【ラブライブ!】海未「そのだ、うみみって……だあれ?」
- 2020.04.03
- SS

海未「ラブライブ優勝……。ここまでくるとは思いもしませんでした。」
ことり「ことりも。誰もいない講堂ライブから、全国制覇しちゃうなんて!穂乃果ちゃんがいなかったらμ’sも結成されなかったよー。穂乃果ちゃん、本当にありがとう!」
海未「私からも。ありがとうございます。」
穂乃果「そんなそんな~!!ことりちゃんがいなかったら毎回制服でライブだったし!」
ことり「ありがとう!これからしばらく服を作らなくていいんだーって思うと、なんか変な感じするな~。」
穂乃果「海未ちゃんだって、一生懸命歌詞考えてたよね!穂乃果がねー、1番好きなのはやっぱりSnow halation!」
海未「あれは皆の考えあっての曲ですから…… それでも嬉しいです。ありがとうございます。」
ことり「ねぇねぇ、これからどこか遊びにいかない?商店街に、美味しいマカロン屋さんができたんだって!」
穂乃果「行くいくー!!!海未ちゃんは?」
海未「はい、私も…… はっ、今日の稽古は6時から……すっかり忘れていました!ごめんなさい穂乃果、ことり!また明日!」ダダッ
穂乃果「あっ、バイバーイ!」
ことり「また明日~!」
海未「今は……54分!ダッシュすればまだ間に合います!急ぎましょう!」ダダッ
信号「」チカッチカッ
海未「全力でダッシュすれば大丈夫なはず……!」
ダッダッダッダッ
海未「あっ……!!」ドタッ
信号「」レッドー
海未「こんな横断歩道の上で……!とりあえず避けましょ……」
トラック「」ギィィィイィィイン
海未「……!?キャアアアア!」
バァン!!!!
海未「……いけま……せん……ぅう、穂乃果……ことり……」バタン
ことり「ちょっと、頼みすぎじゃない?また太っちゃうよぉ~!」
穂乃果「平気平気!家族や海未ちゃんの分もあるし、最近はラブライブあって和菓子食べてないし!」
ことり「そっかぁ~。」
穂乃果「あ!そうだ、見せたいものがあったんだ!ねぇことりちゃん、今日ウチ……」プルルルルルルル
穂乃果「あ、電話……まきちゃんからだ!」
穂乃果「はい、もしもし!」
ことり「まっきちゃ~ん!」
真姫「穂乃果……と、ことりも一緒かしら?」
ことり「そうだよ!どうしたの?」
真姫「あのね、見ちゃったの……海未が、車にはねられた……!」
穂乃果「……えっ!?」
ことり「海未ちゃん、すごく急いでたから……」
真姫「今、救急車に運ばれてる!私は救急車に乗って病院まで行くけど、穂乃果とことりもきっと近くにいるんでしょう?音乃木坂病院にいるから、絶対来るのよ!他のメンバーや親御さんにも連絡しておいて!じゃあ!」プツッ ツーツーツー
穂乃果「そんな……」
ことり「……とにかく、病院に向かおう!ことりが他のメンバーと親御さんに連絡するよ!音乃木坂病院ならバスに乗れば行けるから、時刻表見てきて!」
穂乃果「……分かった!!」
ことり「あっ、もしもし、凛ちゃん……あのね……」
穂乃果「見つけたよ!あと1分後には来ちゃう!急いで!」
ことり「うん!全員に連絡したよ!」
穂乃果「ことりちゃん、ありがとう!さぁ、乗ろう!」
にこ「!!ことり!穂乃果!一体海未に、何があったの!?」
ことり「詳しいことはよく分からないけど、トラックにはねられたみたいなの!」
花陽「穂乃果ちゃん!海未ちゃんは……海未ちゃんは大丈夫!?」
穂乃果「わからない……今手術してるよ」
凛「みんな!」
絵里「遅くなってごめんなさい……」
希「海未ちゃん大丈夫なん?」
真姫「今は……信じるしかないわ」
希「よし……」サッ
絵里「希……あなた、今それは……」
希「今まで、ウチの占い外れたことないやろ?ウチを信じて」
にこ「……希。絶対いいカード引いてよね!」
希「分かってる。……これや!」サッ
希「……これは……!?」
凛「どういうことなのかにゃー?」
希「たぶん……最悪の結果にはならない。でも、それ以上でもないってことかなぁ。」
絵里「でも、この未完成ってのがちょっと気になるわね」
穂乃果「……大丈夫!海未ちゃんと、お医者さんを信じよう!絶対大丈夫!」
花陽「穂乃果ちゃん……!」
にこ「そうよね、穂乃果!ニコたちに今出来ることは、それだけだもん!」
ことり「あっ!ランプが消えたよ!」
穂乃果「海未ちゃんは!」
医者「なんとか、一命は取り留めました。ですが、意識はまだ戻っていません。この後の経過をみましょう。」
にこ「ちょっと、どういうこと!?あんた医者でしょお!?」
絵里「意識はまだ戻らなくて当たり前よ。きっと明日には意識が戻るわ。」
凛「大丈夫、だよね!」
海未ママ「も、申し訳ありません、遅くなりました……」
海未パパ「海未は……無事なのかい?」
医者「意識は戻っていませんが、なんとか一命は取り留めました。」
海未ママ「はぁ、よかったです……。ひとまず安心ですね。」
海未パパ「海未……海未ぃいいいいいいいい!」
海未ママ「まだ死んだわけじゃないんですから。海未も望んでいないはずですよ」
海未パパ「うっ……そうだよな。でも明日……北海道まで飛ばないといけないんだよ……」
海未ママ「なんですかそれは!?初耳なのですがそれは……」
海未パパ「今日急に決まったことで……弓道関係者が集まる外せない会議で、欠員が出たから出てくれってことになったんだよ……」
海未ママ「1人くらいいいじゃないですか!それに、私も夜に道場を休む訳にはいかないんです……!一体誰が海未を見るんですか!」
穂乃果「あっ、あの!」
穂乃果「謝らないでください!その、夜から見れないんですよね?私たちが、海未ちゃんを見ます!」
真姫「お願いします!」
凛「1人でも欠けたら、μ’sじゃないんです!」
海未ママ「……あなたたち……!!うぅ、本当にありがとうございます。」
海未パパ「私からも……よろしくお願いします。」
希「決まりやね。」
穂乃果「海未ちゃん。」タッタッ
海未「……」
穂乃果「明日もここに来るね。」
穂乃果「みんなで!」
……なんなんでしょう、真っ暗で…………何も聞こえない。
もしかして、私死んだのでしょうか……
この感覚は…………何?
何かが、抜けていく……
穂乃果「……はい。そうですか……分かりました。」ピッ
絵里「どうだって?」
穂乃果「まだ、意識は戻っていないみたい……。でも、脈が安定してきて、今日中には戻るかもだって!」
真姫「そう……。ただ、打ったのが頭だから、それが心配。」
にこ「え、打ったの頭なの!?」
真姫「……わたし、見ちゃったから……現場。うっ、おえっ!……医者になりたいのに、私ったらまだまだね……」
にこ「真姫ちゃん……」
ことり「とにかく、急ごう!海未ちゃんのお母さんも、忙しいから、私たちでフォローしないと!」
音乃木坂病院
希「……まだ、目覚めてないみたいやね」
絵里「今日中に目覚めてくれることを願うばかりだわ」
ことり「……海未ちゃん」
花陽「……あっ!」
にこ「どうしたの花陽?」
花陽「だんだん、心拍数が上がってく……!」
海未「」ピクッ
穂乃果「動いた!」
穂乃果「海未ちゃん!おっはよー!穂乃果だよ!」ガシッ
……ほの、か……?
ことり「海未ちゃん!おねがぃい!」ガシッ
……ことり…………?
海未「」パチッ
絵里「!!起きたわ!お医者さん呼んで!」
穂乃果「海未ちゃん!良かったぁー!!!穂乃果だよ!穂乃果!」
ことり「やったぁ~!!!海未ちゃん、おはよう♡」
凛「良かったにゃあ~!!!!!ね、かよちん!」
花陽「うんっ!目覚めなかったら、どうしようかと……うっ」
にこ「花陽!そんなんで泣いてたら、アイドル失格よ……うぅっ、うあっ!」
希「にこっちが1番泣いてるで?」
にこ「うるさいっ!!」
海未「」キョロキョロ
穂乃果「海未ちゃん、だいすきっ!」
穂乃果「海未ちゃん!良かったぁー!!!穂乃果だよ!穂乃果!」
ことり「やったぁ~!!!海未ちゃん、おはよう♡」
凛「良かったにゃあ~!!!!!ね、かよちん!」
花陽「うんっ!目覚めなかったら、どうしようかと……うっ」
にこ「花陽!そんなんで泣いてたら、アイドル失格よ……うぅっ、うあっ!」
希「にこっちが1番泣いてるで?」
にこ「うるさいっ!!」
……う、み? アイドル?
この人たちって……?
海未「」キョロキョロ
おそるおそる、ベッドの裏の名前を見る。
穂乃果「海未ちゃん、だいすきっ!」
そのだ、う、みみ……?
