【ラブライブ!】真姫「え、ぬいぐるみが喋ってる?」
- 2020.04.01
- SS

真姫「この時期は暑苦しくて、すぐ汗だくになるし、早く涼しくなってもらいたいものね」カミノケクルー
真姫「さて……。そろそろ寝ようかしら」
真姫「……? ぬいぐるみがない」
真姫「どこにいったのかしら?」キョロキョロ
真姫「サンタさんに貰った大切なぬいぐるみなのに……」オロオロ
ぬいぐるみ「え? どんな?」
真姫「クマのぬいぐるみなんだけど……」
ぬいぐるみ「そうか。ここから見る限りだと見当たらないな……」
真姫「そう……」
この作品が名作になることを確信したのであった
ぬいぐるみ「あった?」
真姫「え? だ、誰よ!」
ぬいぐるみ「なんだ! 不審者か!?」
真姫「あんたに言ってんの!」
ぬいぐるみ「え? おれか?」
真姫「そうよ!」
ぬいぐるみ「おれはあれだ。クマのぬいぐるみだ。うん」
ぬいぐるみ「って、探してたのおれか!」
真姫「…………」ワナワナ
ぬいぐるみ「ど、どうした。別にわざとしらばっくれてたわけじゃ」
真姫「ついに喋った!!」
ぬいぐるみ「ついに?!」
おいばかやめろ
やめてくれww
真姫「長年話しかけてきたかいがあったわ」
ぬいぐるみ「お前……やべぇな……」
真姫「し、仕方ないでしょー! ゴニョゴニョゴニョ」
ぬいぐるみ「え? なんだって?」
真姫「と、友達が欲しかったの!」
ぬいぐるみ「小学生か。低学年の」
ぬいぐるみ「おおおお思ってない! 思ってない! いつか、話しかけてあげなきゃって思ってた!!」
真姫「よかった……。ありがとう」
ぬいぐるみ「お、おう」
ぬいぐるみ「あ、あーそうだ! 喋れるようになったらちょっと記憶が飛んだなー!」
ぬいぐるみ「昔話をしてほしいなー!」
真姫「ジー……」
ぬいぐるみ「うっ……」
真姫「あ、ごめんなさい。別に睨んでたわけじゃないの。ただ嬉しくて」
ぬいぐるみ「うっ……そ、そうか。よかったよかった! あははは!!」
真姫「昔話……。そうね。あなたとの出会いを話してあげるわ」
やばいくらいかわいいな
ぬいぐるみ「おぉ……。割と大きい……」
真姫「私、ホントはあなたのことをサンタさんにお願いしたわけじゃなかった」
真姫「本当は、友達、ってお願いした」
真姫「さすがに今になればわかるわ。サンタさんから貰うものじゃないって」
真姫「でも、当時は本当に寂しくて……」
真姫「私、気が強くて、素直じゃないからなかなか友達ができなかった」
真姫「もうどうすればいいのかわからなくなった時、やってきたのがクリスマス」
真姫「私はこれだ! って思ったわ。サンタさんならなんでも欲しいものをくれるって思ってたから」
真姫「でも、サンタさんは友達はくれなかった」
真姫「そして、あなたには一枚の紙が付いていたわ」
真姫「見てみるとそこには、がんばれ サンタ。って書いてあった」
真姫「そこで初めて気付いたわけじゃないけど、改めて認識したわ」
真姫「世の中には自分の力でどうにかしなきゃいけないことがあるって」
真姫「それから私はがんばった」
真姫「あなたを友達にしようと!」
ぬいぐるみ「そこ!?」
真姫「ええ。だからがんばったじゃない。やっと喋れるようになってよかったわ」
ぬいぐるみ「いや、そうじゃなくて! がんばるのは人間の友達作り!」
ぬいぐるみ「人間の友達作りってのも妙な言い方だけれど!」
真姫「え、そうだったの?」
ぬいぐるみ「サンタが言葉足らずだったのかな?!」
真姫「し、知ってたわよ! あえてよ! あえて!」
真姫「常に難しいことに挑戦していきたいの。私、向上心が強いから」
ぬいぐるみ「……ヘェ。スゴイネ」
真姫「でっしょー!」カミノケクルー
真姫「そうね。夜寝る前に日記を付ける感覚かしら?」
真姫「最近語りかけてあげてたことも忘れちゃったの?」
ぬいぐるみ「もうちょっと時間がかかりそうだなー! あははは!」
真姫「そ。まぁいいわ」
ぬいぐるみ「で、どんな学校でもできる一人遊びを考え出したんだ?」
