【ラブライブ!】千歌「最近ダイヤさんに無視される…」
- 2020.04.24
- SS

数週間前
千歌『ダイヤさん!』
ダイヤ『どうしたんですの?千歌さん」
千歌『私…ダイヤさんの事が大好きです!恋人になってください!』ペッコリー
私は腰を深く折り曲げ、手をダイヤさんに差し出す
千歌(だめ…かな…)
私は地面を見ながら審判の時を待つ
私の手に重ねられたのは差し出されたダイヤさんの掌
ダイヤ『千歌さんの気持ち、無下にはできません』
ダイヤ『元々私も千歌さんは一番気になる後輩でしたし…恋人になってさしあげましょう』
千歌『本当ですか!?』ピョンッ
ダイヤ『え、えぇ…』
千歌『なら、私思いっきりダイヤさんにイチャついて甘えちゃいます!』
それが数週間前の話
練習の時も…
果南「じゃあ今度は千歌!」
千歌「はーい!」
ワンツースリーフォーワンツースリーフォー
14の瞳が私のダンスを見つめる
でも、2つの瞳だけはソッポ…
私はその2つの瞳の主をチラチラ見る
果南「ほら!チ~カ!よそ見するとちゃんと出来ないよ~!」
気を取られる私を諌める果南ちゃん
千歌「ハーイ!」
私は投げやりに返事をする
曜ちゃんとルビィちゃんは知ってか知らずか苦笑い
タッタッタッタッ…
千歌「よっ…と!」タンッ
千歌「でけた!」バンザーイ
なかなか今回は上手くできた、我ながらそう思う
千歌「やたっ!」ワーイ
私はバンザイをして喜ぶ
千歌「えへへ~褒めて褒めて~…」
私は腕をガンバルビィのポーズにして甘える仕草を取る
曜「よしよし良くできたよぉ~」
ルビィ「ガンバルビィした甲斐がありましたね!」
シャロンの2人が褒めてくれる、嬉しい
そりゃそうだ、今度のダンス、私だけできるのが遅れていたんだから
心の底から嬉しい
千歌「…」ニコニコ
ダイヤさんの横に立ち、顔を見上げると
プイと横を向くダイヤさんの顔
千歌「えへへ…私やっとできました!」
満面の笑みで報告をする私
ダイヤ「…」
ダイヤさんはそっぽを向き、無言のままだ
果南「こーら!」
果南「ちょーしに乗らない!」コツン
果南ちゃんが軽く私の頭を小突く
千歌「は~い…」
花丸「ねぇルビィちゃん、ダイヤさんのアレ…なんずらか…?」コソコソ
ルビィ「あぁ…あれはね…」
千歌(また一歩前歩いてる…)
私は左斜め前の、上下に揺れるダイヤさんの頭と肩を眺めていた
千歌(それならーーー)
私は歩幅を大きくしてダイヤさんの隣に並ぶ
テクテクテク
するとダイヤさんはさらに早足になり私の前へと出し抜いてしまう
結局斜め後ろから、揺れるダイヤさんの後頭部を眺めることしかできない
たまにはゆっくり私のペースに合わせてきてくださいよ…
ガッシ!
ダイヤ「…」
私はダイヤさんの腕を両手で掴み、肘を曲げて引き寄せる
するとダイヤさんはさらに足を速める
ザッザッザッザッザッザ…
もはや競歩かと見まごうかのスピードで
千歌「うわぁ~…ダイヤさん速い速いですってぇ…!」アワワ
私は若干引きずられるような形になる
テクテクテク
私の訴えを聞き入れたのか、ダイヤさんは元のスピードで歩く
でも私の顔は見向きもせず、正面だけを見据えている
千歌「はぁ…ダイヤさぁん…」
ダイヤ「…」テクテク
千歌(う…寒…)ブルッ…
千歌「くちゅんっ!」
千歌(うー…くしゃみ出たー急に寒くなりすぎ…)
千歌(ティッシュティッシュ~…)ガサゴソ
ん…視線?
何やら私に思念が向けられているのをふと感じる
横目でこっそり見てみるや、心配そうな表情のダイヤさん
わざわざ足を止めて側で待機している
なんだか手がソワソワしているような…
千歌(ほんっと…可愛いなダイヤさん…冷たいように見えて本当はちゃんと…)
だから好きなだよなぁ…ダイヤさん…
ま、これがこうだから好き、とかそういうんじゃなくて
ダイヤさんがやる、あらゆる事象が好きなんだけどねっ
ズズーッ
ティッシュで鼻をかみながらダイヤさんを見る
相変わらず私を無視して進行方向を見据えている
私は何気なく、さっきとは逆側、ダイヤさんの左側で歩き始める
すると…
ガシッ…クイッ
ダイヤさんは両手で私の肩を掴み
強引に私をダイヤさんの右側に持ってくる
千歌(なんでだろう…なんでだろう…)
私は思案する たまにダイヤさんをチラチラ見ながら
千歌(さっきの謎の行動はなんで…)
私は思考の深みへと沈んでいく
私は考える事に集中しすぎて
近づいてくる自動車と走行音に全く気付かなかった
ブロロロ…
あまり狭くない道である
ドンッ!