とりあえず、聞いてみよう。
海未「あの……」
穂乃果「ん?何?ほむまんなら、ここにたーっくさんあるよ!」
海未「……」
海未「そのだ、うみみって……だぁれ?」
穂乃果「えっ!?海未ちゃんは海未ちゃんだよぉ~!!何言ってるの??」
海未と書いて、うみ。
わからない……思い出せない。
続けて、聞いてみる。
海未「あなたたちは……だぁれ?」
真姫「……え」
穂乃果「穂乃果だよっ!穂乃果!こうさか、ほのか!」
こうさかほのか。
……ダメ。全くわからない。
絵里「海未……。この問題、分かる?」
渡されたのは、高2で習う計算問題。
海未「……こう?」
絵里「……正解よ。多分、寝ぼけているんじゃないかしら。」
希「そうやね。多分1晩寝れば大丈夫やろ!」
真姫「ちょっと待って!」
海未「……」フルフル
真姫「ことりのお母さんの職業は?」
海未「……」フルフル
真姫「私たち9人のグループの名前は?」
これは……わかる気がするけど……
ううん。やっぱりダメ。
海未「……」フルフル
真姫「やっぱり……。」
真姫「おそらく海未は記憶障害を起こしてる。事故の影響でね。」
希「寝ぼけてるとちゃうの?計算も出来たし」
真姫「そういう人もいるらしいのよ。今までしてきたことや、人間関係を全て忘れてしまうの。寝ぼけてるといっても、穂乃果の質問に対して海未が答えられないわけないでしょ?」
凛「そんな……中途半端、カードの通りだよ……」
絵里「穂乃果?」
穂乃果「初めまして。私は高坂穂乃果。よろしくね!あなたの、お名前は?」
太陽みたいに明るい笑顔で、話しかけてきた。
でも……
海未「わからないの。でも、うみつまて名前ではなかったと思う。もっと、違う……」
穂乃果「じゃあ、言うね。あなたは、園田海未。海未ちゃんだよ。そして、私達は、この近くにある音乃木坂学院の生徒。もちろん、海未ちゃんも。」
海未「そのだ、うみ……。」
ことり「それで……、あっ、私は南ことり。ことりって呼んでね。それで、私達9人は、μ’sっていうスクールアイドルをやってたの。今はもう、辞めちゃったけど。」
海未「……!!えっ!わたしが、スクールアイドル??ありえない、ありえない!超ウケる!!」
8人「」
海未「うーん、そんな気はしないなぁ。あっ、あなたのお名前は??」
凛「えっと、星空凛だよ。」
海未「凛ちゃん!よろしくね!」
絵里「なんか……人がそのまま変わったみたいね」
海未「あーっ!金髪だー!高校生なのに、いいの?」
絵里「あっ、私は、クォーターだから……。えっと、名前は絢瀬絵里。元生徒会長なの。」
海未「そうなんだ!かっこいいね!それに賢いし可愛いしすごい!」
絵里「そ、そうかしら……」
海未「あっ、ほかの人もお名前教えてよ!なんかよくわかんないけど、私海未なんだって?ヤバイよね~!」
8人「」
にこ「まさかの記憶障害でしかも超明るくなってるし……」
真姫「海未はいつから学校復帰するの?」
穂乃果「最短で5日後だって。経過が結構良いみたい。」
ことり「色々教えてあげないとね。私たちとの関係もリセットされちゃったし。」
希「そうやね。明日はμ’sとか学校について教えるか。」
花陽「うん。きっと理解してくれると思うよ」
凛「凛、あっちの海未ちゃんも好きだな~。なんかギャップがあるというか!」
にこ「それもそうね!にっこにっこにーとか乗ってくれそう!」
真姫「それはないわ」
にこ「ツッコミ早っ!」
アハハハ……
ことり(なんか、海未ちゃんはいるんだけど)」
ことり「(心にぽっかり穴があいちゃったみたい)」
ことり「海未ちゃん……」
にこ「まさかの記憶障害でしかも超明るくなってるし……」
真姫「海未はいつから学校復帰するの?」
穂乃果「最短で5日後だって。経過が結構良いみたい。」
ことり「色々教えてあげないとね。私たちとの関係もリセットされちゃったし。」
希「そうやね。明日はμ’sとか学校について教えるか。」
花陽「うん。きっと理解してくれると思うよ」
凛「凛、あっちの海未ちゃんも好きだな~。なんかギャップがあるというか!」
にこ「それもそうね!にっこにっこにーとか乗ってくれそう!」
真姫「それはないわ」
にこ「ツッコミ早っ!」
アハハハ……
ことり(なんか、海未ちゃんはいるんだけど)」
ことり「(心にぽっかり穴があいちゃったみたい)」
ことり「海未ちゃん……」
音乃木坂病院
穂乃果「海未ちゃーん!遊びに来たよー!」
海未「えっと、穂乃果、ちゃん?」
穂乃果「そうだよ!今日もμ’sのメンバー連れてきたんだ!あ、お母さんとは話した?」
海未「うん!なんかすごく驚いてたよー。あと何故か親なのに敬語だった!」
真姫「友達に敬語使ってたあなたぎ言うこと?」
にこ「今日は、学校のこととμ’sのことをた~っぷり教えてあげるわ!」
海未「えっと……あっ!にっこにっこに~!の人だ!」
にこ「……海未のにっこにっこにーはレアだわ!さぁ、カメラに向かってもう一度!」
海未「にっこにっこn」
絵里「やめなさい、恥ずかしいから」
海未「ええーっ!」
凛「海未ちゃんが絵里ちゃんに刃向かうのもレアな構図だにゃ!」
花陽「確かにそうだね。」
うみつまて→海未って
21
あなたぎ→あなたが
希「ポチっとな」
答えなくていいんだわかるから~
胸に描く場所は同じ~
何度でも諦めずに~
探すことが僕らの挑戦~
海未「ほんとに、歌ってたんだ」
真姫「私が作曲、海未が作詞をしてたのよ。」
海未「そうなの!!書ける気しないな~。」
希「次は学校紹介ビデオ~。」ポチッ
なんとっわたしがー!
せいとっかいちょうにー!
みんなのすすめでなっちゃったぁ!
海未「穂乃果ちゃんだ!」
穂乃果「希ちゃん!なんでこれにしたの!?恥ずかしいじゃん!」
希「このあと学校紹介だから、我慢してや~。」
希「はい、おしまい!」
海未「」zzz
花陽「寝、寝てる……」
にこ「凛と穂乃果も寝てるし」
絵里「新しい三バカね……」
海未「んん……ごめん、寝てた……」
希「なんか、穂乃果ちゃんが2人いるみたいやね!」
絵里「確かに。穂乃果らしさがプラスされたというか!」
にこ「やっぱり、こういう海未もいいわね!」
ことり「……」
そして、退院し学校へ行く日……。
ことり「穂乃果ちゃんも海未ちゃんも遅いなぁ」
ことり「もう10分も待ってるよ」
ほのうみ「あっ、ことりちゃん!ごめーん!」
ことり「あっ、海未ちゃん、穂乃果ちゃん!おはよう!遅いよ、もう!!」
穂乃果「おはよう、みんな!海未ちゃんが遅刻って珍しいね!」
海未「え、そう?んー、ごめん思い出せない……」
ことり「……っていうか、海未ちゃん髪の毛どうしたの!?スカートもいつも以上に短いし」
海未「今日はツインテにしてみたんだー!似合う?似合う?」
ことり「……うん。とっても似合ってる」
穂乃果「まぁ、海未ちゃん家だしね。ちょっと厳しいよ~!」
海未「んね!今日もさー、弓道ですよって、5時に起こされたんだよ!?意味わかんない!」
海未「あ、そういえばさ、音乃木坂って女子高なんでしょ?」
穂乃果「そうだよ!このへんじゃ、共学があまりなくて……」
海未「そっかぁ。ちょっと残念。イケメンいるかなーって思ったんだけどなぁ。」
ことり「……う」
海未「ことりちゃん、どうしたの?」
ことり「ううん!なんでもない!」
穂乃果「おはy」
海未「みんな、おはよー!!!」
え……?
園田さんどうしちゃったの?
この時期にデビュー?いや、ないないw
海未「ねぇねぇ!」
ヒデコ「うぇえ!?」
海未「あなた、名前なんていうの?」
ヒデコ「えっと……ヒデコ、です」
海未「じゃあヒデコちゃん!よろしくね!」ニコッ
ヒデコ「え、あ、うん……」
ことり「穂乃果ちゃん、LINEで言った?海未ちゃんのこと」
穂乃果「あー!!!!忘れてた!ことりちゃん、ごめんっ!」
ことり「あ、じゃあ今のうちに……」
ん?LINEだー
あ、ことりちゃんからだ
…………
ことり「あっ、そういうこと(小声)」
ヒデコ「わかったよ(小声)」
ミカ「私ミカ!よろしくね!」
フミコ「フミコだよ!あ、ツインテなの?可愛い!」
海未「でしょ?頑張ったんだ~!」
え、あれ園田さんなんだ!
なんか明るくなったよね!
話に行こうよ!
穂乃果「なんかすごい盛り上がりようだね!いつもの海未ちゃんとは違ってちょっと新鮮だよ!」
ことり「そうだね……!」
先生「はい、じゃあこの問題分かる人!」
海未「はい!はい!はーい!!」
先生「はい、園田さん」
海未「aです!」
先生「素晴らしい!ベリーナイス!難しい問題なのによく解けましたね!」
海未「やった~!」
フミコ「海未ちゃんさ、いつもああやって手あげればいいのにね!頭良いのにもったいなーい!」
穂乃果「あー!それわかる!海未ちなんさー、いつも引っ込み思案なんだよねー!」
先生「高坂さん、お静かに」
穂乃果「なんで穂乃果だけ!」
先生「今日はバスケやるぞー!」
えぇー!
なんでー?
だるっ!
穂乃果「やったぁ!バスケだって!」
海未「ね!私にパスいっぱい出してね!」
ミカ「もー!私だってシュート入れたいし!」
海未「負けないよ!」
アハハハ……
ことり「海未ちゃん!パス!」
海未「はいっ!」
シュポッ
ヒデコ「海未ちゃんナイっシュー!」
海未「イェイ!ことりちゃん、ナイスパスだったよ!」
ことり「あ、うん!(海未ちゃんがバスケでこんなに燃えるなんて……)」
ヒデコ「海未ちゃんのおかげで余裕勝ちだったね!いつもああやって積極的になればいいのに~!できるんだからね!」
穂乃果「ねぇ~!!かっこ可愛いかった~!!あれはヤバイよ!!」
先生「おい高坂!ボールしまってこーい!」
穂乃果「なんで穂乃果だけ!」
ヒデコ「海未ちゃん、こっちで食べよ~!」
ミカ「おーいでっ!」
海未「いいよー!食べよっ!」
ミカ「やたー!」
フミコ「穂乃果、ことりちゃん、ごめんね!ちょっと話してみたくってさ!」
穂乃果「分かったよ~!!じゃことりちゃん、屋上で食べよ!多分にのちゃんもいるから!」
ことり「あ、うん!」
屋上
穂乃果「なんかひさしぶりだね~」
ことり「練習を思い出すよね~」
ことほの「うふふ」
にこ「あら、あんた達!」
穂乃果「やっぱりいたー!」
にこ「何よ、やっぱりって」
穂乃果「やー、にこちゃんは便所飯か屋上かなーって思って!」
にこ「何よ!最近はクラスの子とも食べてるわよ!悪い??」
ことり「えっ、そうなの?」
にこ「ええ!まだ少しだけど……話せる友達は増えたわ」
ことり「良かったね」ニコッ
にこ「そういえば海未はどうしたの」
にのちゃん→にこちゃん
にこ「あら、海未って友達いたのね」
ことり「そりゃあまぁ、あんなに変わりましたから……」
にこ「それもそうよね。」
穂乃果「あっ、そうだ!今日ね~、海未ちゃんツインテなんだよ!めっちゃ可愛かったぁ~!!」
にこ「ウェエ!?マジ?え、ほんと!?なんか嬉しい!見たい!」
穂乃果「放課後おいで!見てらっしゃい~!」
にこ「行く行く!なんか、ああいう海未もいいわよね」
ことり「えっ」
にこ「真面目で努力家でしっかり者のあの子の海未が、明るくておちゃらけててバカで……」
にこ「そういうところも、いいんじゃない?別に元に戻らなくても、海未にとっていい気もするんだけど」
穂乃果「それもそうだね!明るくなった海未ちゃん、すごいんだよ~!バスケも勉強も出来るし!」
穂乃果「積極的になってくれて、なんか嬉しいなぁ!」
ことり「(本当にこれでいいのかなぁ……)」
海未「ええ!私生徒会やってたの!?」
ことり「うん!そうだよ!生徒会長は穂乃果ちゃん!」
海未「ええー!マジか!ヒフミと遊ぶ約束しちゃったあ!ちょっと待ってて!今言ってくるからー!」ダッ
穂乃果「いってらー!じゃことりちゃん、穂乃果はコンビニに行ってくるね!」
ことり「えっ!?何しに?」
穂乃果「ケーキ買ってくるー!今日は3人しかいないし、バレないよ!大丈夫!じゃーね!」
ことり「えっー!!えっ、待ってよ……」
ことり「……こんな時、海未ちゃんがいてくれたら」
海未「穂乃果!ケーキだけ食べて帰るつもりでしょう!そんなの許しませんよ!」
穂乃果「うわああああ!海未ちゃんのオニー!!!ことりちゃん助けて!!」
ことり「うふふ」
海未「ことりは手を貸さないでください!私がけじめをつけます……」
穂乃果「たすけてー!!」
ことり「って感じだったのかなぁ」
ことり「……」
ことり「……やっぱり海未ちゃんは海未ちゃんじゃない……」
ことり「っ、海未ちゃん大丈夫!?」
海未「イッタタタ……なんかさ、にこちゃんに追われてるのー!たすけてー!」
ことり「ってことは……」
バンッ にこ「ここね、新生海未は!」
海未「ひぃ!」
にこ「ツインテ、見せて!」
海未「いーやーだー!
