【ラブライブ!】ことり「告白日和、です!」
- 2020.04.08
- SS

なんかあんまり変わってない気もするけど覚えてる人なんてほとんどいないだろうし気にしない
元スレは必要なら最後に貼っておきます
私はどうしてもある人のある気持ちが知りたい
人間は知らないことを知ろうとすると本かなにかで読んだことがある
そうして無知への恐怖を和らげようとするのだそうだ
私はなぜあなたの気持ちが知りたいのか
知らないから知りたいのかそれとも……
本人から聞いて確かめたいその想い……
あなたはいったいどう思っているの?
私のこと…
ことり「♪」
特別何かあるわけではないのに朝からとっても気分がいい
あの人に会えると思うと心が騒ぎ出す
毎日会えるのだけれどそんなことは関係無くて
今日も会える、それだけでスキップでもしたくなるよう
あの人のことを考えるだけで心がときめき踊りだすようで
そして、そんな気持ちが私は大好きで
ことり「行ってきまーす♪」
そう言っていつも二人の幼馴染と待ち合わせをしている場所に向かう
今日ももうすぐ会えると思うとうれしくてつい鼻歌交じりになってしまう
こんな気持ちになるなんて
私はあの幼馴染のことを完全に好きになってしまったのだろう
私も相手も女の子、つまり同性同士
それは世間一般では普通ではない
そう思うと
ことり「私のことなんて……」
私の気持ちとあの人の気持ちはきっと違う
私にとてもよくしてくれるけど
たぶん私のことはただの仲の良い幼馴染としか思っていないんだろう
女の子同士だし私に対して恋愛感情があるとは思えない
ふとそう考えてしまうと心が締め付けられるようになる
だけど…それでも私の気持ちは確かにここにある
私の気持ちに気付いてほしい……んだろう
でも自分からは言い出せない
今の関係を壊したくないなんて理由で
穂乃果「穂乃果だってたまには早起きぐらいできるもん!」
海未「たまにでは意味がありません。日頃から時間に余裕をもって行動してください!」
穂乃果「もー、またお母さんみたいなこと言う~」
海未「なっ、私は穂乃果のために言っているんですよ!」
穂乃果「はいはい、分かってますよ~」
海未「私だって好きで口うるさく言いたくて言っている訳ではないんですからね!」
珍しく穂乃果ちゃんが先に来てたみたい
二人とも朝から元気だなぁ
私も朝からウキウキなんだけど
穂乃果ちゃんと海未ちゃん、とっても仲が良さそう
実際に仲は良いんだけどあの二人を見ていると自分に自信がなくなりそう
嫌われてないかな?
恐らくそこまでは思っていないはず……私の慢心でなければ
でも二人と比べると私なんかって
最近はそんなこと考えなくなってきたけどやっぱり二人はすごく魅力的でつい卑屈になっちゃう
だから私は
ことり「二人とも!」
そう言ってあいさつ代わりに背中を叩く
何事も勢いだよね
穂乃果「あっ、ことりちゃん。おはよー!」
二人が私を見て笑顔で挨拶を返してくれる
それだけで心が晴れ渡るような気分になる
決して私のことを嫌っているわけではないし私のこともそれぞれ同じぐらい大切に思ってくれているってことがそれだけで分かるから
ことり「ほら、早く学校行こう?」
海未「そうですね。せっかく穂乃果が早く来たんですし」
穂乃果「穂乃果だってやればできるんだから!」
海未「はいはい」
穂乃果「も~、ことりちゃん聞いてよ~。海未ちゃんがさ……」
二人を見ていると本当に元気が湧いてくる。心がぱーっと晴れ渡るようなそんな気持ち
自然と笑顔がこぼれているのが自分でもわかる
でもそれと同時に私の抱いているこの気持ちに切なくなる
やっぱり私の気持ちとあなたの気持ちは違うだろうから
私の気持ちは伝えられないんだ
ことり「はぁ~」
つい溜息が出てしまう
授業も完全に上の空
黒板を見るわけでも教科書を見るわけでもなくただボーっと窓から遠くを眺める
今の私とは対照的にどこまでもまっすぐきれいな晴れ空
私のこの気持ち……
恋なんて今までしたことがなかったからもっといいものだと思ってた
甘いとかほんのり酸っぱいとかって、少女漫画や映画なんかでよく見るけど
実際は違うかも
当然そんな気持ちもあるけどつらさが半分以上を占めている
ほんのりどころではなくかなり酸っぱいみたい
相手がどう思っているか分からないモヤモヤ
いろんなモヤモヤが積もってつらくなる
こんなに悩んじゃうのは女の子を好きになっちゃった自分がいけないのかな?
でもこの気持ちを否定したくはない
どうして女の子を好きになっちゃったんだろうなんて考えたくない
でもみんなが知ったらなんて思われるんだろう……
μ’sのみんな、家族……
分からない、考えられないよ
そんなことを考えていたらいつの間にか授業が終わっていたらしく穂乃果ちゃんが話しかけてくる
ことり「ううん、別に何にもないよ」
穂乃果「そう?」
ことり「うん、ことりはいつも通りだよ」
そういったものの穂乃果ちゃんは納得いかないような顔をしている
そんな穂乃果ちゃんを見て少し不安になって
ことり「……そんなに元気なさそうに見える?」
と聞いてみる
穂乃果「なんかいつもと違うような?って気がして」
ことり「そう、かな?」
穂乃果「自分でもよく分かんないけど、ずっと一緒だったからかな?何か変だなーって」
穂乃果「ほら、前に私周りが見えなくなっちゃってことりちゃんが悩んでるのに気付いてあげられなかったことがあったじゃん?」
前っていうのは私の留学の件のことだよね
ことり「あの時は言い出せなかった私も悪かったから……」
穂乃果「でもずっと一緒にいたはずのことりちゃんの気持ちに気づいてあげられなかったから」
穂乃果「だから最近はこれでも結構周りを見てるつもりでね、そしたらことりちゃんの様子がなんかいつもと違うかなって」
穂乃果「別に何にもないならそれでいいんだけど前みたいなことはもう嫌だからさ、ちょっとしたことでも何かあったら遠慮せずに言ってほしいの」
ことり「穂乃果ちゃん……」
穂乃果「私たち友達でしょ?悩んでいたら相談に乗るよ。それに穂乃果はいつでもことりちゃんの味方だから」
声が少し震えているのが自分でもわかる
こんなに私のことを大事に思ってくれるのがうれしくて
だから私は
ことり「……あのね、聞いてほしいことがあるんだ」
勇気をだして打ち明けてみようと思った
穂乃果「うん。穂乃果でいいなら何でも聞くよ」
穂乃果ちゃんは優しく微笑んでうなずいてくれた
穂乃果「もちろんだよ。話してくれてありがとう」
ことり「こちらこそ声をかけてくれてありがとう」
お互いにありがとうを交わす
穂乃果ちゃんなら信頼できる
私の想いをきちんと聞いてくれる
そう思って私は決意する
決して誰にも打ち明けたことのないこの想いを話そうって
穂乃果「じゃあ海未ちゃんも……」
ことり「待って。今日は海未ちゃん弓道部の方に行かなきゃいけないって言ってたよ」
穂乃果「そうだった。じゃあどうする?穂乃果だけでもいい?」
ことり「うん、海未ちゃんに迷惑かけられないし。それにまずは穂乃果ちゃんに聞いてもらいたいんだ」
穂乃果「そっか、分かったよ。じゃあまたあとでね」
ことり「うん、ありがとう穂乃果ちゃん」
ことり「わざわざごめんね?」
学校が終わり穂乃果ちゃんに家に来てもらう
