【ラブライブ!】海未「絵里は来ていないのですか?」
- 2020.04.12
- SS

海未「いえ、いつも生徒会のお仕事お疲れ様です。…ムリせず休養すべきときはしっかり休養してくださいね」
希「優しいなぁ~海未ちゃんは、夏の合宿や秋の合宿の時とは大違いやん」
海未「む、その言い方では私が今まで優しくなかったみたいではありませんか」
海未「……まあ、まだあの頃は指導の仕方も手探りでしたし、今は最終予選も終わって結果を待つだけですから少しだけ余裕が出てきたのかもしれませんね」
希「あの時から3ヶ月しか経ってなくてこれなんやから、やっぱり海未ちゃんはスゴイ!」
海未「あ、あまり褒めないでください///これもひとえに皆様のおかげですから」
希「そう言ってくれると、なんだかウチも嬉しくなってくるなあ…っと、みんなを待たしてもいけないし、そろそろ着替えようかな」
海未「はい、そうですね。みなさん先に屋上へ行っていますので、準備ができたら希も………」
海未「……あ」
海未「そういえば、絵里は?私より先に来てもいませんでしたし、もしかしてまだ仕事なのですか?」
希「え?えりち?えりちは今日は欠席してるんよ」
海未「け、欠席ですか!?あの絵里が!?」
希「どうも熱出したみたいで…インフルエンザかもわからないからとりあえず今日は病院行くって」
海未「あの、いつもしっかりしていて、体調管理も万全な絵里が……」ブツブツ
希「いや、えりちはしっかりしてるけど、風邪引くときは引くと思うよ……」
希「ていうか」
希「海未ちゃん、知らなかったんやね。てっきりもう聞いてるんかと思ってた」
海未「え、えぇ…今日は朝練がなかったので様子がわからなくて……」
希「ああいや、そうやなくて」
希「もっとメールとかで連絡取り合ってるのかと思ってた、ってコト」ニヤニヤ
海未「絵里とですか?…まあ、スケジュールの予定を立てたりなどでたまに連絡するくらいですか……まあ、私が文字を打つのが遅いので、携帯自体あまり使っていないのもありますが」
海未「はい、そうですね!今日は9人曲のおさらいをしようと思いましたがやはりユニット練習でいきましょう!」
希「ぇ」
ワン!ツー!スリー!フォー!
海未(それにしても…)
海未(絵里が休み、ですか……)
海未(思えば絵里が居ないμ’sというのはオープンキャンパス以前まででしたか)
海未(絵里がμ’sに入る以前にも彼女とは色々と関わりがありましたし)
海未(…個人的な付き合いとしてはもっと以前から、廊下で会った時に挨拶をしたり、部活関連で生徒会に出向いたり……)
海未(いつの間にか彼女は私にとってかけがえの無い存在となっていました)
海未「『私』にとって……?」
凛「?どうしたの?」
海未「ち、違いますっ!///」
凛「にゃ!!!?」ビクッ
海未「あ、す、すみません……続けましょうか」
海未(今のは…そう、言葉の綾です。『私たちμ’s』にとって、が正しいですね)
海未「………」
海未(…本当にそうでしょうか)
海未(私個人としても絵里はかけがえの無い存在なのでは…?)
海未(その、そういう意味ではなく……あくまで、大切な友人という意味で、です)
海未(…私には今まで、特に親しくしてくれる友人が穂乃果とことりしかいませんでしたから、μ’sの皆さんのように私のことを気にかけてくれる方たちはとても安心させてくれて)
海未(絵里は特にダンスレッスンを交代で指導してくれたり、相談にも乗ってくれるなどしてお世話になりましたから、確かに『私』にとっても大切な存在です)
みんな「はーい!」
海未(そういうわけで、私は絵里のことが好きですが、決して、決して恋愛には発展しない『好き』なのです)
海未(って…誰に言い訳をしているのでしょう。自縄自縛とはこのことですね)
海未(でも……やっぱり…)
海未(会いたい…です)
海未「………」ゴソゴソ
海未(普段休憩中に私は携帯を取り出しませんが、穂乃果や花陽に混ざって私も携帯を取り出します)
海未(珍しいからでしょうか、二人が不思議そうに見ていますが気にしないことにして、らいんを起動します)
『体調は大丈夫ですか?』
海未(送り終えてから、しまったと思いました。絵里はいま病院かもしれませんし、そうでなくとも風邪を引いているのですから、携帯画面を見るのも億劫でしょう)
海未(そもそも、大丈夫でないから休んでいるのでしょうから、今のメッセージは不適当だったと思いました)
海未(慌てて詫びの言葉としっかり休むようにという旨のメッセージを送ろうとした途端、先ほどのメッセージに既読の文字が)
『あ、練習サボってるのバレちゃった』
海未(なにがサボったですか)
『希から聞きましたよ、体調が優れないのでしょう?』
『ただの風邪だったわ、心配しないで』
『熱はどれくらいでしたか?』