にこ「あんたのツインテはことごとく間違ってるわ!」
にこ「まず、毛先がストレートじゃない!そんなに外ハネだったらどこぞの某アイドルじゃない!ストレートアイロンでくせづけするわよ!」
海未「うー!なんか痛い~」
にこ「それはケアが足りてないだけよ!あんた、コンディショナーしてる?」
海未「んー、多分ない!家にあるやつ使ったから!」
にこ「今日コンディショナー買って帰りなさいよ!」
にこ「あと、残す毛の量も少ない!両方均等すぎるのよ!右側のほうを多く残すのが通なのよ!」
ことり「え、そうなの?」
ことり「あ、穂乃果ちゃんは買い出しに行ったよ!」
海未「え、そうなの?そこのソブンかなぁー?ことりちゃん、行ってくるね!」
ことり「あ……」
ことり「ちょっと待って!」
海未「んー?」
ことり「あなた、本当に海未ちゃん?」
海未「覚えてないけど海未らしいよー?」
ことり「やっぱり……海未ちゃんとして接すること、できないよ」
ことり「ことりにとっての海未ちゃんは、厳しくて、真面目で、しっかり者で……でも!」
ことり「でも、愛情があって、その人のことを真剣に考えてて、何事にも一生懸命なの!だから、だから……」
ことり「あなたのこと、海未ちゃんって呼びたくない」
海未「……ふーん」
海未「じゃあ勝手にしてよ。私だってその海未って人のことはよく知らないんだよね」
海未「それじゃあ穂乃果ちゃん探しに行ってくるね!」ガララララ ピシャッ
ことり「……これからどうしていけばいいんだろう」
海未「穂乃果ちゃん、ことりちゃん、お疲れ~!」
穂乃果「海未ちゃん、仕事内容は覚えてたんだね!」
海未「なんとなくだけどねー。さすがに細かいことは分かんなかったけど、パソコン作業くらいなら全然大丈夫だったよ!」
穂乃果「さすが海未ちゃん!じゃあ、帰ろっ!」
ことり「あっ、穂乃果ちゃん……」
穂乃果「何?」
ことり「ことり、今日お買い物あるから、先に帰るね!」
穂乃果「あ、うん分かったよ!」
海未「バイバーイ、ことりちゃん!」
ことり「バイバーイ……」
ことり「……元に戻せたら…………」トボトボ
ことり「ことりだけの、ワガママなのかな」
ことり「……」トボトボ ピタッ
ことり「ここって……」
ことり「……希ちゃん」
希「ま、入り」
希「お茶でいいかなぁ」
ことり「うん!」
ことり「あのね、希ちゃん……」
希「海未ちゃん、やろ?」
ことり「……!」
希「ことりちゃんが海未ちゃんのこと1番に考えてるって、知ってるよ」
希「さ、言ってみ。ウチにできることなら何でもするよ」
ことり「……あのね」
ことり「海未ちゃんを、元に戻したい」
ことり「皆、こっちの海未ちゃんもいいって言うけど、ことりはやっぱり嫌なの。」
ことり「海未ちゃんの着ぐるみを着た他の人と喋ってる感じがするの」
ことり「ことりは……あの人を海未ちゃんだと認めたくない」
ことり「個性あってのあの9人だからμ’sなの。誰かが欠けてもμ’sじゃない。」
ことり「今、μ’sには[海未ちゃん]が欠けてると思うの」
ことり「ワガママかもしれないけど、昔の海未ちゃんに戻って欲しい……」
希「……」
ことり「……あ」
希「世界の逆位置。意味は、スランプ、中途半端、そして、未完成。」
希「今はこの未完成を表しているんや」
希「この未完成は、おそらく、μ’s。ことりちゃんの見解はビンゴや。」
ことり「どうやったら、治るの?」
希「……もしかしたら、今の海未ちゃんのほうがいいという人もいるかもしれへん。だから、明日、集まろ。海未ちゃん以外で」
ことり「……うん」
希「そこで、ことりちゃんの思いを伝えてごらん」
希「もしもから……きっと」
ことり「やっぱり2人ともこない……」
ことり「10分遅刻がベターなのかな」
穂乃果「ごめーん、ことりちゃん!」
海未「ごめんねー、寝坊しちゃった」
ことり「もー、2人とも~」
海未「ねぇねぇ2人とも聞いてよ!ずーっと和食!ひたすら和食!オムライス作ってっていっても作ってくれなかった!どうなってんの、園田家!」
ことり「そういう家だから……仕方ないかな?」
海未「やっぱり合ってないなー。穂乃果ちゃん家のほうがピッタリかも!」
穂乃果「あー、それいえてる!今度負いでよ!」
海未「おっけ~!行くわ!」
穂乃果「えへ~雪穂邪魔だけど許してね~!」
ことり「ねぇ、穂乃果ちゃん」
穂乃果「分かってるよ!」
ことり「今日の海未ちゃんは……」
穂乃果「ヒフミに働きかけといたから大丈夫!」
ことり「……ありがとう!」
穂乃果「じゃあ、部室でね」
海未「もー、ふたりして何話してるの??入れてー!
ことり「うわぁ!おおいかぶさらないでよ~!」
穂乃果「もー!海未ちゃん重いー!」
海未「ええー!」
ことり「(希ちゃん、ありがとう。決断させてくれて)」
ことり「(皆……どんな気持ちなのかな)」
海未「んー!やっと授業終わったぁー!」
フミコ「まだ五六時限もあるでしょ、この!」
海未「いったーい!もー、仕返ししてやるー!」
フミコ「キャー!」
ミカ「な、なんで私までー!」
穂乃果「ヒフミありがとう……なむ南無」
穂乃果「さ、行こう!」
ことり「うん……」
部室
ガチャ
穂乃果「皆いるね」
絵里「もー、遅いわよ」
凛「お弁当食べようかと思ったにゃー!」
穂乃果「授業長引いたからさ、ごめんね!」
絵里「ていうか、穂乃果どうしたの?急に呼び出して」
希「さ、始めよか。ことりちゃん」
にこ「ことり?」
ことり「……皆、今日は私から話があるの」
にこ「じゃあ穂乃果からは?」
穂乃果「何も無いよ?呼んだだけ」
ことり「そ、その……」
ことり「海未ちゃんのことについてです」
にこ「私はいいと思う。真面目なのがあんなに明るくなったんだから。学校でも生きやすいし、色々得よ」
凛「凛も!今まではとっつきにくかったけど、今は色々乗ってくれるし、楽しいにゃ!」
花陽「私もです。なんというか……角が取れたような気がして」
真姫「私はどっちとも言えないわ。前の海未は海未で素敵だったし、今の海未も明るくていい感じ。」
絵里「私はいいと思う側ね。真面目な海未も良いけど、なんだか穂乃果がもう1人増えた気がして。」
ことり「……」ギュッ
希「……穂乃果ちゃんは?」
穂乃果「……私は…………」
穂乃果「そりゃ、にこちゃんの言う通り、明るくて人気者で何でもできる人は得だよ?」
穂乃果「でもそれだと、個性が死んでしまうと思うの。」
穂乃果「海未ちゃんは、積極性がない以外は完璧で、なんでもできるよ」
穂乃果「でも今の海未ちゃんは、なんというか。穂乃果にとっての海未ちゃんじゃない。」
穂乃果「元気すぎて。何かが違うの。」
穂乃果「みんなも、どう?みんなが本当に求めてるのは、明るくて元気な海未ちゃんなの?」
穂乃果「……しっかり者で、努力家の海未ちゃんじゃないの?」
穂乃果「……どう?」
真姫「…………いいんじゃない?」
真姫「あんなに元気な海未、見てるだけで疲れちゃうわ」
絵里「そうね。穂乃果が2人なんて……バカみたいね、私」
凛「凛はどっちの海未ちゃんも好きだよ」
花陽「ツンツンな海未ちゃんも、いいかも、です」
にこ「……にこは反対。あのキャラ、おいしいのに……」
にこ「μ’sや海未のためにも、あのまんまでいいわよ!」
ことり「……今までの海未ちゃんを否定するの…………?」
にこ「そういうことじゃないけど……」
真姫「海未、意外と人気なのよ?」
真姫「クールで可愛いって」
真姫「明るいから人気があるってことでもないんじゃないの?」
にこ「……ふんっ!」
ことり「……みんな…………!」
真姫「海未のはどちらかというと認知症寄りだから……」
真姫「あ、アレとか」
凛「あれって?」
真姫「ほら、知らない?認知症患者に思い出の曲を聞かせたら記憶が蘇るって」
希「この前テレビでみたなぁ」
真姫「それ、やってみない?」
絵里「……待って。この前ぼらららを聞かせた時は、何も効果無かったわよね?」
真姫「それはサビだけだし、あまりにも短いわ。最初のライブから、キラセンまで、時系列で聞かせてみるとか」
にこ「そうと決まれば、やってみましょうよ」
花陽「いつやるの?」
穂乃果「今日はヒフミと遊ぶって言ってたから……あさってかな」
ことり「決まりだね!」
希「あ、えりち、うちぼらららしか見つからなかったから他の探しといてね」
絵里「分かったわ。これで戻るといいわね」
穂乃果「ことりちゃん、かーえろ!」
ことり「うん!穂乃果ちゃん、今日はありがとね!」
穂乃果「ぜーんぜん、気にしないで!」
ことり「うふふ」
海未「あ、穂乃果ちゃん!ことりちゃん!お帰り?」
ことり「あ、うん。」
穂乃果「今日ヒフミと帰るんでしょ?」
海未「うん!今日ねー、色んなところ連れてってくれるって!超楽しみ!」
穂乃果「そうなんだ!よかったね~」
ことり「じゃあね!」
海未「バイバーイ!」
穂乃果「ねぇ、ことりちゃん」
ことり「んー?なに?」
穂乃果「今日ウチ来ない?見せたいものがあるんだ!」
ことり「うん!」
雪穂「おかえりー、あ、ことりさん!」
ことり「雪穂ちゃん、合格おめでとう!」
雪穂「ありがとうございます!μ’sみたいなスクールアイドル目指して頑張ります!」
穂乃果「ほーんっとかなー?」
雪穂「うるさい!絶対なるもん!」
ことり「あはは……」
穂乃果「さ、あがって上がって!」
穂乃果「お菓子とお茶とってくるから、先上がっててー!」
ことり「うん、わかった!」
ことり「穂乃果ちゃん家、久しぶりだなあ」
ことり「1番最近来たのは二週間前くらいかな」
ことり「よく、ここで3人で集まったなぁ……」
ことり「ファーストライブのとき、ダイエットしようと言ったのにお団子食べてたり」
ことり「スクールアイドルの動画たくさんみたり」
ことり「衣装持ってったら、海未ちゃんにスカートが短い!って怒られたり……」
ことり「……」
穂乃果「お待たせー!」
ことり「泣いて……ないよ」
ことり「でも……なんか…」
穂乃果「ことりちゃん!」モギュ
ことり「!」
穂乃果「大丈夫。海未ちゃんは戻ってくるよ。いつもの、海未ちゃんに」
ことり「うぅ……ふぇえっ……うぐっ…………」
穂乃果「……今からコレ見せたら、もっと泣いちゃうかな……。」
ことり「……見せて?お願いぃ……ひっ」
穂乃果「……分かったよ これ……」
ヒデコ「あれ……海未ちゃんは?」
ミカ「さっきプリクラのあたりにいたけど」
フミコ「見てないなぁ……」
ただいま、電話に出ることができません
ヒデコ「嘘でしょお……」
フミコ「とりあえず、ゲーセンの中探そう!」
ミカ「うん!」
穂乃果「また遊ぼうね!海未ちゃんと3人で!」
ことり「うん!」
プルルルルルルル
穂乃果「ん……」ピッ
穂乃果「もしもし?」
ヒデコ「あ、穂乃果?ちょっと……今ヤバイの!助けて!」
穂乃果「どうしたの?」
ヒデコ「海未ちゃんが……行方不明になっちゃった!」
穂乃果「え……」
ことり「(聞こえた……確かに聞こえた!海未ちゃんが、行方不明……)」
穂乃果「今どこ!?」
ヒデコ「今秋葉原の駅!そのへん探してるんだけど、見つからなくて……」
穂乃果「分かった!今行くよ!」ピッ
穂乃果「ことりちゃん!海未ちゃんを探しに行こう!」
ことり「うん!」
……ここは、どこ?