紅茶とお菓子をテーブルに並べる
今は私たち二人きり
穂乃果「そんなこと気にしないで。大切な幼馴染のためなら穂乃果は何でもするよ」
ことり「ありがとう、穂乃果ちゃん」
穂乃果「でも私一人でいいのかな。海未ちゃんの方が頼りになるだろうし……」
ことり「いいの。穂乃果ちゃんに聞いてほしくて」
ことり「海未ちゃんには……少し話しにくいっていうか……」
穂乃果「そっか、分かった」
ことり「ありがとう」
緊張で体中熱くて湯気でも出てきそうなほどに
これから今まで誰にも話したことがない私の気持ちを打ち明けるんだから当然だ
穂乃果「……」ススッ
穂乃果ちゃんは紅茶を一口飲んでから静かに目を閉じる
穂乃果「……」
ことり「……」
そうして少しの静寂が訪れる
穂乃果ちゃんは何も言わずに私が話すのを待ってくれている
小さいころからそうだった
なかなか自分のことを言い出せなかった私のことを穂乃果ちゃんと海未ちゃんはいつも待っててくれた
そう自分に言い聞かせる
私も一口紅茶を口に含む
思ったより熱くて少し驚いたけどゆっくりと飲み込む
すごく静かでなんだか私の喉の音まで聞こえちゃいそうだったから
ことり「あのね、私……」
つい言いよどんでしまう
話す前に何か飲むべきじゃなかったかも
熱い紅茶と一緒に言おうとしていたこともおなかの中に流れて行っちゃったみたい
でもそれじゃあ駄目だと、もう一度心の底からこの想いをすくい上げる
熱い体の中に沈んでしまった熱い想いを引っ張り出すようにして今度こそと覚悟を決めて私の想いを口にする
穂乃果「……」
穂乃果ちゃんは何も言わない
まるで私に続きを促すかのように目を閉じたまま黙っている
そんな穂乃果ちゃんの様子を見て私は話を続ける
ことり「えっとね、友達としてじゃなくて、その……恋愛の方の好きなの」
ことり「その気持ちに気づいたのは最近でね」
言ってしまった、ならもう話すしかない
私は事のいきさつを話す
穂乃果ちゃんなら大丈夫って思えるから安心して話せるや
でも私は昔から穂乃果ちゃんに対する気持ちと海未ちゃんに対して抱いていた気持ちは少し違ったの。
だけど本当に大切な友達は二人だけだったからそれが普通なのかなって思ってた。違いもよく分からなかったし。
でもμ’sを始めて大事な仲間が増えてから海未ちゃんに対する思いだけ他のみんなとは違うって気付いた。
それがなんなのかは最初は分からなかったんだけど最近になってだんだんはっきり分かってきて」
ことり「きっかけは何だったのかはよく分からないけどなぜか恋なんだなって思うようになって……。
それからはつい意識しちゃって、会う度に、話す度にドキドキするようになっちゃって。
だからかな?穂乃果ちゃんが私の様子が変だって気付いてくれたのは」
ことり「でもね、やっぱり変でしょ?だって女の子同士なんだもん。
おかしいって自分でも分かってる。でもこの気持ちは本物だってこともよく分かるの。
だからどうしようって思って。この気持ちを伝えても海未ちゃんには迷惑になるだけなんじゃないかって、嫌われちゃったらどうしようって」
ことり「だから、だからね……」ポロポロ
いつの間にか涙があふれてきていた
自分でもよく分からなくなっていた
けれど、ふと柔らかく暖かい感触が私の全身を包む
ことり「穂乃果、ちゃん……グスッ」
穂乃果「一人でつらかったよね。でも大丈夫だよ」
穂乃果「私はいつでもことりちゃんの味方だよって言ったでしょ」
穂乃果「大丈夫、もうひとりじゃないよ。私がいるからね」ナデナデ
ことり「うぅっ……ぐすっ」
穂乃果ちゃんは優しく包み込んでくれる
私のこんな想いも理解して、受け入れてくれる
その優しさがうれしくて涙が止まらないよ
……少しぐらい甘えてもいいよね?
ことり「ごめんね……穂乃果ちゃん」ヒグッ
ことり「うわぁ~ん」ボロボロ
穂乃果「大丈夫だから。よしよし」ナデナデ
:
:
ことり「うん、もう大丈夫かな」
まるで赤ちゃんをあやすかのように優しく背中をたたいてくれていた穂乃果ちゃんから離れる
全身穂乃果ちゃんの熱や匂いに包まれてすごく安心した、心が安らいだような気がした
ことり「ほんとにごめんね?」
そう言って飲みかけの紅茶を口に含む
もう先程までの熱さはどこへやら
大分冷めて飲みやすくなっていた
それだけ長い時間泣いてたんだって気付く
窓から外を見ると空は赤から黒に染まり始めていた
もう夏も終わって日が短くなり始めたとはいえまだまだ日は長い方なんだけど……
穂乃果「それでもできる限り助けになってあげたいんだ」
穂乃果「だから気にしないで?」
それでも穂乃果ちゃんは優しく微笑んで答えてくれる
ことり「うん、そうだね。本当にありがとう、私の話を聞いてくれて」
穂乃果「当たり前だよ。大切な友達なんだから。こっちこそこんなこと私に話してくれてありがとう」
ことり「ううん、おかげでだいぶすっきりしたかも。口に出すだけで楽になるって本当なんだね」
ずっと自分の思いに板挟みになってた
苦しかった
でも穂乃果ちゃんのおかげで楽になった気がする
さっきまでの緊張も今は無くてさっきまであんなに熱かったのに今はすごくポカポカしている
辛い思いも涙と一緒に流れて行ったような感じだった
だからと言ってこの問題が解決したわけではないけど
ことり「え?」
穂乃果「だって海未ちゃんのこと好きなんでしょ?その気持ちを伝えなきゃもったいないよ」
ことり「でも……」
突然の提案にびっくりする
でも穂乃果ちゃんは私の目をまっすぐ見つめている
穂乃果「駄目だよ。自分の気持ちに嘘をついちゃ。ことりちゃんは海未ちゃんとどうしたいの?」
ことり「私は……」
私は一体どうしたいのだろう
なんて、そんなこと考えるまでもない
ことり「私は海未ちゃんの隣にずっといたい!海未ちゃんにこの想いを伝えたい!」
穂乃果「よく言ったことりちゃん!」
穂乃果「じゃあ迷わずにいっちゃおうよ!」
穂乃果「え?」
ことり「本当にいいのかな?」
穂乃果「どうして?女の子同士とかそんなこと関係ないと思うよ?」
ことり「だって私たちはアイドルでもあるんだよ?海未ちゃんだって特に年下の女の子のファンが多いし」
言い訳だ
伝えるのが怖いからって逃げているだけだ
それに本当に一番怖いのは今の私たち三人の関係が壊れてしまうかもしれないということだ
でもそんなこと穂乃果ちゃんに言える筈がない
やっぱり私は臆病みたい
穂乃果「にこちゃんたちに相談してみる?穂乃果一人じゃ力になれなさそうで」
ことり「でも……」
穂乃果「ごめんね?穂乃果頼りなくて」
ことり「そんなことないよ」
穂乃果「う~ん、海未ちゃんには頼れないし……」
それでも穂乃果ちゃんは何とか力になろうと考えてくれる
それだけで十分うれしい
穂乃果「でもさ、もし付き合うなんてことになったらμ’sのみんなには話した方がいいだろうし、それなら今話しちゃってもいいんじゃないかな?」
ことり「つ、付き合うって気が早すぎるよ!」アセアセ
穂乃果「でもお似合いだと思うけどな~」
穂乃果「とっても優しいお母さんに厳しくも愛のあるお父さん、みたいな?」
穂乃果「それで穂乃果はそんな二人の子供で……」
ことり「ふふ、なにそれ」
ことり「確かにそうかもね」
そう、海未ちゃんは本当に優しい
そういったところを好きになっちゃったのかな?