『38.6°C』
『結構高いですね……お休み中のところこのようなメッセージを送信して妨げてしまってすみませんでした』
『大丈夫、私もちょうど誰かと話がしたかったところだったから』
穂乃果「海未ちゃん、そろそろ練習始めない?」
海未「あ……もうそんなに経っていたのですか」
海未(文字を入力するのが遅く、夢中になっていたためか、10分がとても短く感じられました)
『すみません、そろそろ練習を再開しなくては。なにかあれば連絡ください。明日と明後日は休みですので、しっかり休養を取る様』
海未(入力候補を使いながらなんとか打ち終わって練習に戻ります)
海未「それでは、今日はこの辺りで終わりにしましょうか。みなさん、お疲れさまでした」
みんな「お疲れさまでした!」
海未(さて…と、帰りましょうか。最近は日舞の稽古をあまりしていなかったので今日か明日はお母様に………)
海未(そんなことを考えながらバッグを持ち上げ、ついで携帯を確認すると通知が来ていました)
『ごめん、帰ってくる時ゼリー買ってきてくれる?チューブで10秒メシみたいなこと書いてるやつ』
『ごめんなさい、亜里沙と間違えたわ』
海未(なんですかそれ、と心の中でツッコミを入れていると、そのメッセージの10分後に送信されたものを見つけました)
『あいたい』
海未「……すみません、穂乃果、ことり。今日は先に帰らせていただきますね」
海未(考えるより先に体が動いていました。廊下を見られたら先生に怒られること間違いなしの速度で走り、急いで学校から出ました)
海未(練習後ということもあり、荷物を持ったまま長距離を走れず、一旦落ち着いて歩みを止めます)
海未(と、とりあえず…そこのコンビニでお見舞い品でも買っていきましょう)
イラッシャイマセ
海未(とりあえずチョコレートと…絵里が言っていたゼリーは…亜里沙が買っているそうですがとりあえず買っておきましょう)
海未(……そもそも)
海未(風邪を引いている方のお見舞いに行ってもよろしいのでしょうか、今更ですが)
海未(……玄関先でお土産を渡して疾く帰るのが最適なのでは?)
海未(しかし、絵里から『あいたい』と言われましたし…)
海未(いえ、そうではありません。私が会いたいのです)
海未(思えば今日は絵里のことばかり考えていたような気がします)
海未(今日だけではなく、昨日も、先週もずっとです)
海未(ああ、もう、認めるしかないのでしょう。つまり……そういうことなんじゃないですか)
『はい、絢瀬です』
海未「絵里さんの後輩の園田海未と申します。今日は絵里さんのお見舞いに伺……」
亜里沙「海未さん!?」ガチャ
海未「ぶっ!?」ゴツッ
亜里沙「あ、すみません…」
海未「あ、亜里沙……もう少し静かに開けていただけたら嬉しいのですが…」
亜里沙「すみません…突然海未さんが玄関の前に居ましたから、つい興奮しちゃって…」
海未「いえ…大丈夫ですよ。…それで、絵里は……?」
亜里沙「お姉ちゃんは…さっき見たときは寝てました。海未さんもよかったら顔だけでも見せて帰ってあげてください、きっと喜びますよ」
海未「ありがとうございます、そうさせていただきますね」
海未「ええ、いってらっしゃい。留守番は任せてください」
亜里沙「あ、ありがとうございます!」
亜里沙「やっぱり、ゼリーだけじゃなくてちゃんとしたものも食べさせてあげたほうがいいと思うので……」
海未「姉思いなのですね」
亜里沙「いつも世話になってますから、たまには私が作ってあげないと」
海未「そうですか。…それではいってらっしゃいませ。あ、それと一応ゼリーは私は買ってきましたので」
亜里沙「本当ですか?なにからなにまで…ありがとうございます。じゃあ、いってきますね♪」
ガチャ
海未「………さて」
海未「…失礼します」
海未(静かにドアを開け、うるさくない程度に挨拶をしましたが返事はなく)
絵里「………」
海未(盛り上がったベッドに美しい金髪が見え隠れしていました)
海未(ドアを閉め、静かに絵里に歩み寄ります)
海未「絵里、お見舞いに来ましたよ」
絵里「………」
海未「ゼリーとチョコレートを買ってきました。風邪を引いている時にチョコレートが有効なのかどうかはわかりませんが、よろしければどうぞ」
絵里「………」
海未「………お休み中のところ、あまり長居をしてもご迷惑かと存じますが、亜里沙に留守番を頼まれています、もう少し側にいさせてください」
海未(って…今のは結構恥ずかしいセリフなのでは…///)
海未「……はぁ…」
海未(どうせ寝ているのですから、もう少し素直になったらどうなんですか、私は)
海未「…会いたいと言ってくれてありがとうございました。とても嬉しかったです」
海未「私も……絵里に会いたかったです。絵里が休みだということを聞いてからは、なんだか物足りなくて…少し寂しかったですから」
