【ラブライブ!】穂乃果「それぞれの日常」
- 2020.03.26
- SS

ガラッ
にこ「ことり、いる?」
ことり「わぁ、にこちゃん。どうかした?」
にこ「ことりは家庭科室で衣装作りしてるって穂乃果に聞いたから、手伝おうと思って」
ことり「ほんとに?ありがとう」
にこ「いいの。ことりに任せっきりにするわけにはいかないでしょ?」
ことり「ふふ。……あ、」
にこ「なに?」
ことり「にこちゃん、カーディガンの一番下のボタン、取れかかってるよ」
にこ「嘘?…ほんとだ」
ことり「つけてあげるから貸して?」
にこ「いいわよ。これぐらい自分でできるから」
ことり「いーいーかーらー。貸して?」
にこ「…別にいいのに」
ことり「ふふ。すぐ終わるから待っててね」
ことり「……」チクチク
にこ「……」
ことり「……」チクチク
にこ「……あのね、ことり」
ことり「うん?」
にこ「これ、誰にも言ってない話なんだけど」
ことり「なぁに?」
にこ「…そのカーディガン、希がくれたのよ。1年の時に」
ことり「ええっ、そうなの?」
にこ「私の誕生日にくれたの。”アイドルはやっぱピンクやんなぁ?”って」
にこ「私の誕生日って真夏よ?夏に長袖のカーディガン渡すなって話でしょ?」
ことり「でも、それから毎日着てるんだね」
にこ「……否定はしないわ」
ことり「ふふ」クスクス
ことり「でも大切に着てるんだね。ところどころ縫い直したあとがあるもん」
にこ「ま、まぁね。にこの女子力の高さをアピールするにはうってつけだしぃ?」
にこ「それに、スピリチュアルだのなんだの言ってる希がくれたやつだから、粗末に扱ったらなんか罰があたりそうじゃない?」
ことり「そうかもね」クスクス
にこ「…もう、笑ってんじゃないわよ」
ことり「ごめんね」クスクス
にこ「……」ゴソゴソ
ことり「どう?」
にこ「…完璧。さすがはことりね」
ことり「ほんと?よかったぁ」
にこ「なんか悪かったわね、手伝いに来たのに」
ことり「いいのいいの。にこちゃんと希ちゃんしから知らない話も聞けたし」
にこ「な、」
ことり「えへへ」
にこ「…じゃあ、お代はそれってことにしとくわ」
ことり「うん!」
ことり「うん?」
にこ「当然、今までも大切にしてたけど。ことりが直してくれたんだから、今よりもっと大切に着ないといけないわね」
ことり「にこちゃん…!」
にこ「べ、別に変な意味じゃないわよ!なんかこう、あんたの怨念がこもってそうだからそう思っただけよ!」
ことり「うん、そうだね」クスクス
にこ「…さっさと衣装作り終わらせて、練習行きましょ」
ことり「うん!」
絵里(端から端までの教室移動って、冬だと寒いから辛いわよね…)テクテク
絵里(いっそ廊下にもエアコンを設置して欲しいぐらいだわ)テクテク
絵里(ロシアの冬も寒いけど、日本の冬もまた違った寒さなのよね…)テクテク
花陽「え~り~ちゃ~~~ん!」タタタタッ
絵里「…花陽?」
花陽「はぁ、はぁ、追いついたぁ…」ハァハァ
絵里「ど、どうしたの。何か用事でもあった?」
花陽「ううん、特に用事はないんだけど…向こうの渡り廊下を歩いてたら、たまたま絵里ちゃんの姿を見つけたから」
絵里「…それで走ってきたの?」
花陽「うん!」
絵里「ハラショー…」
花陽「うん?」
絵里「花陽、私に声をかけてくれたのは嬉しいけど、廊下は走っちゃダメよ?」
花陽「あ、うん、そうだね。ごめんなさい…」ショボーン
絵里(何これ可愛い)
花陽「えへへ」
絵里(昔は、花陽にはどことなく怖がられてた気がするけど)ナデナデ
絵里(あの頃に比べれば、随分と懐いてくれたわよね…)ナデナデ
花陽「え、絵里ちゃん…?」
絵里「……花陽」
花陽「な、なんでしょう」
絵里「あなた、私の妹にならない?」
花陽「ええっ!?」
絵里「亜里沙がいるから、姉にもなれるわよ?」
花陽「えええっ!?」
穂乃果「朝からなに?」
希「校内新聞の掲示の許可を頂きたいと思いまして!」
凛「生徒は自由に掲示物を掲示できると、生徒手帳に書いてありましたので」
穂乃果「何をするつもり?」
凛「それは…」
希「広報です!かわいい…じゃなかった、かしこい生徒会長の姿を、全校生徒に知ってもらいたいんです!」
“激撮!生徒会長、おもちゃのチョコレートを間違えて食べる!?”