真姫「そんなことしてないわよ!」
真姫「今は友達……というか、仲間……というか、そんな感じのができたから」
ぬいぐるみ「すごいじゃん!」
真姫「べ、別に凄くないし!」
ぬいぐるみ「うん。普通だけどね」
真姫「ちょっと! 褒めなさいよ!」
ぬいぐるみ「普通のことだけど、コミュ障からしたらすごいよ!」
真姫「コミュ障じゃない!!」
真姫「え? ……せ、せっかく喋れるようになったんだから、遊ぶわよ」
ぬいぐるみ「ん? いや、仲間について聞きたいんだけど」
真姫「しりとりならぬ、かしらとりをするわ!」
ぬいぐるみ「かしらとり?」
真姫「私、オリジナルルール」フッフーン
ぬいぐるみ「そんなことより、仲間を……」
真姫「ちょっと! 食いついて!!」
ぬいぐるみ「ええ~……」
真姫「しりとりは単語の最後の文字を、次の単語の頭に繋げるでしょ?」
真姫「かしらとりは逆。最初の文字を、次の単語の頭に繋げるのよ」
ぬいぐるみ「なるほど。……ん? ちょっと待てよ? 頭に?」
真姫「私からいくわよ? クマの『く』よ」
ぬいぐるみ「え? くも。いやてか、」
真姫「どっちのくも?」
ぬいぐるみ「空の方。いやそんなんどうでもよくて、」
真姫「また『く』ね。薬」
ぬいぐるみ「だからまた『く』とかじゃなくて!」
ぬいぐるみ「これ永遠に『く』で始まる単語を言い合ってくだけのゲームだよね!?」
真姫「…………そうね」
ぬいぐるみ「面白いの!?」
真姫「…………面白いわよ」ソラシ
ぬいぐるみ「目逸らした!」
真姫「あー楽しかった! 次は何をしましょうか」
ぬいぐるみ「面白くないことを認めたな」
真姫「な、なんのこと?」
ぬいぐるみ「嘘下手か」
真姫「うっ。……いやよ」
ぬいぐるみ「そうか……妄想か……」
真姫「妄想じゃないっ!!」
ぬいぐるみ「じゃあ、なんで話してくれないんだ?」
真姫「……は、恥ずかしい……」
ぬいぐるみ「は? 毎晩おれに話しかけてきたんだろ?」
真姫「そうだけど……。それは相手が喋らないからで……」
ぬいぐるみ「よし。じゃあ話してみな」
真姫「話聞いてた?!」
ぬいぐるみ「友達の友達の話を聞きたいな~」
真姫「友達……。し、仕方ないわね!」
ぬいぐるみ「ちょろい」
めちゃくちゃ可愛い
真姫「皆で練習したり、雑談したり、お泊りしたりしてるのね」
ぬいぐるみ「ほう……。それで? どんな子がいるんだ?」
真姫「まずは3年」
真姫「私の学校の生徒会長も務めてたエリー」
ぬいぐるみ「いきなり外国人か!?」
真姫「違う。エリーはクォーター。本名は絢瀬絵里」
真姫「それで、エリーは生徒会長も務めてただけあって、真面目で私達をいつもまとめてくれて」
真姫「でも、どこか抜けてるところもあって。まぁそこが可愛いんだけど」
真姫「こないだも、セミを食べている猫を見て」
絵里『セミって美味しいのかしら?』
真姫「って真顔で聞かれたわ」
ぬいぐるみ「キャットフードはうまいものだと思ってそうだな、エリーは……」
真姫「もしかしたら食べたことあるのかもね。メダカの餌はしょっぱいとか言ってたし」
ぬいぐるみ「どこが真面目なんだ……」
真姫「希はそうね……。μ´sのお母さんみたいな存在かしら」
真姫「常に誰かのことを考えてるような人よ」
真姫「そのせいか自分の気持ちを隠す時があるの」
ぬいぐるみ「そりゃまさにお母さんのようだな」
真姫「お泊りの時、穂乃果や凛がワクワクして寝られないっていう時は、子守唄を歌ってくれるわ」
ぬいぐるみ「本当にお母さんだな!」
真姫「それでも寝ないって時は胸をわしわしもするわ」
ぬいぐるみ「お父さんでもあるのか……」
真姫「えっ」
ぬいぐるみ「えっ」
ぬいぐるみ「いや、お父さんって子供に髭を擦りつけてくるじゃん?! それに似てるなーって!」
真姫「……しないわよ、そんなこと」
真姫「にこちゃんは……小さい」
ぬいぐるみ「それだけ!?」
真姫「うーん……後は、小さい?」
ぬいぐるみ「やっぱりそれだけ!?」
