【ラブライブ!】にこ「その花びらに込められた意味」
- 2020.04.11
- SS

希「あぁにこっち、おはようさん。ちょっと寄りたいとこあったんよ」
にこ「へぇ、それでいつもと違う道通ってるんだ。あ、なんか肩についてるわよ」ヒョイ
希「あらら、花びら…くっついとった?」
にこ「うん。これは…桜?朝から桜見に行ってたの?」
希「んー…秘密♪あ、その花びら…にこっちにプレゼントするわ!じゃ!」タッタッタ
にこ「花びらプレゼントって…え、ちょっと待ちなさいよ!一緒に行かないの!?」
にこ「桜の花びら…なんでそんなもの渡してきたのかしら」
にこ「希の事だから何かあるんじゃないかって思うけど」
にこ「桜の花びら………」チラ
にこ「………考えすぎか。ただの気まぐれって事も十分あるわね」
にこ「あ、こんな時間だわ。早く私も学校向かいましょ」タッ
にこ「ちょっと、希!このにこにーを置いていくなんてどういうつもり~?」ジト
希「え、あぁにこっち~。別にウチ、はよ学校行きたいっと思っただけやで?」
にこ「せっかく会ったんだし一緒に行こうと思ったのに…」
にこ「あ…なんか持ってきちゃったけど、この花びらどういう意味よ」
希「あぁ………意味なんて、特にないで?」
にこ「…あっそ、なら別に良いけど。それじゃ教室行くわ」
希「ほ、ほなな~」ヒラヒラ
にこ(でも隠すって事は…直接聞いても口を割ることはなさそうね)
にこ(桜の花びら………桜ねぇ…)
にこ(とりあえず放課後にパソコンで適当に調べてみましょ)
キーンコーンカーンコーン
にこ(やっと終わったわね。早速部室に向かおう…)
にこ「桜………桜ねぇ」スタスタ
穂乃果「あっ!にこちゃん!おーい!」ブンブン
穂乃果「ううん、その前に生徒会の仕事してくるよ!結構溜まっちゃってて…」エヘヘ
にこ「生徒会長なんだからしっかりしなさいよ…あ、そうだ」
穂乃果「?」
にこ「桜って言われて、なんか思いつくことってある?」
穂乃果「桜?桜………あ!桜餅!」ピーン
にこ「お菓子ね…うぅん…桜餅は特に関係してなさそうね」ムムム
穂乃果「あはは、穂乃果の家、和菓子屋さんだからそういうのしか思いつかなかったよー」
にこ「いや、ちょっと聞いてみただけだからいいの。仕事がんばりなさいよ」
穂乃果「うん!じゃあ、あとで部活でね~!」ブンブン
ガチャ
海未「おや、にこ一人だけですか?」
にこ「ん?あぁ、海未。そうよーまだ誰も来てないわ」カタカタ
海未「そうですか。穂乃果を探していたんですけど…」
にこ「え?穂乃果なら部室来る前あったわよ。生徒会の方に行くってー」カタカタ
海未「え!それは本当ですか…!?てっきりどこかで遊んでいると思って、見つけていこうかと…」
海未「毎日真面目に過ごして欲しいんですけどね………にこは何をしてるんですか?」
にこ「ちょっと、調べものをね………桜の事なんだけど」カタカタ
海未「桜?開花予想や名所などですか?」
にこ「いや、桜が持ってる意味について知りたいんだけど…なかなかよくわからなくてね」ハァ
海未「桜が持っている意味、というと…花言葉とかそういったたぐいですかねぇ」
にこ「!あぁ、花言葉!そういやそんなのもあったわね。ちょっと調べてみようっと」カタカタ
にこ「なーんかね、今朝、希にいきなり桜の花びらを押し付けられてね」カタカタ
にこ「理由を聞いたら変に隠すから調べてみようと思ったの…うわ、なんかいっぱい出たわね」
海未「そうですね、桜は種類によって細かく花言葉が決まっています」
にこ「え、海未って花とか詳しいの?」
海未「まぁ、作詞とかで結構役立つ時もあるので…それなりには」
にこ「そうだったのね。じゃあ…この桜が何の種類かわかる?ちょっと萎れちゃってるけど」
海未「見てみましょうか」チラ
海未「ん…?にこ、これは───…」
希「やっほ~皆おる~?って………あれ?にこっちだけ?」
にこ「そうよ。皆は先に屋上に居るわ」
希「そっか。じゃあなんでにこっち部室におるん?屋上行こう?」
にこ「…あんたに話があるからよ」
希「………っ」ビクッ
にこ「あんたが今朝くれた花びら…なんか理由があるんじゃないかって思ったの」
希「だ、だから!あれは特に意味はないって言ったやん~!」
にこ「そうやって隠すから、色々調べたわ…まぁ、大体は海未のおかげだけど」