いつの間に、こんなところに……
ふと、大型のモニターに映る映像を眺める。
スクールアイドルなのだろうか。3人組の女の子が踊っていた。
しばらくすると……
「……!」
9人組のグループに画面が切り替わった。よく、見覚えがある顔ばかりだ。
その中に、私がいた。
……でも。
皆の中の「私」はいなかった。
僕は、僕たちは 少しずつ手探りしてた
励ましあって ぶつかりあった時でさえ わかってた
おんなじ夢を見てると……
どうしてだろう、全く記憶にない事なのに懐かしい感じがする。それと……憧れに似た何か。
海未「……」
穂乃果「海未ちゃん!海未ちゃんいた?」
ことり「商店街にはいなかった……」
穂乃果「そっか……どこ行っちゃったんだろ……?」
テーレテッレッテッレッテッテテーテテーテテテテテー
ことり「これって……!」
穂乃果「KiRa-KiRa Sensation!だ!あ!utxのモニターに、μ’sが映ってる!」
ことり「優勝、したからかなぁ?でもutxのモニターに映るなんて……」
ことり「……」
ことり「ねぇ、穂乃果ちゃん!あの、ツインテールの女の子……海未ちゃんじゃない?」
ことり「ほら!にこちゃんの色のリボン、わかる?」
ことり「今日つけてたでしょ!学校で!」
穂乃果「……ほんとだ!ことりちゃん、早く行こう!」
ことり「うんっ!」
海未「……」
穂乃果「ねぇ、海未ちゃん!」
海未「……!」
ことり「どこに行ってたの?ヒフミちゃん、心配してたよ?」
穂乃果「そうだよ!こんな9時まで街中にいて!海未ちゃんママもぷんぷんだよ!?」
穂乃果「ほら、弓道の練習もあるんでしょ?早く、ほら、行こ?」ガシッ
海未「……っ、触らないで!」バシッ
穂乃果「……!?え…………」
穂乃果「海未、ちゃん……」
海未「私は!園田海未なんかじゃない!」
海未「記憶は全然思い出せてないけど、私が園田海未じゃないことは確実なの!あなたの求める[海未ちゃん]はここにはいない!」
海未「……ことりちゃんに言われて、気がついたんだ、やっぱり私は、私の居場所があった気がするの。」
海未「今は、この海未って人の体を借りてるようにしか思えない」
海未「それに、生活スタイルが全く合わなくて。毎朝5時から弓道の練習。宿題は必ず終えないと寝かせてもらえない。家では常に敬語……」
海未「もう無理なの!まだ少ししかここで生活していないけど、学校のテンションにも全然馴染めないし……」
海未「…………私は、あなた達が望む海未、ちゃんにはなれない」
海未「だから……ごめんなさい!」ダッダッダッ
ことり「……」
Utxに、静寂が訪れた。
海未「……あ」
穂乃果「海未、ちゃん……」
海未「今日からミカちゃんと行くから、もう構わないで。」スタスタスタ
穂乃果「……分かったよ」
ことり「……しばらく、海未ちゃんとは距離置いてみない?あっちの海未ちゃんの為にもなるかもしれないし……」
穂乃果「……穂乃果はね、あっちの海未ちゃん、楽しそうに見えない」
穂乃果「昨日の夜言ってたけど、あっちの海未ちゃんには海未ちゃんの世界があるんだよ!きっと」
穂乃果「だから、しばらく距離置くけど、穂乃果は昔の海未ちゃん、取り戻したいなって思うよ」
穂乃果「きっと、皆のためになるよ。」
ことり「穂乃果ちゃん……!そうだよね。」
ことり「真姫ちゃんが言ってた、思い出の曲を聞かせるってやつ、しばらくしたらやってみようか」
穂乃果「うん!」
海未はヒフミと一緒に行動し、かなり仲良くなったという。
そして二週間が経った――
穂乃果「ことりちゃん、おはよう!」
ことり「穂乃果ちゃん~!今日はちゃんと時間通りに来たね!」
穂乃果「でしょでしょ~!今日は珍しく早起きしたんだよ!!」
ことり「エラいね、よしよーし」
穂乃果「あ、今日って居残りある?」
ことり「もちろん!だって、卒業式あと少しでしょ?」
穂乃果「卒業式……か。あと1週間とちょっと。それで絵里ちゃんもにこちゃんも希ちゃんも、みんないなくなっちゃうんだ……」
ことり「まぁ、また遊びに来てくれると思うし、ね?」
穂乃果「そうだよね……でも、なんかさみしくて寂しくてさ」
ことり「寂しい……か…………」
穂乃果「ああーっ!」
ことり「どうしたの?」
穂乃果「忘れ物したー!ごめん、先行ってて!」
ことり「ほ、穂乃果ちゃん~!!」
ことり「……私から、言わないと」
ことり「あ、おはよう!」
ことり「(今日こそ……でも)」
海未「アッハッハッハ!ヒデコの鶴、ヤバすぎでしょ!」
ヒデコ「もー、折り紙なんてやったことないのよ!そういう海未もなにこれ?ルピー?」
海未「紙風船の残骸!しょうがないじゃん、紙風船作ったの初めてなんだから!」
ミカ「どっちもどっちじゃん」
フミコ「言えてる~!」
アハハハハハ……
ことり「(そういう雰囲気じゃないなぁ)」
希「……」スタスタスタ
希「あっ……(海未ちゃんや)」
アッハッハッハ!ヒデコノツルモナカナカ……
希「(今の海未ちゃん、なんか違和感を感じる)」
希「(あの海未ちゃんは……海未ちゃんじゃない。誰か別の人格だと思うんや……)」
希「(あとでググってみるか)」
キーンコーンカーンコーン
穂乃果「ハァ、ハァ、お、おはようございまーす」
先生「高坂さん、これで27回目の遅刻でふよ。後で廊下に来なさい」
穂乃果「は、はーい……」
穂乃果「ことりちゃん!」コソッ
穂乃果「言えた?」
ことり「……」フルフル
穂乃果「じゃあ、あとでね」
ことり「……」コクッ
穂乃果「あー、やっと10分休みかぁ~!」
ことり「お疲れ様♪昨日の小テストどうだった?」
穂乃果「ちょーギリギリで赤点回避!ことりちゃんのおかげだよ~、ありがとう!」
ことり「どういたしまして♪」
ブーッ
穂乃果「ん?LINE?」
ことり「私にも来てる!」
穂乃果「だとすると……」
《μ’sメンバーグループ(事情のため今だけ海未ちゃん抜き)》
希
『今日の放課後部室で話したいことがあります。来れる人はこれを見たら返信お願いします。』
穂乃果「いつも関西弁の希ちゃんが敬語ってことは、きっと重要だよね……」
ことり「……!でも、今日生徒会長は集まりがあるって……」
穂乃果「大丈夫。そんなに大事な会議じゃないし、一年生の子に出てもらうよ」
穂乃果「んっと……皆来るみたいだし、私たちも行こうか」
ことり「うん、そうしよう!」
希「……みんな、来てくれてありがとな」
絵里「いきなり呼びだしたのは、海未のことね?」
希「えりち、正解。呼んだのは紛れもなく海未ちゃんのこと」
希「皆、これ見て欲しいんや」
真姫「……Twitter?」
凛「でもこれ、全然知らない人だよ?」
にこ「んーと?」
『今日は近所の皆で隣町のゲーセンに行った~!笑 ほんとに久しぶりでたのしかった!〇〇ちゃんが大きいぬいぐるみ取ってくれた、まじ神ってる爆笑 』
にこ「なんかイモくさいわね、ゲーセンが久しぶりで、それに隣町なんて」
希「違うよ、その次のツイート。」
にこ「えっと…………あっ!」
『親友が、海で溺れちゃって意識不明だったけど、医者によると奇跡の回復で意識が戻ったみたい!(o^-^)やったぁ~、ホントによかった。生きててありがとう♡』
希「それと、これ」
『意識回復した!って連絡もらったから病院行ったんだけど、なんか様子がおかしい(´д`)いきなり敬語で喋り出すし、私はこの人ではありません的なことを叫び始めた(((´・ω・`))) なんでー!?頭イカレちゃったかな……』
花陽「……これって…………」
真姫「同じことが、違うところでも起きてる…………ってこと?」
希「そういうことやな。原因は分からないけど…………このツイートされた日が、海未ちゃんが意識回復した日と同じ。偶然じゃないことは確かや」
絵里「こ、こんなことって……」
希「そういうことやね。」
ことり「だからか……」
にこ「何かあったの?」
ことり「この前ね、海未ちゃんがいなくなっちゃって、ヒフミに頼まれて探してたら……」
海未「私は!園田海未なんかじゃない!」
海未「記憶は全然思い出せてないけど、私が園田海未じゃないことは確実なの!あなたの求める[海未ちゃん]はここにはいない!」
海未「……ことりちゃんに言われて、気がついたんだ、やっぱり私は、私の居場所があった気がするの。」
海未「今は、この海未って人の体を借りてるようにしか思えない」
海未「それに、生活スタイルが全く合わなくて。毎朝5時から弓道の練習。宿題は必ず終えないと寝かせてもらえない。家では常に敬語……」
海未「もう無理なの!まだ少ししかここで生活していないけど、学校のテンションにも全然馴染めないし……」
海未「…………私は、あなた達が望む海未、ちゃんにはなれない」
海未「だから……ごめんなさい!」
にこ「……そうだったの」
絵里「やっぱり、何らかの原因で入れ替わってしまい、お互い記憶を失っている、ということでいいのかしら」
希「たぶんね。相手の子のほうは記憶を失っているのか分からへんけど、あの文面だと自分のことは何も覚えてなさそうやね。」
真姫「そういう時こそスピリチュアルで何とかならないの?」
希「ウチの力だけじゃ無理や。でも体までは完全に海未ちゃんじゃない、ってことはμ’sの曲を聞いたりしたら、何か感じると思うんよ。」
真姫「……この前言ったこと、試してみる?」
凛「凛は賛成!とりあえずやってみないと分からないよ!」
花陽「……っ、花陽も!相手の子もきっと、辛いと思うの!」
にこ「反対の人ー?」
にこ「いないみたいだし、決まりね」
穂乃果「……明日、海未ちゃん呼んでみるよ」
真姫「……きっと、相手も精神的に参ってると思うし、慎重にね」
穂乃果「……頑張るよ」
ガララララ
穂乃果「おはよー!」
ことり「おはよう!」
ヒデコ「あ、穂乃果にことりちゃん!」
ミカ「今日は早いね~、珍しい!」
穂乃果「珍しいってどうゆうこと!?」
フミコ「ほんとのことじゃん!」
穂乃果「そういえば、海未ちゃんは?」
ヒデコ「今日はまだ来てないけど……もうすぐ来ると思うよ!」
穂乃果「そっかー、」
ガララララ
海未「みんなおはよー!」
ア、ウミチャンオハヨウ
ウッミウッミウー!
