【ラブライブ!】客「ラーメン一丁お願い」凛(17)「かしこまりました!」
- 2020.04.13
- SS

客「いつも元気いいねえ」
凛「元気が凛の取り柄だからね!」
店主「…大分マシになったじゃねえか」
凛「!」
凛「はい! これからも頑張ります!」
凛(これが今の凛の日常)
凛(スクールアイドルを終えてからの新しい日常)
凛(こんな生活を送るようになったのはね…)
凛「お腹空いたぁ…」
凛「今日は朝食べてないし…お弁当も忘れちゃったし
凛「もう限界だにゃ…」
凛「かよちん…先にいくね」
凛「……………」
凛(いい匂いがする幻覚が…)
凛「ラーメンの匂い!!!」
店主「…いらっしゃい 注文は?」
凛「ラーメン‼」
……………………
店主「ラーメン一丁です」
凛「あぁぁ…美味しそう…!」
店主「………」
凛( 汁も麺も具材も…よくある物なのに…)
凛「美味しいにゃー!」
店主「…そうかい」
凛「んぐっ… もう一杯お代わり!」
店主「……少々お待ちください」
凛「今度は汁から先に…」
凛「あぁ…幸せぇ…」
店主「………」ニヤリ
店主「…お粗末様でした」
凛「ふ~ お会計お願いします!」
店主「ラーメン二杯で…640円になります」
凛「わかったにゃ!」
凛「財布財布…」
凛「あれ…?」
凛(財布…家に忘れてきちゃった…!)
凛「ごめんなさい! 凛財布を家に忘れちゃって…」
店主「何だと…?」
凛「え~っと…え~っと…」
店主「まさか食い逃げか?」
店主「警察を呼ぶしかないか…」
凛(マズイ…マズイよ…このままじゃ捕まっちゃう‼)
凛(この場を切り抜ける方法…この場を切り抜ける方法…)
凛「り、凛をここで働かせてください‼」
常連「そんな状況で雇う店主も店主だけどな」
店主「…黙って食って帰れ」
凛「もう! 常連さんだからってお客さんだよ! 優しく接しないとダメだにゃ!」
店主「アイツが勝手に来てるだけだ」
常連「随分な言い草だね…凛ちゃん、お会計」
凛「はい! チャーハンとラーメンとギョウザで1000円です!」
常連「ほい、丁度ね」
凛「ありがとうございました!」
店主「…………」
凛「凛も空腹でフラフラして偶然見つけた所だから…人がこないのかな?」
店主「……口より手を動かせ」
凛「は~い」
店主「…そうじゃない」
店主「いいか? 汁の仕込みのポイントはな…」
店主「お疲れさん、給料だ」
凛「ありがとうございます!」
凛「おぉ~こんなに…」
店主「…渡した人の前で開けるんじゃない」
凛「あ、ごめんなさい…」
店主「まあ嬉しい気持ちは分かるが」
凛「えへへ…」
店主「それじゃあ次は2日後だな」
凛「お疲れ様でした!」
凛「うぅ…バイトの次の日に朝練はツライにゃ…」
凛「お母さん寝てたからご飯はおにぎり…」
凛「これじゃ朝練力でないよ…」
凛(あぁ…ラーメンの匂いがまた浮かんで…)
凛「あれ? 店に明かりが付いてる…」
店主「今日は休みのはずだが?」
