【ラブライブ！】にこえり「…」

絵里「そうね」

にこ「なーんでわざわざこんな寒い中初詣なんて…」

絵里「まぁ、そう言わずに」

にこ「穂乃果と凛はハイテンションでうるさかったし…新年早々疲れたわ」

絵里「ふふっ、可愛いもんじゃない」

絵里「まだお手伝い終わらないから先に帰っててって」

にこ「ふーん、大変ねあの子も」

絵里「ねぇ、にこ」

にこ「ん？」

絵里「今からうちに来ない？」

にこ「へ？今から？」

にこ「まあ、構わないけど…ちょっと待ってて。ママに聞いてみる」

絵里「分かったわ」

にこ「電話してくるわね」ﾄﾃﾄﾃﾄﾃ

絵里「…」

絵里「…寒いわね…」ﾊｧ

絵里「どうだった？」

にこ「いいって。妹たちの面倒はママが見てくれるからゆっくりしてきなさいって」

絵里「良かったわ。じゃあ早速行きましょう」

にこ「ええ」

絵里「…」ｽﾀｽﾀ

にこ「…」ｽﾀｽﾀ

絵里「…～♪」

にこ「…急に上機嫌ね」

絵里「ふふっ、まあね」

絵里「そうね…」

にこ「…」

絵里「…にこ」ｽｯ

にこ「やだ」

絵里「ええ？まだ何も言ってないわよ」

にこ「どーせ抱きつくつもりでしょうが。嫌よ」

絵里「何で？いいじゃない」

にこ「嫌よ。こんな公衆の面前で」

にこ「そういうことじゃないわよ」

絵里「いいの？」

にこ「だから…」

絵里「…いいの？」

にこ「…」ﾌﾟｲｯ

絵里「…うふふ」

にこ「…何笑ってるのよ」

絵里「…あとで、ね？」

にこ「…バカ」

絵里「手、寒そうね」

にこ「手袋忘れちゃったの」

絵里「じゃあ…」

ｷﾞｭｯ

にこ「ちょ…」

絵里「そして…」ﾎﾞｽｯ

にこ「わっ」

絵里「手とポケットの中、ダブルであったかいでしょ？」

にこ「恥ずかしいって」

絵里「いいじゃない。ポケットの中だから繋いでるところは見えないわ」

にこ「いや、不自然でしょうが…」

にこ「…」

絵里「じゃあ、いいでしょ？」

にこ「何も言ってないわよ」

絵里「何も言わなくてもわかるわよ」

にこ「…」

絵里「にこのほっぺが真っ赤だから」ﾂﾝ

にこ「…寒いからよ」

絵里「ふふっ、そういうことにしておくわ」

にこ「絵里…」ｼﾞﾄｯ

絵里「あら、怖い怖い♪」

絵里「～♪」

にこ「…」ｷｮﾛｷｮﾛ

絵里「どうしたの？」

にこ「…」ｽｽｯ

絵里「にこ？」

にこ「…」

ｷﾞｭｯ

絵里「へ？」

にこ「…」ｷﾞｭｰ

にこ「じっとしてなさい」ｷﾞｭｰ

絵里「…///」

にこ「…」ｷﾞｭｰ

絵里「///」ｶｧｧ

にこ「…よし」ﾊﾟｯ

絵里「…え？」

にこ「どう？少しは温まったかしら？」

にこ「誰もいなかったからね。特別よ特別よ」

絵里「そ、そんな突然…にこったらもう！」

にこ「あらあら？お顔が真っ赤っかよ、絵里ちゃん♪」

絵里「か、からかわないでよぉ…」

にこ「私をからかった罰よ。ホントはウブなくせに」

絵里「むぅ…」

絵里「…」

ｷﾞｭｯ

にこ「へ？ちょ」

絵里「…全然懲りてないわ」

にこ「！」

絵里「全然懲りてないから…もう一回ハグしてくれる？」ﾎﾞｿｯ

にこ「～！」ﾎﾞﾝ

絵里「にこがショートしちゃった…」

にこ「…な、なにを…」

絵里「ごめんなさい、やりすぎたかしら」

にこ「～！もう！」ｸﾞｲｯ

絵里「ああっ、ちょっと待ってよにこ！」

にこ「知らない！絵里の言うことなんて知らない！」

絵里「ちょ、ちょっと待ってよにこ～！」

にこ「ふん！」ｽﾀｽﾀｽﾀ

絵里「にこ」

にこ「…」ｽﾀｽﾀ

絵里「にこ、速いってば」

にこ「…」ｽﾀｽﾀ

ﾂﾝ

ｺｹｯ

にこ「あいたっ！」ﾄﾞｻｯ

絵里「だから速いって言ったのに…」

絵里「大丈夫？」

にこ「平気…あたっ」

絵里「大丈夫じゃなさそうね…」

にこ「平気だってば…」

絵里「…」ﾌﾟﾁﾌﾟﾁ

にこ「？何でコート脱ぐの？」

にこ「だから大丈夫って…」

絵里「いいから、早く乗って」

にこ「…もう」

絵里「にこ、私のコート持って」

にこ「どうするつもりよ…」

絵里「持ち上げるわよ…せーの」ﾋｮｲ

絵里「やっぱり軽いわね」

にこ「うるさいわね…」

にこ「こう？」

絵里「ええ、いい感じ」

にこ「なんでこんなこと…」

絵里「背中側は寒いでしょ？」

にこ「別に大丈夫よ」

絵里「そんな事言わないで、ね？それに…」

にこ「それに？」

絵里「私達、一つになって見えない？」

にこ「…！」

にこ「～！」ﾍﾞｼｯ

絵里「痛い！」

にこ「ば、馬鹿なこと言ってないで早く行きなさい！」

絵里「はーい」

にこ「もう…！」

にこ「…ねぇ」

絵里「なに？」

にこ「あんたは寒くないの？」

絵里「平気よ。だって」

絵里「にこがいるから」

にこ「…『おぶってる』じゃなくて？」

絵里「いいえ…『いるから』よ」

にこ「…何が違うの？」

絵里「全然違うわ」

にこ「あ、そう…」

にこ「ドアの前で降ろしてね」

絵里「何で？」

にこ「亜里沙ちゃんに見られちゃうじゃない」

絵里「いいじゃない」

にこ「よくないわよ！」

絵里「何がダメなの？」

にこ「えっ…と…と、とにかくダメなの！」

絵里「私は別にいいんだけど…」

にこ「私がダメなの！いいから降ろしなさい！」

絵里「はいはい…分かったわ」

にこ「何を？」

絵里「にこ、今年もよろしくね」

にこ「…ええ、よろしくね」