【ラブライブ！】希「ウチにも妹がいれば…少しは寂しく無くなるんやろか」

――練習後――

希「え～りち♪そろそろ帰ろか？」

絵里「ごめんなさい、希。今日は亜里沙と用事があって」

希「気にせんでええよ」

絵里「じゃあ、先に行くわね」

希「また明日な～」

希「じゃあ、にこっちは……」

希「いない…」

希「そういえば、妹ちゃん達のお世話があるって、練習終わってすぐ帰ってたなぁ……」

希（妹か…ちょっとうらやましいなぁ…）

希（家に帰って一人って状況には慣れたはずなんやけど…）

希（家族がいるっていいなぁ…）

凛「希ちゃん！凛と海未ちゃんと一緒に帰ろっ！」

希「凛ちゃん？花陽ちゃんと、真姫ちゃんと帰らなくてもええの？」

凛「真姫ちゃんは用事があるって車で帰って」

凛「かよちんは、ぷらんたんの３人で懇親会するからって行っちゃったにゃ」

海未「というわけで私もご一緒させていただきたいのですが、よろしいですか？」

希「そうやね、３人で帰ろうか！！」

――下校中――

海未「そういえば、この三人で帰るのも久しぶりですね」

希「そうやね」

凛「せっかくだし、凛たちも懇親会をしよう！！」

希「ええやん！！」

海未「いいですね」

海未「この時間ですし食事なんかどうですか？」

希「ということはラーメンかな？」

凛「いいの！？でも、３人の時はほとんどラーメンだから今日は別の物でもいいよ」

希「そうやねぇ…どうしようか？」

海未「そうですね…この前のユニット練習の時に希が話してた焼肉はどうですか？」

凛「あ！凛もそこ行きたいにゃ！！」

希「決まりやね！それじゃあ行くで～～！」

海未「確か、いいお肉を使ってる割に食べ放題が安いお店だとか」

凛「凛はおいしいお肉ならたっくさん食べられるよ！！」

海未「凛？食べ過ぎはいけませんよ」

凛「ううっ…気を付けるにゃ……」

希「まあまあ海未ちゃん」

希「せっかく楽しいごはんなんやし、そんなことは言いっこなしや」

凛「そうだよ!海未ちゃん！！」

海未「ですが……」

希「凛ちゃんはいっぱい食べたらその分練習するもんな～」

凛「凛頑張っちゃうよ！！」

海未「それならいいのですが……」

希「海未ちゃん」

海未「希？」

希「ウチはね、海未ちゃんの事が悪いって言ってるわけじゃないんよ」

海未「……」

希「むしろ、海未ちゃんがそうやって言ってくれるのは凄い事だと思う」

海未「凄い事…ですか…」

希「海未ちゃんはきっと真面目すぎるとか、空気を読めないとかそんな風に感じてしまってると思うんよ」

海未「ですが……現に先ほども……」

希「でも、ウチはそういう汚れ役をしてくれてるから今のμ’ｓがあると思ってるんよ」

希「練習の時も、勉強の事もいろいろ見て注意してるけど、みんなの事を思って言ってくれてるのはよく分かってるんよ」

希「さっきも、凛ちゃんの事を心配して言ってくれたんやろ？」

海未「……はい」

希「本当は海未ちゃんだって沢山食べて盛り上がりたいのに、そういう事を言ってくれるからすごいって思うんよ」

希「そういう事はウチやえりちや、にこっちが中心になってやらないといけないのになぁ」

希「だから、いつもありがとう。海未ちゃん」

海未「希……こちらこそありがとうございます……」

希「それに、普段は穂乃果ちゃんとことりちゃんがいるから余計に張り切っちゃうと思うんよ」

希「きっと、海未ちゃんは二人が考える真面目な海未ちゃんになろうとしてしまってると思うけど」

希「今日はウチと凛ちゃんしかいないし、少しぐらいはしゃいでもいいと思うよ」

海未「そうですね……」

希「ちょ～っとはしゃいで食べ過ぎたところでウチらは気にしないよ」

希「ね～凛ちゃん？」

凛「そうだよ！凛は口が堅いし！」

希「本当かなぁ？」

凛「希ちゃんひど～い！！」ﾑｰ

凛「それに内緒にしたい理由もあるんだよ！」

海未「理由…ですか？」

凛「海未ちゃんと穂乃果ちゃんとことりちゃんはお互いの事なんでも知ってる感じだけど」

凛「その穂乃果ちゃんとことりちゃんが知らない海未ちゃんの事を知ることができるって」

凛「ちょっと嬉しいなって」

海未「凛……」

海未「そうですね、今日はたくさん食べますよ！！」

凛「やったーーー！！」

希「そうこなくっちゃね」

海未「その分明日は練習頑張りますよ！！」

希・凛「おーっ！！！」

――食後＠帰り道――

希「はあ……もうおなか一杯や」

凛「凛ももう食べられないにゃ…」

海未「そうですね…私もお腹いっぱいです」

凛「でも、こんなに食べても２０００円しないなんてお得にゃ！」

海未「ええ、お肉もかなり美味しかったですし」

希「今度はみんなで来たいかな」

凛「そうだね！」

海未「私は……その……」