なんて考えてると
穂乃果「ことりちゃん、もしかして私の事とか気にしてる?」
ことり「え?」
真面目なトーンでそんなことを尋ねてくる
穂乃果「今までずっと三人一緒だったからその関係が変わっちゃうかもしれないのを気にしてるんじゃない?」
図星だ
穂乃果ちゃんはたまに鋭いんだよね
穂乃果「やっぱり」
ことり「もし私が海未ちゃんに気持ちを伝えたらたとえどっちに転んでも今までみたいに居られないんじゃないかって考えるとすごく怖いの」
穂乃果「そんなことないよ!」
ことり「!」ビクッ
穂乃果ちゃんが声を張り上げる
穂乃果「そんなこと絶対にない」
もう一度噛みしめるように繰り返す
穂乃果「その場合は二人だけが変わっちゃって穂乃果だけ仲間外れみたいになっちゃうかもしれないってことを気にしてるんでしょ?」
その通りだ
私はゆっくりとうなずく
いつも一緒だったから一人だけ置いてけぼりなんて考えられないんだ
穂乃果「そっか。でもその心配はいらないよ?これは絶対に言えることだから言っておくけどたとえ二人がそういう関係になっても穂乃果は変わらず二人のそばに居続けるから」
穂乃果「図々しいかもしれないけどこれだけは譲れない。何があっても絶対離れないから」
穂乃果「むしろ穂乃果はことりちゃんと海未ちゃんがそんな仲になったら凄く嬉しいよ?二人の事が大好きだからこそ応援してあげたいもん。それを一番近くで見ていられるこのポジションを離れたりはしないよ」
穂乃果「だから私の事は気にしなくて大丈夫だよ」
そう言っていつもの笑顔を見せる穂乃果ちゃん
それを見てなんだか安心する
本当に心の底からそう思って言ってくれてるんだなっていうのが一目で分かるから
穂乃果「その場合は気まずくなっちゃって今まで通りでいられないかもってことだよね?」
次、と言って挙げられた話
そう、一番怖いのはこっちだ
ことり「うん。でもそれならまだいい方。一番辛いのは完全に拒絶されちゃうこと」
ことり「女の子が女の子を好きになるなんて気持ち悪い、なんて言われたらどうしようって。確かにその通りだし別におかしなことを言ってるわけじゃないからもうどうすることもできなくなっちゃう」
穂乃果「なるほど。でもさ、考えてみてよ。海未ちゃんがことりちゃんの想いを知った上でそんなこと言うと思う?」
ことり「それは……分からないよ」
海未ちゃんが何て言うか、そんなの分かるわけがない
穂乃果「でも穂乃果はそんなこと言わないと思う。むしろしっかり理解しようとしてくれると思うんだ」
穂乃果「あくまで私の考えだから気休めにもならないかもしれないけど、でもこれだけは言っておくね。さっきも言ったけど海未ちゃんは優しい子だから」
穂乃果ちゃんの言いたいことはよくわかる
私だって海未ちゃんのことを信じたい
でもそれはただ自分の理想を押し付けてるだけなんじゃないかって思っちゃって素直に受け入れられない
穂乃果「ことりちゃんが好きになった海未ちゃんを信じてあげなきゃダメだよ」
穂乃果「私にはしっかり話せたじゃん。それなら大丈夫だよ。ことりちゃんは勇気のあるとっても強い子なんだから」
穂乃果「それに穂乃果だってついてるからね?」
確かにそんな心配をするってことは海未ちゃんのことを信じ切れていないからなのかもしれない
それじゃあダメだよね
好きな人のことを信じてあげられないなんてそれこそ一番近くにいる資格はないのかも
穂乃果「海未ちゃんだけじゃなくて大切な仲間の事も信じてあげられない?」
ことり「うん、信じたい。だからまずはみんなに話してみる」
穂乃果「よく言ったことりちゃん。私たちの仲間なら絶対力になってくれるよ」
ことり「……そうだね。みんなならきっと大丈夫だよね」
穂乃果「うん。みんなとってもいい子たちだし大丈夫だと思うよ」
ことり「でももし反対されたら……」
なんて考えちゃうのは信じ切れていないからなのかな?
それは嫌だなぁ
穂乃果「それでも穂乃果はことりちゃんの味方だから何とかするよ」
穂乃果ちゃんのその言葉に勇気をもらう
今度こそみんなを信じ切る
ことり「ありがとう」
ことり「……私、頑張ってみる!」
穂乃果ちゃんに言われて今度こそ決意が固まる
本当に背中を押してくれたような気がしたから
穂乃果「よし、じゃあさっそく今から……」
ことり「い、今はさすがに……ほら、時間も時間だし」
穂乃果「早い方がいいと思うけどな~」
ことり「明日にしよう?やっぱり心の準備が……」
やっぱり私は臆病なのかもしれないな
でもこればっかりはすぐには治りそうもない
ことり「うん……」
穂乃果「大丈夫、みんなちゃんと聞いてくれるよ。絶対誰も馬鹿にしたりなんかしない。もし馬鹿にする人がいたら穂乃果も怒るよ!」
穂乃果「だから、ね?」
ことり「そうだよね。うん、私やってみる!」
穂乃果「その意気だよ!」
その後も穂乃果ちゃんはたくさん私のことを勇気づけてくれてから帰っていった
もう外も真っ暗なのにこんなに遅くまでありがとう穂乃果ちゃん
おかげでだいぶ元気が出たよ
やっぱり穂乃果ちゃんはすごいや
なんて思いながらベッドに身を委ねる
直接海未ちゃんに伝えるわけじゃないのにとても緊張する
せっかく穂乃果ちゃんが元気づけてくれたのにまた臆病になっちゃう
それじゃあ駄目だとそんな考えを頭から追い払う
私はこれから自分の想いをしっかり口にするって決めたんだから
ことり「まずは海未ちゃん以外のみんなに、だけど」
ずっと隣にいたいなんて夢見てるだけじゃダメだよね
もう目をそらさずに気持ちに触れてみよう、そう決意する
そうして気持ちを確かめたいの
だから…待ってるだけじゃなくて自分から動き出さなくちゃ
自分らしく自分ができることをしよう
そんな日常を壊してしまうかもしれない
そう思うと怖くためらってしまいそう
でも言わずに後悔するくらいなら勇気をだしてみよう
そう何度も言い聞かせて眠りにつく
明日、まずは明日だ
こんな時間に建てたのが間違いだった
落ちたら落ちたでまた今度やる
ほとんど変わってなくて申し訳ないけど覚えててくれた人がいたのは嬉しいです
覚えてる人が思いのほか多くてもう少しちゃんと書いとけばよかったと若干後悔してる
とりあえずキリのいいところまでやっとく
目覚ましの音で目を覚ます
思ったよりもよく眠れたみたい
とりあえずいつも通り学校に向かう準備をする
そしてふと携帯を見ると
ことり「穂乃果ちゃんからメール?」
昨日のこともあったのでなんだろうと少しドキドキしながらそのメールを開く
============
とりあえず今日の放課後にみんなに部室に来てもらうように言っておいたから
海未ちゃんは今日も弓道部の方に行くって言ってたしチャンスは今日しかないよ!