海未「あなたはとても努力家で、同時に周りを牽引していこうと率先して動きますから、たまにはこういう日も必要なんだと思います。ゆっくり休んでくださいね」
絵里「……ん」モゾ
海未「すみません、喋りすぎてしまいました。うるさかったですよね」
絵里「………」
海未(顔も少しだけ赤いですし、やはりシンドいのでしょうね)
絵里「………」
海未(でも、こんなことを思うのはもしかしたら不謹慎なのかもしれませんが、絵里の寝顔はとても綺麗で、吸い込まれそうなほどでした)
海未(……いえ、『吸い込まれそう』ではなく)
海未「………」ズッ
海未(すっかり私は絵里の虜となっていました)
海未「本当に…きれい……」
海未(思ったことがそのまま口に出てしまいましたが、もはやそんなことはどうでもいいのです)
海未(好き、好き、好き。)ソーッ
絵里「起きてるわよ」パチッ
海未「うひゃあああ!?」バッ
絵里「ちょ、少し声抑えて…頭に響くわ」
海未「ぁ…ごめんなさい……あ、あの…いつから…///」
絵里「いつから?……あぁ、いつから起きてたと思う?」ニヤニヤ
海未「そんな前から起きてたんですかっ!?///」
絵里「どうかしらね~」ニコニコ
絵里「うわ…汗びっしょり。気持ち悪いわね」
海未「そ、それでしたら、私が拭いて差し上げましょう!洗面所お借りしますね!」アセアセ
絵里「あ、ちょっと海未……」
バタン
絵里「………」
絵里「…なんとなくカマをかけてみただけなのだけれど……」
絵里「あの焦り様…ホントに何してたのかしら?」
絵里「海未のことだからきっと些細なことでも恥ずかしくなっただけ…よね?」
海未「失礼します」
海未(ドアを開けると、絵里は体を起こしてゼリーを吸いながらこちらに向かってニコリと笑っていました)
絵里「色々買ってきてもらってありがとう。…お財布はどこにしまったかしら……」
海未「あ、構わないんです!お見舞いのつもりですから、そのまま受け取って頂ければと…」
絵里「そう?それじゃあお言葉に甘えて……」チューチュー
海未「さあ、体を拭きましょう?勝手にタオルと洗面器をお借りしましたが……」
絵里「随分手際がいいのね、もしかして今までに色んな子の看病と言う名目でお家に上がりこんでたのかしら」クスクス
海未「私をなんだと思っているのですか……こんなことするの、絵里が初めてです」
絵里「冗談よ。…それじゃあ、お願いしようかしら」
ヌギッ
海未「ぶっ!?」
絵里「え?」
海未(目の前に映ったのはまるで絵画にでもありそうな、ブロンドの髪の女性が上半身を隠すことなく露わにしているという光景)
海未(すば………素晴らしい光景でした)
海未(…ではなく)
海未「全部脱がなくても…!///」
絵里「なによ、脱がないと拭けないでしょう?」
海未「それはそうですが…!」
海未(形が整っていて…私よりもずっと女性的な胸……ってそうではないでしょう!!)
海未(…はっ!そう、そうです。これはれっきとした医療行為ではないでしょうか、邪念は一切捨て去るべきです!)
海未「はい、拭かさせていただきますね」
海未(そういうと絵里はきていた布団を端へやり、こっちに来て、というようなジェスチャーを取りました)
海未(人が既にいるシングルベッドに乗る…というのは、とても緊張します…当たり前なのでしょうが)
絵里「それじゃあ…お願いします」
海未(絵里は私に背を向け、いつでもどうぞと言うような感じです)
海未「………」ゴクリ
海未(ただ友人の体を拭こうとしているだけなのに、生唾を飲み込む自分が恥ずかしくなってしまいました)
海未「では、始めますね」ピト
絵里「んっ………」ピク
海未「大丈夫ですか?熱かったら言ってくださいね」
絵里「大丈夫よ、丁度いいわ」
絵里「………」
海未(汗を吸い取るように優しく押し当てます。絵里の鼓動が手を通して伝わってきますが、私の方が緊張していて、うまくわかりません)
海未(なんとなく沈黙に耐え切れず、こちらから話を切り出します)
海未「そういえば、結局インフルエンザではなかったのですよね」
絵里「うん、普通の風邪。それでも感染しちゃうと悪いし、こんなことさせておいて言うのもなんだけど…」
海未「私がやりたくてやっているんです。それに私はこの何年か風邪を引いた憶えはありませんので、ご心配なく」
絵里「頼もしいわね。…というか今更なんだけれど、本当に来てくれるなんて思わなかった」
海未「なんとなく人肌恋しくなってるのかなと思いまして…様子を見に行きたいと思いましたし…それに、ゴニョゴニョ…」
絵里「??」
絵里「そ、そう。あの時確かに意識が朦朧としてて、誰にどんな内容打ったのかわからずに送信しちゃって…後で見返して自分でなんか申し訳なく思っちゃったわ」
海未(ん……?『誰に』?)
