【ラブライブ!】穂乃果「お母さんなんて大嫌い!!」
- 2020.04.08
- SS

飛び出した理由はちょっとした口論からで、それがだんだん激しくなって、喧嘩になっちゃって。
翌日が休日ということで、穂乃果はことりちゃんの家に泊まらせてもらうことにした。
ことりちゃんはいいと言うけど、ことりちゃんのお母さん、理事長は、『心配するだろうから、なるべく早く仲直りするのよ』って。
……たぶん、お母さんに電話するんだろうなぁ。
でも穂乃果は帰らないもん。お母さんが悪いんだもん。
考え出したら嫌に気分になってきたから、その日はことりちゃんと同じベッドで眠った。
少しいい気分になった。
ごまかしでしか、なかったけど
~~~
穂乃果「……ん」
朝、目が覚めると、携帯電話にメールが何件かきていた。
全てお母さんからで、内容は、『早く帰ってきなさい』。
…そう言われて、素直に帰れるようなら、家なんか出ない。
穂乃果は無視した。
穂乃果は首を縦にふった。お財布も持ってきててよかった。
でも、着替えがなかったから、ことりちゃんの服を借りる事になった。
サイズはそこまで問題はなかったけど、一つあるとしたら胸がちょっぴり余った。
しょんぼりだ。
穂乃果はとっても楽しんでいた。久しぶりに三人で出かける事が嬉しかったし、嫌な事が忘れられるから。
…でも、たまに電話がかかってくる。
お母さんから。
穂乃果は無視する。
心配されたって、鬱陶しいだけ。
言わなくていいことばかり。言って欲しいことを言ってくれない。
なんなの。
穂乃果「……やめとこ」
せっかく楽しい時間を過ごしているんだから、余計な事は、考えないように。
どうせそのうち、お母さんも諦めるだろうし。
でも穂乃果は、お母さんが謝ってくれるまで、帰らない。
……いちいち、子供みたい?
……そうかもしれない。
海未ちゃんは、稽古があるからここまで、と帰った。
それでその日は解散になった。
ことり「……どうする?帰る?」
穂乃果「……嫌」
ことりちゃんにそう返すと、ことりちゃんは、『……そっか』と言い、『じゃあ、もう一泊する?』と続けた。
頷いた。
きれいだけど、それはみんなとばいばいしなきゃいけない合図みたいなもので。
でも今は違う。帰らない。
お母さんに手を引かれて帰るあの頃じゃ、ない。
自分で決めるから。
ことり「……穂乃果ちゃんは、ある意味じゃ、子供みたいだよ」
皮肉だね。
でもそうだね、と穂乃果は苦笑いで返した。
四、五件。
……どうせ、ことりちゃんのお母さんから連絡もらって、居場所なんて分かってるくせに。
わざわざ迎えに来ないあたり、よっぽど穂乃果に自分で帰ってきて欲しいみたい。
やーだね。
……でも、明日はなんとかなっても、明後日はそういうわけにもいかない。
……結局、子供の行動力では、こんなもんなのかな……って思われたくない。
学校にはいかなきゃ……。
…鍵もっておいて、よかった。
これでとりあえず、誰もいない時に忍び込める。
穂乃果「……裏口からなら」
慎重にすれば、なんとかバレないはず。
穂乃果「……自分の家なのに…」
変な気分だと思った。
……ん?なんだろう、この匂い……甘い……お父さんが新しい和菓子でも作ってるのかな……その割には……。まあいいや。
穂乃果「……そっーと、そっーと」
誰もいないと思い、階段を登ろうとした時。
お母さんが倒れてるのを見つけた。
体を揺らしても反応がなかった。
穂乃果「お母さん!?お母さん!?」
呼んでも返答がなかった。
穂乃果「お母さん!!」
叫んでないで救急車を呼べよ私は。
そんなんだから3バカとか言われるんだよ。
穂乃果「……っ!もしもしっ、すみません、母が倒れてて……!」
〜〜〜
結果から言うと。
急性心筋梗塞。
お母さんは死んだ。
その結果が、これだと。
穂乃果「……」
何も思わなかったわけじゃない。
自分が意地をはらないで、帰って、家にいれば、お母さんは助かったかも知れない、と思う。
でも、それを思うことが出来ても、今の穂乃果には。
子供みたいに泣きじゃくる事しか出来なかった。
穂乃果の知らない人もいた。
みんな、泣いていた。
穂乃果も泣いていたかもしれない。
……わからないけど。
『……最後に、お顔をみてあげてください』
