【ラブライブ!】花陽「あーしたてんきになあれ」
- 2020.04.11
- SS

凛「ふぅー、今日の練習きつかったね」
真姫「まあね、でもしょうがないでしょ?もうすぐライブだし」
花陽「そうだね。がんばろ……!」ピタッ
花陽「……」ジーッ
真姫「花陽、どうしたの?」
花陽「あ、うん。あれ……」
靴「」ピューン
ガッ ガッ ポトッ
靴「」ウラ
子ども2「えー…雨ー?」ガックシ
子ども1「がーん……」
凛「へえー…真姫ちゃんでもやったことあるんだ」
真姫「なに、悪い?」
凛「ううん、ちょっと意外だなって思って…」
真姫「まあ、私だってそれくらいするわよ。それで花陽、あれがどうかしたの?」
花陽「あ、えっとね…」
凛「…そういえばかよちん、あれ得意だったね」
真姫「得意?靴を飛ばすのがうまかったの?」
凛「そうじゃなくて…かよちんが天気を占うと、絶対その通りになったんだ」
真姫「絶対…?」
凛「うん、かよちんの天気予報は外れたことないんだ!すごいよね!」
花陽「……」
真姫「…花陽?」
花陽(凛ちゃんの言う通り、私の天気予報は外れたことがなかった)
花陽(でもそれは、占いが当たってたわけじゃなくて……)
花陽(占いに合わせて、次の日の天気を変えてただけなんだ)
花陽(神様からもらった力で…)
~~~~~~
先生「じゃあみんな、今から運動会の種目を決めます」
「「はーい!」」
凛「かよちん、凛と一緒にリレーやらない?」
花陽「え、ええっと…」オドオド
「じゃあ、玉入れをやりたい人はこっちに集まってー」
花陽「……」
花陽「ごめんね凛ちゃん。私、玉入れにしようかな…」」
凛「そっか!がんばってね!」
花陽「……」テクテク
花陽(凛ちゃんが誘ってくれたのはうれしいけど…私なんかがリレーの選手になったら、みんなの足を引っ張っちゃうよ)
花陽「私には……玉入れみたいな競技が似合ってるよね…」
先生「あー、玉入れの子が多いね」
花陽「…えっ」
先生「リレーの子が一人足りないし、玉入れから誰か移ってもらえる?」
エー ヤダー ショウガナイデショー リレーニイキタイヒトイナイノ?
花陽(うっ…私は行きたくないな)
ジャアジャンケンスル? ソウネ イクヨー
花陽「……」
ホラハナヨチャンモ
花陽「あっ、ごめんね…」
ダサナキャマケダヨ サイショハグー
花陽「じゃんけん……!」
――――
凛「かよちーん!やったね!凛と一緒だよ!!」
花陽「うん…そうだね」
花陽(なんでパーを出しちゃったのかな…)
花陽「はぁ……」
リン、ハナヨ、レンシュウハジメルヨ
4ニンデガンバロウネ
凛「うん!今行くよー」
凛「かよちん、行こうっ!」
花陽「うん…」
タタタタタッ
凛「はいっ!」スッ
花陽「…っ」トンッ
タタタタタッ
ピタッ
花陽「ふぅ……」
凛「うん!いいバトンパスができたね!」
花陽「…そうだね!」
ヤッパリアノフタリハイキピッタリネ
ウン、デモ、ソウジュンハドウシヨッカ?
トップバッターハダレガイイカナ?
ソウシヨッカ?
花陽(一番はいやだな…。みんな同じ条件で、私がビリになっちゃったら…)ビクビク
凛(……かよちん)
凛「やっぱり…凛が一番をやるよ!」
ウン、ソレガイイネ!リンハアシハヤイシ
ダッタラハナヨチャンハ2バンヲオネガイ
花陽「……うん」
花陽(でも…リードしてる状態で抜かれるのもいやかなぁ…)
花陽「はぁ……」
ジャア、モウイッカイレンシュウシヨッカ
花陽(それからしばらく、毎日練習が続いて……)
――――
グラウンド
ワー ワー
イチニッ イチニッ
「ただいまの綱引き…勝ったのは赤組です!」
イエーイ! ワー キャー
凛「やったねかよちん!凛たちのチームが勝ったよ!」
花陽「うん、でも次は……」
凛「よーしっ、凛たちの出番だね」スタッ
花陽「……」ポツーン
凛「…かよちん、大丈夫だよ。あんなに練習したんだから」
花陽「凛ちゃん……」
凛「行こっ!」
花陽「…うん!」
花陽(そうだよ、やるしかないんだ!私も…精一杯がんばろう!)
