【ラブライブ!】真姫「パパがサンタさん?知ってるわよ」
- 2020.03.25
- SS

花陽「そうだよ真姫ちゃん!サンタさんは世界中の子供たちにプレゼントを送るため、フィンランドからトナカイにのって……」
凛「違うよかよちん、乗ってるのはソリだよ!」
花陽「あう、そうだった……それで、世界中を駆け巡って!」
真姫「なに言ってるのよ、二人とも。サンタさんは実在するに決まってるでしょ?わかってるわよ、そんなこと」
凛「え?でも今、パパがサンタさんって……」
真姫「ああ、それね?」
話をしようとすると、、昔のことを思い出すわね。
ずっとずっと、私が小さかった頃のこと。
パパがサンタさんだってわかった日。
真姫「……昔話になるけど、聞いてくれる?」
思い出しながら話をする。
あれは、まだ私が小学校に上がって少しした頃だったわ。
クリスマス前、終業式の前くらいに、クラスのみんなで教室の飾り付けをしていたの。
その時に誰か……確か男子だったような……が叫んだの。
サンタさんなんていない、だってサンタさんは俺のお父さんだから!
確か、そんな感じの内容だったわ。
それまでずっとサンタさんを信じてたから、かなりショックだったことを覚えてるわ。
学校から帰って、和木さんに聞いたのよ。
和木さん?ああ、うちのお手伝いさんよ。昔っから来てもらってるの。
それで和木さんに、
「サンタさんって、存在しないの?」
って聞いたの。
それで和木さんは、
「そうですねぇ、私にもわからないことが多くて……そうだ、旦那様に聞いてみてはいかがですか?」
そんな感じで、はぐらかされちゃった。
パパに聞いてみようと思ったんだけど……
だって、ピアノのコンクールで、上級生を抑えて2年生で2位を取ったのに、ちっとも褒めてくれないんだもの。
きっとパパは私のことが嫌いなんだ、だから褒めてくれないんだ、
だから私もパパのことなんて―――――だいっきらい!
そんな大嫌いなパパだったけど、すごい物知りで、あの当時の私からしたら知らないことは何もないんじゃないか、って思ってた。
和木さんの提案もあって、その日の晩御飯の時、パパに聞いてみたの。
ねぇパパ、サンタさんて存在するの―――――?
パパはゆっくりと、私にもわかるような単語を探しながら答えてくれたの。
今でもあの時のパパの言葉は、きっと一生忘れないわ。
確かパパが言ってくれたのは、こんな感じの言葉だったわ。
だってサンタさんは、一年に一度しか働かないじゃないか……ごめんよママ、冗談だ。
ええと、サンタさんっていうのは、真姫が想像しているような人物じゃないんだよ。
具体的に言えば、「サンタさん」っていうお仕事だよ。
(お仕事に「さん」って付けるの?変なの!)
変じゃないよ。だって、お花屋さんも、大工さんも、お医者さんも、みんな「さん」がついてるじゃないか。
それでサンタさんになりたかったのはね、世界中に笑顔を届けたかったからさ。
……実際には地区ごとの役割制で、僕がサンタさんになれた場合はオトノキを担当する予定だったよ。
(ヤクワリセイ?なにそれ、イミワカンナイ)
うーん、わかりやすくいうと、サンタさんが一人だけだと一晩では世界中を回れないだろ?
だから、このオトノキ地区とか、となりの地区とか、そういうふうに細かく担当する地区をサンタさんに割り当てるんだ。
それで「サンタさん」が一晩で世界中を回れるようにしている……で、わかるかな?
(なんとなくわかった……ような?)
さすが真姫は賢いね。
サンタさんは誰でもなれるわけじゃなくて、選ばれた人しかなれないんだ。
それで選ばれるためには、サンタさんの真似をするアルバイトをする必要がある。
街でよく見かけるサンタさん達は、本物のサンタさんになりたい人達なんだよ。
僕も昔は、そういう人達と一緒で、サンタさんの真似をしていたんだ。
―――――結局、諦めるしかなかったけどね。
(どうしてサンタさんになるの、諦めちゃったの?)
ええと、こう言っちゃっていいのかな……
諦める理由はね、真姫が産まれてきたことなんだ。
(―――――え?)
ごめん、いきなり過ぎたね。
ちゃんと説明するよ。
僕も今度、パパになるんだよ、ってね。
仲間達は自分のことのように喜んで、僕のことを祝ってくれたよ。
でもね、サンタさん仲間の中でも、一番サンタさんに近いって言われてる人は喜んでなかった。
祝ってもくれなかった。
ただ、こう言われたんだ。
「君は、君の子供とオトノキ中の子供、どっちを優先するんだ?」
って。
僕は、迷わず答えたよ。
「僕は自分の子供を最優先します」
そりゃそうだろ?だって、自分の子供がオトノキで……ううん、世界で一番可愛いんだから。
……いや、ママは可愛いけど、それよりも美人だよ。
「オトノキ中の子供を笑顔にできないやつは、サンタさんになる資格はない」
そう言われて、サンタさんの証である、白ひげを取られちゃったんだ。
その後に言われた言葉を、僕は絶対に忘れないよ。
「お前はオトノキの子供よりも自分の子供を優先したんだ。絶対に笑顔にさせろ」
この季節になると、毎年思い出すんだ。この言葉の重さを。
―――――だからね?真姫。
僕は真姫のために「オトノキの」サンタさんを諦めたんだ。
でも一切後悔してないよ。
だって僕は、「娘の」サンタさんになれたんだから―――――
その年からクリスマスは毎年、昔使ってたっていうサンタさんの服を出してくれるの。
赤いコートに白いファー付きの、いかにもサンタさん、っていう格好だったわ。
はじめの年は家に帰るなり「メリークリスマス!」って叫んで出てくるから、一瞬パパだってわからなくて、泣いちゃったわよ……
ちなみに、このサンタさんの時から、パパのことは大好きよ。
今まで知らなかっただけで、私が産まれる前からこんなにも愛されてたんだ、って思うと……
うん。悪い気はしないわね。
これで私の話は終わり。
……もしかしてあなたたち、このサンタさんの仕組みを知らなかったの?
しょうがないわねぇ、別に秘密にしてるわけでもないだろうから、誰かに話をしてもいいわよ。
お粗末様でした。
また書いてくれ
お疲れ
こういうの良いね
未だにサンタにさん付けの真姫ちゃんかわいい
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