希「海未ちゃん？」

海未「また、３人だけで来たいです……」

凛「？」

海未「変なことを言うかもしれませんが」

海未「希が食事前に言ったように穂乃果やことり達がいると、色々気にしてしまって…」

海未「こういう風に食事を純粋に楽しんだのは久しぶりで」

海未「私にとってこのお店は、３人で楽しみたい特別なお店になってしまったみたいです……」

希・凛「海未ちゃん……」

海未「べ…別に穂乃果やことりや他のメンバーと食事することが楽しくないってわけではないんですよ」

海未「ただ…上手く説明できないのですが…」

希「それならここはウチら３人だけで来るお店にしよか」

凛「これでまた穂乃果ちゃん達に秘密が増えたにゃ～！！！」

海未「希、凛…ありがとうございます」

凛「海未ちゃん！手繋いでもいい？」

海未「？」

凛「今日はこうやってお家まで帰りたいにゃ！」

海未「ふふっ、いいですよ」

凛「えへへ～」

凛「でも、これじゃあ右手が寂しいにゃ…」ﾁﾗ

希「凛ちゃんはしょうがないなぁ」

凛「やったー！」

海未「こうしていると、私達姉妹みたいですね」

凛「海未お姉ちゃんと希お姉ちゃん！」

希「元気いっぱいであまえんぼさんな凛ちゃんと」

希「真面目でしっかりもの海未ちゃんが妹かぁ」

海未「そんな私たち二人を優しく見守ってくれるのが希姉さんってわけですね」

凛「やさしい希お姉ちゃんも」

凛「ちょっと厳しいけど凛の事をたっくさん考えてくれる海未お姉ちゃんもだ～いすき！！」

海未「ええ、私もですよ……希？」

凛「希ちゃん？どうしたの？」

海未「希…泣いているのですか？」

希「えっ！？そんなことないで！」

海未「本当ですか？」

凛「本当の事言わないと凛がわしわししちゃうぞ～」

希「全く……手のかかる妹たちや」

海未「でも、そんな私たちの事も見守っていただけるのでしょう？」

凛「希ちゃん？いつも凛の話聞いてくれてるし今日は凛が聞くよ？」

希「二人とも……」

希「最近、家に帰っても一人で…ちょっと寂しいなって思うんよ」

希「えりちやにこっちは、親がいない時でも妹ちゃんや弟君がいるし」

希「ちょっとうらやましいなって思ったりするんよ」

希「独り暮らしには慣れたと思ったんやけどなぁ……」

希「それで、海未ちゃんや凛ちゃんみたいな妹が本当にいたらいいなぁって思ってな…」

希「って変な話してごめんな」ｱﾊﾊ

海未「希……」

凛「希ちゃん……」

希「さっ、遅くなってもいけないし早く帰ろうか」

海未「そうですね…希姉さんの家に」

凛「今日は寂しがり屋さんな希お姉ちゃんと一緒に寝てあげる！」

希「二人とも……」

凛「そうだ！」

希「凛ちゃん？もう手はええの？」

凛「凛は希ちゃんの右手を」

海未「それなら私は左手を」

凛「これで寂しくないよね！」

凛「それじゃあ行こう！！」

希（これじゃあウチが寂しいんやなくて）

希（甘えたがりな妹たちがお姉ちゃんの手を仲良く半分こしてるみたいやん）

希（ウチには妹はいないけど…ちょっと手はかかるけど、こんな風にかわいい後輩たちがいるなら）

希（それだけでもいいかなって思うんよ）

希（でも…今日だけは手のかかる妹みたいな後輩たちに甘えてみよっと♪）

おわり

ほんのちょっとだけおまけ

希「やっと家についたなぁ」

希「今鍵開けるから待っててな」

海未「希、鍵を貸していただけませんか？」

希「鍵を開けるぐらい自分でやるよ？」

海未「そう言わずに、妹のわがままだと思って」

希「ふふっ、わかったよ」

海未「ありがとうございます」

海未「希姉さん、ここで待ってていただけませんか？」

希「いいけど…」

海未「凛は私と一緒に先に入りましょう」

凛「わかったにゃ」

希「？」

希「自分の家の前なのに入れないって、変わった状況やね」

ピロン♪

希「海未ちゃんからメール？」

海未『鍵開いてるので入ってください』

希「それじゃあ」ｶﾞﾁｬ

海未・凛「希姉さん（お姉ちゃん）おかえりなさい！」

希「……」

海未「希姉さん？家に帰ってきたときの挨拶を忘れていますよ」

凛「希お姉ちゃん？大丈夫？」

希「二人とも……」

希「た…ただいま」

海未・凛「おかえりなさい」

希「ウチ、この家に住んでから『おかえりなさい』なんて言われたの初めてや…」ｸﾞｽｯ

海未「希姉さんは、しっかりしているようで泣き虫ですね」ﾌﾌｯ

凛「希お姉ちゃん、泣かないで」ﾖｼﾖｼ

希「ホンマに……二人は……」

希「手のかかる……妹達やな……」

海未「それは」

凛「だって」

海未「泣き虫で手のかかる姉さんの妹ですから！！」

凛「泣き虫で手のかかるお姉ちゃんの妹だから！！」

おわり

俺が求めていたものがここにあった…
GJ