【ラブライブ!】穂乃果・ことり「海未ちゃんを笑わせたい」
- 2020.04.29
- SS

穂乃果「なぁに?ことりちゃん」
ことり「穂乃果ちゃんは海未ちゃんが笑っている所って見た事ある?」
穂乃果「えっ?昨日の部活でも笑ってたし、この前三人で遊んだ時も笑ってなかった?」
ことり「そうじゃなくて、もっと激しくというか……」
穂乃果「例えば?」
ことり「う~ん。例えば、こんな感じ」コチョコチョ
穂乃果「!? あはははははっ ちょ、ちょっと、ことりちゃん!」
ことり「今の穂乃果ちゃんくらい笑ってる海未ちゃんって見た事ある?」
ことり「見てみたいと思わない?」
穂乃果「うん、みたい」
ことり「海未ちゃんもこちょこちょしたら笑ってくれるかな?」
穂乃果「う~ん、でも、笑う前に逃げられちゃうんじゃ……」
ことり「それなら大丈夫!穂乃果ちゃん、耳貸して」ゴニョゴニョ
穂乃果「おぉ!それなら行けそうだよ!」
ことり「良かった~。じゃあ、放課後に……」
穂乃果「あっ、海未ちゃん!」
穂乃果「いっ、いや……別に……」
海未「まさか、また好からぬ事を企んでいたのではないでしょうね」
穂乃果「そっ、そんなわけないよ」
ことり「それより海未ちゃん、弓道部の用事はもう良いの?」
海未「えぇ、別に大した用事ではありませんでしたから」
穂乃果「(ことりちゃん、ナイス!)」
海未「あぁ、そこはこういう風に訳せば……」
ことり「うんっ、うんっ、ありがとう、海未ちゃん。おかげで助かっちゃったっ」
海未「いえ、お役に立てて何よりです」
キーンコーンカーンコーン
穂乃果「ねぇ、海未ちゃん」
海未「なんでしょう?」
穂乃果「『おちゃらか』やろう」
海未「なんですか、唐突に」
穂乃果「ねー、いーじゃん。久しぶりにやろうよー」
海未「はぁ……仕方ないですね」
穂乃果「ほら。手握って?」
海未「少し気恥ずかしい気もしますが……」ギュ
海未「どうしたのですか?まさか、やり方を忘れ……!?」
ことり「どう?海未ちゃん、くすぐったいかな?」コチョコチョ
海未「くっ……一体……なんの真似ですか……」
ことり「さっき、穂乃果ちゃんと『海未ちゃんが笑ってる所見てみたいね』って話になって」
穂乃果「海未ちゃんでも、こちょこちょしたら笑ってくれるかなって」
海未「わっ、私が……こんなことで……笑う訳ありません……!」
ことり「でも、くすぐったいよね?」コチョコチョ
海未「ぜっ、全然くすぐったくなんか……」
海未「それは……」
穂乃果「くすぐったいなら我慢なんかしないで、笑っちゃって良いんだよ?」
ことり「背中とかはどうかな?」ツー
海未「!?」ピクッ
穂乃果「あっ、跳ねたー。海未ちゃん、背中弱い?」
海未「ちっ、違います……今のはただ……」
穂乃果「ただ?」
海未「なんでも……ありません……」
ことり「えいっ、ここなら海未ちゃんでも笑っちゃうよね?」
穂乃果「なんで、ダメなのかな?」
海未「はっ、恥ずかしいからに……決まってます……!」
ことり「う~ん。こうなったら……」
海未「!? くっ……んっ……あはっ……」
穂乃果「あれ?海未ちゃん、今、笑ってなかった?」
海未「きっ、くっ……気のせい……です……」
ことり「海未ちゃん、お肌スベスベだね」サワサワ
海未「ふふっ……ちょ……直接……やるなんて……くすっ……破廉恥……です……」
海未「お願い……です……くっ……もう……やめ……あはっ……て……くだ……んっ……さい……」
穂乃果「海未ちゃんがいっぱい笑ってくれたらやめてくれるよ。ねぇ?ことりちゃん」
ことり「うんっ、海未ちゃんが沢山、今まで見たこと無いくらい笑ってくれたらやめてあげる」
海未「いい……かげんに……あっ……くふっ……しないと……怒り……ますよ……」
ことり「やんやんっ、そんな怒らないで笑って?海未ちゃんっ」
穂乃果「ことりちゃんの指くすぐったいでしょ?くすぐったいよね?ほら、笑っちゃいなよ」
ことり「なかなか笑ってくれない海未ちゃんの為に、ことりそろそろ本気を出しちゃいますっ」
海未「ほっ……本気……じゃあ……今までのは……」
ことり「余興ですっ」
ことり「うんっ。ぷるぷる震えながら我慢してる海未ちゃんが可愛くて、ことりドキドキしちゃったっ」
穂乃果「海未ちゃん良かったね!もう、笑うの我慢しなくて大丈夫だよ」
ことり「今度は今まで見た事の無い海未ちゃんを見せて、もっとことりをドキドキさせてねっ! こちょこちょこちょ」
海未「あっ……あはははははっ、だっ、ダメです」
穂乃果「あっ、やっと声出して笑ってくれた」
ことり「海未ちゃん、可愛いっ もっと、いっぱい笑って?」
海未「あはははははっ、くすぐったいです。お願いですから、あははっ、もうやめて下さい」
海未「あははははははははっ、腋だけは……本当に……あははははっ」
穂乃果「海未ちゃん腋の下が弱いんだ!長い付き合いだけど、知らなかったよ」
ことり「海未ちゃんが人前でこんなに大笑いしてるのも初めて見たよね!」
モブA「ねぇ、みてみて」
モブB「園田さんが笑ってる」
モブC「園田さんもあんな風に笑うんだ」
海未「あははははっ」カァァ
穂乃果「ほら、クラスの子達にも不思議がられてるよ」
ことり「私たちでも新鮮なんだから、他の子達にしたら信じられないような光景だよねっ」
穂乃果「海未ちゃん、顔真っ赤だよ?どうしたの?笑いすぎて真っ赤になってるの?