海未(てっきり私は、絵里が『私』に会いたくてメッセージを送ったものと思っていたのですが)
海未(誰でも良かったんじゃないですか……早とちりをしてしまって、一人で舞い上がって…なんて恥ずかしいんでしょうか)シュン
絵里「…でも、海未でよかった」ニッコリ
海未「っ///」
海未「も、もう//そういうのはやめてください///」
絵里「いいじゃない、本心なんだから」
海未「ずるいですよ…」ボソ
海未(本当に、あなたは……私がこんなに悶々としているのに、それをすぐに吹き飛ばしてくるんですから)
海未「大体…終わりましたね。あとは…」
絵里「あ、ごめんなさい海未。もしよかったら腰のあたりもお願いできるかしら。このへん」ユビサシ
海未(そういって絵里は、臀部近くを指差します)
海未「そ、そこですか!?」
絵里「ええ、脱がさなくてもいいから、パジャマの中に手を入れてちょっと拭くだけでも…」
海未「わ、わかりました…」
海未(覚悟を決めてパジャマへ手を伸ばします)グイ
海未(チラと中身が見え、普段意識しては絶対見ないところが見えてしまいました)
海未(黒……!?私ならこんなの絶対履けません…///)
海未(っと…下着を見たいわけではないのです…きちんと務めを果たさなければ)
絵里「もう少し下もお願い」
海未「更に下ですか!?でもこれ以上は……」
絵里「大丈夫、海未のこと信じてるから」
海未「こんなときにそんな嬉しい言葉使わないで欲しかったです……」
海未(恐る恐る真っ黒な下着に手を伸ばします)グイ
海未(臀部…はさすがに見えませんが〔見ませんが!〕程よくついた肉の感触は感じられて、気が気ではありませんでした)
ギューッ ピシャピシャ
海未「お、終わりました…よ…」
絵里「ありがとう海未、気分的には大丈夫なんだけど動こうとすると気怠くて今日はお風呂に入れそうになかったから…とってもスッキリしたわ」
絵里「え、なんで」
海未「腋がまだでしょう?」
海未(言うと絵里は、最初から少しだけ赤かった頬を更に赤くして)
絵里「えっ、そ、そこは自分でやるわよっ!///」
海未「あ、そうですか?」
絵里「ついでに前も自分でやるわよ…海未って意外とエッチなのね……」
海未「なぜなのです……お尻は嫌がらないくせに」ボソ
絵里「はぁ~、体も拭いて、海未ともたくさんお喋りしちゃったから少しだけ気が楽になったわ」
海未「それはよかったです」
絵里「ごめん、眠くなったわけじゃないけれど、ちょっと横にならせて」
海未「えぇ、構いませんよ。ゆっくりお休みになってください」
絵里「寝ないってば。……生徒会長って結構大変そうに見えるでしょう?」
海未「え?なんですか突然……まあ、大変そうではありますが…」
絵里「実際結構大変なのよね~。」
海未「……え?」
絵里「……ごめん、自分でもなにが言いたかったかわからないわ」
海未「疲れているんですよ、大人しく休んでいてください」
絵里「……わかったわよ、そうするわ」
ポフッ
海未(そういうと絵里は仰向けになって、体重をベッドに預けていました)
海未「………」
海未(それから少しだけ話をして、いつの間にか口数が少なくなったと思えば、絵里はまた眠ってしまったようです)
海未「絵里。別に私はこの気持ちが報われようとは思っていないんです」
海未「今の関係でも十分幸せですし、関係を壊したくないです」
海未「あなたは色んな人から慕われていますし、ライバルも多いでしょう」クスクス
海未「けれど…今だけは近くに居させてください」
ギュウ
海未(絵里の手を布団越しに握ったつもりでしたが、掛け布団しか握れていなかったようです)
海未(たぶん、このぐらいの距離感が私には一番似合っているということなのでしょう)
『ただいまー』
海未「っと……亜里沙が帰ってきたようです。私は…そろそろお暇させていただきますね」
絵里「んっ……帰っちゃうの?」パチリ
海未「ええ、あんまり私と話してばっかりいると治るものも治りませんよ?」
絵里「話さなくてもいいわ。…ここに居て欲しいの」
海未「っ………」
海未「だ、ダメです、そんなこと言っても……」
絵里「いじわる……」
海未「…はぁ、わかりました。ではこうしましょう」
海未「今からあるおまじないをします」
絵里「おまじない?」
絵里「うーん……わかったわ。海未と一緒に居られないのは寂しいけれど、海未のお母さんに免じて聞き分けるわ」
海未「で、ですからっそういう言い方…!……まあ、いいです。行きますよ……」
ガシッ
絵里「う、海未…ちゃん?なんで私の顔をガッチリロックしてるのかしら…?」
海未「…今から私はとんでもないことをするかと思います。絵里がそれをどう感じるかはわかりませんが、もしイヤだと思ったらそのまま拒絶して、私のことを嫌いになってください」