海未「うっみうっみうー!」
ミカ「やば、にこ先輩の真似ー?」
海未「そううみよ!」
アハハハハハ
穂乃果「あ、海未ちゃん!」
海未「……何?」
海未「いやよ!今日はlilyblackの新作買いに行くんだから!」
ことり「……ねぇ」
海未「……え」
ことり「おねがいぃ!」
海未「……え、ちょ……」
海未「(何この子!可愛いを超えた何かがある!やばい!)」
海未「……、い、いいよ……/////」
ことり「やったぁ♡」
穂乃果「さすがことりちゃんだよ~!!」
穂乃果「ごめん、穂乃果昨日の集まり出なかったらやっぱり怒られちゃった!先生に呼ばれてるから、今日は行けないや、ごめんね!」
ことり「うん、分かった!」
穂乃果「それじゃ、頑張って!」
ことり「うん……」
ことり「……あれ、海未ちゃん…………」
ことり「いない……いつの間に……」
ことり「あ、ミカちゃん!」
ミカ「んー?どうしたの?」
ことり「海未ちゃん、今どこにいるの?」
ミカ「ああ、さっき帰ったよ」
ことり「ええ!?あ、ありがとう!!」ダッ
ことり「う、うそでしょお~!?」ダッダッダッ
海未「ふぅ、呼ばれてるとかめんど。帰ってもいいよね」
海未「フーン、フフーン♪」クツヌギヌギ
ことり「っ、ねぇ!」
海未「無視無視」スタスタスタ
ことり「ねぇ、あなた!」ガシッ
海未「えっ……」
ことり「今日、や、約束、したよね……?」
海未「あ、あんなの冗談でしょ?今日はlilyblackの新作が……」
ことり「……っ、ことり、悲しいな……。皆ももう来てるのに……」ウルウル
海未「……っ!?」
海未「(な、なんなのこの気持ち……恋愛感情とか抜きに、とにかく…………可愛すぎる!)」
ことり「ダメ、かなぁ?」ウルウル
海未「ううん!嘘嘘嘘!全然!さ、さぁ行こ!」
ことり「ありがとう~!(上手くいって良かったぁ~)」
ことり「みんな、お待たせ~!」
凛「ことりちゃん、遅いよ!もうみんな来てるのに!」
ことり「ごめんね!さぁ、来てきて!」
海未「……あ」
絵里「海未……で、いいのかしら?」
海未「今はそれでいいよ。でも、なんでこんなに……」
希「今日はね、μ’sの曲を聞いてもらおうと思って」
真姫「沢山用意するの大変だったんだからね」
海未「……これだけのために呼んだの?悪いけど、私はあなた達が望む園田海未には……」
にこ「ならなくていいのよ」
海未「……え…………」
にこ「あなたはあなたなんだから、園田海未であることに拘らなくていいのよ」
絵里「そうよ。だから私達のことは気にしなくて大丈夫。普通に聞いてくれればそれでいいから」
海未「……そう」
希「ごめんね~、じゃあ早速だけどこれ聞いてもらおか」
ヘイ、ヘイ、ヘイスタートダッシュ!
海未「ぶほっ!」
真姫「……何?」
海未「いや、いきなりアイセーイ!って、やばくない?くそ面白い!」
花陽「(この人わかんない)」
うぶ毛のことりたちもいつか空に羽ばたく
大きな強い翼で飛ぶ
海未「これって、ことりとことりちゃんをかけてるの?」
ことり「たぶんね……アハハ」
海未「だよね~、じゃなきゃこんな歌詞思いつかないもんね」
明日よ変われ!
希望に変われ!
眩しい光に照らされて変われ
start!
悲しみに閉ざされて
泣くだけの君じゃない
熱い胸きっと未来を切り開くはずさ
悲しみに閉ざされて
泣くだけじゃつまらない
きっと(きっと)君の(夢の)チカラ(今を)
動かすチカラ
信じてるよ……だからstart
希「何か感じることがあったら何でも言って」
海未「んー、なんか歌詞が良いよね。考えた人すごいよ、うん」
希「(今のところゼロやな)」
希「(まぁ、ゼロからのstartだと思って次行こ)」
希「じゃあ、次はこれ!」
答えなくていいんだ分かるから~……
ワンダーゾーン君に呼ばれたよ、走ってきたよ~……
壁をハイハイハイ壊せるものさ~……
海未「ねぇ、あと何曲聞かせるつもりなの?」
の
海未「いや、特に何も……でもこんなにクオリティが高い曲を何曲も作って凄いよね」
希「そっか~、」
真姫「べ、別に私だけの力じゃないし……」
にこ「そこでツンツンするのはちょっと違うと思うんだけど」
真姫「…………もう!恥ずかしいじゃない!」
海未「(なんだこの人)」
希「じゃあ次はこれ!」
アイセーイ!
ヘイ、ヘイ、ヘイスタートダッシュ!
海未「え!?」
にこ「これね、ことほのうみの3人versionと、μ’s versionがあるのよ」
絵里「これはね、μ’sが始まるきっかけになった始まりの曲なの」
海未「へーっ」
うぶ毛のことりたちも
いつか空に羽ばたく
大きな強い翼で飛ぶ
諦めちゃダメなんだ
その日が絶対来る
君も感じてるよね始まりの鼓動
明日よ変われ!
希望に変われ!
眩しい光に照らされて変われ start!
海未「人が変わると違う曲に聞こえるね、不思議」
希「(……やっぱり思い出せないのかなあ)」
また1つ夢が生まれ……
悲しみに閉ざされて
泣くだけの君じゃない
熱い胸きっと未来を
切り開くはずさ!
海未「(……あっ)」
『…………ちゃん、……ちゃん!ス…………イド……、やってみ…………よ!』
『……人……、そんな…………くない……』
『に……は、最初は…………』
『ウチ…………9…………!』
『お帰り…………せ、…………様』
『これが…………です!』
『あな…………です』
『ほら、…………が待っ…………』
海未「……!」ハッ
何かは全く分からない。分からないけど……
何かを感じる………………
何かが入ってくるような……出ていくような……
を海未に聞かせた。しかし……
希「これでとりあえず終わりなんだけど、何かあった?」
絵里「何でもいいの、言ってみて」
海未「……何か、全くわかんないけど…………感じたよ、体が」
凛「ほんと!?」
にこ「何か思い出した!?」
海未「いや、なにも……」
希「……そっか。長い時間拘束して、ごめんな」
海未「それじゃぁ……」
ガラガラガッシャン!