あっ!もしかして、こんな姿見られてるのが恥ずかしいとか?」
海未「わっ、分かっているのなら、あははははっ、やめて……下さい!」
穂乃果「でも、いまやめたら海未ちゃん怒るでしょ?」
海未「あはははははっ、あっ、当たり前……です!」
穂乃果「じゃあ、やめられないよね」
ことり「海未ちゃん、怒ると怖いもんねっ」
穂乃果「本当に?」
海未「ほっ、本当……です……」
穂乃果「どうする?ことりちゃん」
ことり「う~ん。本当はもう少し見ていたいけど、海未ちゃんも怒らないって言ってるし……」
海未「お願い……です……あはははっ、怒らないので、あはっ、やめて……ください……」
ことり「じゃあ、やめてあげるね」パタ
穂乃果「海未ちゃん、どうだった?」
海未「はぁ……はぁ……みて……分からないのですか……」
ことり「ことりのこちょこちょどうだったかな?」
海未「だから……くすぐったかったと……何度言えば……」
穂乃果「海未ちゃんもくすぐられるとあんな風に笑っちゃうんだね」
海未「あれで……笑わない方がどうかしています」
穂乃果「それもそうか」
穂乃果「うん!楽しかった。海未ちゃんは?」
海未「楽しいわけないじゃないですか!大体、貴女達はいつもそうやって好からぬ事を……」
穂乃果「海未ちゃん、まだ手つないでいる事忘れてない?」
ことり「もしかして海未ちゃん、怒っちゃったかな?」
海未「はっ!? いえ、違います。決して、怒ったわけでは……」
穂乃果「これ以上ウソつかない方が海未ちゃんの為だと思うけどなー」
ことり「海未ちゃん、怒ったよね?」
海未「すみません……つい……」
ことり「ウソをついちゃう悪い子にはお仕置きが必要だよねっ」
海未「お願いです!どうか、くすぐりだけは勘弁して下さい!」
ことり「海未ちゃんは、こちょこちょされるのイヤ?」
海未「嫌に決まってます!」
穂乃果「海未ちゃん、また怖い顔してるよ?」
海未「そっ、そんな事ありませんよ?」ニコニコ
ことり「でもやっぱり、声が笑ってない気がするな」コチョ
海未「んっ……」ピクンッ
海未「もう、やめてもらえると信じていたので……」
穂乃果「海未ちゃん、反省してる?」
海未「……色々思うところはありますが、嘘をついてしまった事は申し訳なく思っています」
穂乃果「そっか、どうする?ことりちゃん?」
ことり「海未ちゃんも反省してるみたいだから、そろそろ終わりにしようか」
海未「本当ですか!ありがとうございます。やはり、心を籠めれば想いは伝わるのですね」
穂乃果「じゃあ、海未ちゃん。もう一回だけ『嘘ついてごめんなさい』って言って?そしたら本当に終わりにするから」
穂乃果「海未ちゃん、どうしたの?反省してる?」
海未「いっ、今のはことりが……」
ことり「謝ってる時にこちょこちょしないとは言ってないよ?」
海未「騙したのですね……」
穂乃果「そんな人聞きの悪い良い方しないでよ」
ことり「怒らないで笑って欲しいなっ」コチョコチョ
海未「あははははっ、わっ、私がなにを……あははっ、したと言うのですか……」
穂乃果「ウソついたでしょ?」
穂乃果「悪かったと思うなら、ちゃんと言って?」
海未「うっ、嘘を、あははっ、ついてしまい……申し訳、くっ……ありません……」
穂乃果「笑いながら言っても説得力ないよー」
海未「無理です!あははっ、笑わずにいう……なんて……」
穂乃果「海未ちゃん、ファイトだよ!」
海未「あははははっ、止めて下さい。しっ、死んでしまいます」
穂乃果「海未ちゃん大げさだなぁ」
ことり「でも、昔は拷問に有ったみたいだから、もしかしたら……」
海未「でしたら、あはははははっ、やめてください!」
ことり「海未ちゃん、もうウソつかない?」
海未「絶対……つきません」
穂乃果「やめても怒らない?」
海未「怒りません。あははははっ、もし怒ったら、あははっ、死ぬまでやっても構いません。あはははっ、ですから、本当に、もう許して下さい!」
穂乃果「そろそろ本当に辛そうだし」
ことり「やめてあげようか」パタ
穂乃果「海未ちゃん!?」
ことり「少し、やり過ぎちゃったかな……」
海未「大丈夫です……大丈夫ですから……少し、独りにさせて下さい……」
穂乃果「海未ちゃん……」
ことり「海未ちゃんもそう言ってるし、行こう?穂乃果ちゃん」
穂乃果「うっ、うん」
ことり「う~ん。部室でも良いんだけど」
穂乃果「けど?」
ことり「一年生の教室に行ってみない?」
穂乃果「一年生の教室?」
ことり「さっきの海未ちゃん、すっごく可愛かったよね?」
穂乃果「確かに可愛かったけど、それと一年生の教室になんの関係が……」
ことり「そこで、ことりは思ったのです!