ことりちゃん、穂乃果は応援してるから頑張って!
============
そういえば詳しいことは決めてなかったっけ
でもなんだかまたこれだけで穂乃果ちゃんに元気がもらえた気がする
ことり「よし!」
自分に気合を入れて学校へ向かう
今日はいつもとは少し違う特別な日になりそうです
私はいつも通り待ち合わせ場所に向かう
待ち合わせ場所……
ことり「今海未ちゃんに会うなんて無理だよ!」
すっかり忘れていた
私は思いを寄せる人と毎日一緒に学校へ通っているのだった
いつもなら嬉しいことだけど今日ばっかりはそうもいかない
今海未ちゃんに会ったら……
絶対に意識してしまう
まともに会話すらできないかもしれない
でも教室も同じだし逃げることはできない
行くしかない、よね
勇気をだして待ち合わせ場所に向かうことにした
しょうがないもんね
海未「穂乃果が二日連続でことりより早く来るとは……しかも今日は私より早いなんて。嵐でも来るんじゃないですか?」
穂乃果「も~、お母さんとおんなじこと言う~。穂乃果だってやればできるんだから!」
海未「なら毎日そうしてください」
今日も穂乃果ちゃんが先に来ていたみたい
でもやっぱりなかなか声を掛けられなくてそのまま立っていると
海未「……ことり、来ていたんですか。声ぐらいかけてくださいよ」
海未ちゃんに声を掛けられた
ことり「あぁ……うん、えぇと……」
言葉に詰まってしまった
どうしようって頭が真っ白になりかかった時に
穂乃果「ことりちゃんおはよー!」
穂乃果ちゃんが元気に声をかけてくれる
その声で何とか思考を取り戻す
ことり「お、おはよう二人とも」
何とか口にする
それでも声が上ずっていた気がする
海未「ことり?様子が変ですが体調がすぐれないんですか?」
そう言って不安げに私の顔を見つめる海未ちゃん
海未「そうですか?心なしか顔が赤いような気がしますが」
もう!海未ちゃんのせいだよ!なんて心の中で思いつつ
ことり「本当に大丈夫だから、ね?」
海未「はぁ。分かりました、でも何かあったらすぐに言ってくださいね?」
海未ちゃんは本当に優しい
そんなところに惹かれちゃったのかもなんて頭の片隅で考えちゃう
そんな場合じゃないのに
ことり「あ、ありがとう」
と、なんとか口にする
穂乃果「ほら早く行こうよ二人とも。せっかく早く来たのに遅刻しちゃうよ」
海未「そうですね。行きましょう、ことり」
ことり「うん」
そう言って歩きだす
穂乃果ちゃんが上手く海未ちゃんに話題を振ってくれる
それでも私は相打ちを打つので精一杯
海未「あの、二人ともなんだか歩くのがいつもより早くないですか?」
穂乃果「そ、そうかな?」
ことり「そ、そうだったかな?ごめんね?」
自然と足早になっていたみたい
穂乃果ちゃんは私に合わせてくれてたみたいだけど
なんだかちょっと海未ちゃんと一緒に居づらくて……
海未「あぁ、いえ、別に構わないのですが何か急ぐ必要でもありましたか?」
ことり「ううん、大丈夫だよ」
海未「それならいいのですが……」
そんなこんなで何とか学校に着く
でもクラスも一緒だから放課後まで海未ちゃんとずっと一緒だ
いつもなら嬉しいのに今は少し苦しい
穂乃果「海未ちゃん宿題を……」
海未「見せませんよ」
穂乃果「最後まで言ってないよ!お願い穂乃果のことを助けると思って!」
海未「自分でやってください」
穂乃果「分かったよー。じゃあ教えてくれる?」
海未「珍しく聞き分けがいいですね。そういうことなら手伝いますよ」
穂乃果「ありがとう」
海未「いつもならことりに助けを求めるのに……本当に今日はどうしたんですか?」
穂乃果「いいじゃん!そういう気分なの!」
海未「はあ……」
海未「ことりは?」
ことり「ええっと、ちょっと次の衣装とか考えたいから……」
海未「そうでしたか、ではことりも頑張ってくださいね」
ことり「ありがとう」
海未「さあ穂乃果、やりますよ!」
穂乃果「は、はい!」
いつもならことりに助けを求めてくるけど今日は違うみたい
ことりのことに気を遣ってくれてるんだろう
穂乃果ちゃんが海未ちゃんを捕まえてくれているおかげで私は何とか助かった
今のままじゃ放課後までもたなかったもしれなかったし
あっという間に時間は流れて気が付いたらもう放課後だった
海未ちゃんが弓道部に向かってから教室で穂乃果ちゃんと二人きりになって
穂乃果「心の準備はできた?」
ことり「うん。ありがとう穂乃果ちゃん」
穂乃果「何が?」
穂乃果ちゃんは何のことかというようにとぼける
穂乃果ちゃんらしいや
朝一番に来て待っててくれたのも私が海未ちゃんと二人きりでうまく話せなくなったりしないようにだろうし私の様子を見てずっと海未ちゃんと程よい距離感を保てるようにしてくれてた
穂乃果「よかった。じゃあ部室に行こう?そろそろみんな来てる頃だろうし」
ことり「そうだね」
部室の前までやってくる
心の準備はできている
あとはその扉を開けるだけ
穂乃果「ことりちゃん、穂乃果は味方だからね」
再度そんなことを言ってくれる
本当に心強いや
無言で頷き私は手を伸ばす
そうして私は扉を開いた───
にこ「おっそーい!人を呼んどいて待たせるってどーゆーことよ」
穂乃果「ごめんごめん」
まずにこちゃんの声が飛んでくる
部屋を見渡してみる
もうみんな揃ってるみたい
絵里「あら、海未は?」
穂乃果「弓道部の方に行ったよ」
絵里「海未だけいないけど大丈夫なの?」
穂乃果「うん」
絵里「そう?じゃあ話って何かしら」
穂乃果「あぁ、話があるのは穂乃果じゃなくて……」
こちらに視線を向けてくる
ことり「ことりの方なんだ」
凛「なんか珍しいにゃー」
花陽「確かに……」
みんな口々に話し出す
穂乃果「まあまあ、とりあえず話を聞いてあげて?」
真姫「穂乃果は何か聞いてるの?」
穂乃果「うん。とりあえず驚かないで最後まで聞いて欲しいの」
真姫「まさかまた留学するなんて言わないでしょうね?」
ことり「ち、違うよ~!μ’sを続けてる間はどこにもいかない、ずっとみんなと居るって決めたから」
真姫「そうよね」
花陽「よかった~」
みんな心配してるみたい
無理もないよね
たくさん迷惑掛けちゃったわけだし
ことり「うん」
私は真ん中の席に座る
穂乃果ちゃんはすぐ隣についていてくれた
みんな静かに私が話すのを待っている
少し空気が重い
すると
穂乃果「ことりちゃん頑張って」ギュ
穂乃果ちゃんが私の手を握って囁いた
すごく暖かい
勇気が湧いてくる
覚悟を決めたはずなのにその覚悟もどこかに飛んで行ってしまったように感じたけど今なら言えそう
ことり「私ね……」
そうして昨日穂乃果ちゃんに話したことを今度はみんなに話した
:
:
重い沈黙の中一番に声を発したのは絵里ちゃんだった
それに続いて希ちゃんが
希「そっか。そんな大事なことウチらに話してくれてありがとう」
そう言うと
真姫「それでことりはこれからどうしたいの?」
さすが真姫ちゃん、一番大事なところを突いてくる
ことり「私は……」
ことり「海未ちゃんとずっと一緒にいたいの」
ことり「みんなとは少し違う意味で本当にずっと、これから一生一緒にいたいって思う」
ことり「だからこの気持ちを伝えたい」
昨日穂乃果ちゃんに叱咤されたおかげでこんなこともハッキリ言える