希「もうえぇから、練習いこ…?な…?」
にこ「よくないわよ。話は終わってない」
海未「にこ、これは桜の花じゃありませんよ」
にこ「えぇ!?そうだったの?てっきり桜だと思ってたわ…」
海未「似ていますしね、間違えることも多いかと思います」
にこ「ずっと桜で調べてたのに…」ガックシ
海未「ははは…ほら、この花びらの先を見てください」
海未「先がまっすぐ尖っているでしょう?桜の花びらは先が割れているんですよ」
海未「桃の花言葉は確か…『愛嬌』だったと思います」
海未「あ、あと桃太郎の物語にちなんで、『天下無敵』なんてのもあったかと」
海未「『愛嬌』で『天下無敵』って…なんだかにこっぽいですね」フフ
ことり「あ、海未ちゃんここに居たの~?探したよ」
海未「あ…すいません。穂乃果を探しているつもりが、探される側になってしまいました」
ことり「穂乃果ちゃん、今日はなんだかやる気が溢れてるみたいだから、生徒会室行こう?」
海未「そうですね、行きましょうか。にこ、すいませんが行ってきますね」
にこ「ありがとう海未。もう少し色々あるか調べてみるわ」
海未「えぇ、それでは」
ことり「にこちゃん、あとでね~」
にこ「…まさか桃の花だったとはね~」
にこ「『愛嬌』に『天下無敵』…本当にこっぽい意味ね」
にこ「でも希のやつ…なんで隠したりしたのかしらね」
にこ「他に意味があったりして…」カタカタ
にこ「!」
にこ「これって…もしかして…」
~~~~~~~~~~~~~~~~~~
にこ「桃の花言葉に『愛嬌』と『天下無敵』ってのがあるって教えてもらったわ」
希「そ、そうや…にこっちにぴったりやな~って思って渡したん!それだけ!」
にこ「…違うでしょ?本当にそれだけなら、隠す必要なんてないじゃない」
にこ「だから調べたわ。他の…桃の花言葉を」
にこ「そしたら出てきたのよ、もうひとつ」
にこ「自分で言うのもアレだけど…」
にこ「『私はあなたのとりこ』」
にこ「今までの反応とかも見てると…希、あんたまるで…」
希「言わないで!…それ以上…行っちゃ…駄目や…」
希「駄目なんよ、はっきりさせたら、そこで……」
にこ「そこで?」
希「そこで…終わってしまうやん!今までが…今までの関係が!」
にこ「じゃあやっぱりあんた、本気で…にこの事が、好きなの?」
希「………うん」
希「ウチはにこっちの事が、好き。本当に本当に………」
希「好きになってもうたんよ」
希「あたりまえやん…伝える気なんてなかったのに…まさかこんな形で…」
にこ「ずっと、隠す気でいたの?」
希「うん…だってそうやろ?ウチら見てみ?どっちも女の子やで」
希「女の子同士で仲いいってなると、普通のこと…」
希「でもウチの感情が、にこっちへの感情が、普通の友達でおさまりたくないっていうん…」
希「こんなんおかしい!って頭では分かってても、もうどうすることも出来ない大きさになってもうたん」
希「でも、伝えるわけにはいかない。今の関係を、壊すわけにはいかない」
希「なら…隠す以外に方法はないやろ?」ハハ
希「やっ、にこっち、こっち来ちゃ」
にこ「黙ってそこに居なさい。動くんじゃないわよ」トコトコ
希「……っ」
にこ「希…しゃがんでもぐしゃぐしゃの顔はばれてるわよ」ズイッ
希「み、見んといてよ…もう、離れてよ…」
にこ「なんか、勘違いしてるようだから言っておくけど」
にこ「あんたが、私にどんな感情を持っていてもね」
にこ「私があんたを嫌いになる…友達をやめるなんて事は絶対にしないわよ」
にこ「無理なんかしてない」
希「気ぃ使ってるんやろ」
にこ「全部本心よ」
希「じゃあ…にこっちは、ウチのこと…好き?」
にこ「………好きよ。大好きよ。でもそれは…」
にこ「…あんたと同じ好きじゃないわ」
希「~~~っ!」
希「…えっ?」
にこ「正直、同性から恋愛感情を向けられたのなんて初めてだからね」
にこ「今だって凄く戸惑ってんのよ」
にこ「でもね、これからの私の気持ちなんて私にだって分からないの」
にこ「だから…答えが出るまで、考えたい」
にこ「もっとあんたと…希と向き合った上で、気持ちの行く先を知りたい」
にこ「こんなの、私のわがままだけど…少しの間、付き合ってもらっていい?」
希「しょ、正直、ウチの気持ちがばれたとき…」
希「にこっちに…っ、き、嫌われて…終わったって、思った、んよ…」