穂乃果「校内新聞は遊びではないのよ?」
凛(二役)「三人は…」
希「ちゃうで凛ちゃん!うちと凛ちゃんを入れて二人やで」ボソボソ
凛(二役)「二人は校内新聞の掲示の許可を取りにきたんやろ?部活でもないのに、生徒会が内容までとやかく言う権利はないはずにゃ、違った、ないはずや」
穂乃果「それもそうね!!ハラショー!!認め「られないわぁ」
希「……」
凛「……」
穂乃果「……」
絵里「生徒会室で随分と楽しそうね、あなたたち」
凛「……」
穂乃果「……」
希「………逃げるしか、ないやん?」ダッ
凛「にっげるにゃ~!!」ダッ
穂乃果「にっげろ~!!」ダッ
絵里「待ちなさぁぁぁぁい!!!」ダダダダダダ
ことり(今日もことりは、みんなの衣装作りにいそしんでるわけですが)
海未「…いえ、ここの歌詞はもうちょっと……」ブツブツ
ことり(そしてそんなことりの隣には、作詞中の海未ちゃんがいるわけですが)
海未「もう少し明るい意味の単語の方がいいでしょうか…」ブツブツ
ことり「……」チラッ
海未「うーん……」ブツブツ
ことり(どうして海未ちゃんの左手が、ことりのお腹にまわってるの~~!!)ピィ~~~
海未「駄目ですね、ここは真姫に相談するとしますか…」
ことり「……」チラチラッ
海未「よし、では次のフレーズに移りましょう」
ことり(…ダメだぁ)
ことり(さっきからこうやって何度も、ことりのお腹にまわされた海未ちゃんの腕をチラチラと見てるんだけど、)
ことり(海未ちゃんは作詞に集中してるのか、まっったく気付いてくれません)
ことり(穂乃果ちゃんとか凛ちゃんとか、女の子同士でくっついたり抱き合ったりするのはよくあることだけど、)
ことり(あの海未ちゃん、だもんね…)
ことり(それに海未ちゃん、びっくりするぐらい自然に腕をまわしてきたから)
ことり(きっと、無意識なんだろうなぁ…)ハァ…
ことり(なんだか恥ずかしくて、衣装作りに集中できないよぉ~!)
ことり(どうしよう、やっぱり声に出して教えてあげた方がいいのかな?)
ことり(でもそうしたら海未ちゃんのことだから、きっとすっごく恥ずかしがっちゃうよね…?)
ことり(あ~~~ん!もうどうしよ~~う!)タスケテホノカチャーン!
海未「あ、今いい歌詞が浮かびました!」
ことり(お腹に意識を集中させすぎて、なんだか息が止まりそうになってきちゃった…!)
ことり(海未ちゃんには申し訳ないけど、でもここは言うしかない!)
