられた魚みたいに力なく横たわってるの」
善子「酷い言い草ね。天界のマシュマロに包まれた愛らしいサキュバスが現世に堕天降臨とでも例えてちょうだい」
梨子「発言の世界観混ざりすぎな気が……」
千歌「このおっきなクッションどうしたの? 美味しそう」
花丸「善子ちゃんが学校に持ってこいってうるさいから……」
善子「このまま柔肌の中に堕天したい」
曜「触り心地良いのって好きだなー、貸して貸して」
善子「罪なるアーティファクトと契約を交わさない限り触れることは許されないわ」
曜「ええーいいじゃんケチー」
花丸「所有者はマルなんだけど……」
果南「あれ、なにこの浜に打ち上げられたばかりの昆布みたいにふにゃふにゃしてるの」
善子「脳筋どもの例えが悉く酷い」
曜「今クッションにハマってるんだってー」
梨子「正確にはヒーリングにハマってる、だっけ」
善子「逆よ。癒しを具現化したこの子がヨハネの魅力にやられて離さないの」
花丸「マルのなのにー!」
ダイヤ「あら、私物を学校に持ち込んでいますの? 生徒会長として見過ごせませんわ」
花丸「これは善子ちゃんのです」
善子「こら」
善子「うへぇ~」
ルビィ「このモードになった善子ちゃん、何だかおっとりして可愛いんです」
果南「どっちかっていうと覇気が消えて無抵抗状態って感じ」
花丸「無抵抗……ぷすり」
善子「む。右側頭部の内側で悪魔の残滓が蠢いてる感触がする。癒しの中に芽生えた堕天の香り」
花丸「頭のお団子に指刺してるだけだよ。いつも触らせてくれないけど隙だらけだから」
善子「悪の波動を感知したんじゃなかったの。つまんなーい」
花丸「怒らないんだね。やっぱりおっとりかも。えいやーぐりぐり」
善子「頭むずむずするーやめてー」
ルビィ「やっぱり新鮮な反応でカワイイ♡」
果南「牙が折れた獣状態だ」
鞠莉「翼をもがれたフォーリンエンジェルね」
曜「私もやるー! ブスリ!」
鞠莉「私もインサート♪」
ルビィ「何人も指入れたらおっとりモードでも流石に怒りそう……」
梨子「そんなに弄ったらお団子ほつれちゃうんじゃない?」
千歌「じゃあ最後に指入れた時に善子ちゃん怒らせた人が負けね! せいやぁっ! はい私セーフ!」
梨子「えっ何その黒ひげ危機一髪みたいなの。みんな強制参加?」
ルビィ「巻き込まれるびぃぃぃ」
梨子「ちょ、ちゃっかり果南さんまで! じゃ、じゃあ私も」
ルビィ「えぇ!? お、怒られるの嫌だよぅ、ルビィが先に……」
梨子「待って今いい感じのポイント見つけられそうだから静かにして」
ルビィ「あーそこ入れようと思ったのにぃ! ふぇぇどうしよぅ」
善子「いい加減うるさあああああああああい! 堕天使が気持ちよく堕天してる時に邪魔しないでよ!」
梨子「わっ!? ご、ごめんなさい!」
ルビィ「怒られるびぃぃぃ!」
鞠莉「堪忍袋の緒と一緒にお団子も破裂しちゃったわね。ソーリーソーリー」
善子「これ毎日セットするの大変なのに……ぐすん」
梨子「ごめんね、ちゃんと直すから……」
千歌「で、今のって誰の負けになるの?」
果南「ルビィちゃん?」
曜「ギリ刺してなかったから梨子ちゃんじゃない?」
善子「アンタたちは反省と謝罪をしろ!」
ダイヤ「練習前だと言うのに貴女方は何をしていますの……」
花丸「あ、懐かしいその響き」
善子「最近どうも腑抜けちゃってたから」
花丸「癒しで堕天モード解除してたんだもんね」
善子「というわけで今日もずら丸の家に行くわよ!」
花丸「また? 昨日は久しぶりに来なかったのに」
善子「昨日は学校にクッションがあったからよかったけど、今日はなかったじゃない」
花丸「ダイヤさんに私物持ってきたって怒られたから……」
