【ラブライブ!】善子「ねえダイヤ」ダイヤ「……おかしいですわ」
- 2020.04.27
- SS

ダイヤ「あなたはわたくしをなんて呼びます?」
善子「ダイヤだけど」
ダイヤ「わたくしはあなたをなんて呼びます?」
善子「ヨハネ様」
ダイヤ「善子さんですわ」
善子「むっ……。善子じゃなくてヨハネ!」
善子「確かに……」
ダイヤ「でしょう?」
善子「ヨハネのことを善子って呼ぶのはおかしい!」
ダイヤ「そっちではありませんわ!」
善子「じゃあどっち!?」
ダイヤ「あなたがわたくしをダイヤと呼ぶのがおかしいんです!」
善子「へ?」キョトン
ダイヤ「違いますわ! なぜ1年生のあなたが3年生のわたくしを呼び捨てですの!?」
善子「あーヨハネって堕天使だからそういう人間の常識にとらわれないのよ」
ダイヤ「まあそれは100歩譲ってよしとしましょう。同じグループで活動する仲間ですし!」
ダイヤ「かのエリーチカもメンバー間の連携を円滑にするために『先輩禁止』を提案したと聞きます」
善子「じゃあいいじゃない。何が不満なわけ?」
ダイヤ「わたくしがなぜ年下のあなたにさん付けなんですの!?」
善子「それはダイヤが勝手にそう呼んでるんでしょ!?」
ダイヤ「明らかにおかしいですわ!」
善子「っ! じゃあダイヤがヨハネって呼べばいいんじゃない?」
ダイヤ「却下、ですわ!」
ダイヤ「ヨハネなんて恥ずかしくて呼びたくありませんもの」
ダイヤ「それに、年上であるわたくしに合わせてあなたがさん付けをするべきでしょう?」
善子「えー……」
ダイヤ「何か不満が?」
ダイヤ「ですからそれではおかしいんです!」
善子「だからダイヤがヨハネって呼べばいいんでしょ!?」
ダイヤ「ですからヨハネなんて呼びたくな――」ハッ
ダイヤ「善子、ですわ」
善子「は?」
ダイヤ「わたくしがあなたを善子と呼べばいいんですわ!」
善子「だからヨハネだってば!」
善子「呼び捨てにされるのは別に構わないけどどうせならヨハ――」
ダイヤ「決まりですわね、善子!」
ダイヤ「これでもやもやも解消、すっきりした気分で活動できますわ」パアアアアアアア
善子「……はあ、もういいわ」
善子「そんな嬉しそうな顔されたら断れないし」
ダイヤ「ごきげんよう、梨子さん」
ダイヤ「ん。善子、ちょっと」チョイチョイ
善子「なによダイヤ」
梨子「……ん?」ピクッ
ダイヤ「髪にゴミが、んっ取れましたわ」サワッ
善子「あぁ、ありがとう」
ダイヤ「全く、善子はそそっかしいんですから。どうやったら髪にゴミがつきますの?」ハァ
梨子「ま、待って待って」
善子「ん? どうしたのよ、リリー」
梨子「ダイヤさん今よっちゃんのこと呼び捨てしてなかった!?」
ダイヤ「してましたけど?」
梨子「も、もしかして2人はそういう関係……?」ドキドキ
善子「そういう?」キョトン
ダイヤ「そういうってどういう関係ですの?」キョトン
梨子「ほ、ほら! お姉さまと妹みたいな!」
梨子「タイが曲がっていてよ、みたいな!」
善子「お姉さま……?」
ダイヤ「タイ……?」
ダイヤ「あぁよく見れば善子のスカーフが少し曲がってますわね」クイッ
善子「ん、ありがとう」
梨子「っ!」ガタッ
善子「リリー、すごい顔してるけど……」ヒキッ
梨子「よっちゃん」ズイッ
梨子「ダイヤさんのことお姉さまって言ってみて」
善子「はあ?」
ダイヤ「お姉さまって、わたくしはルビィの姉ではありますけど善子の姉ではありませんわよ?」
