【ラブライブ!】海未「ラブアローッ」ピキッ
- 2020.04.09
- SS

海未「…」キョロキョロ
海未「…誰もいませんね」
海未「……コホン」
海未「ラブアロシュート!」ピキッ
海未(もっとこう…アイドルらしくと言いますか…もう一度です)
海未「ラブアローッ」ピキッ
海未「シューーート!」
パァァァァン ガシャンッ
海未「きゃっ!」
海未「はわわわわわ…」
穂乃果「ん?海未ちゃん何やってるの?ってなにこれえぇ!」
海未「ち、違います!私ではありません!ガラスがひとりでに割れたのです!」
穂乃果「…海未ちゃん、この前穂乃果に『言い訳をしてはいけません!』とか言ったよねぇ…」
海未「誤解です!私はなにもしていません!」
穂乃果「ボールとか飛んできたんじゃないの?」
海未「いえ…ボールなどみかけませんでした」
穂乃果「えーっ変なのー、あっまさか妖怪の仕業だったりして!」
海未「そうかもしれませんね…」
海未(一体何だったのでしょうか)
海未「はぁ…にこ…怒ってましたね」
穂乃果「こんな寒い日に窓ガラスが無いとか頭おかしいんじゃ無いの!」
ことり「あ、ちょっと似てるかもー」クスクス
穂乃果「でもなんで割れたんだろ」
海未「わかりません、私には勝手に割れたようにしか…」
穂乃果「またまたそんなこと言って~、やっぱり妖怪の仕業かも!」
ことり「や~んこわ~い」
海未(よく考えればガラスがひとりでに割れるなんてありえませんね)
海未(やはり私の見間違いでしょうか…)
海未(そういえばガラスのせいで決めポーズの練習ができませんでしたね)スクッ
海未「ラブアローシューーート!!!」
バァァァン
海未「!?……なっ…」
海未「い、いえなんでもありません!」
海未ママ「そう、お静かにね」
海未(なぜ障子が吹き飛んで……まさかっ!)
海未「あそこのペットボトルに…ラブアローシュート!」グシャ
海未「新聞にも、ラブアローシュート!」ビリッ
海未(な………なっ………)
海未「なんですかこれはーーー!!!!」
海未ママ「うるさいですよ!」
海未(全く眠れませんでした…)テクテク
穂乃果「海未ちゃんおはよーっ」
海未「あぁ、穂乃果ですか…」
穂乃果「どうしたの?元気無いよー?」
海未「えぇ、少し寝不足なもので」
穂乃果「ふーん、海未ちゃんにもそんなことあるんだねぇ」
先生「つまり、この範囲を満たす整数mは…」カッカッカッ
海未「……ラブアロ-シュ-ト」ボソッ
先生「さらに、定数分離法を…」パキッ
先生「おっと、失礼、新しいチョークを…」
海未「…」チラッ
海未「……ラブアロ-シュ-ト」ボソッ
先生「それではプリントをくば…あら?どうして破れてるのかしら?」
海未(ふむ、どうやら声量で威力はコントロールできるみたいですね…)
花陽「んんーっ…ダメです….」
海未「どうしたのですか?」
花陽「瓶の蓋がかたくて…」
海未「貸してください」
海未(んんっ、かたいですね…そうです!)
海未「ラブアロ-シュ-ト」ボソッ
カパッ
海未「開きましたよ」
花陽「わぁ、すごい!ありがとうございます!」
海未(この力、案外便利かもしれませんね)ニヤニヤ
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・
・
海未「………」カキカキ
海未「……なんか…違いますね、もっといい歌詞が…ラブアロ-シュ-ト」グシャッ ポイッ
海未「…」カキカキ
海未(この力にもようやく慣れてきましたね)
海未(……いつも小声で使ってますけど、 一体どれほどの威力が出るのでしょうか…気になります…)
海未(ものは試しです、公園なら迷惑もかからないはずですし)
海未(試しにあの砂場に…)
海未「…スゥゥゥッ」
海未「ラヴアロォォーーーーシューーーート!!!!」
海未「…..?」
海未(なにも起きませんね)
グラッ
海未「…ん?」
ドッバァアアアアアアアアアアアン
レポーター「えーこちら、爆発のあった現場です。あちらに見える公園を中心とした半径50m圏内の建物は全壊、または半壊しています。幸い死者は出ていないそうですが、重軽傷者合わせて6名ほどは病院へ搬送された模様です。警察はテロの可能性もあるとして…」
海未「はっ…はっ……」ダッダッ
海未(まさか…まさかこんなことになるなんて……)
海未(もう…やめましょう…ラブアローシュートは封印です………)
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・
あの事件以来、私はラブアローシュートと言うことは無くなりました。またあのような事態を招いてしまうのではないかと恐れ、小声でも口に出すことはできませんでした。
海未「はいっワンツーワンツー」パンパンッ