凛「えへへ…匂いにつられて…」
店主「お前は犬か」
凛「それで…店主さんは何を…」グウ~
凛「…////」
店主「…ちょっと待ってろ」
店主「軽い賄い作ってやるから」
凛「わあぁ…」
店主「これから部活か?」
凛「うん! 朝練だにゃ!」
店主「…………」
店主「そうか」
凛「ふっか~つ! 今日も元気にいっくにゃー!」
店主「…頑張れよ」
凛「じゃ、行ってきま~す!」
???「じゃ、行って来る」
店主「…夕飯は?」
???「いらない、泊まってくるから」
店主「…そうか」
???「第一こんなダッサイ家に帰りたくないから」
店主「………!」
???「じゃあね」
店主「……………」
凛「おはようございます!」
店主「…おはよう」
凛「今日も張り切って接客するにゃ~!」
店主「今日も餃子のコツを教える」
凛「はい! 今日も頑張るよ!」
店主「まずは鉄板の面を見てだな…」
凛「メモメモ…」
店主「よし、やってみろ」
凛「はい! よっと…」
店主「いらっしゃい…帰れ」
常連「おうおう、いきなり酷いねえ」
常連「凛ちゃん、ビールとラーメン」
凛「かしこまりました!」
店主「…かしこまりました」
……………
凛「お待たせしました! ラーメンですっ!」
常連「今日も元気だね」
凛「凛はいつも元気だよ!」
常連「ところで…蓮ちゃんはどうしたんだい?」
店主「……!」
凛「え? どうしたの?」
凛「タバコなんて一度も吸ってるの見たことないのに…」
常連「ああ、あいつはタバコは吸わん」
常連「全くあのバカ、まだ解決してないのか」
凛「解決?」
常連「…凛ちゃんは何も知らないんだね」
凛「え? そんなの初耳…」
常連「名前を蓮ちゃんといってな、ラーメンが好きな可愛い子でよく店を手伝っていた」
常連「確か音ノ木坂のはず」
凛「蓮ちゃん…覚えてないにゃ」
常連「話を続けるよ?」
常連「最近は反抗期で家を空ける事が多くなった」
常連「それだけならまだしも 私は聞いてしまった」
蓮「こんなダッサイ家、帰りたくないから」
常連「それを聞いたころかな、凛ちゃんが現れたのは」
常連「そもそもこんな閑古鳥が鳴く状態でバイトを雇うのが不思議だったんだが今話して分かった」
凛「凛を雇った理由? それは食い逃げで…」
常連「店主はそうじゃなかったってことさ」
常連「きっと凛ちゃんを蓮ちゃんに重ねていたんだよ」
凛「店主が…凛を?」
常連「腐れ縁の私ですらあの対応だ」
常連「それをあっさり受け入れた…」
常連「きっと心が弱ってたんだろう」
凛「………」
常連「そこで一つお願いだ」
常連「若い子同士、話を…」
店主「まだいたのか」
凛「そ、それは何よりだにゃ!」
店主「今日は奢ってやるから帰れ」
凛「へ?」
店主「今すぐ帰ってくれ…」
常連「はいはい、お邪魔虫は退散しますよ」
店主「星空、お前もだ」
凛「私も?」
店主「給料は予定時間分まで出すから…」
凛「…分かりました」
凛(お父さんにあんなこと言うなんて…)
凛(どうして…?)