ことり「でも……」
言いよどんでいると花陽ちゃんがその先を代弁した
ことり「うん……」
私はそれに対してゆっくりとうなずく
ことり「女の子同士っていうのもあるし……」
凛「そっか……」
真姫「なるほど……」
ことり「だからどうしようって思って」
穂乃果「せっかく穂乃果に相談してくれたんだけど穂乃果じゃどうしたらいいのか分からなくて……」
穂乃果「だからみんなに相談しようって思って」
絵里「つまりそれだけ私たちのことを信頼してくれてるのよね?嬉しいわ」
希「そうやね。せっかく頼ってくれたんやから何とか力になってあげたいなぁ」
真姫「とーぜんね」
凛「凛も!ことりちゃんのためなら何でもするにゃ!」
花陽「私もことりちゃんたちには幸せになってほしいな」
本当にうれしい
そんな感傷に浸っていると
にこ「でも……」
ずっと黙っていたにこちゃんが口を開く
にこ「ことりの思ってることももっともよ。私たちはアイドルだもの。悪いけど私たちは自分一人だけの身体じゃないの」
にこ「同性でしかも同じグループ内でってなると世間にどう思われるか分からない。結局大事なのは世間の評価なんだから」
ことり「そうだよね……」
にこちゃんの言うことは尤もだ
そう言われてもしょうがない
そもそもそう言われるのは分かっていたし、そのことでだいぶ悩んでいたんだから
ことり「え?」
にこ「恋をしたいお年頃ってやつよ。女子高だからか同性にってなっちゃってるけど」
にこ「まあ要はばれなきゃいいのよ。それに万が一ばれてもそういうのが逆に話題になることもあるかもしれないし」
穂乃果「そうなの?」
にこ「そういうもんなのよ。例えばあんたたち三人もだけど凛と花陽も随分仲がいいじゃない?そんな二人を見てるとこっちも自然と顔が綻んでたりってことあると思うの」
穂乃果「確かに」
にこ「そんな感じでメンバー内で仲がいいのはいいことだしそれを極限まで突き詰めたのが恋愛関係ってことだとしたら悪いことじゃないと私は思う」
にこ「確かに同性愛となると気分を悪くする人はいるかもしれないけど仲がいいのを見てて悪い気分になるわけはないし」
絵里「つまりにこは」
にこ「私も反対はしない。でも節度はわきまえろってこと」
ことり「にこちゃん……」
まさかにこちゃんがそんなことを言うなんて思ってもいなかった
女の子同士であることにもにこちゃんらしい視点でしっかり理解を示してくれた
希「反対はしない、じゃなくて素直に応援するって言えばええのに」
にこ「なっ!?別に私はそんなんじゃ……」
にこ「そ、それより花陽は?花陽はどう思う?」
花陽「え!?私?」
凛「いじられたくないからって他の人にパスを回すのはどうかと思うにゃー」
にこ「そんなんじゃないわよ!ただアイドルのファンとしてどう思うか意見を聞きたかっただけ!」
花陽「うん……アイドルにスキャンダルが致命的なのは確かだけど」
花陽「私はアイドルのファンである前にことりちゃんの友達だから……」
花陽「友達を応援してあげるのが普通なんじゃないかなぁ?」
花陽「にこちゃんもそういうことなんでしょ?」
にこ「わ、私は別に……」
ことり「にこちゃん、花陽ちゃん……」
ことり「本当だね。やっぱり私μ’sでよかったよ」
本当に涙が出そう
みんなの優しさが嬉しくて嬉しくて
にこ「そもそもアイドルやってなかったらここまで悩む必要もなかったんじゃ……」
絵里「にこ……」
真姫「今それを言う?」
にこ「わるかったわよー!」
にこ「ことり、ごめん」
ことり「ううん、いいの」
ことり「みんな……ありが」
希「おっと、それを言うのはまだ早いで」
ありがとう、そう口にしようとしたところで希ちゃんに止められる
穂乃果「よーし、じゃあさっそく……」
真姫「アタックだ、なんて言うつもり?」
穂乃果「え?」
絵里「まっすぐなのは穂乃果のいいところだけれどさすがに今はそんなに簡単にはいかないわよ?ことりにとっても私たちにとっても大事なことなんだから」
穂乃果「ごめんなさい……」
希「まあまあ、とりあえずこれからどうするか考えよう?早くしないと海未ちゃん帰ってきてしまうんやない?」
穂乃果「そうだね。じゃあどうすれば?」
凛「じゃあ凛はアドバイスとかしてあげられなさそうだし海未ちゃんの様子を見てくるにゃー!」ダッ
真姫「あっ……ってもういっちゃった」
希「まあウチらにできることを考えよ?」
絵里「希の言うとおりね」
希「と言ってもウチらもそういう経験はないしアドバイスなんてしてあげられないもんなぁ」
花陽「一応は隠しておこうってこと?」
にこ「そう。その方がいいと思う。アイドルを卒業するまでは少し我慢が必要だけど……」
ことり「ちょ、ちょっと、なんでもうお付き合いするのが前提で話が進んでるの…?」
にこ「だって相手はあの海未でしょ?」
ことり「ど、どういうこと……?」
そんなこんなでみんな本当に真剣に考えてくれて
応援してもらったり色々してくれた
少ししてそろそろ海未ちゃんが戻ってくるからと話し合いはお開きになったけど、それでも私は十分勇気をもらえた
本当にμ’sでよかった、この仲間たちと出会えてよかった
そう思えた
本当に感謝しかないや
これも穂乃果ちゃんのおかげかな?
相談しようって提案してくれたこと
こんな仲間に巡り合わせてくれたこと
それら全て
そんなことがあった後、放課後の帰り道
私はいつも通り穂乃果ちゃんと海未ちゃんと一緒に夕暮れの道を歩く
何気ないいつもの光景
でも私の内心はすごくドキドキしてる
みんなにも言ってしまった私の想い
どうしても意識してしまう
海未「ことり?」
あぁ、今になってすごく恥ずかしくなってきちゃったよぉ
みんな応援するって言ってくれたけどやっぱり……
海未「ことり!」
ことり「え?」
ことり「そ、そうだったかな?」
海未「そうですよ、何回呼んだと思っているんですか」
ことり「ご、ごめん……」
海未ちゃんの言うとおり完全に上の空だった
もうなんだかさっきまでのことが夢のような気がして気持ちもフワフワしていた
改めて自分の想いに向き合ったうえで思い人のすぐ横にいるんだ、当たり前だよ
海未「本当に大丈夫ですか?朝から少し様子がおかしかったですし」
ことり「大丈夫だよ。確かにちょっとボーっとしてたかもしれないけどほんとに何でもないから」
海未「そうですか……」
そう言って俯く海未ちゃん
穂乃果「どうかしたの?」
海未「いえ、その……」
なんだか歯切れが悪い
けれど海未ちゃんはこちらを見据えて口を開く
海未「ことりの事が少し気になっていまして……」
ことり「えっ!?」
すごくドキリとする
穂乃果「う、うん」
海未「だから私に隠し事をしないでほしいんです。何かあったなら言って欲しいんです」
そんなことを言う海未ちゃんの目には少し涙が浮かんでいた
海未「昨日穂乃果と二人で何かあったようですが穂乃果は何があったのか教えてくれないですし……」
穂乃果「……海未ちゃんもしかしてヤキモチ妬いてるの?」
海未「……そうかもしれません」
海未「今日もなんだかことりとあまり話せていなかったような気もしますし……」
少し頬を赤らめる海未ちゃん
そんな海未ちゃんの表情にドキドキしちゃう
普段とのギャップがすごくかわいいんだもん
……いや、そんなこと考えてる場合じゃないよ!