絵里「な、なにを言って………!」
チュッ
海未「んっ……」チュッチュッ
絵里「ちょ、海未、落ち着きなさい」
海未「んーっ……じゅるる」
絵里「ひゃあっ!?」
海未「ちう……じゅるるる……んふ……」
絵里「ぁ……はぁ………」
海未「じゅるり……ぷは……」
海未「はぁ……はぁ……」タラー
絵里「…………」
海未「おわり…です」
海未「それではこれで失礼………」
絵里「待ちなさい」ガシッ
海未「はい………」
海未「『頬にキス』まではしていました、ですが『吸い上げる』まではしていません……」
絵里「そうよね、家族間であんなことやってたら流石に引くわ」
海未(絵里は頬についた唾液を指ですくい、拭き取りながら話します)
絵里「こんなにされたら、痕がついちゃうかも」
海未「すみません」
絵里「隠しきれないわよ」
海未「すみません」
絵里「スキャンダル間違いなしね」
海未「…すみませんでした」
海未「好き…だからです」
絵里「好きって……それはやっぱり…」
海未「あなたを一人の女性として愛しています」
絵里「………」
海未「もう、構いませんか?」バッ
絵里「返事とかは……」
海未「…聞きたくない」
海未(逃げるようにドアの前まで離れ、最後に…)
海未「本当に身勝手な行動、申し訳ありませんでした」
海未(頭を下げて、部屋を後にします)
亜里沙「あ、海未さん、ただいまかえりました。今からご飯作るのでよかったら海未さんも……」
海未「ごめんなさい亜里沙、日舞の時間なので…」
亜里沙「そうですか……それなら仕方がないです」
亜里沙「…あの、もしかしてお姉ちゃんと喧嘩でもしましたか?」
海未「……いいえ、ただ、私が絵里を困らせて、一方的に迷惑をかけてしまっただけなんですよ」
海未「お邪魔しました」ペコリ
ガチャ バタン
海未「……うぅ……あぁう…」
海未「なんてことを…してしまったのでしょう」
海未(結局は自制できずに……体が先に動いてしまっていました)
海未(なにを泣いているのです……泣きたいのは突然こんなことをされた絵里のほうでしょう…)
海未(週明けには必ずもう一度謝らなければ……)
海未(でも今は……なにもしたくない)フラフラ
絵里(あれからすぐに風邪は治り、今日は支障なく学校での生活を送れていました)
絵里(誰かさんが吸い出してくれたおかげ、などと頭の片隅で思いつつ…)
絵里「ぃよし!ここの書類は片付いたわ、希はあとどれくらい残ってる?」
希「ウチも……よし、できた。これで終わりです!」
絵里「今日は早く終わったわね、早く練習に合流しましょう?週末はみんなに迷惑をかけてしまったから、頑張って取り戻さないと…」
希「あー……それなんやけど…」
絵里「??」
希「今日、欠席者がえりちと入れ替わりで1人いるんよ……」
絵里「え、もしかして……」
希「海未ちゃん」
希「その印象は確かにあるけど海未ちゃんも体調崩すときはあるよ……」
希「このやりとり週末にもあったような…デジャヴかなあ?」
希「というか」
希「『もしかして』って……海未ちゃん、えりちのお見舞いにでも行ったん?」
絵里「…………ええ、来たわ」
希「へぇ~、やっぱり二人って……」
絵里「…なによ?」
希「なんでもないよ、練習行こうか」
希「…ところで、朝からずっと聞こうと思ってたんやけど」
希「その顔の絆創膏は?」
絵里「包丁使ってたら頬を切ったわ」
希「随分と…料理下手なんやね」
絵里「熱出てたから」
絵里「ただいま、穂乃果。…とは言っても、今日は海未がどこか行ってるみたいね?」
穂乃果「そうなんだよね~、海未ちゃんが風邪だなんてどれくらいぶりだろう、遠征でいないときはあったけど……」
穂乃果「あるはずの声が聞こえないからおかげで口内炎できちゃった」エヘヘ
絵里「それは…関係あるのかしら?まあずっと側にいる穂乃果が違和感を覚えるってことね」
穂乃果「一応、練習終わったら会いに行こうかなって思ってるから、絵里ちゃんもどう?」
絵里「え、私?私は……病み上がりだからまだ体に病原菌が残ってるかも。海未に迷惑かけてもいけないし…止めとこうかな」
穂乃果「そっか。残念、絵里ちゃんが来てくれたら、海未ちゃんも絶対喜ぶのに」
絵里「………それって」
穂乃果「??」
絵里「…いいえ、なんでもないわ。」
穂乃果「え?うーん…練習が終わってすぐ行くつもりだから…それから長くても1時間くらいはいるかも」
絵里「うん、わかったわ。ありがとう」
穂乃果「どういたしまして…?」
絵里「さて、そろそろ練習始めましょうか!」パンパン
穂乃果(なんであんなこと聞いたんだろ……?)