真姫「けど……一番大きい……かも」
ぬいぐるみ「ん? どういうこと?」
真姫「一番やさ……さ、さぁ?」
ぬいぐるみ「やさ?」
真姫「な、なんでもないっ!」
真姫「ますはことり」
真姫「ことりは周りの空気をふわっとさせる力の持ち主よ」
ぬいぐるみ「能力者なのか……!」
真姫「ナニソレ? そんなんじゃなくて、ことりがおっとりとしてるから周りもおっとりしちゃうの」
ぬいぐるみ「空気を変えるのか」
真姫「きっとことりのクローンがいれば、戦争はなくなると思うわ」
真姫「実際、ことりが喧嘩している人の傍を通るだけで喧嘩は止まるし」
ぬいぐるみ「なんだそいつ……ある意味やべぇな……。時代が時代なら神になれるぞ……」
真姫「海未は大和撫子って感じの和風美人よ。……まぁちょっと変だけど」
ぬいぐるみ「どういうこと?」
真姫「なんていうか、真面目なんだけどどこかズレてる、みたいな」
真姫「こないだ、体重管理ってどうしてるの? って聞いたら」
海未『食事制限ですね』
真姫『どうしても食べたい。我慢できないって時は?』
海未『美味しそうな匂いを嗅いで口を動かします』
海未『この時、出来るだけ食べ物のイメージをして口を動かすことが大切です』
海未『これで空腹感はごまかせますよ』ニコッ
真姫「って言われて。努力の方向性が間違ってるというか、なんというか」
ぬいぐるみ「2年、ヤバいやつしかいねぇじゃねぇか……」
真姫「一言で言うと大バカね」
ぬいぐるみ「遂に悪口が……」
真姫「意味わかんない提案とか急にしたり、私達、穂乃果に振り回されて大変よ」
真姫「でも、穂乃果がいたからμ´sもあるし」
真姫「……私も救われたし」
真姫「いくら感謝してもしきれない恩人よ」
ぬいぐるみ「悪口は照れてたのか」
真姫「なっ……! バカにバカって言っただけ!!」
ぬいぐるみ「そーかそーか」
真姫「イミワカンナイ!!」
真姫「凛は元気で前向きで素直で、正直最初は馬が合わないと思ってた」
真姫「でもなんていうのかしら。正反対だからこそ一緒にいて落ち着くというか」
ぬいぐるみ「ほー」
真姫「はっ。ま、まぁなんていうかペットみたいなものよ!」
ぬいぐるみ「なんども同じ過ちを繰り返すあたり、お前かわいいやつだな」
真姫「花陽はとても可愛らしい女の子。優しくて、とっても憧れるわ」
ぬいぐるみ「珍しく思いっきり褒めるんだな」
真姫「ま、唯一自分に自信がないところが欠点ね」
ぬいぐるみ「やっぱり毒は吐くのか」
真姫「でも自分の意思をしっかり押し通したり、最近は変わってきてる」
真姫「強い子よ」
真姫「……そのせいで最近ちょっと寂しかったりもするけど」
ぬいぐるみ「親元から離れていく子供みたいな感じか」
真姫「そうね……。もちろんいいことにはかわりないから、いいんだけど」
ぬいぐるみ「複雑だな」
真姫「私が弱いだけよ」
ぬいぐるみ「妙に素直だな」
ぬいぐるみ「もう濁さないのか」
真姫「ええ……」ウトウト
ぬいぐるみ「眠いのか」
真姫「さすがに……ちょっと……」
ぬいぐるみ「眠くなってきたから素直だったのか。子供だな」
真姫「そんなことっ……ない……わ……」
ぬいぐるみ「はいはい。寝ろ寝ろ」
真姫「うん……」ゴソゴソ
ぬいぐるみ「じゃあ、おやすみ……」
真姫「おや……す……み……」
真姫「ん……朝ね……」
真姫「おはよう」
ぬいぐるみ「」
真姫「??」
真姫「まだ寝ているのかしら? ふふっ」
真姫「支度しよう。シャワー浴びなきゃ」ガチャ
真姫「起きた?」ガチャ
ぬいぐるみ「」
真姫「まだ起きないの? 寝ぼすけさんね」
真姫「まぁいいわ。じゃあ、私は行くわね?」
真姫「おとなしくしといてね」
真姫「じゃ、いってきます」チュ
真姫「ふふっ」
終わり。
最高だった
-
前の記事
【ラブライブ!】エリチカの目をハートにする方法 2020.04.01
-
次の記事
【ラブライブ!】ラブライブ!キャラを組分け帽子で分けるとどうなるの? 2020.04.01