花陽「何の音!?」
にこ「部室の外ね!」
にこ「何事!?」ガララララ
穂乃果「っ、いったーい!」
絵里「穂乃果!?」
ことり「穂乃果ちゃん、仕事はどうしたの!?」
穂乃果「早く終わったから、様子見に来たの!」
真姫「ていうか、その分厚いヤツなんなのよ?」
ことり「……あっ」
穂乃果「ちょっと、皆に見て欲しくて。エヘヘ。海未ちゃん、いるかなぁ?」
海未「いるけど……何?」
穂乃果「もうすこし、残ってもらっても、いい?」
穂乃果「うん。ことりちゃんにはこの前先に見せちゃったんだけど……」ペラ
穂乃果「これ、ちっちゃい頃からのアルバムなんだ」
にこ「穂乃果にしてはずいぶんキレイに保管してるわね」
穂乃果「アルバム作るのちょっとした趣味でさ。大切なものだから、埃被らないようにいつも掃除してるんだ」
穂乃果「ほら、このちっちゃい海未ちゃん!まだ出会って1年くらいかなぁ?」
凛「そんなに前から仲良かったんだ!」
穂乃果「でしょ?穂乃果の一番の幼なじみだよ!」
穂乃果「海未ちゃん、何か思い出すこととか、ある?」
海未「いや、ないけど」
穂乃果「そっか~、ここまで見たから、もうμ’s入ってからのしかないやぁ。」
穂乃果「ほら、ここからは皆の写真もあるよ」
穂乃果「エヘヘ!隠し撮りはお手の物だよ~!」
真姫「あっ!?ちょっと、何音楽室で撮ってんのよ!イミワカンナイ!」
穂乃果「すごい酔ってるよね~、うひひ」
真姫「そんなわけないでしょ!」
凛「なんか凛の写真、カップラーメンたべてるやつしかないんだけどどういうこと!?」
希「可愛いからええんやない?」
凛「そういう希ちゃんだって、胸が強調されてるのがほとんどだよ!?ぜーったい変なことに使われてるよ!」
希「ホントなん?穂乃果ちゃん」
穂乃果「そ、そんなことないです!その、お父さんが欲しいって……」
にこ「どっちにしてもキモいじゃない!」
アハハハハハ……
ことり「……あっ」
絵里「どうしたの?」
ことり「ううん、何でもない!」
ことり「……」
ことり「海未ちゃん!」
ことり「これ、覚えてない?」
海未「いやぁ……やっぱり無理だよ、他の人の記憶思い出すのって」
ことり「そっかぁ……」
ことり「……」
穂乃果「海未ちゃん、どうかなぁ?何か気になることとか、ない?」
海未「んー、ないなぁ」
穂乃果「えー!?残念」
絵里「やっぱり今日だけじゃ無理かもね。また明日から、気を取り直して色々試しましょう。相手の子も……きっと辛いだろうから」
希「えりち、いいこと言ってるけど、明日は土曜日だよ」
凛「全然かしこくないにゃ!」
絵里「……っ、そ、そうよ。明日「から」だから、明日やるとはいってないわ!」
真姫「全く。それじゃ今日は解散にしましょ。」
ことり「そうだね。」
にこ「それじゃまた明日ね。にこはアキバにいかないと……」
絵里「にこ!明日は土曜日よー!」
真姫「あんたが言うなー!」
ことり「(……体は海未ちゃんだから、きっとアレは効くはず…………)」
ことり「(月曜日、やろう)」
穂乃果「ことりちゃん、おはよう!」
ことり「おはよう!」
穂乃果「今週の金曜日は卒業式かー。」
ことり「……早いよね、早すぎる」
穂乃果「今日は何か集まりあるの?」
ことり「今日はね、生徒会役員が集まりがあるって言ってたから…」
穂乃果「あ、それ副会長だけだって言ってたよ」
ことり「えっ、じゃあ海未ちゃんと2人…」
穂乃果「そういうことになるね!まぁ、ファイトだよ!」
ことり「……あっ」
穂乃果「どうしたの?」
ことり「いや、なんでもないよ!」
ことり「(やるならその時しかない)」
穂乃果「おはよー!」
ことり「おはよう!」
ヒデコ「あ、穂乃果とことりちゃんおはよ!」
穂乃果「うーっ、今日は生徒会休みダーっ!」ダキッ
ヒデコ「え、そうなの?」
フミコ「じゃあさ、今日カラオケ行こうよ!」
ミカ「μ’sの曲歌って!期間限定で、入ってるんだって!」
穂乃果「嘘だぁ!え、ほんと?めっちゃ嬉しい!」
海未「わ、わたしも……」
ことり「あ、今日は副会長だけ委員会あるって……」
海未「……あ、そうなんだ」
ことり「忘れないでね」
海未「うん……」
ことり「あ、なんかごめんね」ソソクサ
ことりと海未の役職忘れてしまったので一応どちらも副会長にしました。
穂乃果「あー、授業終わったー!!!」
フミコ「穂乃果!遊ぼ!」
穂乃果「うん!あ、海未ちゃんとことりちゃん、委員会ファイトだよ!」
ことり「うん!」
海未「あ、ありがとうね……」
穂乃果「それじゃあバイバーイ!」
スノハレウタッテヨ!
アトスタダモ……
ことり「さ、行こうか」
海未「うん」
ことり「(委員会が終わるのが5時30分だから……大丈夫、時間はある!)」
先生「なので、卒業式は…………から……となる。その件を会長に伝えておいてくれ」
ことり「分かりました」
先生「それでは今回の委員会はここまでとする」ガラッ
ことうみ「ありがとうございました」
ことり「ふぅ、終わったねぇ」
海未「そうだね。じゃあ私帰るから……」
ことり「待って!」
海未「……」
ことり「今日、暇でしょ?」
海未「……そうだけど」
ことり「ちょっとだけ、遊ぼ?」
海未「……2人で?」
ことり「うん!」
ことり「1つ、行っておきたいところがあるんだ」
海未「……はいはい」
ことり「ここ!」
海未「ただの公園じゃん」
ことり「ここはね、穂乃果ちゃんとことりが、初めて海未ちゃんに会った場所なんだ」
ことり「ことりと穂乃果ちゃんと他の友達が鬼ごっこしてるのを、海未ちゃんは木の陰からこっそり見てた。」
ことり「それを、穂乃果ちゃんが話しかけて。もし話してなかったら、今でも他人だったかもしれない」
海未「へぇ。でもなんか今はずいぶんこう……味気ないというか」
ことり「この公園、今月いっぱいでただの土地になっちゃうの。少子化の影響もあって、遊ぶ子が少ないから……」
海未「少子化……」
ことり「だからね、ここでもう一度遊びたかったんだ」
海未「そっか……」
海未「(少子化……何か聞き覚えがある気がする)」
ことり「綺麗な夕日……」
ことり「よく、3人で見たんだ、ここから」
海未「……!」
綺麗。すぐに無くなってしまいそうな儚さがある。それでも力をくれるような、明るい夕日。
海未「……穂乃果ちゃんは」
海未「……穂乃果ちゃんは、この夕日を見て育ったからあんなに明るいのかな」
ことり「……かもね」
LINE
《園田家》
母『今日は弓道の集まりがあって帰れません。申し訳ありませんが自分で食事の用意をしてください。』
海未「(やっと夕食が食べれる……)」
ことり「あっ、今日お母さんいないの?」
海未「何覗いてんの!?」
ことり「ことりの家、こっからすぐ近くなんだけど来ない?」
ことり「オムライス、ごちそうするよ」
海未「……じゃあ、行く」
ことり「ただいま~!」
理事長「あら、お帰り。あっ、海未ちゃん!体はもう大丈夫?」
海未「大丈夫です」
理事長「それは良かったわ。さ、ゆう」
ことり「遠慮しないで!」
海未「あっ、はい……ありがとうございます」
ことり「ふんふんふーん」
ことり「はい、出来上がり!」
理事長「ことり、味噌汁にオムライスは合わないでしょう?今日は白飯なのに」
ことり「いいでしょ!海未ちゃん来てるんだし」
理事長「まぁ……たまにならいいかしらね」
海未「……いただきます」
海未「……!」ハム
海未「っ、おいしい!」
ことり「良かった!さ、食べて食べて!」
海未「(久し振りの洋食だし、しかも美味しいし可愛い!さ、最高!)」ガツガツ
海未「おかわりください!」
ことり「はーい♡」
理事長「(海未ちゃんって、こんなに食べる子だったかしら……)」
ことり「ま、まさか4杯も食べるなんて……」
ことり「あ、海未ちゃんちよっと遊んでかない?」
海未「えっ、いいよ……あ、いいです!」
ことり「いいから!」グイグイ
海未「えっ、ちょっ!」
ことり「ここがことりの部屋だよ♪」
海未「そ、そうなんだ……」
ことり「ねぇ、いきなりだけど……」
ことり「トランプで遊ばない?」
ことり「ね、いいでしょ?」
海未「……何するの」
ことり「ババ抜き!」
海未「2人でやると一番つまんないやつじゃん!」
ことり「じゃあジジ抜き!」
海未「同じ!」
ことり「じゃあババ抜きでいいよね?」
海未「はいはい。一回でいいんでしょ?」
ことり「ううん。5回戦だよ」
海未「はぁ!?」
《1回戦目》
ことり「(ババあるし)」
海未「(ない!よかった!)」
ことり「それじゃ、どうぞ」
海未「はい、これ!」
海未「」
ことり「(全く変わってない!流石海未ちゃんの体!)」クスクス
ことり「……」ヒョイ
海未「……」
海未「(結局ババ持ったまま2体1じゃん!)」
ことり「んー。どっちかなー」
ことり「こっち!」
海未「うっ!」
海未「(ん?なんだ今の声)」
ことり「じゃあこっち!」
海未「はぁ……!」
海未「(!???!?!??)」
ことり「えいっ!」ヒョイッ
海未「あぁ!?」
ことり「はい、あっがりー!ことりの勝ち!」
海未「(今の何だったんだろ……誰か喋った……?いや、私か)
ことり「またこの構図だね!」
海未「そんな笑顔で言われても」
ことり「こっちかな?」
海未「……ぅ」
ことり「それとも……こっち?」
海未「……!」
ことり「えいっ!」
海未「うひやぁ!?」
ことり「やった、あがり!これでことりが二連勝だね!」
海未「な、なんで……」
海未「……次こそ!」
《3回戦目》
海未「じゃあこっちがカード切るね」
ことり「はーい!」
海未(ことりちゃんのほうにジョーカー仕込んでおこう、そうしよう)
ことり「……(ババだ、まぁ持っていかせればいいか)」
海未「(よし、これで勝てる!)」
海未「さぁ、いいよ!」
ことり「……」ヒョイッ
ことり「……」ポイッ
ことり「はい!」
海未「……」ヒョイッ
海未「あった!」ポイッ
海未「はい」
ことり「(やっぱり完全に前の海未ちゃんじゃないからかなぁ)」
海未「こっち……かな」ヒョイッ
海未「やった、あーがり!」
ことり「……うそ………」
海未「なに、舐めてたの?勝たせるつもりはさらさらないよ」
ことり「(見抜け、ことり)」
海未「(声を出しちゃいけません、声を出しては……)」
ことり「(気を抜いちゃいけない、相手はきっと堪えてくるはず)」
海未2枚
ことり1枚
ことり「……うーん、こっちかな?」
海未「……」
ことり「……こっち?」
海未「……」
ことり「……分かんないよぉ…………」
ことり「……こっち、かな?」ヒョイッ
海未「残念、そっちはババだよ!」
ことり「…………」シュパシュパシュパ
ことり「……どうぞ」
海未「……こっち!」ヒョイッ
ことり「あっ!ダメダメダメ!」グイグイ
海未「……!卑怯だ!離してよ!」グイグイ
ことり「いやだ!もう1回やるの!絶対に離させない!」グイグイ
海未「はなせー!」グイグイ
ことり「やめてー!」グイグイ
海未「……あっ!?」
海未「……あ…………」
ことり「……破れちゃった…………」
海未「とりあえず私の勝ちでいいよね……ってか代わりのトランプあるの?」
ことり「……まぁいいや、これ安物だし」
ことり「ことりの本命トランプはこっちだから!」サッ!