海未「では、休憩にします」
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絵里「みんな、ラブライブまで残された時間もあと少しよ、くれぐれも体調には気をつけること!」
一同「はーい」
絵里「それじゃあ今日の練習終わりっ!」
穂乃果「うみちゃーんかーえろ!」
海未「はい、…ことりは今日いないのですか?」
穂乃果「なんか衣装の素材を買い足しに行くんだってー、ことりちゃん大変そうだねぇ」
海未「そうですか、では今日は2人ですね」
海未「まぁ、さすが穂乃果のお母さんですね」クスクス
穂乃果「あっ!海未ちゃん知ってる?ここの路地を通ると近道なんだよ!」
海未「へぇ、そうなのですか、知りませんでした」
穂乃果「今日はこっちから行ってみようよ!」
海未「えぇ…でもなんだか薄暗いですし…」
穂乃果「いーじゃーん!ほらっ!」グイッ
海未「案外長いのですね…」キョロキョロ
穂乃果「あれれー?海未ちゃん意外とこわがりぃ~」ニヤニヤ
海未「こ、怖いなんてことはないですよ!」
穂乃果「いいんだよ~海未ちゃん、隠さなくても」
穂乃果「じゃあ穂乃果が面白い話してあげるね!」
ドカッ
男A「ってえなおい」
海未「ほら、ちゃんと前を向いて歩かないから…すいません」ペコッ
海未「穂乃果、大丈夫ですか?立てますか?」グイッ
穂乃果「う、うん…ありがと」
海未「行きますよ」スタスタ
男B「おい待てよこら」グイッ
男B「あ?Aさんにぶつかっといてなんだその態度は?なめてんのか」
男C「この女の心配ばっかしやがって、Aさんには何もなしかよっ!」ガッ
穂乃果「いやああぁっ!はなしてぇっ!」
海未「…っ!その子を離してください!それにちゃんと謝罪はしたつもりです!」
男B「あれが謝罪だぁ?調子乗んなよガキ、あんなの謝ったうちに入るわけねぇだろ」
海未「……じゃあどうすればいいのですか」
男A「そうだな、俺らと一緒に来てもらおうか、おいB、お前はその黒髪の方を連れて行け」
海未「お断りします!その子を離しなさい!」
穂乃果「う…海未ちゃん!穂乃果の事はいいから、先に行って!」
男C「うるせぇぞクソ女っ」ガンッ
穂乃果「ぎゃぁっ……うっ….やめて…」
海未「…貴方たち……いい加減に……」プルプル
海未(どうすれば……はっ!ラブアローシュート……でももう加減も忘れましたし…またあのような惨事に…)
海未(くっ…どうすれば……しかし…)
男C「おらっ!」ググッ
穂乃果「うみ…ちゃん……」
海未「…っ!」
海未「………ラ…………ラ………」
海未「ラブアローシューーート!!」
バァァァン バキャッ
男C「……うぅ……あぁぁ……」
男B「なっ…!」
男A「Cの手足が…変な方向に…」
海未「あ…あぁ……………」タジッ
男A・B「うわぁぁぁぁぁぁ!」ダッダッダッ
穂乃果「う……み…ちゃん……一体何を……」
海未「ち、違うんです……違うんです!」ダッ
穂乃果「海未ちゃん!」
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海未(穂乃果、怯えているように見えました…)
海未(当然ですよね、人をああも簡単に半殺しにしてしまっては…)
海未「…」チラッ
海未(ネットカフェですか…)ジャラッ
海未(8000円と少しありますね…とりあえずここに入りましょう)ウィィン
海未(思わず寝てしまいました…今何時でしょうか…)
海未「えーっと…11時!?」
海未(もうすっかり昼じゃないですか)
海未(帰りましょうか…でも、今日は土曜日…)
海未(とりあえずコンビニに行って食べ物でも…)
海未(これからどうしましょうか…あっそうです、携帯…)スッ
海未(メール23、着信78………)
海未(お母様、穂乃果、それにμ’sの皆さん…穂乃果が皆に話したのでしょうか…)
海未(心配かけて申し訳ありません…しかし私は………)ピッ
海未(パソコン…ですか…普段あまり使わないですしよくわかりませんね…)ポチ
海未(へぇ…こんなサイトが…)カチカチ
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海未「はっ…」
海未(また寝てしまいました…)
海未(20時……)グ-
海未(コンビニ行きますか…)
海未「…んっ」パチッ
海未(コンビニ……)
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・
海未「…」カチカチ
海未(面白くないですね…)
海未(休みも今日で終わりですか…)
海未「…」チラッ
海未(22時…コンビニ……)
海未(もうお金もないです…帰るしか…)フラフラ
男D「おい」
海未(はぁ…)
男D「おい聞いてんのか、女」