車の存在に気づく間もなく
私はいきなり、強く柔らかい衝撃を感じた
ダイヤ「っ…」
ブロロロロロロロロロ…
見ると、狭い生活道路を猛スピードで車が通り去って行った
鼻孔がダイヤさんの制服の芳香で満たされる
まぁ、黒澤家の洗剤の匂いなんだけど
千歌(柔らかい…///)
ダイヤ「…危ないですわね」ポツリ
ダイヤさんは走り去って行った車を恨めしそうに睨みながら
小さく呟く
私への抱擁を解き、前方後方確認をキッチリ行ってから、また歩き始めた
今度は私の手を握って…
そのために私を右側に…
千歌「…//////」カァァァァァ…
私の脳内はぐんぐんとヒートアップ
どこの騎士様ですかダイヤさ~ん…いや、違うな、武士か
千歌(なにそ~ゆ~の、惚れちゃうじゃないですかぁぁぁ///ま、惚れてるんだけど…///)
そんなこんなで黒澤家にとうちゃ~く!今日はお泊り!
今日「は」?今日「も」か…ここ最近週3ペースで泊まってるからね…
5人食卓を囲む事が当たり前のようになって…
私専用のお箸とお茶碗まで用意されるようになったんだ、お客様用じゃなくて!
たまにダイヤさんが我が家に泊まる日もあるよ
美渡お姉ちゃんは千歌~帰って来いよ~帰って来いよ~なんて言ったり
お母さんはニコニコして『ダイヤちゃん可愛いわね~』なんて言ったり…
そしたらダイヤさんは『お母様の方が可愛いですよ』だって!
お母さん相手でも嫉妬シちゃうな~私、嫉妬深いのかな~
ダイヤ「ワシャワシャ…」
ダイヤさんが洗髪しているのを私は広い湯船の縁に腕を乗っけながら眺める
結構この湯船、広いんだよ?まるでちょっとした旅館みたいに…
千歌(ま、私の旅館のお風呂のほうがさすがに広いけど…さすがだよね黒澤家)
なーんか気を向かせられないかなぁ…
私はお湯の中に鼻まで潜らせながら、ブクブクさせながら考える
やがてダイヤさんはリンスを洗い流し
髪をタオル巻き、湯船へと入ってくる
ダイヤさんは堂々と中央の後ろ、壁を背に、足を伸ばして浸かる
ダイヤ「ふぅ…」
瞳を閉じ、心底気持ちよさそうだ…
千歌(う~ん…)ブクブクブク…
千歌(そうだっ!)
私はダイヤさんの所へ行き、足の上に座る
千歌「~~~♪」
ダイヤさんの太ももの感触が心地良い
ダイヤ「…」
ダイヤさんはそれを意に反さずゆったり寛いでいる
千歌(なら…これどうです?)
私はお尻を奥へ持っていき、頭がダイヤさんの真正面
とても邪魔だと感じるであろう体勢にする
千歌(あっ…腰の辺りがちょっとチクっとする…)
ダイヤさんの陰毛がチクチク刺す。ダイヤさんはしっかり剃るからね
千歌「伸びてきてますよ~…」
ダイヤ「…!」ピクッ
あっ、ちょっと反応した 湯船の水面が揺れる
ガバッ…バッシャーン…
千歌「あぁ~…ダイヤさんのお肌、石鹸の匂い…」スリスリ
私はダイヤさんに抱きつき、胸元に頬ずりする
熱でいつもの雪のような白さとは違ってに赤みが差しているダイヤさんの肌
ダイヤ「ちょっと…千歌さ…」
そんなダイヤさんの胸の柔らかな感触を存分に堪能していると
遂にダイヤさんが反応した
千歌(やったっ…!)