凛「ふぅ……」
花陽「……」ドキドキ
イチニツイテ
凛「…!」
ヨーイ
凛「……」カマエ
ドンッ
タタタタタッ
花陽(凛ちゃん…やっぱりすごい!トップバッターの中でも一番早いよ!)
凛「はぁ…はぁ…!」
花陽(よーしっ)
タタタッ
凛「…はい!」スッ
花陽「……っ!」トンッ
タタタタタッ
花陽(…うん、バトンパスもうまくいった!)
花陽(後はこのまま抜かれないように……って、ええ!?)
相手チーム「……」ゾロゾロ
花陽(このままだと…抜かれちゃう…)
「かよちーん!」
花陽「……!」
凛「かよちん!がんばれー!!」
花陽「……っ!」
花陽(…そうだ!せっかく凛ちゃんが頑張ってくれたのに、私が抜かれちゃダメだよ!)
花陽(うぉぉぉ!)
タタタタタタッ
凛「かよちん……」
花陽(よかった…なんとかなりそう…)
凛「凛は信じてたよ…かよちんならきっとできるって」
花陽(…よしっ、あと5メート……)
コツッ
花陽「……あっ」フラッ
凛「えっ?」
ドテッ バタン
――――
花陽「はぁ……」
凛「かよちん……」
マアキニスルコトナイヨ
ソウヨ アシタカテバイインダカラ
花陽「…みんな、ごめんね…」ウルウル
キニシナイデッテバ リレーグライデソンナニオチコマナクテイイノヨ?
花陽「……ありがとう」
凛「かよちん、大丈夫だよ。今日はたまたま失敗しちゃったけど…明日はきっと大丈夫だにゃー!!」
花陽「……」
花陽(…ごめんね凛ちゃん。多分、何回やっても結果は同じだよ)
花陽(私がみんなの足を引っ張って……負けちゃうんだ)
凛「じゃーねーかよちーん!また明日!」
花陽「…また、明日…」
テクテク
花陽「はぁ…明日が本番かぁ……」
花陽「…明日なんて、来てほしくないなぁ…」
花陽(はぁ…リレー、いやだなぁ…)
TV「明日の降水確率は80%、ところによって強い雨に見舞われるでしょう」
花陽「雨…降ったらいいな。そうしたら…運動会もなくなるよね」
翌日 学校
ザァーーーッ
「残念だけど…今日は雨なので運動会はできません」
エー ナンデー ヤロウヨー
ショウガナイデショ アメハドウシヨウモナイヨ
花陽(よかった、今日は運動会がなくなって…)
凛「かよちん…いいことあった?」
花陽「…ううん、何でもないよ」ニヤニヤ
花陽「明日の天気は…」
TV「降水確率は50%です」
花陽「50パーセント…」
花陽「ちょっと低いけど…降らないわけじゃない…よね」
花陽「…そうだ!」クシャクシャ
逆さてるてる坊主
花陽「神様、お願いします…」
花陽「どうか…雨が降りますように」
ザァーーーーッ
マタアメー? コマッタワネ
花陽(このまま雨が続けば…運動会がなくなったりして)
花陽「へへっ…」ニヤニヤ
凛「……」
ウンドウカイナクナッッチャウノ?
先生「大丈夫、運動会は絶対にやります。だから心配しないでね」
花陽「……っ」
花陽(そうだよね…いくら先のばしにしたって、いつかは…)
花陽「でも……」
花陽「明日の天気は…降水確率30%」
花陽「大丈夫、まだ30%もあるから…」
パンパン
逆さてるてる坊主「」
花陽「神様、お願いします…」
ザァァーーーッ バシャバシャ
花陽「すごい…今までで一番の雨!」
花陽「びっくりだなぁ…。もしかして、神様が私のお願いを聞いてくれたのかな?」
『そうやよ』
花陽「えっ?」
『花陽ちゃん、今のあなたは自由自在に天候を操れるんよ』
花陽「ど、どちらさまですか!?」
『神様です。こんにちは』
花陽「こ、こんにちは…」
『では、さようなら』
花陽「ええっ!?もう行っちゃうのぉ!?」
花陽「私が天候を操れるなんて…冗談だよね?」
花陽「でも…もしかしたら」
花陽「雨やめー!」
ザァーッ ピタッ
太陽「」ポカポカ
花陽「……本当だ。すごい…!」
花陽「って、雨が止んだら運動会ができちゃうよ!」
花陽「雨降れー!!」
ザァァーーッ
ウェーン イツニナッタラウンドウカイガデキルノ!?