慌てて取り繕う
何でもなかったわけはないけどさすがに言えないよ
海未ちゃんに嘘をついていると思うと少し心が痛むけど
穂乃果「今日はちょっと穂乃果が宿題見てもらったりで迷惑かけちゃったからさ、ごめんね?」
海未「……分かりました。二人がそういうのでしたら信じます」
そんなまっすぐな言葉にさらに心が痛む
海未「穂乃果も気にしないでください。まあ宿題は自分でやってきてほしいですがね」
穂乃果「あはは、善処します」
そういう海未ちゃんはまだどこか寂しそうで
だから私は
ことり「そうだねっ」ギュッ
海未ちゃんの制服の袖をつかむ
これが今の私にできる精一杯の愛情表現
自分の気持ちに整理がつくまでもうちょっと待っててね海未ちゃん
海未「それは穂乃果もでしょう。ずっとそばにいたんだから当たり前です」
海未「誰よりも近くでことりの事を見ていたんですからね」
ことり「そっか、ありがとう///」
海未「いえ」
なんてすごくうれしいことを言ってくれる
こうやってサラッとカッコイイこと言っちゃうんだから海未ちゃんってズルいよね
さっきまでうっすらと涙を浮かべていた女の子が今度はこんなにかっこいいんだもん
穂乃果『それでこれからなんだけど』
ことり「うん……」
家に帰ってきてから電話で穂乃果ちゃんとさっきの続きを話す
穂乃果『みんなも言ってたけど、穂乃果はやっぱり早い方がいいと思うんだ』
ことり「そう、だよね」
穂乃果『海未ちゃん寂しそうだったし』
ことり「うん。ことりも海未ちゃんに嘘ついてるって思うと心が痛いの」
穂乃果『ことりちゃんらしいね。ならことりちゃんからもっとアプローチしなきゃ』
穂乃果『私はいくらでも手伝うし何でもするからね?』
ことり「ありがとう」
ことり「うん。でも今日みんなに話してみてだいぶ勇気が出てきたなって思えるの」
ことり「だから……だからね、明日にもこの想いを伝えたいって思うんだ。いつまでも嘘をついていたくないし気持ちを隠していたくもないから」
穂乃果『よく言ったことりちゃん!』
穂乃果『それじゃあ細かいことは穂乃果達に任せて!』
ことり「うん、決めた。明日の朝練が終わった後に海未ちゃんに伝える!今なら言えそうな気がするの」
ことり「穂乃果ちゃん、ありがとう」
穂乃果『頑張ってね、何度も言うけど応援してるから』
ことり「うん、じゃあまた明日ね」
そう言って電話を切る
宣言してしまった、ならもう思い切るしかないだろう
逃げられない理由を作って臆病な私を追い払うために
そして私は海未ちゃんにメールをする
内容は簡潔に
「話があるから朝練が終わった後着替えてからで大丈夫だから屋上で待ってて」
と、たったそれだけ
それでもすぐに返信が来る
その内容も「分かりました」のたった一言
あまり深くは聞いてこないみたい
嬉しいようなそうじゃないような複雑な気分
でももう逃げられない、伝えるしかない
それでも不思議と心は穏やかでそのまま眠りにつく
何だかとてもいい気分
いい夢が見られたからかな?
あの夏の日の出来事──
私のひざの傷跡のことを知っても決して特別扱いしたりせずにいつも通り誠実に接してくれた海未ちゃん
どうして今になってこんな夢を見たんだろう
でも考えてみれば私が海未ちゃんのことを好きになったのはあの頃からだったのかもしれないなぁ
あんな小さい頃から海未ちゃんのことを好きになっちゃうってなんていうか……
なんて考えつつ練習に向かう準備を済ませる
今日この後、私は想いを伝える
怖くないわけではない
けど心は晴れやかだった
相手は女の子であること、そして幼馴染であること
大分特殊な恋だから不安だらけだった
普通に考えたら恋心が芽生えるような相手じゃないんだから
だから私の想いは一方的なものなんだって
この前まではそれがずるずると足に纏わりついていたような感じだったけど今は違う
それでもいいやって受け入れられた気がする
海未ちゃんがどう思うか、どう答えてくれるか
私が大好きな海未ちゃんならきっと応えてくれるって
虫のいい話かもしれないけどさっき見た夢の思い出の中の海未ちゃんを見てそう思えた
だから私はこれからまっすぐぶつかっていくことにした
きっと受け止めてくれるはず
私の望む答えが得られなくてもちょっと前までの自分が一番恐れていたことはきっと起こらない
私たちは学校を救うためにアイドルを始めた
そんなの夢のまた夢だとも思ったけど実際に成功したんだ
穂乃果ちゃんが、みんながいてくれたからこそ叶えられた
今度は私個人の夢だけど
でもみんな応援してくれた
この九人ならなんでも叶えられそうな気がするから
だからどうか、もう少しだけ私に力を貸してください
よろしくお願いします
そう一言つぶやく
よく晴れた綺麗な青空に向かってお祈りする
この空を通じて私の想いがみんなにも伝わりますように……
朝8時
いつもよりちょっと早めに練習が終わる
穂乃果ちゃんを通じてみんなに伝えてあったからみんなが早めに切り上げようとしてくれた
海未ちゃんもこの後の私との約束を考えてか許してくれたし
その海未ちゃんは特別何か聞いてくるわけでもなくいつも通りだった
まるであの日のあの時みたいに変わらずに接してくれた
まあこれから幼馴染に告白されるなんて思わないだろうしね
むしろ他のみんなのほうがソワソワしてた感じかも
今は部室でもうみんな制服に着替えていた
海未ちゃんはもういないみたい
凛「ことりちゃん頑張ってね!」
花陽「応援してます」
真姫「いい結果が聞けるのを楽しみにしてるわ」
希「リラックスしてな」
絵里「幸運を祈ってるわ」
にこ「大丈夫、あんたならできるから」
そう声をかけてくれる
みんなそれぞれの言葉で応援してくれてる
穂乃果「ことりちゃん、ここまで来たらもう行くしかないよね」
穂乃果「ことりちゃんの話を聞いて穂乃果がみんなにも話した方がいいとか早く気持ちを伝えた方がいいとか言っちゃったけど後悔してない?」
穂乃果「私なんかに話しちゃったからって……」
ことり「そんなことあるわけないよ!穂乃果ちゃんのおかげで勇気がもらえたし感謝してもしきれないぐらいだよ」
穂乃果「そうかな?」
ことり「うまくいくかはわからないけど、それでもことりにとって穂乃果ちゃんは恋のキューピットだから」
ことり「だからありがとう」
ことり「私頑張るね」ニコッ
穂乃果「……うん。その笑顔を忘れないでね。ことりちゃん、ファイトだよっ!」
そう言って穂乃果ちゃんも部室をあとにする
─いや、一人じゃない。みんながついていてくれるんだから
最愛のあの人の待つ屋上へと向かう
その間にみんなに感謝する
最後にまた激励の言葉がもらえた
さっき祈っていたことが本当にみんなに伝わっていたかのようにその時の私が欲しかった言葉がもらえた
私はなんて幸運なんだろうなんて少し自惚れしちゃう
こんなにも私のことを思ってくれる仲間がいて
こんなにも私が好きになってしまう素敵な人がいて
だから私の幸運がもう少し続いてくれればきっと上手くいくはず
だってあの人もきっと私のことを大切に思っていてくれてるはずだから
なんだかすごく自信が持てる、すごく前向きになれた気がする
ちょっと前までは考えられなかったことだ
そうして穂乃果ちゃんや海未ちゃんの後ろをついていくことしかできなかった
でも最近スクールアイドルを始めていろんなことを経験して変わることが出来た
言いたいことを言えずに失敗しちゃったりもあったから
だからそんな後悔はもうしたくない
穂乃果ちゃん達に何度も背中を押してもらって私は変わったんだ!