千歌「すき…だいしゅきぃ…///」
思わず頬が緩む。滑舌も緩む。
ダイヤ「………ふふ、私も…」
ぎゅっ…
ダイヤさんが、私を、ぎゅっと抱き返してきた
そんなダイヤさんの顔を見ると
以前、東京から帰ってきた時、
号泣するルビィちゃんを優しく抱きしめていた時のような顔で…
結局そんな体勢のまま20分ぐらい浸かっていた
千歌「あぁのぼせたぁ…」アジィ~
まだ肌が赤いや…、水分が恋しい…
ダイヤ「全く…千歌さんが離さないからですわ…」ジトー
ジト目で私を見つめるダイヤさん
そんな事を言うダイヤさんの肌は早くも白さを取り戻していた
さすがです
窓を開け、秋の涼風を入れる
そして机に、台所から持ってきた青さの目立つ蜜柑を出す
ダイヤ「これは…」
千歌「今日お土産でもって来た蜜柑です!」
私達は青い蜜柑をむきむきもぐもぐ…すっぱさに顔をすぼめながらも身体を潤す
私は蜜柑を机に置く
ダイヤ「なんですの…?」ムキムキ
ダイヤさんは下を向き、蜜柑の白い筋を一所懸命取っていた
だきっ…
私はダイヤさんの案外小さな背中に抱きつく
最近ずっと聞きたかった事
それをようやく口に出した
千歌「私の事、あまり好きじゃなくなったとか…?」
ダイヤ「…」ムキムキ
千歌「…ダイヤさんが迷惑なら、私、もう少し距離を置きましょうか…」
その言葉の後、ダイヤさんは蜜柑を机に置く
ダイヤ「なわけないでしょうが…!」
私は間髪入れずに質問をする
真剣にダイヤさんの2つの瞳を見つめて
私の気迫に面食らったのか、一呼吸し、一息置いてから言葉を紡ぎ始める
ダイヤ「―――付き合い始めた頃は嬉しくて嬉しくて人目も憚らず四六時中イチャついてましたよね」
千歌「はい」
ほんと一週間前までそうだった
ダイヤ「でも、段々と自覚して…そのぉ………、千歌さんと一緒に居ると、顔を合わせると、胸がドキドキ~って動悸が激しくなりまして…」
ダイヤ「千歌さんに恋慕されていた頃…千歌さんに告白された頃は、そこまで千歌さんに恋心を抱いていなかったので冷静でした」
ダイヤ「ですから、千歌さんの数々のラブアタックにも応えてあげる事ができましたが…」
ダイヤ「ようやく私も千歌さんへの恋を自覚したと言うか…芽生えたと言うか…」
ダイヤ「…/////////////」カァァァァァァ
その言葉の主は宝石のルビィと見まごうが如く真っ赤に顔を染めていたのだから…
千歌(恥じらいというか…可憐極まる女の顔っていうか…たまらない)
千歌(こんな「雌」なダイヤさん、初めて見たよ…もう永久保存モノだよね)
千歌「ダイヤさん…可愛い…」
ギュッ…
私はダイヤさんを抱く力を強くし、顔を近づけ
頬と頬を触れ合わせる
千歌「そんなダイヤさんも可愛いです…」
ダイヤ「…なっ///」
私は頬を思いっきりスリスリさせる
千歌「ダイヤさん…///」
私はダイヤさんの肩を持ち、私と向き合う姿勢にする
ダイヤ「なんですか…///」
千歌「これからはダイヤさんの方から甘えてきて欲しいです…」
ダイヤ「…精進しますわ」
千歌「だから!」
ダイヤ「…!」ビクッ
千歌「ちゃんとダイヤさんからの告白…聞きたいな…」
私はダイヤさんを見ながら瞳をウルウルさせる
ダイヤ「分かりましたわ…大切な後輩…いや、大切な千歌さんのために…!」
千歌(うんうん)
ダイヤ「好き………大好きですわ…!」
ダイヤさんはそれだけ言うと、下を向き、身体をプルプルと震わせる
さっきまでルビィ色だった顔は、もはや紅玉の様な真紅に染まっていた
千歌「ありがとうございます…!」
私はダイヤさんの、いつもより数段小さく見える身体をそっと抱きしめた
千歌「ダイヤさん…」
ダイヤ「千歌さん…」
言葉は少ない…お互いの愛しい名前を呼ぶだけ、素直にお喋りできない
引き寄せられるように唇同士が近づき…
ちゅっ
短い、でも恋人同士として最初の、唇同士のキスをした
すっぱいみかん味のキスを…
ベッドで私とダイヤさんは
初めて、そして激しく、身体を重ね合い、お互いの全てを貪り合った
ダイヤさんの両親が、なにやらよそよそしい…私とダイヤさんに話を振らないようにしているみたいで…
朝、ダイヤさんとルビィちゃんと私で登校、途中で花丸ちゃんも合流して4人となる
ルビィちゃんは顔を赤らめて口数少なげだ なんでだろう…
花丸ちゃんは私達を見るなり口を開く
花丸「ん?ダイヤさんと千歌ちゃん…首に虫刺されがいっぱいずら~?」
千歌「!?」
ダイヤ「!?」
千歌(うっかりしてた~…!こんなの『昨日セックスしました!』って、堂々と言いふらしてるようなもんじゃん!)
ダイヤ「…」ダラダラ
ダイヤさんを見ると、冷や汗が額から首から、ダラダラと流れていた
ルビィ「大丈夫だよ!ねっ!ねっ!うち、古い家だからさ!」
ルビィちゃんは慌てて話題を変えようとする
花丸「ずらぁ…?」
花丸ちゃんは納得していないのか何やら考え込みながら歩く
するとルビィちゃんが私とダイヤさんの間に入り小声で囁く
ルビィ「ねぇ…するのは構わないけど、窓はちゃんと閉めてね、丸聞こえだよ?」
そしてすぐに花丸ちゃんの元へと駆け寄る
ダイヤ「ねぇ…千歌さん…?」ギロリ
千歌「はい…ごめんなさい…」
やってしまった…
END
いちゃいちゃが映えるよね
いいダイちかだった
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