海未「……フルーツ、トランプ?小学生みたい」
ことり「これね、引っ越しちゃった友達がくれた大切なものなんだ。シワシワだけど……これでいい?」
海未「もちろん。決着つけよう!」
海未「……あ、そうだ」
海未「そこのお面つけるから」スポッ
ことり「ええー!?」
海未「(相手は顔をじっくり見てた、なら顔を隠せば行ける気がする!)」
《5回戦》
ことり「(またババか)」
海未「お先どうぞ」
ことり「ではお言葉に甘えて……」ヒョイッ パラッ
ことり「はい」
海未「……」ヒョイッ パラッ
ことり「はい」
海未「……」ヒョイッ
ことり「(ヨッシャ!ババさよなら!)」
海未「……」
ことり「(……お面つけてると感情が全然わからないよぉ)」
海未「……引かないの?」
ことり「あ、引きます引きます!」
ことり「……え」
海未「……」
ことり「(分からない……というかすごく怖い……)」
ことり「(なんでホラーマンのお面にしたんだろう)」
ことり「……」コホン
海未「……」ヒョイッ パラッ
海未「……」
ことり「……」ヒョイッ パラッ
ことり「……はい」
海未「……」ヒョイッ パラッ
ことり「(……!?やばい、2対1なのにまだババ持ってるよ……!)」
海未「……いいよ、別に。最後だし、少し長くしようよ」
ことり「……いいの?」
海未「あなた、私と同じで負けず嫌いだと思うし。」
海未「さ、やりましょう」
ことり「……はい」
海未「……こっち?」
ことり「……」
海未「こっちかな?」
ことり「……」
海未「……」フーッ
海未「……!」ヒョイッ
海未「……ババかぁ、わかんないや」
海未「……」シュパシュパシュパ
海未「はい、どうぞ」
ことり「……」
ことり「こっち?」
海未「……」
ことり「……こっち?」
海未「……」
ことり「えい!」ヒョイッ
海未「残念、ババだよ!」
ことり「そんなぁ~!!」
海未「(あれ、何か……入ってくるような、出てくるような…………この感覚、何だろう)」
海未「……15は超えてるね」
ことり「こんなことって……あるんだね」
海未「……そうだね。でも次で決着をつけるよ」
ことり「つけさせないよ!」
海未「……」ヒョイッ
海未「……」チッ
海未「……はい」
ことり「……こっち?」
海未「……」
ことり「それとも、こっち?」
海未「……」
ことり「えーい、こっち!」ヒョイッ
海未「残念!ババだね!」
ことり「……(でも今ので分かった。海未ちゃんは、ババを持った時にちょっとだけ引く力が強くなる。)」
ことり「……次で、終わりかもね」シュパシュパシュパ
ことり「……はい、どうぞ」
海未「次こそ……」
海未「次こそ勝つ!」
海未「こっち!」ヒョイッ
ことり「ざーんねん!」クス
海未「……嘘でしょ」ガクン
ことり「さぁ、やりましょ」
海未「……」シュパシュパシュパ
海未「……さぁ、来て!」
ことり「……こっちかな?」
海未「……」
ことり「じゃあ、こっち!」
海未「……」……グッ
ことり「(やっぱり!)」
ことり「(さっきは力の入ってるほうを引いてババだったから、次は逆を引けば……!)」
ことり「こっちかな?」
海未「……」
ことり「……こっち!」
海未「……」……グッ
ことり「(見えた!)」
ことり「([みかん]の9が揃えばあがり!)」
海未「……」
でもその代わりに、何かが入ってきてて……
ね、眠いよ……
ことり「こっちぃいいいい!!」
ヒョイッ
パラッ
ことり「やった……」
ことり「やった!!!あーがりっ!!!!」
ことり「海未ちゃん、こんなに大接戦になるとは思……」
海未「……」
ことり「……海未ちゃん?」
海未「……」スピー
ことり「いつの間にか寝てたみたい」
ことり「今日は……あっ!もう11時!?」
ことり「でも今日は海未ちゃん家に誰もいないみたいだし、寝かしといてあげよう」
ことり「おやすみ、海未ちゃん」
なんで…………がいるの?
それはこ…………のセ…………。あ……たこそ、なぜこ……に……
もしかして、……れるってこと?
その時…………たのでしょ……。
じゃあ…………だね
色々…………ませ…………た
うう…………、こちら…………そ。
『それじ…………たね。』
チュンチュン……
ことり「ううん……んーっ!」
ことり「あっ、もう9時!?」
ことり「……土曜日か」
ことり「トランプ片付けるの忘れてた……」
ことり「昨日は家まで送れなくてごめんね……」
ことり「……もう朝だから、起きよう?」
……パチ
海未「ううん……」
海未「……ん!?」
ことり「海未ちゃん、昨日はごめんね、家まで送れなくて。」
ことり「いきなり環境変えちゃって、ごめん」
海未「…………!?」
海未「き、」
キャアアアアアアアアアア!!!
ことり「あ、ごめんね、びっくりしたでしょ?ごめん、今日家まで送るから!」
海未「……」フルフル
ことり「……どうしたの?」
海未「……今日は…………いつですか」
ことり「今日はね、3月の……」
海未「いやあああああ!?」 バタン
ことり「……海未ちゃん!?」
海未「…………あれ、私ったら何を今までしてたのでしょう……?」
ことり「……その喋り方…………!」
海未「えっ、えっ、何ですか一体!??」
ことり「……あ、もしもし、μ’sのみんなに話があって…………!」
穂乃果の家
ガララララ
ことり「お、おじゃまします……」
海未「おじゃま、します」
にこ「ことり!海未!遅いわよ!もうみんな来てるし!」
真姫「それで、話って何?勉強の合間を縫って来たんだから、それなりの話はしなさいよ」
穂乃果「とりあえず上がって上がって!話はそれから!」
海未「どういうことなのですか……」コソッ
ことり「あとで説明するから、待ってて」コソッ
海未「う、うう……」
ことり「いきなりだけど……」
海未「……」
ことり「海未ちゃんが戻りました」
『ええー!?』
にこ「えっ、ちょ、え!?」
凛「なんかうれしーにゃ!」
花陽「うう、本当に良かったです!このままかもしれないって思ってました……グスッ」
絵里「ハラショー!素晴らしいわ!」
真姫「ヴェエ!?い、いったい何があったのよ」
希「まさか、そういうことしたら治ったとか!?」
真姫「それはない!」
希「あら真姫ちゃん、何だと思ったのかな、言ってみ!」
真姫「な、なんなのよ!イミワカンナイ!」
穂乃果「海未ちゃん!」ガシッ
穂乃果「おかえり!」
海未「……」ポカーン
凛「やっぱり海未ちゃんにゃー!」
海未「……そうですが」
ことり「あ、あのね、海未ちゃん、今日から事故にあった日までの記憶がないの」
真姫「……やっぱり戻ったのね!」
絵里「入れ替わってた、ってことになってたわよね。だったらそこの場所での記憶は残ってるんじゃないの?」
海未「いえ、全く……」
穂乃果「事故にあったことは?」
海未「いえ、それも……」
にこ「おかしな話ねぇ」
花陽「本当に……ほんとに、覚えてることはないんですか?」
海未「……本当に少しだけですが、あります」
海未「これだけ言っても分からないと思いますか……」
海未「バットでみかんを打ったんです」
にこ「はぁ!?」
真姫「イミワカンナイ!」
海未「本当なんです!」
ことり「昨日一緒にトランプしたでしょ?覚えてない?」
海未「すみません、何も……」
穂乃果「なんかよく分かんなくなってきたよ!」
希「うーん……ことりちゃん、昨日の事詳しく話してくれる?」
ことり「えっと、生徒会が終わったあとに海未ちゃんと2人でもうすぐ土地になる公園に行ったの。」
穂乃果「あ、海未ちゃんと穂乃果たちが出会ったとこ?」
ことり「そこそこ!そのあと、ことりの家でご飯食べて、ババ抜きして遊んだの、5回」
花陽「5回も!?」
ことり「内心、ちょっとでも戻るかなって思ったんだ。海未ちゃんとトランプしてる写真見てて…」
穂乃果「あ!穂乃果のアルバムのやつ!?」
ことり「そうそう!それで、起きたら海未ちゃんが戻ってて……」
希「……」
ことり「思い出話して、夕日見て……それくらいかな」
希「夕食は何を食べたの?」
ことり「オムライス!」
希「トランプ以外にしたことは?」
ことり「……何もない」
希「トランプ5回戦やったゆうたけど、4回戦まではどうだったの?」
ことり「普通、だったよ」
希「……そのときのトランプ、ある?」
ことり「あ、持ってきてな……」
ことり「あっ!」
ことり「海未ちゃん、胸ポケットに入ってるカード出して!」
海未「これですか?」
希「みかんの、9……?」
ことり「フルーツトランプってやつで、もも、りんご、なし、ぶどうの4種類があるの!それで……」
希「ちょっと待って!」
希「海未ちゃん、さっきなんて言った?」
海未「バットでみかんを打った、ですかね?でも弓矢でみかんを打った気もするんですよ……」
希「それや!」
にこ「なんでどっちもみかんが関係してるのかしら?」
希「ここにいる海未ちゃんは弓矢でみかんを打った、前の海未ちゃんはみかんのトランプを使っている……!」
海未「あ、思い出しました!弓矢の弓がバットに刺さったんです!そのときみかんを食べてました!」
にこ「ややこしいのよ!」
凛「でもどっちにしろみかんともう一つの道具が関係してるにゃー」
穂乃果「ど、どういうことなんだろう……」
海未「……分かりませんが、そんなに遠い話ではないかと」
絵里「だとすると最近っぽいわね」
にこ「みかんと……もうひとつの道具……どういうことなの……?」
花陽「あっ!!」
凛「かよちんどうしたの?」
花陽「この前、部室でTwitter見たでしょ?」
花陽「その人、海未ちゃんと入れ替わったかもしれない人の親友ってわかったよね?」
花陽「海未ちゃんも戻ってるし、きっとその人戻ってるよ!」
希「……!でかした花陽ちゃん!」
希「穂乃果ちゃん、パソコン貸してもらってもええ?」
穂乃果「いいよ!」
希「……」カタカタカタ
希「……あちゃー、しまったなぁ…………」
真姫「どうしたの?」
希「鍵垢になってるんよ。フォローしてる人にかツイートが見えなくなってる」
にこ「希!アカウント変えるわよ!」
希「ちょ、にこっち何するん!」
にこ「この人、私が作ったbotをフォローしてるわ!」カタカタカタ
にこ「大丈夫よ、怪しいやつじゃないから!」
にこ「アイドルの名言♡ってやつよ、ほら分かるでしょ!?」
凛「これほとんどにこちゃんじゃん!」
真姫「名言っていうか、迷言ね」