みんな「お疲れ様でした!!」
穂乃果「ことりちゃん、行こっ」
ことり「うん、海未ちゃん大丈夫かなあ」
穂乃果「大丈夫じゃないんじゃないかなあ、海未ちゃん多少調子悪くても学校来そうだし」
ことり「そ、それなら早く行かなきゃ!!」
穂乃果「そうだね…それじゃあみんな、さよなら~!」
絵里「………」
絵里「………よし」
ことり「食べられる状態じゃ………」ペラペラ
絵里(二人で海未の家に向かってるわね……)
絵里(それにしても……)
絵里(なんで私は二人を尾行しているのかしら……)
絵里(海未をお見舞いしたかったけれど、彼女たちと一緒に行くとなにかややこしいことになりそうで誘いを断ったけれど…)
絵里(やっぱり引き返して頃合いをみて様子を見た方が………)
ことり「っ」クルッ
絵里「!!」ビクッ サッ
ことり「………」
ことり「…ううん、なんでもなかったみたい」
絵里(………気づかれた、かしら)
絵里(別に気づかれても構わないけど、なんでここに?とかやっぱりお見舞いに行こうとか言われると困る)
絵里(…あ、海未の家に着いたみたいね)
絵里(…少し、時間を潰していましょう)
絵里(海未とは、きちんと話しておかないと)
絵里(たぶん海未は、溢れる感情に任せて行動してしまったことを申し訳なく思っているのだと思う)
絵里(なんでもない人に突然キスなんてされたら、それは怒るだろうし)
絵里(私の場合は……結果的に良いことでは…あったんだけど)
絵里(…とりあえず海未的には叱られた方が気が楽になるかしら)
絵里(告白の返事…よね)
絵里(もちろん私の心はもう決まっているし、考えることもないのだけれど)
絵里(海未が返事を拒絶する場合は大いにあると思う)
絵里(自分を責めているでしょうから、心を開かせてあげたいわ)
ピロリン
絵里「っと……」スッ
絵里(ことりから……?)
『帰ります。絵里ちゃん、ガンバってね♥ 』
絵里「………」
絵里(一体何を頑張れというのよ)
絵里(……言うほどそんな勘違いさせるような行動してるかしら?ちょっと意識して近づいてるだけじゃない?)
絵里(いや、結構思い当たる節があるわね……)
絵里(ともかく、折角ことりが気を使ってくれたんですもの、遅くならないうちに行きましょう)
ピンポーン
絵里「夜分遅くにすみません、海未さんと同じ部活の絢瀬と言います。海未さんは……」
ガチャ
海未母「いらっしゃいませ。寒いでしょうから、どうぞ中へ」
絵里「あ、はい!ありがとうございます」
絵里(着物きてる……)
絵里「とんでもないです、海未さんにはいつも助けてもらってばかりで…私の方が上級生なのに手助けしてあげられないばかりで……」
海未母「そんなことないと思いますよ、海未さんはいつもあなたの話を楽しそうにしていますから。あの子が他人の話をあそこまでするのは珍しいくらいです」
絵里「そう…でしょうか、少しでも海未…さんの助けになっていればいいのですか……」
海未母「…そういえば、先ほど穂乃果ちゃんとことりちゃんも来ていたようですが、入れ違いですか?」
絵里「それは…少し諸事情ありまして……二人で話せればいいなと」
海未母「……まあ、それならば私とお話ししている暇はありませんね。早く娘の部屋に行ってあげてください」
絵里「すみません、ありがとうございます」
絵里「海未?絵里です、起きてるんでしょ?」
絵里「………」
絵里「入るわよ……」ガチャ
絵里(布団を深めに被ってるわね…やっぱり狸寝入りじゃ…)
絵里「海未、突然来てごめんなさい。話したいことがあるから少し起きて……」ガバッ
絵里(言いながら布団をめくると)
海未「はぁ……はぁ…」
絵里「ぇ……」
絵里(息を荒げて寝る海未がそこにいました)
海未「ん……ぇ……えり!?」
絵里(私を見るや否や、驚く海未。どうやら本当に眠っていたらしい)
海未「どうして……」
絵里「お見舞いに来たわ」
海未「そんな…げほっげほっ……すみません」
絵里「……いや、こちらこそ謝るべきだわ」
絵里「私、あなたのこと仮病だと思ってたの、先日あんなことがあったからね。まさか本当に風邪だとは…うつしちゃってごめんね…」
海未「その話は…もう忘れてください、お願いします」
絵里「いいえ、忘れないわ。今日はその話をしようと思っていたのだけれど…」
絵里「あなたがそんな状態ならまずは看病されなさい」
絵里「そう、でも私は週末にあなたに随分とお世話になったわ。その分のお返しは私が勝手にやるつもりだから、大人しく受け入れなさい」
海未「………」
絵里「一旦体起こせる?」
海未「ムリです」
絵里「そうみたいね、私の時より酷そう」
海未「誰かさんに感染されたせいですよ」
絵里「ほんとにね。…ごめんなさいね」
海未「そこは『勝手に来たあなたが悪い』とでも行ってくださいよ…冗談なんですから…」
絵里「そんなこと言えないわ。…だって本当にあの時は嬉しかったんですもの」
海未「っ……///」
絵里「布団剥がすわよ」バッ
海未「うぅ……」プルプル
絵里「寒い?」
海未「わりと……」
絵里「まあそりゃ可愛いおへそ見せてたらそうなるわよね」ツン
海未「ひゃああっ!?」ビクッ
絵里「結構カタいのね…」
海未「突然人の体触るだなんてデリカシーに欠けています!!///」
絵里「ごめんってば……体拭いてあげましょうか?汗びっしょりだし」
海未「結構です、何をされるかわかったものではありません」
絵里「えー?海未は私にしてきたクセに………」
海未「そ、それは…そうですが……とにかく結構です」