ことり「ううう海未ちゃん!」
海未「はい?どうしました?ことり」
ことり「ああああのね!えっとね!」
海未「なんでしょう」
ことり「てててててがね!手がね!」
海未「手?手がどうかしましたか?」
ことり「海未ちゃんの手が、海未ちゃんの手が…!!」
ことり「ことりのお腹に、まわってるの~~!!!」ピィ~~~~
ことり「…ピィ?」
海未「苦しかったですか?もう、それならそうと早く言ってくだされば良かったのに」
ことり「……ピィ?」
海未「しかし、ことりのお腹はとても温かいですね」フフ
ことり「…………ピィ」
絵里「聞いた?希。UTXが廃校になるらしいわよ」
希「いややわぁ、えりち。”らしいわよ”なんて、そう仕向けたのは一体誰なんよって話やん?」クスクス
絵里「あら、まるで私が悪いような言い草ね」
希「ちゃうの?」
絵里「どうでしょうね。ただ私が言えることは、先に喧嘩を仕掛けてきたのはあちらだと言うことだけよ」クスクス
希「ふふ、おっそろしい人やわぁ」
絵里「失礼ね、ただ私はね……」
絵里「我らがリーダーの命令に、従っただけよ」
にこ「…フッ。計画通り……ね」
絵里「……」
希「……」
にこ「……ふふっ」
にこ「ねぇ理事長室のこの椅子ほんっとすごいんだけど!どこからどう見ても悪の親玉が座ってるみたいな椅子よ!!」ギッシギッシ
絵里「ねぇにこ早く交代してよ!次は私の番よ!」
希「えりちが終わったら次はうちやからな!」
ワーワー! キャーキャー!
理事長「……廃校にします」
ホノカチャーン! コッチコッチー!
エー! マッテヨリンチャーン!
アハハハハハ!!
にこ「……相変わらず賑やかね」
希「まあねぇ、お箸が転げても面白い年頃やって言うやろ?」
にこ「なによ、まるであんたは違うような言い方ね」
希「うーん、うちはもう三年生やから。そんな時代は終わっちゃったなぁ」
にこ「……」エンピツコロコロ
希「……フフッ」
にこ「いま笑った!笑ったでしょ!!」
希「何を言うとるのにこっち。うちがそんなんで笑うわけが、」
にこ「……」エンピツコロコロ
希「クッ、フフフッ」
にこ「ほらね!ほーらね!!やっぱり笑ってるじゃない!」
希「ちゃう!!にこっちの顔が面白いのがあかんのやって!!」
にこ「なによ!別に私は面白い顔なんてしてないわよ!」
希「はあ!?よく言うわにこっち!そんな面白い顔しとって…」
ナニヨ!ヒトノセイニスンジャナイワヨ!
ドウカンガエタッテニコッチガワルイヤンカ!
穂乃果「…賑やかだね、あの二人」
凛「そうだね」
おもしろい
>>22
たまーにSSは書いてますが、こういうのを書くのは初めてです
穂乃果「ねぇことりちゃん、ここらへん?」
ことり「うーん、もうちょっと真ん中あたりかなぁ?」
穂乃果「ここ?」
ことり「そうそう!…でね、そこをぎゅーっと握って…」
穂乃果「握って…」
ことり「海未ちゃんの名前を呼ぶの!」
穂乃果「海未ちゃぁん」
ことり「もうちょっとあま~い感じで!」
穂乃果「…ウミチャァン」
ことり「うん!いい感じだよ穂乃果ちゃん!」
ことり「それでね、海未ちゃんの名前を呼んだあとにそこを掴んだままぐ~っと溜めをつくって…」
穂乃果「ぐ~~~~っ」
ことり「…………今だよ!」
穂乃果「オネガァイ!」
ことり「いいね穂乃果ちゃん!それを通してやってみて!」
穂乃果「……オネガァイ!」
ことり「完璧!完璧だよ穂乃果ちゃん!」
穂乃果「やったぁ!あとは海未ちゃんにやってみるだけだね!」
ことり「うん!」
穂乃果「……オネガァイ!」
海未「駄目です」
穂乃果「なんで!?」
ガラッ
凛「まっきちゃーん!!おはようにゃー!!」
真姫「ちょ、ちょっと凛!教室は他の皆もいるんだからもう少し静かに入って、」
オハヨー リンチャンオハヨー