モウヤダー! アメナンテナクナッチャエ! アメノバカ!
花陽「……っ」
花陽(そっか…みんなは運動会を楽しみにしてるんだよね)
花陽(私が雨を降らせたせいで…みんなを悲しませちゃったんだ…)
花陽(私のせいで…)
凛「かーよちん」
花陽「凛ちゃん…」
花陽「…何にもないよ?むしろいいことがあって…」
凛「…かよちん、嘘つかないで」
花陽「……」
凛「昨日までかよちん、雨が降ったら嬉しそうだったよ。でもね、今は悲しそう」
凛「凛もね、最近悲しいんだ。雨が降ってばっかりで。せっかくかよちんと一緒にリレーができると思ったのに…」
花陽「……」
凛「かよちん、凛と一緒にリレーをやるのはいや?」
花陽「…ううん、そんなことないよ」
花陽「…そっか、気づかれちゃったね。ごめんね、私のせいでリレーに負けちゃったらと思うと、いやになっちゃって…」
凛「そんなの気にしないでいいよ」
凛「凛はかよちんと一緒に走りたい。勝ち負けなんてどうだっていいよ。かよちんと凛で一緒に走れることがうれしいんだ」
花陽「凛ちゃん…」
凛「それに、リレーはかけっことは違うんだよ?一人で戦うんじゃなくて、チームで戦うんだから!」
凛「凛とかよちんが一緒なら…何だってできるよ」
花陽「……」
凛「明日は…晴れるといいね」
逆さてるてる坊主「」ブラーン
花陽「…てるてる坊主さん、今までごめんね」クイッ
てるてる坊主「」ブラーン
花陽「…うん、やっぱりこの向きの方がいいね」
花陽「明日は…晴れますように」
花陽「って、こんなことしなくても力を使えばいいんだけど…」
花陽「なんか…今は使いたくないかな」
太陽「」ピッカー ポカポカ
花陽「…うん!いい天気だね!」
学校
凛「あのね、二人に相談があるんだけど…」
エエッ!イマカラ?
凛「うん…ダメかな?」
ウウン、リンチャンガソウイウナラワタシハシンジルヨ
ワタシモ!
凛「二人とも…ありがとう!」
―――
イチニッ イチニッ
花陽(もうそろそろ…)
「リレーの選手は集合してください」
花陽「…凛ちゃん、行こっか」スタッ
凛「待って、かよちんはそっちじゃなくてこっち」
花陽「え?第2走者はあっちに集合して…」
凛「ごめんねかよちん、走順を変えてもらったんだ」
花陽「…えっ」
花陽「……?いいんだけど、どうして急に順番を変えたの…?」
凛「ねえかよちん、かよちんは凛のこと信じてくれる?」
花陽「どうしたの…?もちろん、私は凛ちゃんを信じてるけど…」
凛「だったら何にも心配しないで!かよちんが何番目で走ってきても…凛が全員抜いて、一位でゴールするから!!」
花陽「……!」
凛「だからかよちん!勝ち負けなんて考えないで!凛と一緒に楽しく走ろう?」
凛「約束だよっ!」
花陽「凛ちゃん…」
凛「さ、そろそろいっくにゃー!」
イチニツイテ
ヨーイ ドンッ
タタタタタッ
ハイッ!
タタタタタッ
花陽(ああ…今は3位だ…)
花陽(これ以上抜かれちゃったら、いくら凛ちゃんでも…)
花陽(ううん、違う!)
花陽(凛ちゃんなら絶対大丈夫!だから…私は、私にできることをすればいいんだ!)
ハイッ!
花陽(よし!)
タタタタタッ
花陽「……」タタタタタッ
花陽「…はぁ…はぁ」
花陽「……」タタタッ
花陽(大丈夫…前の人にもあんまり離されてない)
タタタッ
凛(かよちん!)
花陽「はいっ!」スッ
凛「……」ストン
ビュゥーン
タタタタタタタッ
花陽「凛ちゃん……すごい」
凛「……っ!」ビューン
花陽「やった!2位の人を抜いた!」
凛「……はぁ…」ダダダダダダッ
花陽「1位の人に……追いついた!」
花陽「凛ちゃん!いっけぇぇ!!!」
タタタタッ
凛(抜く…絶対一位に…)
タタタタタッ
ゴール!!