梨子「……はあ」
ダイヤ「なんですの、その露骨なため息!?」
梨子「姉妹(スール)は心が大切なんです!」
善子「いや、すーるとか知らないけど……」
善子「うーん、でも――」ジッ
ダイヤ「な、なんですの?」タジッ
善子「お姉さま」
ダイヤ「っ!」ドキッ
梨子「っ!」ガタッ
梨子「ミッション系の学校だもん、むしろそういうのない方がおかしいよね!?」
善子「……ねえダイヤ、リリーが怖い」コソコソ
ダイヤ「何か触れてはいけないものに触れてしまったみたいですわね」コソコソ
梨子「っ!」
梨子「お姉さま、この後練習を2人で抜け出さない?」
梨子「善子ったらいけない子ですわね、2人きりで何がしたいの?」
梨子「も、もう! お姉さまの意地悪!」
梨子「みたいな感じかな?」ドキドキ
ダイヤ「なっ……!?」カアアアアアアアアア
梨子「なんですか? あっ! もしかしてお邪魔でした?」ドキドキ
ダイヤ「いえ、そうではなくて。もしかして梨子さんはわたくしと善子がそういった、交際をしている関係だと……?」
善子「え?」カアアアアアアアアア
梨子「でしょ?」
ダイヤ「違いますわよ!」
善子「そんなわけないじゃない!」
梨子「え、でも……」
梨子「ダイヤさんがよっちゃんに対して急に呼び捨てになってたから、そうなのかなって」
ダイヤ「善子はわたくしを呼び捨てなのにわたくしがさん付けをしていたからおかしいと思い変えたんです」
梨子「それに髪のゴミを取る振りして髪なでてたし」
ダイヤ「振りではなくて本当に取ったんです!」
梨子「よっちゃんもダイヤさんのことお姉さまって」
善子「なんかおもしろそうだったからそう呼んだだけ!」
梨子「えー……」
ダイヤ「付き合うもなにも、わたくしも善子も女性ですわよ?」
梨子「愛するのに性別は関係ありません!」
善子「って言ってもね……」チラッ
ダイヤ「……なんですの?」
善子「ダイヤみたいなのと付き合ったら絶対疲れるだろうなって」
ダイヤ「なっ……! その言葉そっくりお返ししますわ!」
梨子「なーんだ……」
梨子「2人だったら絶対お似合いだと思ったのに」シュン
ダイヤ「お、お似合い……?」カアアアアアアアア
梨子「ちょっと興奮して喉乾いたからジュース買ってきますね」ガチャッ
善子「………」チラッ
ダイヤ「……なんですの?」
善子「な、なな、なんでもない!」プイッ
ダイヤ「……」ジッ
善子「……なによ?」
ダイヤ「な、なんでもありませんわ!」アセアセ
ダイヤ「…………」
善子「ねえ」
ダイヤ「ぴぎゃっ!?」ビクッ
善子「何びっくりしてるのよ」
ダイヤ「急に話しかけてくるからでしょう!?」
ダイヤ「それで、なんですの?」
善子「その、リリーが勘違いしたってことは、私たちってそう見えるのかなって」
ダイヤ「……。梨子さんがおかしいだけですわ」
善子「そっか……」
善子「ん?」
ダイヤ「善子は、そう見られてどうでしたの?」
善子「……ちょっと想像しちゃった」
ダイヤ「何を?」
善子「ダイヤとヨハネが手をつないだり、デートしたりするの」
ダイヤ「ということは満更でもなかったと?」
善子「……」
善子「そういうダイヤは?」
ダイヤ「わたくしは――」
ダイヤ「女性同士ですし、誰かとお付き合いするなんて考えたこともありませんでしたし」
善子「へえ、ないんだ」
ダイヤ「わたくしは、黒澤家の長女である以上親の決めた相手と結婚するのでしょうし」
善子「……」