凛「おっはよー!あ、おはよー!おはようにゃー!!」
真姫「聞いてないわね……」
凛「えへへ」
真姫「えへへじゃないわよ!傘持って来なかったの!?」
凛「うん」
真姫「まったくこんな日に傘を持って来ないなんて…天気予報確認しなかったの?」
凛「ううん!凛、ちゃんと天気予報みてきたよ!」
真姫「だったらどうして傘を忘れるのよ…」
凛「ふっふっふ、真姫ちゃん、”雨は夜ふけすぎ~に~”だよ!」
真姫「なによその歌」
凛「ええっ!?真姫ちゃん知らないの!?これが噂のカルチャーショックってやつだにゃ…!」
真姫「…凛、それたぶんジェネレーションギャップだから。全然違うから。あと私たちは同い年よ」
凛「にゃっ!?」
凛「ま、真姫ちゃん…頭を拭いてくれるのは嬉しいんだけど、もうちょっと優しくして、にゃっぷ、」ゴシゴシ
真姫「なによ、乾かしてもらってるだけでもありがたいと思いなさいよ」ゴシゴシ
凛「はぁい」ゴシゴシ
凛「うん!ありがと真姫ちゃん!」ダッ
真姫「ちょ、ちょっと凛待ちなさい!まだ終わってないわよ!」
凛「ええ?」
真姫「髪の毛、そのままにしておくわけにはいかないでしょ?ボサボサよ?」
凛「あらま…」
真姫「ほら、ここに座って。梳かしてあげるから」
真姫「凛は可愛いんだから。髪の毛もちゃんと整えておかないといけないでしょ?」
凛「真姫ちゃん…」
凛「だいすきにゃー!!」ダキッ
真姫「ちょ、ちょっと凛!クッツカナイデ!」
凛「えへへ。………あ、」
真姫「なに?窓の外に何か……あ、」
真姫「ええ?」
凛「正確には夜更けすぎじゃないけど。…ちゃーんと、雪に変わったにゃ」
真姫「…その歌……」
凛「あ、かよちんが来たにゃ!おっはよーかよちん!!」ダッ
真姫「……ったく」
ワ、リンチャンオハヨ…アレ、リンチャン、キョウハカミノケサラサラダネ
エヘヘ、コレハサッキマキチャンガネ…
真姫「……雨は夜ふけすぎに、か…」
真姫「……」
真姫(凛はこの歌の続き、知ってるのかしら)
カヨチーン!ユキガツモッタラユキガッセンシヨウネー!
ウン!
“きっと君は来ない
ひとりきりのクリスマスイブ”
真姫「………なんて、ね」
凛「あのね、絵里ちゃん。凛、とってもすごいことに気付いたにゃ…!」
絵里「どうしたの?凛」
凛「絵里ちゃんって、”おか”って名字の人と結婚すると…」
絵里「……」ゴクリ
凛「なんと!”おかえり!”になっちゃうにゃ!!」
絵里「……」
凛「……」
絵里「ハラショー…」
凛「ね!?ね!?すごいでしょ!?」
絵里「ええ、すごいわ凛!そんなこと考えたこともなかったわ!」
凛「デッショー?」
絵里「私、岡さんとは結婚できないわね…!」
凛「かわいそうだにゃー!!」
希(……ほのぼのするなぁ)
ガラッ
花陽「真姫ちゃん…」
真姫「どうしたの?花陽。こんなところに呼び出して」
花陽「…あのね、真姫ちゃん。あのね……」
真姫「な、なによ」
花陽「私、ずっと前から!ずっと前から、真姫ちゃんのことが好きだったの!」
真姫「……」
真姫「…ヴぇぇぇっ!?」
花陽「ごめんね真姫ちゃん!!」ダッ
真姫「あ、ちょっと花陽!!!」
ガラッ ダダダダダッ…
真姫「行っちゃった…」
凛「まーきちゃん!こんなところで何してるにゃ?」
真姫「、凛…」
凛「どうしたの?暗い顔して」
真姫「……何でもないわ」
凛「…そっか」
真姫「なに?」
凛「凛はね、いつだって真姫ちゃんの力になりたいって思ってるから」
真姫「凛…」
凛「だって、ね。凛は、凛は…」
凛「凛は、真姫ちゃんのことが大好きだから!」
真姫「……ヴぇぇぇぇぇっ!?」
凛「返事はいつでもいいから!」ダッ
真姫「り、凛!待ちなさいよ!!」
ガラッ ダダダダダッ…
真姫「……なんなのよ、もう」
海未「そうですね、なかなかいいリアクションでしたが、花陽の後でしたのでその分相乗効果があったかと思われます」コソコソ