海未「……?」
男D「お前がA達をやったっていう女だな」
海未「……だったらなんなんですか」
男D「ちょっと面かせや」グイッ
海未(なんなんですか…)ズルズル
男D「俺はな、Aの野郎を潰してやりたいと前から思ってたんだよ」
男D「つまり、奴をやったお前をやれば実質俺の勝ちってわけだ」
海未「…」
男D「悪いな、歯ァ食い縛れよっ!オラッ!」
海未「ラブアローシュート」
バァァン バキャッ
海未「…」
海未(……あっ、財布…)スッ カパッ
海未(おぉ、2万も入っているではないですか)
海未(まだネットカフェにいれそうですね)
アザ-シタ-
海未「…」スタスタ
男E「よお」
海未(またですか…)
男F「こいつが強いって噂の奴か?」
男E「そうだ…こいつをやれば俺らがトップも同然」
男G「がははは!そうか!ならさっさとやっちまおうぜ!!」
海未「ラブアローシュート」
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海未「ラブアローシュート」
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男F「てめぇが」
海未「ラブアローシュート」
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こうして結局、私は1週間このような生活です。もうアイドルとしてお客さんの前に立つ資格も、みんなの元へ帰る資格もありません。
バギャッ
海未「…」
海未(帰って寝ましょう……)
ダッダッダッ
ガシッ
海未(しつこいですね…)
海未「ラブアロー…」
「海未ちゃん!」
海未(……えっ?)
穂乃果「やっと見つけた…」
穂乃果「海未ちゃん…グスッ……心配したんだよぉお!」ガバッギュウウ
海未「……っ!」バッ
海未「ダメです」
穂乃果「え…海未ちゃん?」
海未「もう…あなたに合わせる顔など…」
穂乃果「バカ!何言ってるの!!」
海未「…っ!」ビクッ
穂乃果「海未ちゃんは…海未ちゃんだよ!穂乃果の………穂乃果の大好きな海未ちゃんなんだよ!」
海未「穂乃果……」
穂乃果「お願い!戻ってきて!」
海未「しかし…」
穂乃果「海未ちゃんは…穂乃果を助けてくれたんだよね…穂乃果があんな道に誘ったのがいけなかったのに…」
穂乃果「海未ちゃんは何も悪くないよ…悪いのは穂乃果!私!」
海未「……」
穂乃果「私、海未ちゃんと一緒に歌いたい、一緒にラブライブに出たい!」
海未「……」
穂乃果「μ’sには………穂乃果には、海未ちゃんが必要なの!」
穂乃果「だから……だから、一緒にラブライブに出よっ!!」
海未「……………………うぅ…」
海未「……こんな私を..……許してくれるのですか…?」
海未「いえ…それは穂乃果が知らないだけで……」
穂乃果「海未ちゃんは…みんなと一緒にステージに立ちたくないの……?」
海未「…………立ちたい」
海未「立ちたい!出たいです!ラブライブに、みんなと一緒に!!」グスッ
海未「ほのかぁ~~っ!」ガバッ
海未「…うっ……うわぁぁぁぁん!」
穂乃果「よしよし…辛かったんだね…」
海未「ごめんなさあぁぁい、穂乃果あ゙ぁぁ……うわぁぁん!」
穂乃果「さあ、帰ろ?」
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海未「そういえば、なぜあの時私の居場所がわかったのですか?」
穂乃果「噂で聞いたんだぁ、隣町にすごい強い人がいるって、ラブ…ラブなんだっけ、そういうセリフを言う人って聞いて海未ちゃんかなーって」
海未「ラブアローシュートですね」
海未「……」
海未「……はっ!いけません!穂乃果離れて
っ!」
穂乃果「ん?なんで?」
海未「……あれ?」
穂乃果「海未ちゃんなにおかしなこと言ってるのー」アハハハ
海未「は…はぁ…」
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あの力はいつの間にかなくなっていました。結局なんだったのでしょうか。分かりませんが、今では決めポーズの練習もはかどります。日常的な毎日がとても楽しいです。
海未「ラブアローッ」
穂乃果「やっほーっ!」ガチャ
穂乃果「って、海未ちゃんまた決めポーズの練習してるー!」
ことり「かわいいーっ♪ねぇ~もう一回やって見せて~」ニヤニヤ
海未「なっ!やめてください!」カァァァ
本当、楽しいです。
終
きれいに終わって良かった
よかった
バッドエンドは書かない主義です。
ハッピーエンドね
乙
乙乙
その後の海未は伝説の番長でもよかったな
乙
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