ドッチガカッタンダロ ワカンナイ ドッチダロウ?
アカカナー? アオカナー?
凛「…はぁ…はぁ」
花陽「凛ちゃん……」
花陽「赤…お願いします」
凛「大丈夫…絶対赤が勝ったはず…」
「青組です!」
ワー キャー ヤッターッ
凛「……」
花陽「……」
―――――
凛「……」テクテク
花陽「凛ちゃん、すごかったよ。あんなに遠くから先頭の人に追いついて…」
凛「…でも、勝てなかった…」
花陽「凛ちゃん……」
凛「…かよちんと約束したのに!絶対凛が一位になるって!!」
凛「かよちん、ごめんね……」ウルウル
花陽「……」
凛「うえぇーーん!」グスグス
凛「…こんなことで泣いちゃうなんて、凛はダメだね…」ポロポロ
花陽「ううん、凛ちゃんは泣いてなんかないよ」
凛「グスッ…えっ?」
花陽「見て、あっちはあんなにお日様が出てるのに」
太陽「」ピッカー
花陽「私たちの上だけ…雨が降ってるよ」
ザァーーッ
凛「…ホントだ…グスッ…不思議だね!」ニコッ
花陽「あはは…」
凛「えへへ…」
花陽(ホントに不思議だね)
花陽(もう、雨を降らせることなんてないと思ってたんだけどな…)
花陽(私が雨を降らせたせいで、みんなを悲しませちゃったから)
花陽(でも、今だけは…)
花陽(雨のおかげで…泣いてた凛ちゃんが笑ってくれたんだ)
~~~~~
「…花陽!」
花陽「…あっ、真姫ちゃん。どうしたの?」
真姫「どうしたって…あなたこそどうしたのよ?急にボーっとしてしちゃって」
花陽「…ごめん、何でもないよ」
真姫「何でもないって言われても…」
凛「かよちん?」
花陽「……ねえ凛ちゃん」
花陽「5年生のときの運動会って…覚えてる?」
凛「……」
凛「あったりまえだにゃーー!!」
花陽「えへっ」ニコニコ
凛「…えへへ」ニコニコ
真姫「ちょっと、二人とも何で笑ってるのよ?」
凛「ごめんね、真姫ちゃんを仲間はずれにしたわけじゃないんだけど。これは凛とかよちんの秘密だから…」
ナニ?オシエテヨ!
エー、マキチャンニハオシエラレナイナー
ドウシテ!?
花陽(結局負けちゃったけど、あのリレーはいい思い出……)
花陽(ううん)
花陽(『最高の思い出』だったよ!!)
花陽(…あっ、練習のときに一回使っちゃったっけ)
花陽(あのときは、穂乃果ちゃんが喜んでくれてよかったなぁ…)
「あーしたてんきになぁれ!」トンッ
花陽「んっ?」ポンッ
ポトッ
靴「」ウラ
花陽「ううん、気にしないで」
子ども2「……」
花陽「どうかした?」
子ども2「あの…くつのむきがうらだったから。あしたは雨なのかなって…」
花陽「そっか…ごめんね、私がじゃましちゃったせいで。明日何かあるの?」
子ども2「うん!あしたはリレーのしょーぶなの!」
子ども1「ふたりでずっとれんしゅうしてた!」
花陽「…そうなんだ」
子ども1,2「「だからあしたはぜったいはれてほしいの!」」
花陽「大丈夫だよ」
子ども1,2「えっ?」
花陽「さっきのはナシにしよう?私にぶつかったせいで、神様が間違えちゃったんだよ」
花陽「私が…私の靴で明日の天気を占ってあげるね」
子ども1「えっ、おねえちゃんが?」
花陽「うん!安心して、私の占いは一回も外れたことないんだ」
子ども1「えー、ほんとかなぁ?」
花陽「ホントだよ」
子ども2「もしハズれちゃったら…どうする?」
花陽「うーん、そうしたら……」
花陽「二人が喜んでくれるかな」
子ども1、2「……?」
花陽「あーしたてんきにになあれ」スポッ
靴「」ピューン
子ども1、2「……」ドキドキ
花陽(二人とも…すごく真剣に靴を見てる。表か裏かどっちかな?って)
花陽(でも、靴の向きなんてどっちでもいんだ)
花陽(だって、もう決めちゃったから……)
花陽「明日は晴れ…ってね!」
ポトッ
おわり
幼少りんぱな好き
良かったよ
綺麗な話だな
ほわほわするな
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