【ラブライブ!】ことり「怪盗エリーチカ」
- 2020.04.28
- SS

ことり(平成最悪の大泥棒…エリーチカ…)
ことり(今まで何度も取り逃がしてきたけど…今日こそ…)
ことり(でも…私はあなたの事が本当の悪だとは思えないんです…)
ことり「あっ…」
絵里「まだまだひよっこね。ことりちゃん♪」
ことり「ことりちゃんじゃありません!!ことり警部!!」
ことり「な…なにがですか…?」
絵里「後ろがお留守になってるわよ」
ことり「えっ!?」
ことり「何も…ない…?」
ことり「あっ!!」
絵里「じゃあね、ことりちゃん」
ことり「ま…待ちなさーい!!!!」
絵里「あははは、そんな泥棒は世界のどこを探してもいないわよー!」
にこ「ふーん。アンタ真面目にやってるの?」
ことり「あっ…にこ先輩…希先輩…」
希「いけない子やね、何回も逃げられて」
ことり「す…すみません…」
希「エリーチカはまだこの建物にいるはずや。だから足を止めている暇はないんよ」
ことり「わ…分かりました!すぐに探してきますっ!!」
希「いってらっしゃい、それに…」
ことり「…?」
希「なんでもないんよ。気を付けてね」
ことり「は…はいっ!」
にこ「見つからなかった場合、最終手段があるから」
にこ「アンタみたいな下っ端は知らなくていいの」
にこ「さっさと追いなさい!!」
ことり「は…はい!!」
にこ「いい?一時間で戻るのよ!!」
にこ「あれを捕まえるにはこれぐらいしないと…私達が止められなかったから」
希「実行には移したくないもんやね」
にこ「…アンタは逃げてもいいのよ」
希「なーにいってるんかな。にこっちは」
希「ウチらはずっと相棒やったし、そんな事しないよ」
希「ずっと…相棒だったのにね…」
希「うん…昔の話やね」
にこ「必ず戻ってくるのよ、ことり」
希「ウチらも足を止めてる場合じゃないね」
にこ「言われなくても分かってるわ、行くわよ」
ことり「建物は封鎖されているのなら、外に逃げ出した時点で大騒ぎになってるはずだし」
ことり「必ず建物の中にいるはず…」
ことり「あれ…この部屋の前だけ警備の人がいない…」
ことり「まさか、エリーチカがそんなミスをするなんて思わないけど…」
ことり「…行くしかないよね」
絵里「誰っ!?ってことりちゃんか…」
ことり「ことりちゃんじゃありません!!」
絵里「ふふっ、それで何の用かしら?」
ことり「この建物は包囲されています、逃げ場はありませんよ!」
絵里「だから?」
ことり「大人しくお縄に付きなさい!」
ことり「そんな事させると思いますか」
絵里「ふぅ…仕方ないわね…ことりちゃんをいじめるのは気が進まないけど…」
ことり(なんだか、いつもより余裕がない…?)
ことり(やけにあっさり見つけられたし、何かを隠してる…?)
ことり「…何をですか?」
絵里「怪盗エリーチカはね……二人組なの」
絵里「二対一で私達に勝てると思う?」
ことり「えっ?」
絵里「少し眠っててちょうだ………」
ことり「その手には乗りません!!」
絵里「へぇ…中々やるわね」
ことり「さっきあなたが目を離すなと教えてくれたので」
絵里「あら、それじゃあことりちゃんはもう卒業かしらね」
ことり(同じ手段を二回も使ってくるなんてエリーチカらしくないもん)
ことり(さっき、にこ先輩が言ってた最終手段が関係してる?)