昔よりも自分に自信が持てたんだ!
だからそんな私を海未ちゃんに精一杯見せて気持ちをぶつけるんだ
よし、やってみせる!
そう決意して今度はもう一度私の想いを確かめる
でも待ってるだけじゃだめだから私から伝えてしまおう
「大好きです!」
なんて聞いたらどんな反応をするんだろう?
しっかり答えてくれるかな
でもそれがたとえ私の望む答えじゃなくても私は受け入れる
前から、そして今どう感じているのか全部見せてほしいから
よし、行こう
そう覚悟を決めて屋上へと続く扉を開ける
なんだかとても神秘的で見入ってしまう
まるで地上に舞い降りた女神様みたい
まあ私にとってはあながち間違ってはいないかもしれないけど
そしてそんな女神様はすぐにことりに気付いて振り向く
海未「ことり、用というのは?」
なんていつもと同じような声色で聞いてくる
こっちの気も知らないで
まあまさかこれから告白されるなんて思ってもいないか
やっぱり躊躇ってしまう
臆病なところはすぐには治せなくて
でもみんなに勇気をもらったんだからしっかり形にしなくちゃダメだ
と自分に言い聞かせる
この楽しい毎日はキセキなんだ
不安はある
でも何もしないでいるのは耐えられない
だから私は勇気をだすって決めたんだ
海未「はい」
ことり「ずっと待ってた、気付いてくれないかなって。でもそれじゃあ駄目だって思ったから私から伝えるね」
ことり「私はうんと前から海未ちゃんのことが……」
ことり「大好きです!」
海未「…………」
海未「え?」
長い間の後にそんな声を上げる海未ちゃん
相当戸惑ってるみたい
ふふ、なんだかおかしい
いつも冷静でキリッとしてる海未ちゃんがこんな表情を見せるなんて
でもそれを見て少し不安になる
それでも、もう後戻りはできないから
もう一度噛み締めるように、自分にも言い聞かせるように想いを言葉にする
ことり「最近そのことで悩んでて、ボーっとしてたりして変な心配かけちゃったみたい。ごめんね?」
ことり「それになんだか変に意識しちゃって最近あんまり海未ちゃんと喋れなくてことりも寂しかったし」
ことり「あのね、私海未ちゃんの隣にずっといたい、一緒に笑っていたいってずっと思ってた」
ことり「でもそれだけなら穂乃果ちゃんやμ’sのみんなともそうありたいって思ってる」
ことり「でも海未ちゃんに抱いてるこの気持ちはそれとは少し違うの」
ことり「昔から穂乃果ちゃんに対する思いと海未ちゃんに対する思いは違ったみたいで」
つい早口になってしまう
伝えたい想いが次から次へと溢れてきてしまう
海未ちゃんの思考はまだ復活しないみたい
でも私は続ける
ことり「この気持ちが恋なんだって気づいたのはつい最近なんだけど」
ことり「私は海未ちゃんのこと一人の女の子として好きなの」
ことり「女の子同士なんておかしいのは分かってる。でも自分の気持ちに嘘はつきたくなかったから」
ことり「迷惑に思うなら私のことなんて全然気にしなくていいよ。それなら私はきっぱり諦めるから」
ことり「すぐに今まで通りとはいかないかもしれないけど私はこの気持ちが伝えられただけで満足だから」
ことり「海未ちゃんが今までことりのことどう思ってたのか、そして今どう思っているのか聞かせてほしいの。もちろん無理にとは言わないけど」
つい自分の保身に走ってしまった
それに今言ったことは少し嘘になる
気持ちを伝えられてだいぶ楽にはなったけどやっぱり私は海未ちゃんがどう思っているのか、それが一番知りたいんだから
それにやっぱり海未ちゃんと一緒にいたいんだから
だからできれば答えてほしい
私のことを今までどんな風に感じていたのか
そして今どう感じているのかを
海未「私はことりのこと……」
あぁ、よかった
この気持ちを伝えて
みんな、ありがとう。本当に感謝してるよ
海未ちゃんは私の気持ちにしっかり答えてくれるみたい
やっぱり私が好きになった人は素敵な人だなあ
なんて思っちゃう
海未ちゃんはなんて答えてくれるんだろう
どんな答えでも受け入れる覚悟はできている
空も青く澄み渡っていて私のことを応援してくれているみたいで
私の心も透明に澄み渡っていてとっても気持ちがいい
今日はまさしく
告白日和、です!
Fin
ことり「告白日和、です!」
http://hope.2ch.net/test/read.cgi/lovelive/1435499295/
あと後日談的なのも短いのなら考えてあるけど必要ですか?