希「も、もう…っ近寄る、なっ…とか、言われ、るかと…っ」
にこ「そんなわけないじゃない…」
にこ「でも、ごめんね。希なりに考えて、隠してたことをこんな風に問い詰めて」
にこ「私って不器用だったみたい。こんなに泣かせるつもりは無かったの」
にこ「だから、その責任は取るわ。今はとりあえず…出すもの出しちゃいなさい」ギュッ
にこ「落ち着くまで、傍にいるから」
希「…うぅ、うぅっ……あ…ありが、とう…っ!」ギュ
希「う、うん…少しは…」ズズッ
にこ「そっか」サスサス
にこ「じゃあ、今ちょっと考えてみて…一つお願いがあるんだけど」
希「?」
にこ「とりあえず、あんたが見てた桃の花を見たいの。連れてってくれる?」
希「…うん、わかった。見よう、桃の花」
ことり「あれ、なんだかにこちゃんと希ちゃん遅いねぇ」
穂乃果「ホントだ!確か部室には居たよね…呼んで来ようか!」
海未「いえ、それは大丈夫です」
穂乃果「えぇ?なんで?」
海未「2人は、急用が出来たそうで、今日の練習にはおそらく出られないかと」
穂乃果「そうだったんだ!じゃあしょうがないね~」
ことり「…ねぇ、海未ちゃん?海未ちゃんが連絡受けてる様子は無かったけど…」
海未「…色々あるんだと思います。きっと」
ことり「………そっか」
にこ「平気も何も、あんたのその顔で行けると思うの?」
希「…行けない」
にこ「でしょ?だったらしょうがないじゃない」
希「でも、にこっちは行けたやん…」
にこ「あんな状態のあんたをほっとくほど私は非情じゃないってーの」
希「う…ありがとうございます」
にこ「どういたしましてー」
希「うん、あの角を曲がってすぐのところにあるんよ」
にこ「ふぅん、どんなもんかしらね~」
希「ほら、あそこにあるのが」
にこ「…おぉ~大きい木ね!花も結構咲いてる」
希「見つけたのはたまたまやけど、こうして時々見に来てたんよ」
にこ「一人で?」
希「…うん、一人で。この桃を見ながら、にこっちの事考えてた」ハハ
希「桃のことを少し調べたら、あんな花言葉を見つけて…」
希「『愛嬌』『天下無敵』『私はあなたのとりこ』」
希「ウチの状況にぴったりすぎて、声も出ぇへんかったんよ」
希「それからは、大きなにこっちや~なんて言いながら見に来てた」
希「まさか、小さいほうのにこっちと一緒に見ることになるとは…」
にこ「突然おちょくるのやめなさいよ」
希「?」
にこ「この桃の花を見にくるまでの間、考えたんだけど…」
にこ「朝、偶然会ったとき」
にこ「花びらを渡されて、その意味を知ったとき」
にこ「直接、気持ちを聞いたとき」
にこ「どれも、すごく嬉しかったのよ」
にこ「隣で一緒に歩いてれば、すごく安心する」
にこ「…気付いたのよ。私がそう思えるのは、希しか居ない」
にこ「さっきは…気持ちの先を知りたい、なんてかっこつけちゃったけど」
にこ「もう答えはとっくに決まってたみたい。ほら、これ持って?」ギュ
希「…?」チラ
希「…桃の、花びら」
にこ「…希、知ってる?桃の花言葉はね…」フフ
にこ「『私はあなたのとりこ』なのよ」
にこ「あー、希、ごめん。先に謝っとくわ」
にこ「………今までの関係、壊しちゃうけどいい?」
希「!…う、うぅっ………」ズズッ
希「…天下無敵には、かなうわけないやん…なぁ…」ゴシゴシ
にこ「あー、また泣くの?ったく涙もろいんだから…」
希「誰のせいやと…」
にこ「これからは、泣かせるのも慰めるのも私だけだから」ニコ
希「…にこっち、悪い顔しとる…愛嬌のかけらも見当たらん」
にこ「なんでよ。愛嬌であふれてるでしょうが」
希「1日に2回も泣かされた…。もうこれ以上は身体がもたん…」
にこ「倒れても私は担げないからね。小さいほうだから」フン
希「え、地味に根にもっとるな」
希「…繋ぐ。にこっちの小さいおてて」ギュ
にこ「また言ったわね?ほんと、調子良いんだから」ギュ
にこ「…これからよろしくね、希」
希「うん…こちらこそ、にこっち」
おわり
リレー形式のSSだとどうしても完全にくっつけられないのがもどかしくて
今回カプを決めて書き溜めたんですが、なかなか難しいですね
ありがとうございました!
にこ「その花びらにくちづけを」で続編頼む
花言葉って素敵
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