にこ「うるさいうるさいうるさーい!さ、見れたわよ!」カタカタカタ カチッ
絵里「あ、これじゃない?」
ことり「どれどれ?」
絵里「2時間前ってことは、時系列的にもピッタリね!」
希「たぶん……ビンゴや」
にこ「……あ、これもね」カチッ
『この前高2が習ったらしー問題出してみたらなんか解けてた笑笑なんで?ちょーうける爆笑まじ天才♡笑』1時間前
絵里「これこの前の海未と同じ状態よね!?」
穂乃果「勉強した内容は受け継いでるってこと?もう分かんないよぉ」
真姫「他には手がかりないの?」
にこ「この人ツイートのほとんどがリプだなら探すのに時間かかんのよ!」
ことり「あ、これとか」
にこ「これ?」カチッw
『なんか訳わかんないこと言い始めたしー(´゚ω゚)みかんのトランプ!をして寝たの!って連呼してて怖いよー』24分前
花陽「……ピッタリ!」
絵里「お、恐ろしい……」
希「ス、スピリチュアル……」
真姫「こんなことって……あるのね」
穂乃果「もうわかんない……」
にこ「……っ、希まとめて!」
希「えーと……まず海未ちゃんと相手の子は同時期に事故にあって意識不明だった。」
希「その後何らかの原因で記憶をなくしたまま、入れ替わった」
希「その後まだ何らかの原因で直前の記憶だけを残し、他の記憶ををなくしたまま入れ替わった……」
希「そのヒントとなるのが「弓矢とバットとみかん、」もう一つが「みかんとトランプ」」
にこ「……どうしてみかんなのかしらね……」
真姫「そういえば、なんでことりはババ抜きしたの?スクフェスとかカラオケとか、もっと楽しいことはあるのに」
ことり「……海未ちゃんはずっとババ抜き負けてたから、その、前の海未ちゃんにババ抜き挑んだらどうなるのかな、って思って……」
穂乃果「ねぇねぇ、この人のプロフィール確認しない?」
にこ「そうね、見ましょ」カチッ
『静岡住みJK*°
球技大会ソフトボール担当♡
気軽にふぉろみ(*´˘`*)♡』
希「静岡なんか……」
真姫「静岡はみかんの産地として有名ね」
絵里「やっぱり繋がってるのね!」
にこ「ここの球技大会ソフトボール担当♡のところも何か引っかかるのよね」
にこ「海未、さっきの何だったっけ」
海未「弓矢でバットを打ち抜いて……みかんを食べながら」
にこ「……!?バット…………」
ことり「バットって、もしかして……」
にこ「ソフトボールのバット!?」
絵里「間違いない。何かが繋がってる!」
凛「ねぇねぇにこちゃん、これ!」
にこ「これ?」カチッ
『球技大会のチーム決めわず!相方さん大好きなソフトボールに決定!!頑張ろうね、主力ピッチャーの相方さん笑みかんパワーで頑張れる~!!』一か月前
凛「この相方さんって、海未ちゃんと入れ替わった人じゃない?1番仲良さそうだし」
希「この人はソフトボールが好きなんかー。」
真姫「そういえば海未って弓道部よね」
海未「ええ、はい。そうですが」
絵里「……ああ!」
絵里「解けた……解けたわ!」
希「えりち、どうぞ」
絵里「まず一つ目のヒントの中の、「弓矢とバット。」これはお互いの得意なもので繋がってる」
絵里「これを印象づけるのはもう一つのヒント、「みかん」。過去ツイによると、みかんパワーを使えば頑張れるらしいわ。だとするとその人の相方さんは、みかんが大好きなんじゃないかしら?」
真姫「なるほど……!!」
にこ「お互いの何かで繋がっているのね!」
ことり「じゃあもうひとつのヒントは……?」
絵里「そうよね…どういうことなのかしら」
希「うーん……」
希「もしかしたら、さっきのものは深読みだったのかも」
絵里「えっ?」
花陽「どういうことですか?」
希「さっきえりちは、お互いの好きなスポーツというカテゴリーでまとめてたよな」
凛「そうにゃ」
希「でも2つ目のヒントでは一方が苦手なものと一方が好きなもの、という分類ができる」
希「だから、お互いの印象に残っている何かを一気にやったことによって、また入れ替わりが行なわれたんやないかな」
凛「そうなのかな~……。絵里ちゃんの推理もなかなかだと思うんだけど……」
絵里「でも私のは少し抽象的だったかもしれないわ。」
希「でもえりちの言葉がなかったら、ウチはたどり着けてなかったよ、ありがとな」
絵里「なら良かったわ!」
花陽「ってことは、お互いの印象深いものや出来事が二つ以上重なって、しかも同時期に行なわれたから、何らかの原因でまた入れ替わりが起きた、ってことなのかな?」
真姫「……それだと、もしこの事が起こらなかったら、ずっとあのまんま魂が戻れずにいたってことになるわよね?」
希「そゆことやね。まぁ運が良かったんよ」
にこ「なんたって、ラッキーガールがμ’sにいるしね」
希「もぉ、照れるやん」
にこ「希とは言ってないわよ!」
希「っ!いやでも一応スピリチュアルが売りなんで!」
海未「……皆さんご迷惑をかけてすみませんでした」
凛「海未ちゃんが謝ることじゃないよ!ま、たぶん偶然だし!明るく行こうよ!」
海未「……凛…………!」
真姫「そうよ。これからまた、いつもの生活なんだから」
穂乃果「また海未ちゃんと一緒に登下校できるーっ!!」ギュッ
海未「も、もう穂乃果、重いですよ!」
ことり「私も、ぎゅーっ!」
海未「ちょ、ことり!」
ことり「……」ニコッ
凛「凛も海未ちゃん大好きにゃー!」ギュッ
花陽「は、花陽も……」
真姫「べ、別にぎゅーってしたくないし……」ニギッ
にこ「またツインテールにしなさいよね!」ギュッ
希「海未ちゃん、卒業式もよろしくな」ギュッ
絵里「これからの音ノ木坂をよろしくね」ギュッ
海未「……っ、ううー/////」
海未「皆さん、重いですぅううううううう!」
真姫「気がついたら夕方だったわね。また勉強しないと」
凛「まったねー!」
花陽「あ、凛ちゃんバッグ忘れてるよ!」
絵里「じゃ、また月曜ね」
希「今度焼肉しよな!」
にこ「また屋上でお弁当食べるわよ!」
穂乃果「うん、分かってるよー!」
絵里「ことりと海未は残るの?」
ことり「うん、ちょっとね」
希「ほな、さいならー」
穂乃果「バイバーイ!」
ガララララ
海未「……はっ!今日は弓道の練習が6時から……」
穂乃果「あっ!行っちゃだめー!」
ことり「この前そうやって事故にあったんだから!」
海未「そ、そうなんですか?では今日は久しぶりにサボりましょうか……」
ことり「ねぇ!」
穂乃果「んー?」
ことり「どうせサボるなら、ちょっとことりと付き合ってくれない?」
海未「ああ、はい!」
ことり「決まりだね♪」
穂乃果「ここ……」
海未「私が穂乃果とことりに初めてあった公園……」
ことり「来月には、ただの土地になっちゃうんだ。前の海未ちゃんとは来たんだけど、やっぱりこの3人じゃないと嫌だなって思って。」
穂乃果「こんなに遊具も錆びちゃって……」
海未「今は誰も遊んでないのでしょうか……」
ことり「……」
穂乃果「ことりちゃん、手!」
ことり「え?」ガシッ
穂乃果「海未ちゃんも!」
海未「……!」ガシッ
穂乃果「3人でよく、夕日が見えるまでずっと遊んでたよね」
ことり「穂乃果ちゃんが水たまりをとびこえようとしたりしたよね」
海未「私はよく木の陰に隠れてましたよね、人見知りがひどくて。」
穂乃果「エヘヘ……友達になってからしばらくしても隠れてたもんね!」
ことり「……この景色が、来月には見えなくなっちゃうのが、辛いなぁ」
穂乃果「写真撮る?記念に」
ことり「ううん!目に焼き付けておきたいの」
穂乃果「……うっ……グスッ」
海未「……」
海未「(何故でしょうか)」
海未「(むかしの私なら平気で涙を零していたはず。)」
海未「(なのに……)」
海未「(全然悲しくならない。それよりも、希望に溢れる気持ちのほうが強い……!)」
海未「(……きっと、また)」
海未「穂乃果、ことり」
海未「きっと、また新しい物語が始まりますよ」
――――――――――
――――――――
私がどこかに行っちゃった気がして すごく不安だった
誰かも分からない人になったような気分だった
でも戻ってこられた。
なんだだろう?分からない。
神様が助けてくれたのかもしれない!
友達にそのことを話したら笑われたけど、この事は絶対現実!そう思う!
だって、みかんのトランプでババ抜きする夢なんて、見たことないし!
さ、早速戻ってこられたし、ソフトボールの練習しよう!
「ねぇ、……、今日ウチに来ない?」
「えっ、行く行く!」
「じゃあ、決まりね!」
「さ、どうぞ!」
そう言っていつものみかんジュースを置いてくれた。この辺ではよく見かける、自家製ジュースだ。
「美味しい!いつもありがとう!」
「いやいや!ぜーんぜん!嬉しいよ!」
そう言って友達はおもむろにTVをつけた。
そこに映っていたのは――
喜びを受け止めて
君と僕繋がろう
迷い道やっと外へ
抜け出したはずさ
名前も知らない、人もしらないアイドルグループ。
でもなぜか、私はそれに惹かれていた。
「ねぇ、これ何?」
「ああ、これはね、今東京で話題の」
「μ’sだよ」
名前も知らないはずなのに
曲も知らないはずなのに
なぜか なぜか
私は惹かれていたのです
「それにしても、スクールアイドルに興味あるなんて珍しいねー。ここらへんじゃあんまりそういう子いないよー」
そんな友の声は耳に入らず、曲に夢中になっていた。
喜びを受け止めて
君と僕進むだろう
それは(それは)遠い(夢の)カケラ(だけど)愛しいカケラ
彼方へと僕はdash……
「……ねぇ」
「ん、何?」
「私、スクールアイドル、やってみる」
「あのっ!μ’sの…………さんですよね?」
「サインくださーい!」
「あっ、ごめんね。ウチもうμ’sやめたんだ」
「そうですか……」
「あっ、でも、また大学でスクールアイドルやろうと思ってるから、個人としてはサインできるよ」
「本当ですか!?」
「有り難うございます!」
「おおきに、またね~!」
「……」カタカタカタ
『静岡住みjk*°Aqoursメンバー☆』
『今日の初ライブ、お客さんは0。でも、見に来てくれた家族のためにも精一杯頑張った!でもまだまだ努力が足りない。頑張ろうね、千歌!』
「完敗からの、スタートか……。」
「……」クスッ
感想など書いていただけると幸いです。
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