凛「え~?じゃあ凛の得点はあんまり高くないってこと?」コソコソ
海未「そうなりますね」コソコソ
花陽「ううっ、やっぱり心が痛いよぉ…」コソコソ
にこ「よし!ここで満を持してにこにーにこちゃんの登場よ!」
にこ「ま~きちゃん!」
真姫「…にこちゃん」
にこ「どうしたのかな~?そんな暗い顔しちゃってぇ」
真姫「……別に」
にこ「あ~、頭のいい真姫ちゃんでもぉ、やっぱり悩みとかあるんだぁ?」
真姫「どうでもいいでしょ」
にこ「どうでもいいわけないでしょ」
真姫「っ、」
にこ「真姫ちゃんが何に悩んでるのか知らないけど、大切な人を支えてあげたいと思うのは当然のことでしょ?」
真姫「……」
にこ「…私ね、真姫ちゃんのことが、」
真姫「……」
にこ「真姫ちゃんのことが、」
真姫「にこちゃん」
にこ「真姫ちゃんのことが、ってなによ真姫ちゃん」
真姫「私、にこちゃんのことが好きよ」
凛「え?」
海未「え?」
花陽「え?」
にこ「……あれ?」
希「なあえりち、これどうやるかわかる?」
絵里「どれ?…ああこれはね、さっきの公式を使って、」
希「あ、そっか。ありがとな、えりち」
絵里「…いいえ」
終わりです!ごめんなさい!ww
絵里(希は勉強は出来る子だから、正直なところ私がいなくてもいいと思うのよね…)
絵里(いや、別に希と一緒にいたくないとか、そういうわけじゃないのよ?)
絵里(そういうわけじゃないんだけど、だけど……)
絵里(こんな空間にいると、最近はどうも意識せずにはいられない)
絵里(…もうすぐ、ここを卒業しないといけないということを)
絵里(そして…)
希「えーっと…ここがこうなるから…」ブツブツ
絵里(目の前のこの人とも、もうすぐお別れだということを)
絵里(別に、別々の大学に進学するからといって、会えなくなるわけじゃない)
絵里(でも、会おうとしないと会えない距離になる)
絵里(それって、割と辛いことなのかもしれないわね)
絵里(…オトノキザカは、女子校だったから。希が共学の大学に行くと、きっとモテるんでしょうね)
絵里(ていうか、モテないわけがないのよ。美人だしスタイルいいし、何より優しい子だし)
絵里(希が、モテないわけがないのよ)
絵里(……あれ、どうしてだろう)
絵里(なんだか、心臓の辺りが痛い…?)
絵里「あ、いえ。なんでもないわ」
希「なぁん、えりちのへーんなの」クスクス
絵里「ふふ」
絵里「なに?」
希「……受験、頑張ろな?」ニッコリ
絵里「ーーーー!」
ガタンッ
希「えりち?だいじょう…んっ!」
絵里「……」
希「っ、……」
絵里「……」
絵里(……あ、れ。私、いま…)
絵里(希に…キスした……?)
絵里「え?」
希「なんでキスしたの!ばか!」
絵里「ば、ばか…?」
希「なんで、もう、いまさらやんか…」
絵里「希…」
希「…なぁ、えりち。なんでキスしたんよ」
絵里「え、いや、えーっと…希がすっごく綺麗だったから…」
希「…違う。違うよえりち。私が欲しい言葉はそんな言葉じゃないの」
絵里「希……」
希「ねぇ、お願い。言ってよえりち」
絵里「え、えっと…希のことが好きだから……たぶん」
希「はあ!?たぶん!?」
絵里「ちょ、ちょっと希、落ち着いて、」
希「落ち着けるわけないやろ!?だって、だって…」
希「…だって、うちはずっと前から、えりちのことが好きやったのに……」
絵里「…希……」
絵里(教室を赤く照らす、夕陽のせいだったのかもしれないけど)
絵里(きっと、希の赤に負けないぐらい)
絵里(私の顔も、赤くなっていたと思う)
希「……す」
絵里「なぁに?」
希「もっかい、してくれたら……許す」
絵里「……」
絵里「……ふふ」
絵里(紫の髪、長い睫毛、紅く染まった柔らかい頬、)
