【ラブライブ!】花陽『甘いお星様』
- 2020.04.02
- SS

投稿者:小泉花陽
み、みなさんこんばんはっ
こ、小泉花陽ですっ
あ、ここに書かなくてもいいんですね。ごめんなさいちょっと慌てててて
少し息を整えますね
ふぅ……え?慌ててた理由、ですか?
それはですね、なんと凛ちゃんからプレゼントをもらっちゃったんです
「ふふ、それじゃー花陽ちゃん。ゆっくりしててね」
ことりちゃんがとろけるような甘い声を残して部屋を出て行きました
ことりちゃんの部屋
置いてるのは紅茶といちごのショートケーキと最近話題の恋愛映画のDVD
「ことりちゃんにお願いされたけど……ひとりで観てていいのかな?」
いったいなんの意味があるんでしょうか?
ことりちゃんは普段からふわふわしていますが、時々考えることもふわふわしているといいますか────
あわわっ、これは悪口じゃないですよっ!?
花陽はそんなことりちゃんのことが好きだから、褒めているんですっ
心の中で必死に言い訳の言葉を並べ続けた花陽は、紅茶をひとくち口に含んで、一息入れてからケースからDVDを取り出しました
ことりちゃんの意図はわからないけど
「この映画、少し気になってたんだぁ」
実はちょっと前から気になっていた映画で、なんだかワクワクしてきました
ことりちゃんや凛ちゃんと観たかった気もしますが、2回目に皆で観ればいいかな?
1回目は一人占めです♪
今日の花陽は少し欲張りさんなんです
「喉、乾いちゃったなぁ」
カップに入った紅茶も既に飲み干してしまい、ポロっと声が漏れちゃいました
一時停止ボタンを押して、ことりちゃんにおかわりをもらいに行こう
そう思って立ち上がった時────
「できたニャー」
部屋の外から聞きなれた声が聞こえてきたんです
凛ちゃんの声が聞こえた気がする。もしかして凛ちゃん来てるのかな?
扉を開けると、さらに凛ちゃんの声が聞こえてきて────
リビングの方からです
なんだろうな?と思いながらもリビングへ向かい、チラッと中の様子を伺ってみると
「わぁー、ハートの形やおお星様の形、色々あるんだね。なんだかとっても楽しくなってきたニャ!」
エプロンを身に纏った凛ちゃんとことりちゃんがなにやら楽しそうにお菓子を作っていたんです
むむむ──── なんだか楽しそう
花陽が声を出してリビングに入ろうかとした時
「かよちんはどの形のクッキー喜んでくれるかなー?」
「うーん。でもでも、せっかく頑張ったんだから妥協したくないニャ」
「よし、ハートはここで──── ここにお星様」
よく見てみると、顔や腕やエプロンに粉やクッキー生地がついたまま
それを拭ったりせずに、一生懸命になっていて
ああ──── 凛ちゃん楽しそう
「きっとナイショなんだろうな」
そう思っちゃいました
多分。多分なんですが、凛ちゃんが出来立てを花陽に食べてもらいたいとか言ったんじゃないんでしょうか
凛ちゃんの気配りは嬉しいですが、なんだかあのふたりの中に混ざりたい気もあるのでちょっぴり残念です
きっと映画を観終わる頃にはとっても美味しいクッキーが焼き上がってると思うので
それまでは映画を楽しむことにします
ああ──── いけない
これはいけません
切ない。切ないです。この映画。ヒロインの女の子が可哀想です
物語が進むたびにハンカチで涙を拭っていますが、涙が止まりません
さすが話題の映画。さすがことりちゃんの選んだ映画
感服です
──── コンコン
「花陽ちゃん。ちょっといいかな?」
ことりちゃんが扉を開けて入ってきました
「あ……ことりちゃん」
花陽を見た瞬間。ことりちゃんが大慌て
「は、花陽ちゃん大丈夫!?どこか痛いの!?」
この映画とても良かったです。その言葉も続けて言うと
「よかったぁ。そっか、映画観て泣いちゃったんですね」
くすくすってことりちゃんが笑って
「実はことりも最初観たとき涙が止まらなかったの」
なんて言うもんだから、花陽もつられて笑っちゃいました
「あれ……?凛ちゃん。どうしたの?」
ことりちゃんに連れられてリビングに行くと、どこか自信満々な凛ちゃんがそこにいました
もちろん凛ちゃんがいるのは知っていたので、あくまで知らないふりで接します
「ふふ、実はねーかよちんにプレゼントしたいものがあるんだー」
「プレゼント……?なんだろう?」
とても嬉しそうに綺麗にラッピングされた小さな箱を花陽にくれました
「さ、開けて開けて♪」
早く早くと凛ちゃんが急かすから、リボンをほどいて開けてみると────
お星様や四角形、ハートの形のクッキーが綺麗に並んで入っていました
ほのかに香る甘いバターの香りに、おもわずお腹の虫が鳴いちゃって
そうでした。今日の花陽は少し欲張りさんでした
胃袋もいつもより欲張りになってるみたいです
「この前かよちんがチョコレートをくれたから、これはそのお礼だよ?」
嬉しそうに話す凛ちゃんに
「凛ちゃんとっても頑張ってたんだよ?きっととっても美味しいよ」
ことりちゃんが言葉をつづける
食べなくてもわかります。このクッキーはきっと
花陽が今まで食べたクッキーの中で──── ううん。これからの花陽の人生の中でも一番なんだなって
でも、せっかくなのでいただきます♪
欲張り花陽ちゃんなんですから
ありがとう凛ちゃんことりちゃん。そうお礼を言ってお星様のクッキーをひとつ手に取ると
クッキーの温かみがなんだか凛ちゃんとことりちゃんの温もりに感じました
いただきます──── そう言ってぱくりと口に入れると
美味しい
つい心の底から思ったセリフがぽろっと口からこぼれ出ちゃいました
「え?えっ──── ホント?ホントに本当?」
「うんっ。とっても美味しいよ。今まで食べた中で一番美味しいよ」
美味しいって言葉を返すたびにどんどんと良い笑顔になっていく凛ちゃんに
なんだか花陽も嬉しくなりました
本当にありがとうね。ことりちゃん凛ちゃん
凛ちゃんは中盤くらいで眠ってしまって
花陽とことりちゃんは何枚もハンカチを濡らしちゃいました
これが今日の出来事です
凛ちゃんお手製のクッキーは
とても美味しくて、食べてしまうのが勿体なくて、でも食べ足りなくて、またひとつまたひとつと口に運んで
気がついたらなくなっていて────
ああっ、思い出すとよだれが出ちゃいそうですっ
お返しは──── 何にしようかな?
うーん……なんでも喜んでくれそうなんですが、それはそれで難問です
ふたりがとっても喜んでくれる飛び切りのプレゼント
今度絵里ちゃんやニコちゃんに相談してみようかなって思います
きっと素敵な知恵を貸してくれるかと思います
あ、そうだ。今日の出来事でひとつ心に決めたことがありました
それはですね────
怖いのでしばらく体重計には乗らないことです
コメント:1件
投稿者:園田海未
花陽。ここでサプライズプレゼントを宣言するとサプライズの意味がないかと思うのですが…
おしまい
ことり「凛ちゃんと遊園地」
のリクエストのことりんでお菓子作り、花陽にプレゼントです(ただし花陽視点)
乙
ほのぼのして良かったです
乙です
乙した
可愛い
ありがとう!
おつです
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