……顔を見ると、お母さんは、ただ眠ってるだけみたいに見えた。
『人が死んでいる』っていうリアルが、そこにあるけど、信じ難いものだった。
……よく見ると、目尻や、いろんなところに、しわがあった。
〜〜〜
お母さんが焼かれる。
お母さんが入った棺桶が、焼かれる。
雪穂「……う、ううううっ……!!」
そこで雪穂はとうとう、我慢できなくなったのか、涙を流した。
涙腺っていうダムが崩壊して、抑えきれなくなっていた。
雪穂「お母さんっ……お母さん……」ポロポロッ
雪穂は強い子だね。
ここまで、よく我慢出来たね。
穂乃果は、弱い子だから、我慢出来ていなかったのに。
骨だけになっちゃった。
肉がなくなって、生命を、何一つ感じない、骸だった。
それをお母さんとは呼べない。
でもそれはお母さんなんだ。
ほのパパ「……」
お父さんは骨を小さな箱に入れる。
小さな骨を……。
穂乃果「…」
多分今穂乃果は今、ひどい顔になっている。見せたくない。誰にも。
悲しみとか、そんなんじゃない。
心に、穴が。
ぽっかりと塞がることのない穴が。
そこから何かがとどまる事なく溢れる。
それは、悲しい時があったとき、よく空いた。
そしてそれを塞いでいてくれたのは、お母さんだったんだ、って気づいた。
……とにかく、喉が乾いていたから、穂乃果は冷蔵庫をあけた。
そこで見つけたもの。
……見なきゃよかった。
ホールケーキ。
上には『誕生日おめでとう、穂乃果』とかかれたチョコ板。
雪穂「……お姉ちゃん」
穂乃果「……そうだったね」
……今日誕生日じゃん。
穂乃果「……」
誕生日プレゼントが欲しいです。
お母さんを、ください。
口うるさくて。
勉強しなさいってうるさくて。
洗濯物を出せってうるさくて。
店番手伝えってうるさくて。
アイドル頑張れってうるさくて。
応援するからねってうるさくて。
ありがとうが言えなくて。
ごめんが、言えなくて。
穂乃果「……」
だって思わないじゃん。
こんなに、呆気なく、もう会えなくなるとか思わないじゃん。
こんな日が来るってわかってたら、もっとお母さんと仲良くする。
そうしてる。
そうできないから辛い。
こうやって、後悔するくらいなら、喧嘩なんかしなきゃよかった。
最後に言った言葉が「大嫌い」って。
穂乃果最低じゃない。
そんな自分に嫌悪感が襲いかかってくる。
……夢だったらいいのに。
そんなことは、みんな思うんだろうな。
でも現実だから、どうしようもできないことだから、だめなわけで。
なくしかできない。
手にはカッターナイフ。
これで頚動脈でも、かき切れば、死ねる。
お母さんと同じところに行ける。
穂乃果「……そんなんでいいの?」
……そんなんでいい。
だから、これでいい……。
そして、穂乃果は、カッターナイフを喉に突き刺して――
〜〜〜
穂乃果「……ほあっ!?」パチッ
(・8・)チュンチュン…
穂乃果「……?あ、あれ……?」
穂乃果「……」チラッ
穂乃果「……8月…3日」
ガララッ
ほのママ「穂乃果っ!あんた早く起きなさい!いつまで寝てるの!今日は登校日のはずでしょう!」
穂乃果「うわああああああああ!!お母さぁぁぁぁぁあん!!」ダキィッ
ほのママ「え、ちょ、なに!?」
〜〜〜
雪穂「……なにしてんのお姉ちゃん」
穂乃果「……」ギュゥッー
ほのママ「ほ、穂乃果、ちょっと離れてくれない……?」
穂乃果「……やだ」
雪穂「……お姉ちゃん、なんで泣いてんの?」
穂乃果「泣いてないし!」
雪穂「いや泣いてるじゃん」
穂乃果「うるさいうるさい!」
ほのママ「はいはい、早くご飯食べて……穂乃果も……」
穂乃果「……ん」パッ
〜〜〜
穂乃果「……」
ほのママ「……穂乃果?どうしたの、早く行かないと遅刻するわよ?」
穂乃果「……いかない」
ほのママ「は?」
穂乃果「……お母さんといる」
ほのママ「いやだめよ。早く学校行きなさいよ」
穂乃果「やぁだぁー……おかぁさぁぁん……」ベタベタ
ほのママ「高校生にもなってずる休みはだめよ!早くはなれ、こら!」
雪穂「……」
穂乃果「ウォーイオイオイオイ……」
ほのママ「はなれなさーい!」
穂乃果「やだーー!!」
家族大切にしよ
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