凛(明日真姫ちゃんに聞いてみよう)
凛(会長だから生徒の名前で分かるよね)
蓮「…星空凛ね」
凛「知ってるんだ」
蓮「当たり前でしょ、伝説のスクールアイドルなんだから」
蓮「それで?伝説のスクールアイドルが何のようなの?」
蓮「カレシが待ってるんだけど」
凛「…………」
蓮「ああ、アンタあんなところでバイトしてるんだっけ?」
蓮「どうしてあんなクソな所でバイトしてるか知らないけどそれがどうかした?」
蓮「ま、私には関係ないけど」
凛「……しないで」
蓮「?」
凛「凛が働くラーメン屋をバカにしないで!」
凛「どうして自分の家のことをバカにするの? お父さんなのに!」
蓮「あんな古臭いラーメン屋なんて、私嫌いだから」
蓮「私は流行りのオンナでいたいからね」
蓮「その為に化粧も自分磨きも頑張って…」
凛「…ねえ」
蓮「何よ、流行りのスクールアイドルにもなってカレシの一人もいないセンパイ?」
凛「蓮ちゃんは…働いたことある?」
凛「やっぱり… その化粧も服も何もかも」
凛「全部お父さんが頑張って働いたお金で使えるんだよ?」
蓮「フン、親だから当然でしょ」
凛「……お父さんに謝って来て」
凛「心配してるよ? 今でも」
凛「誰もいない時にずーっと携帯を見てたもん」
蓮「……!」
凛「お父さん、待ってるからね」
蓮「…そろそろデートにいくわ」
真姫「…凛」
凛「あれ? 真姫ちゃん…先に帰ったはずじゃ…」
真姫「あんな怖い顔で聞いて来たら気になるじゃない」
真姫「『蓮ちゃん!蓮ちゃんはどこのクラスなの⁉』ってね」
真姫「全く…大変だったのよ」
真姫「後輩はクラスが多いから…」
凛「…ごめんね」
凛「そうかな…?」
真姫「そうよ、この私が必死に頑張って探したんだから成果でないと怒るわよ」
凛「あ、必死にやってくれたんだ!」
凛「クールそうにこなしてたのにね!」
真姫「………///」
真姫「ハァ…この真姫ちゃんを使ったんだから埋め合わせしてよね?」
凛「じゃあ夕飯を奢るにゃ!」
真姫「え?大丈夫なの」
凛「最近バイト始めたんだ~!」
凛「ラーメン食べにいこっ!」
凛「ココだよ! 凛のお店」
真姫「こんな所にラーメン屋が…」
凛「やっぱり…知名度が低いんだよ!」
店主「煩い…隣は友達か?」
凛「うん!」
真姫「始めまして、西木野です」
凛「真姫ちゃんはなに食べる~?」
真姫「そうね…ペペロンチーノで」
凛「へ?」
真姫「へ?」
店主「…………」
凛「まさか真姫ちゃんが、ラーメン屋さん初めてなんてね~!」
真姫「ラーメンは中華街でしか食べてなかっただけよ!」
凛「いただきまーす!」
真姫「…いただきます」
真姫「あ、美味しい」
店主「……」ニヤリ
凛「ご馳走様!」
店主「西木野さん…だったな?」
真姫「何でしょう」
店主「星空の連れで来たんだ、今日はタダだ」
凛「いいの⁉」
店主「星空の分は給料から引いておく」
凛「え~ずるい!」
真姫「凛、また明日」
凛「また明日~!」
店主「…お前は帰らないのか」
凛「そうだ!店主さん!」
店主「?」
凛「今日はきっといいことあるよ!」
店主「???」
蓮「って誰もいないか」
蓮「こんな時間だし…ね」
蓮(あれ?ラーメンの匂いが…)
店主「…お帰り」
店主「ラーメンできてるぞ」
蓮「お父さん…」
店主「…無事で良かった」
蓮「ごめんなさいっ!」
店主「無事で帰ってきてくれた、それだけで十分だ」
蓮「うん…」
蓮「美味しいよぅ…」
店主「………」ニヤリ
店主「…おはよう」
蓮「おはようございます! 凛先輩!」
凛「蓮ちゃん! 帰ってきたんだ!」
蓮「センパイ!ありがとうございました!」
凛「蓮ちゃん?口調が変わってるにゃ…」
蓮「今回のことで色々とお世話になりました…」
蓮「これからは学校でも職場でもよろしくお願いします!」
凛(気のせいか店内の雰囲気も明るくなってる気がする)
常連「お、今日は客も店員もべっぴんだねえ」
凛(そう、いつものカウンター…いつもの客…あれ?)
凛「お客もべっぴん…?」
???「どうか私を弟子にしてください‼」
凛「海未ちゃん⁉」
海未「凛⁉」
店主「…………」ニヤリ
凛(この店は今日も平和だにゃ)
おしまい
こういう温まるストーリー大好きだわよ
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