この形で終わらせてるから大分蛇足感があるかもしれないけど
ただ海未ちゃんがどう答えたかは読んだ人の想像に任せたいのであくまでこういうパターンもあるよっていう感じでお願いします
ことり「♪」
今日も今日とて朝からウキウキ気分
もうすぐあの人に会えるから
ことり「行ってきまーす♪」
そう言って元気に家を出る
と言ってもお母さんは一足先に出ちゃってるから私が最後でもう家には誰もいないんだけどね
まあそんなことは気にしない気にしない♪
鼻歌交じりにいつもの待ち合わせ場所へ
自然と早足になっているのが自分でもわかる
一秒でも早くあの人に会いたいから
海未「おはようございます、ことり」
優しい微笑みを浮かべて返事をしてくれる私の大好きな人
どんな表情も素敵だけどやっぱり笑顔が一番可愛いな~♡
ことり「やっと会えた。寂しかったよ~」ギュー
そんな風に海未ちゃんを抱きしめる
海未「やっとと言ってもほんの半日程度じゃないですか。昨日は晩御飯までご馳走になったというのに」
ことり「半日も、だよ!できれば片時も離れたくないんだもん」
腕に力を込めてより強く抱きしめる
ことり「だって……」
海未「ことりはとても素直な子だったと思ったのですが……」
それは海未ちゃんだからだよと心の中で呟く
海未ちゃんだからわがまま言ったり甘えたりしたくなっちゃうんだもん
海未「そ、それよりそろそろ離してくれませんか。こんな所で恥ずかしいですって」
ことり「もうちょっとだけ……」
海未「はぁ……」
ため息を吐く海未ちゃん
なんだかんだ言って許してくれちゃうんだよね
ことり「えへへ、おはよう穂乃果ちゃん」
海未「からかわないでください、穂乃果」
穂乃果「だってね~」
海未「ほらことりも、穂乃果も来たんですし離れてください」
ことり「え~、海未ちゃんは嫌なの?」
海未「そ、そんなことはない、のですが……」
歯切れが悪くなる海未ちゃん
そこはきっぱりと言い切って欲しかったなぁ
ことり「海未ちゃ~ん」ウルウル
穂乃果「あ!海未ちゃん、ことりちゃんを泣かせちゃダメだよ!」
海未「違いますって!ほら、どうしたんですかことり」
海未「そんなこと言われても困りますよ……」
ことり「もう少しこのままでいさせてくれたら許してあげる」
穂乃果「だってさ海未ちゃん」
海未「いい加減にしてください。わがままばかり言う子は嫌いですよ」アキレ
ことり「うっ……」バッ
慌てて離れる
嫌われちゃうなんて絶対イヤ
海未「まったく、ことりの気持ちは十分伝わっていますからもう少しいつも通りでいてください」
ことり「ごめんなさい」シュン
ちょっとわがまま言い過ぎちゃったかも
反省してます
穂乃果「海未ちゃん、何もそんな言い方しなくてもいいじゃん」
海未「あなたは誰の味方なんですか」
穂乃果「穂乃果は二人の味方だよ!」
海未「その割にはことりに肩入れしすぎですよ」
穂乃果「しょうがないじゃん。二人の関係的にこれくらいで丁度いいんだよ!」
海未「そんな……」
私と海未ちゃんの関係
あの日海未ちゃんに想いを伝えた私
だけどそれで晴れて恋人同士になれたわけじゃないんだ
穂乃果ちゃんに慰めてもらいつつ私は何度目ともわからないあの時のことを思い出す
ことり「海未ちゃんのことが好きなの」
ついに私は想いを伝える
穂乃果ちゃんやみんなに応援してもらってずっと胸に秘めていたこの想いを伝えた
今まで海未ちゃんに対して抱いていた気持ちも何もかもすべてを全身全霊を込めて伝えた
それに対して海未ちゃんは
海未「私はことりのこと……」
少し言葉に迷ったように口をパクパクさせてから一度口を結ぶ
そして再び口を開いた海未ちゃんの言葉は
好き
私のことが好き
そんな言葉が最愛の人から紡がれる
その言葉を本当に?と疑心暗鬼に噛みしめていると
海未「ですが……」
海未ちゃんは続ける
海未「私の好きとことりの好きは違います」
えっ?
海未「私は幼馴染として、親友としてことりのことが好きです。穂乃果への気持ちとまったく同じものなんです」
そんな……
いや、そりゃそうだよね
分かってたはずなんだけど実際に言われると結構くるなぁ
それにこうなっちゃったらこれからどうすればいいんだろう
穂乃果ちゃんは大丈夫だって言ってくれたけど……
なんていろんなことを考えちゃって頭がフリーズしかけた時
海未「なので少し時間をくれませんか?」
ことり「え?」
海未ちゃんの言葉の意味が分からず、というか考えられずに思わず聞き返す
海未「その、ことりに好きと言われた瞬間今まで感じたことのないなんとも言えないような気持ちなってしまい……」
海未「改めてことりのことを見てみるとすごく魅力的に見えてきてしまいまして……」
海未「でもそれはただ単に変に意識してしまっただけなのかもしれません」
海未「なので一度自分の気持ちを整理して考える時間が欲しいんです」
私の目をまっすぐ見つめて話し続ける海未ちゃん
その瞳からは真っ直ぐな思いが伝わってくる
ことり「そっか、分かった」
だから私は海未ちゃんの気持ちを受け入れることにする
海未「ありがとうございます」
海未「それとその間はことりももっと私に想いをぶつけてきて欲しいんです」
ことり「どうして?」
海未「そしてその上で答えを出させてください」
海未「せっかく気持ちを伝えてくれたのに少し待たせてしまうことになりますがよろしいでしょうか?」
ことり「うん!もちろんだよ!」
海未「よかったです、ありがとうございますことり」
やった、まだチャンスはあるみたい!
穂乃果ちゃん達のおかげですごく前向きに考えられる
じゃあこれからいっぱいアプローチをかけちゃうぞなんて考える
けれどふとひとつ疑問が浮かぶ
ことり「海未ちゃんはいいの?」
海未「何がですか?」
ことり「ことり、女の子を好きになっちゃったんだよ?気持ち悪いとかって思わないの?」
恐る恐る尋ねる
海未ちゃんは笑顔でそう答える
海未「私は恋愛経験などありませんが人が人を好きになる気持ちに性別がどうなどということは関係ないはずです」
海未「そんなのは小さな問題だと思います。確かに世間の風当たりはまだ強いかもしれませんが私はどんなことりでも受け入れて見せます。必ず守って見せますよ。ことりと一緒に居られない方が辛いですから」
海未「だからそんなこと気にしないでください。自分を責めたりしないでくださいね」
変わらず笑顔のままそんなことを言ってくれる
やっぱり海未ちゃんは優しいなぁと思うと
自分の目から涙がこぼれるのを感じた
ことり「ありがとう、海未ちゃん」ポロポロ
ぽろぽろと涙がこぼれ落ちていく
ことり「ごめんね」
そうは言ったけどしばらく止まりそうにないや
今になって海未ちゃんの気持ちや優しさの全てが伝わってきちゃって
そんな風に抱きしめて優しく頭を撫でて慰めてくれたら我慢なんてできないよ
なんだか穂乃果ちゃんとは違った暖かさを感じる
なんか最近こんなのばっかりかも
でも二人の幼馴染は受け入れてくれたし優しく抱きしめてくれた
嬉しいなぁ
それに今ので私は海未ちゃんのことが本当に好きなんだって改めて思えた
なんだかすごくドキドキしちゃう
それでも不思議と心は安らいでいくような感じがした
:
:
そんなことがあってことりは今海未ちゃんに猛アタック中なんです
穂乃果ちゃん達に手助けしてもらいつつだけどなんとか海未ちゃんに私のことを好きになってもらわなくちゃ
ことり「ありがとう、穂乃果ちゃん。もう大丈夫」
穂乃果「そう?」
ことり「うん」
穂乃果「分かった。海未ちゃんもことりちゃんを泣かせちゃダメだからね?」
海未「だからそれは……」
ことり「ごめんね海未ちゃん、迷惑かけちゃって」
ことり「ほら、早く学校行こう?」
海未「はい」
ことり「じゃあしゅっぱーつ!」ギュッ
穂乃果「おー!」
海未「お、おー……///」
海未ちゃんの手を握って歩き出す
それとももしかしたらことりのこと意識してくれてるのかな?
さっき抱き着いているときに聞こえたドキドキという速い心臓の鼓動は私のものだったのかそれとも……
なんにせよ海未ちゃんが答えを出すまではもうちょっと時間がかかりそう
でもそれだけ私にはチャンスが増えるんだもん
絶対にこのチャンスを捕まえて見せるんだから
そんな思いを込めて海未ちゃんと繋いでいた手をさらに強く握る
すると海未ちゃんも心なしか強く握り返してくれたような気がした
ちょっとずつ私の心の中の空は明るくなってきた気がする
気持ちを伝えてからは雲も晴れてどこまでも青く透明に広がる空の色
きっともう少しでそれは私の中の全てを照らし出してくれるんだと思う
その時まで私は待ち続けます
もうどんな答えだろうと大丈夫だから──できれば受け入れてほしいけど
それまで待ってるよ、海未ちゃん♡
おわり
ありがとうございました
こんな一途な娘に想ってもらえるなんて幸せ者ですね
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