善子「その相手っていうのはヨハネみたいにめんどくさくないといいわね」
ダイヤ「心からそう思いますわ」
ダイヤ「なんですの?」
善子「もしも、ヨハネがダイヤのこと好きって言ったらどうする?」
ダイヤ「……。それは梨子さんにあんなことを言われた故の気の迷いです」
善子「リリーに言われる前からずっと好きでも?」
ダイヤ「………」
ダイヤ「わたくしは、どうもしようがありませんわ」
善子「………。顔見せて」サラッ
ダイヤ「………」ポロポロ
ダイヤ「どうして、あなたに嘘吐き呼ばわりされなきゃいけませんの?」
善子「………」ジッ
ダイヤ「……。はあ」
ダイヤ「善子の言う通り、わたくしは嘘吐きですわ」
ダイヤ「1年生だから、3年生だから」
ダイヤ「そんなの関係なくあなたを、特別な呼び方で呼びたかった」
ダイヤ「誰かとお付き合いするのを考えたことなんてなかった、それも――」
ダイヤ「本当は、善子とお付き合いして、街に映画を見に行くのを、いつも考えては、女性だから、黒澤家の長女だからと気持ちを押しとどめていた」
ダイヤ「とんだ嘘吐きです」
善子「……」
善子「なに?」
ダイヤ「わたくし、あなたのことが大嫌いですわ」
善子「……はあ!?」
ダイヤ「アクマだとか堕天使だとか痛々しくて」
ダイヤ「年上を呼び捨てにして」
ダイヤ「めんどくさくて、でも本当はすごく思いやりがある善い子で」
ダイヤ「……ほんと、大嫌いですわ」
善子「……」
善子「めんどくさいのはそっちも同じじゃない」
ダイヤ「……」
善子「けど、好き」
ダイヤ「……けれど、わたくしは」
善子「いいじゃない、高校生の間くらい」
善子「家とか、性別とか。そんなの考えるのは大人になってからで」
ダイヤ「……だったらわたくしは一生子供でいたいですわ」
善子「それでも、いつかは成長しなきゃいけないのよ」
ダイヤ「でしたら、成長する前くらいは、いいですわよね?」
ダイヤ「善子、好きですわ」
善子「うん、私も」
ダイヤ「……気持ちを伝え合ったら、その次はどうすればいいんでしょう」
善子「何もしなくていいのよ、別に何も」
ダイヤ「そういうものですのね」
善子「そうだ! リリーが言ってたみたいにお姉さまって呼んでみる?」
ダイヤ「…………」
ダイヤ「却下ですわ!」
善子「なんで!?」
ダイヤ「……それに、善子にはきちんと名前で呼んでほしいですし」
善子「ふーん」ニヤニヤ
ダイヤ「な、なんですの……?」
善子「急に素直になったなったから」クスクス
ダイヤ「なっ……!」カアアアアアアアアア
善子「いっくらでも呼んであげるわ、ダ・イ・ヤ♡」
ダイヤ「う、変なこと言いましたわ……」
ダイヤ「……うるさいですわ」
善子「すきー」ギュッ
ダイヤ「鬱陶しいですわ!」
ダイヤ「……わたくしも好きですけど」
ルビィ「ぴぎゃあああああああああああああ」
善子「!?」ビクッ
ダイヤ「な、何事ですの!?」
梨子「」チマミレー
ダイヤ「なっ、流血事件ですの!?」
善子「……。いやこれ鼻血よ」
ダイヤ「は?」
梨子「ダイよしは、ありまぁす……」ダクダク
ダイヤ「……放っておきましょう」スタスタ
善子「そうね」スタスタ
ルビィ「ぴぎっ!? い、いいのかな……?」チラッ
梨子「えへ、えへへ……」ドクドク
ルビィ「幸せそうだしいっか」トテトテ
おわり
最高かよ
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