善子「というわけで急ぐわよ! 待ってなさい禁断の契約を結びし我が悪の眷属!」
花丸「このノリも久しぶりだなあ」
花丸「とか思ってたらすぐこれずら」
善子「この子が悪いのよ。悪のアーティファクト……オアシスだったっけ……なんでもいいわ」
花丸「適当過ぎる」
善子「堕天使をダメにするクッションが悪いのー。むしろ癒しが全部悪いのー」
花丸「相変わらずキャラ崩壊激しいね。大人しい分マシだけど」
善子「まるで普段が煩わしいって言ってるように聞こえる」
花丸「滅相もございません」
善子「まー別にいいけどー」
花丸「あれ、これも怒らない。こっちのモードは本当に大人しいなあ」
花陽「何が? ……あ、善子ちゃんがウチにくるの?」
善子「うん」
花丸「全然だけど、もしかしてクッション占領してること気にしてる?」
善子「まあ……」
花丸「素直だね。堕天使ヨハネのままだったらこうは本音を聞き出せないかも」
善子「うるさい」
花丸「別にいいよ、好きならずっと抱きしめてても」
善子「気にならない?」
花丸「癒されてるときの善子ちゃん、いつもと違って新鮮で面白いから」
花丸「えっ。急にどうしたの?」
善子「私が力抜いてる時ってみんな面白いって言ってくれるし、いつも以上に構ってくれるから……」
花丸「あー。じゃなくて、普段の堕天使が凄いからこそ今の、普通の? 気楽な? 状態が面白く見えるんだよ」
善子「そう?」
花丸「勿論今の柔らかい善子ちゃんも可愛いけど、いつもの堕天使だって良いところがたくさんあるもん」
善子「ホントに?」
花丸「癒されモードのときは大人しくて素直なだけじゃなくてナイーブなんだね」
花丸「心配?」
善子「うん……」
花丸「しょうがないなあ……そもそも堕天使ヨハネが素敵だったから、一緒にスクールアイドルやろうって誘ったんだよ?」
善子「……あー……ああー……そっか」
花丸「善子ちゃんが堕天使頑張ることに疲れたならやめていいと思うけど、周りを気にして決める必要はないよ」
善子「……そうね」
花丸「これ以上ないくらい説得力あること言っちゃった気がする」
善子「いつもはそういうの言ってくれないし……」
花丸「普段は褒めたら調子乗るから言わないけど、今は癒され人間モードだもんね。特別だよ?」
花丸「なら今まで通りで大丈夫じゃないかな」
善子「……そっか。そうよね!」
花丸「そうそう」
善子「堕天使の存在を自ら否定するだなんてどうかしていたわ。このクッションも罪な子ね」
花丸「でも癒され中の善子ちゃんも人間らしくて好きだよ」
善子「堕天使ヨハネの方を愛しなさい」
花丸「じゃあクッション返して堕天使モードになってよ」
善子「いや。癒ししゅき。だてーん」
花丸「結局何も変わらないまま元通りずら」
善子「血迷った考えを払拭できたからこれでいーのっ」
善子「だてーん……」
花丸「堕天って言っておけばそれっぽいって思ってない? 堕天使がそんなことでいいの?」
善子「どんな時も堕天使は堕天使だから」
花丸「今は癒しに負けて人間味溢れ出ちゃってるけど」
善子「この柔肌に包まれたら誰でもこうなっちゃうだけだし」
花丸「そうかなあ」
善子「試しに埋まってみればわかるわよ、こっちいらっしゃい」
花丸「マルのなのにぃ、もう……よいしょっ。流石に二人一緒はせまいよ」
善子「気持ち良いからなんでもいいじゃない。あー癒しだわー。だてーんだてーん」
花丸「まったく、やる気のない堕天使ずら」
おわり
読んで頂けた方ありがとうございました
可愛かったし癒された
よしまるありがとう
癒された
明日からも頑張れそう
可愛かった!
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