絵里(……そして、私の好きなあなたの匂い)
乙
凛「気持ちいいねぇかよちん」
花陽「そうだねぇ~」
凛「やっぱりお花見に来てよかったねぇ」
花陽「そうだねぇ~」
凛「ふふっ」
凛(満開の桜の木の下にかよちんと寝っ転がって)
凛(ただただ、落ちてくる花びらを眺めるだけ)
凛(あったかい陽気と綺麗な桜と、かよちんが作った美味しいご飯)
凛(……最高だにゃ)
花陽「り、凛ちゃん!あんまり川に近づくと落っこちちゃう、」
凛「にゃっ!?」ズルッ
花陽「凛ちゃん!!」
凛「……セーフ」エヘヘ
花陽「よ、よかったぁ……」
凛「ごめんね、こういうところにいるとついついはしゃいじゃうから」
花陽「…ふふ。凛ちゃんは昔からそうだもんね」
凛「でも、近くにこんな場所があったなんて知らなかったよ」
花陽「私もね、学校の帰りにたまたま気付いたの」
花陽「綺麗な桜が咲いてて、そばを川が流れてて、小さな公園もあって」
花陽「きっと凛ちゃんと来たら楽しいだろうなって思ったんだ」
凛「…えへへ」
花陽「りーんちゃん。こっちおいで?」
凛「うん!」
凛(……あ、)
凛(桜の花びらが、かよちんの髪に…)
凛(携帯、携帯……あった)ゴソゴソ
凛(かよちんにバレないように、そーっと…)
カシャッ
凛「撮れた!」
花陽「り、凛ちゃん!?」
凛「見て見て!かよちん超かわいいよー!」
花陽「は、恥ずかしいよ凛ちゃん…」
凛「待ち受けにしよーっと!」
花陽「えええ!?」
凛(本当にどうでもいい話だったけど、でも、二人で笑うたびにかよちんと肩がくっついて)
凛(たぶんこういうのを幸せっていうんだろうなって、なんとなくそう思った)
凛(水筒がリュックに入らない…)
凛「ねぇかよちん、これ入らないんだけど、」
カシャッ
凛「にゃっ!?」
花陽「えへへ」
凛「あーかよちん!不意打ちは卑怯だにゃ!」
花陽「これでおあいこだよ~」
凛「にゃー!!」
花陽「……ねぇ、凛ちゃん」
凛「うん?」
花陽「今度は、真姫ちゃんと一緒に来ようね」
凛「うん!」
花陽「かわいいよねぇ、凛ちゃん」
真姫「桜の花びらを頭につけた凛って…なんかズルいわね。写真だと普段の騒がしさは写らないし」
花陽「かわいいよねぇ、凛ちゃん」
真姫「……」
花陽「今度は真姫ちゃんも一緒に行こうね!」
真姫「ヴぇぇぇ!?」
バッター サンバン アヤセ~
絵里「さぁにこ!どっからでもかかって来なさい!!」ザッ
にこ「フッ、威勢だけはいいようね」
にこ「いいわ。この、”魔球にこにーボール”」
にこ「打てるもんなら、打ってみなさいよ!!!」ビュンッ
カキーン ゴロゴロゴロ…
希「えりち!走って!!」
絵里「え!?走る!?」ダッ
希「ちゃ、ちゃう!えりちそっちは三塁や!!」
にこ「あーっはっはっはっは!」ゲラゲラ
希「フッ。やっぱりうちの出番やな」ザッ
にこ「よく言うわね。あんたもこの”魔球にこにーボール”で沈めてやるわ」
希「うちはえりちのようにはいかんで?」
絵里「……」ズーーン
希「あ、いやえりちごめん、そういうわけじゃなくてな?とりあえずあとで一緒に野球のルール勉強しよな?」
絵里「……」ズーーーン
にこ「ああもう!いいからさっさとしなさいよ!」
にこ「ふん。どっちにしろあんたもこの”魔球にこにーボール”は打てっこないわ」
希「それはどうかな?にこっち」
にこ「ははっ。…寝言は寝て言いなさいよ!!!」ビュンッ
希「ふん!!」
カキーーーーン!!
にこ「な、なに!?」
希「あーっはっは!うちの勝ちやなにこっち!」
ヒューーー… ガシャッ バリーーーーン
にこ「あ、ガラス…」
希「…確かあそこって」
絵里「理事長室…」
理事長「…………廃校にします」
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