ことり(まさか…)
絵里「考え事をしながら相手をできるほど私は甘くないわよ」
絵里「ことりちゃん卒業式はまた今度かしらね」
ことり「えっ、きゃあ!」
ことり「ふ…二つ…聞いていいですか」
絵里「時間が無いの、早めにね」
ことり「あなたが怪盗をしている理由…もしかして…人を助けるためなんじゃ…」
絵里「どうしてそう思うのかしら?」
ことり「盗品の売買のルートをずっと追ってましたが、国内外のあらゆるルートを経由されては元を辿るのは不可能です」
ことり「そういう時はお金の流れを辿ると簡単に答えは出たりするものなんですが」
ことり「困ったことに、お金の動きが全く分からなかったんです」
絵里「…」
ことり「巨額のお金が動くと案外分かったりするものなんですが、その兆候すらなかった」
ことり「貧困地域への寄付…それが条件ですね」
絵里「…」
ことり「ある時期から、世界の富豪が多額の寄付を始めたんです」
ことり「言わなくても分かりますよね、あなたが怪盗を始めた時からです」
ことり「その金額は、あなたが盗んだものとほぼ同額…考えれば簡単な事ですが」
ことり「人の無償の善意を疑う人なんてそうそういないですよね、だから、誰も気が付かなかったんです」
ことり「もうひとつ…恐らくこの建物はあなたを巻き添えにして爆破されます…」
絵里「あら、それにも気が付いてたの」
絵里「にこには教えてもらえなかったのに」
ことり「何でそれを…」
絵里「右のポケットをたたくと面白いものが出てくるわよ」
絵里「ビスケットじゃなくてごめんね」
ことり「そんな事はどうでもいいんです」
ことり「だから、焦っていたんですよね。盗んだ後の行動はあなたらしくなかったので」
絵里「最終手段がこんなものとはね…本当にくだらない…」
絵里「心中なんて…本当に…」ボソッ
ことり「…」
ことり「…私はあなたを巻き添えにしたくありません」
絵里「嬉しい事言ってくれるじゃない」
ことり「だから大人しく捕まってくれませんか?」
絵里「あなたはこれだからいつまでもことりちゃんなのよ」
ことり「…何を」
絵里「警察にしては優しすぎるのよ、きっと」
ことり「…あなたも」
ことり「あなたも本当はやさしい人なんじゃ…」
絵里「私は世間一般でいう犯罪者よ?優しいなんてありえない」
ことり「いや…今まで何回も対峙してきましたが、人を傷つけるような事はしなかった」
ことり「今日が初めて……あなたから攻撃してきました…」
ことり「それだけの理由があるんですよね…?」
絵里「…ねえ、ことりちゃん」
絵里「この世には優しい人間も、優しくない人間もいるけど」
絵里「私は…自分が優しい人間なんて一度も思った事は無いわ」
ことり「そんな事……私はあなたの事を…本当に…」
希「久しぶりやね。えりち…いや…怪盗エリーチカ…」
絵里「ええ、あなた達が出てくるなんて思ってなかったわ」
にこ「裏切り者のアンタをいつまでも野放しにしておけなかっただけよ」
ことり「裏切り者…?」
希「ウチは…」
絵里「希、あなた自分が何を言おうとしてるのか分かってるのかしら?立場を考えなさい」
希「あはは…相変わらずやなあ…えりちは…」
絵里「希の甘い所も相変わらずね」
にこ「こいつと希と私は元同期よ」
にこ「そしてコイツは警察を裏切ったの、ただそれだけ」
希「昔は、一緒に平和を守るって話してたのになあ…」
絵里「昔話に花を咲かせている時間は無いと思うんだけど?」
にこ「同感だわ」
絵里「あなた達にその覚悟はあるの?できれば二人には死んでほしくないんだけど」
ことり(この人はやっぱり優しい…)
ことり(二人が心中しようとした事に気が付いたから…それを止めようとしたんだ…)
ことり(私は、やっぱりこの人の事が…)
希「ウチらがえりちの事を止めてあげられなかったから…」
希「その責任はちゃんと取るよ」
にこ「本当に困ったものね。ことり」
ことり「…すみません」
希「一時間で戻りなさいって言ったやん?」
ことり「…はい」
絵里「希代の犯罪者を巻き添えにして殉職なんて警察官の誇りかしら」
にこ「逃げるのなら今すぐ消えなさい」
希「ウチはことりちゃんにはもっと頑張って欲しいなあ」
ことり「…」
絵里「賢明な判断ね」
ことり「そして、ここにいる三人にも死んでほしくありません」
にこ「じゃあ、どうするの?」
希「選択肢は二つしかないんよ。逃げるか残って一緒に巻き添えになるのか」
希・にこ「…!?」
ことり「こっちです!」
絵里「えっ!?な…なに!?」
ことり「…」
絵里「ちょっと、何をしてるのか分かってるの!?」
ことり「一つだけ聞かせてください。あなたが警察を裏切った理由を」
絵里「…簡単な事よ」
ことり「…」
絵里「だから、限界を感じてたの。警察官であった自分にね」
ことり「そうですか…」
ことり(もう決めた…私はこの人についていくことにします…)
ことり(ごめんなさい…皆さん…)
絵里「それで?どこに行くのかしら?建物は封鎖されてるんでしょ?」
ことり「あなたの使う経路は全て封鎖されています…が」
ことり「一か所だけ、可能性はあります」
ことり「得意ですよね?空を飛ぶの」
絵里「はぁ…さすがことりちゃんね。結局は人頼みってことかしら」
ことり「…すみません」
絵里「いいわ。私から離れちゃダメよ」
ことり「これから私は…怪盗エリーチカに盗まれるんですね」
絵里「ふふっ、一番のお宝はことりちゃんだったのかも」
絵里「しっかり捕まってなさい!!」
ことり「…はいっ♪」
にこ「知らないわよ。まあ私達は生き残っちゃったんだし、次こそは捕まえるだけよ」
希「でも、にこっち嬉しそうやね」
にこ「…うるさい」フン
絵里「起きた?ことり」
ことり「えへへ…おはよう絵里ちゃん」
絵里「なにか嬉しそうね」
ことり「懐かしい夢を見ててね」
絵里「そう…?それならそろそろ行くわよ…お宝を盗みにね♪」
ことり「うんっ!」
おわり
乙です
やはりことえりはよい
ことえり最高だわ
あのURには無限の可能性がある
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