絵里「ちょっと、大丈夫?」
海未「すみません……大きな声出しすぎました…」
絵里「ごめんね…普通に看病できたらいいのだけれど…」
海未「けれど…絵里と話すのは楽しいです」
絵里「そう…嬉しいわ」
海未「あなたと居るだけで心が安らぐ…というか、すべて任せられるといいますか…」
絵里「そこまで言ってくれるのはとっても嬉しいのだけれど…」
絵里「心の中にしまっておいたほうがいい言葉まで出てない?」
海未「はっ///」
海未「忘れてください……//」
海未「っ…からかっているのですか?それも忘れてください、気の迷いです」
絵里「こんな痕付けられて忘れられると思う?」ペリペリ
海未「あっ……結構大きく付いてたのですね…すみません」
絵里「まあ、痕については今はどうでもいいの」
絵里「あなたに返事をしていていなかったから、今から返事をしたいと思うのだけれど…」
海未「聞きたくないです」
絵里「そんなこと言ったって、動けないんだから聞くしかないでしょ」
絵里(そういうと海未は布団を深く被り直そうとしたけれど、手を差し込んで制止する)
絵里(そしてそのまま体を移動させ、負担をかけないよう海未の手だけを拘束して馬乗りに)
海未「な、なにを…!?」
絵里「大丈夫?重くない?」
海未「え、えぇ。大丈夫……ってそうではなく…!」
絵里「でもこれで、私の話を聞かないわけにはいかなくなったわね?」
海未「くぅっ……!」
海未「………」
絵里「遠回りに言うのは嫌だから、最初に言いたいことだけ言うわ」
絵里「あなたのことが好きよ、海未」
海未「なっ……!」
海未「嘘ですよ、そんなの…」
絵里「本当よ。私今、自分からあなたに近づいたけれど、とっても心臓の鼓動が早いの」
海未「…それは、私が絵里の看病につけ込んであんなことを言ったからです。…気の迷いですよ」
絵里「ふうん。……じゃあ海未、あなたはいつから私のことを好きになってくれたの?」
海未「それ、今言わなければいけませんか?///」
絵里「うん、必要なこと」
海未「でも、好きだとわかったのは本当についこの間、絵里が学校にきてなかったときなんです」
絵里(ふぅ、と一度息をついたのが私の顔にかかって少し変な気分になったけれど、黙って聞く)
海未「今日1日絵里に会えないと思うと、どうにも胸が締め付けられた感じがして……」
海未「そんなときあなたから会いたいと送られてきたので、体が勝手に動いていました」
海未「それで確信したんです、あなたのことが大好きなんだと」
海未「……これで満足ですか?」
絵里「うん、ありがとう」
絵里「やっぱり、勘違いとかじゃないみたいよ?」
海未「ぇ……?」
絵里「私がいつもあなたを手伝ったりしていたのは、半分が本心から力になってあげたいと思っていてやったことだけれど」
絵里「あとの半分は…意識してもらうため、とか、一緒に居たかったからなの」
絵里「それでもあなたは鈍感で…いつまで経っても気づいてくれなかった」
絵里「だから…あなたが好きになってくれて……告白までされちゃったっていうのは、思っていたこととは違うけれど、とても嬉しかったのよ?」
海未「そんな……でも、私は…」
絵里「逃げないで海未。受け容れて欲しいの」ギュッ
絵里「もちろん」
海未「人の風邪に浸けこんで強引にキスをする女ですが……」
絵里「私だってそうしてたかもね」
海未「あの……私でよければ…一緒に居させてください……」
絵里「私でよければ、なんてとんでもないわ。あなたと一緒に居たいの」
絵里「というか今のは… OKということでいいのね?」
海未「………///」コクリ
絵里「ふふ、よかった」
海未「いいえ、私も絵里と同じです」
海未「あなたがここにいると言うだけで、心が安らぎます。会話を交わすというのなら尚更です」
海未「……その、怖かったんです」
海未「絵里は色んな方から慕われていて、私なんかが好きになっていい人じゃないと思っていたのに」
海未「どんどん気持ちが高まって…キス……それ以上のことをしてしまうだなんて…」
絵里「それは…そもそもの前提が間違っているわ」
絵里「私だって普通の人間だから、普通に人を好きになって、好きになってもらって、普通のお付き合いをしたい」
絵里「そんなことを言えば海未、あなたの方が私にとっての高嶺の花だったもの」
海未「お互い様…ですか」
絵里「そうみたいね」クスクス
海未「あ、いえ…こう、馬乗り?にされて手を拘束される…というのは、何かとてもドキドキします」
絵里「ちょ、ちょっと…いきなりそんな爆弾発言しないでよ…やっぱり熱でやられてるんじゃないの?」
海未「さあ…どうでしょうか。ですが、発熱した時特有の人肌恋しさがあるようなので…何をされても構いませんよ…?」ドキドキ
絵里「ちょ……」
絵里「………」
絵里「それじゃあ…ちょっと疲れちゃったから…今から体勢を変えるけど、海未の上に覆い被さっても大丈夫?」
海未「はい、構いませんよ」
絵里「…多分、顔の位置が同じになると思うけれど…偶然唇が触れちゃっても大丈夫なわけね」ドキドキ
海未「そのときは…事故、ですから。仕方がないですね」ドキドキ
絵里(私をずっと見上げる明るい色の瞳に向かって、ゆっくり顔を近づける)
絵里(彼女の瞳だけをみていると、長めの瞬きをしたり、恥ずかしそうに目をそらしたり、早くきて、と催促するように見つめ返したりしていた)
絵里(そしてしばらくすると目を閉じたままになって、私も合わせて目を閉じる)
絵里(あと何cmくらいかしら…?あと、何秒で触れ合えるのかしら…?)
絵里(そんなことを考えていると)
グイッ
絵里「っ!?」
チュウ
海未「んっ……」
海未「っく……んぅ…」
絵里「ちゅ……れろ……」
海未「っ!?」ビクッ バッ
海未「はぁ……はぁっ…!」
絵里「ん……びっくりした、海未からキスしてくるだなんて……」
海未「そ、それはこっちのセリフです!今、舌入れてきましたよね!?」
絵里「いや、入れていいのかな…って」
海未「だ、ダメに決まってるじゃないですか!」
絵里「それはそうよね、ごめんなさい」
海未「あなたに風邪をうつしてしまいます!」
絵里「あ、そっち……」
海未「そ、そういう言い方は…破廉恥です…///」
絵里「……と、思ったけど看病らしい看病もしてないし…」
絵里「海未がやったあれ、私もやっていい?」
海未「あれ?」
絵里「ほら、おまじないがどうとか……」
海未「そ、それだけは本当に忘れてください!///」
絵里「あらそう、それじゃあ今からお母さん呼んできてこの前のこと話して………」
海未「や、やめてください!社会的に死んでしまいます!!」
絵里(覚悟を決めたように目を閉じる海未。けど甘いわよ、ほっぺにはしないわ)
絵里「んっ…ちゅ……」
海未「ひっ!?」ビクッ
絵里「はぁ…む……じゅるる」
海未「絵里っ!?そんなところっ♥ 」
絵里「れろ………んちゅ…はぁ…んく…」
海未「やだっ♥ そこっおなか♥ ♥ 」ビクビク
絵里「すき……はむっ…ちう……じゅる……」
海未「おねがっ♥ ♥ これ以上は…♥ 」ビクンビクン
絵里「おへそ……かわいい…♥ れろ…♥ 」
海未「あ__♥ ♥ ♥ 」ガクガクガク
海未「あっ……はぁ……♥ 」ビクビク
絵里「もしかしてあなた……」
ギュッ
海未「こっちに…♥ 」
絵里「ちょ、ちょっと…」
海未「もう、離しませんよ……♥ 」
海未「………すぅ」スヤスヤ
絵里「あの……動けないんだけど…」
海未「……ふふ♥ 」スヤスヤ
絵里「もう…いいか……」
絵里「………♥ 」スヤスヤ
絵里「んぁ………」
絵里「あれ…いつ寝たのかしら……」
絵里(まだ6時30分じゃない……もうちょっと寝ましょう…)
絵里(あれ?こんな時計私持ってたかしら…?)
絵里「ていうかここどこよ」
ガチャ
海未「おはようございます、絵里」
絵里「うん、おはよう海未………あれ?」
海未「はい、起きたら快復していましたので…絵里も入ってはどうですか?まだ時間はたっぷりありますよ」
絵里「えぇ、そうさせてもらうわ。昨日は私も入ってない……昨日?」
絵里「ね、ねぇ、海未…もしかしなくても私……」
海未「そうですね。一緒のベッドで寝ていました」
海未「ご丁寧に布団を上からかけてくださっていたので、おそらく母にもバレています」
絵里「……うわぁ……」
絵里「亜里沙は……」ゴソゴソ
絵里「通知がとんでもなく来てる……」
海未「とりあえず、お風呂をどうぞ。あまりゆっくりしていると時間になりますよ」
絵里「う、うん……」
絵里「意外と…理解のある人たちなのね…」
海未「まあ、一度娘を送り出していますから…ある程度は寛容なのでしょう」
絵里「私たちにとっては救いね……」
海未「さて、そろそろ出ましょうか、穂乃果とことりももうじき来るかと思いますので」
絵里「あ、そうだったわね。それじゃあ私は先に………」
ギュッ
絵里「え?」
海未「何を言っているのですか、あなたも一緒に行きますよ」
絵里「え、でも……」
海未「私は隠し事が苦手ですし、あの子たちには秘密にするということはあまりしたくないのです。ですから…構いませんか?」
絵里「…うん、わかったわ。行きましょう」
絵里「すみません、ご迷惑をお掛けしました」ペコリ
海未母「迷惑だなんてそんな…長女が帰ってきたようでした。またいつでも遊びに来てくださいね」
絵里「ありがとうございました」
絵里「……行きましょうか!」
海未「はいっ!」ギュッ
絵里「ちょ……///」
絵里「さすがに通学中にそれは…いきなり難易度高いんじゃない?」
海未「嫌でしたか?」
絵里「そんなわけ、ないじゃない」
海未「よかった……大好きですよ、絵里」
絵里「私も大好き…海未」
おわり
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