海未ちゃんみたいに普段大笑いしない娘が大笑いしたらきっと可愛いんじゃないかって」
穂乃果「まさか」
穂乃果「まっ、真姫ちゃんを!?」
ことり「穂乃果ちゃんも見たくない?真姫ちゃんが大笑いしている所」
穂乃果「確かに見てみたいけど」
ことり「じゃあ、行こう!
あぁ~、真姫ちゃんが笑いながらやめてって懇願する所を想像するだけで、ことりドキドキしちゃうっ」
穂乃果「(ことりちゃん……恐ろしい子……!)」
穂乃果「うん、本読んでるみたい」
ことり「じゃあ、穂乃果ちゃん!」
穂乃果「えぇ!?また穂乃果が行くの?」
ことり「だって、穂乃果ちゃんが行った方が自然だと思うし」
穂乃果「言われてみれば確かに」
ことり「でしょ?」
穂乃果「海未ちゃんにやった感じで大丈夫かな」
ことり「うんっ、大丈夫だと思うよ」
穂乃果「よし!行ってくるね。ことりちゃん」
ことり「穂乃果ちゃん、頑張って」
真姫「ヴェエ!?なっ、なんで穂乃果がここにいるのよ」
穂乃果「別に、深い意味は無いんだけど」
真姫「用が無いなら後にしてくれない?」
穂乃果「用ならあるよ」
真姫「なによ」
穂乃果「『おちゃらか』やろ?」
真姫「おっ、おちゃらか!?」
真姫「なんで、穂乃果とおちゃらかなんかしなきゃならないのよ」
穂乃果「あっ、もしかして真姫ちゃん。おちゃらか知らないの?」
真姫「……っ!しっ、知ってるわよ。そのくらい」
穂乃果「本当かなー」
真姫「当たり前でしょう。証拠に少しだけなら付き合ってあげるわ」
穂乃果「真姫ちゃん、ありがとう。じゃあ、手握って?」
真姫「本当に少しだけだからね」ギュ
穂乃果「……」ニヤ
真姫「どうしたのよ?やるんでしょ、おちゃら……っ!?」ピクン
真姫「こっ、ことり!?」
ことり「どっちかな?」
真姫「つっ、強いに決まってるでしょ」
穂乃果「あれ?意外と平気そう?」
真姫「当たり前でしょ。こんなの全然……あっ……」
ことり「少し早くしてみたけど、さっきよりはくすぐったいかな?」
真姫「別に……」
真姫「……っ!?」ピクン
ことり「海未ちゃんは、ココが弱かったんだけど、真姫ちゃんはどうかな?」
真姫「くっ……ちっとも、くすぐったくなんか……」
穂乃果「真姫ちゃんもそう簡単には笑ってくれないね」
ことり「やっぱり、こうするしかないかな?えいっ」
真姫「なっ、なにするのよ!」
ことり「真姫ちゃんのお肌もスベスベで気持ちいい」サワサワ
ことり「直接やっても我慢できちゃうかな」
真姫「あはっ、こんなの……くっ、全然平気……なんだから!」
穂乃果「でも、真姫ちゃん。手、汗ばんで来てるよ?」
真姫「ずっと握られたら、クスッ……だっ、誰だって汗くらいかくわよ」
ことり「真姫ちゃん、本当にくすぐったくない?」
真姫「だから……平気って……」
ことり「そうだよね。今はこちょこちょしてるって言うより、撫でてるっていう方が近いもんね」
真姫「もう良いでしょ!穂乃果もさっさと手離しなさいよ」
ことり「じゃあ、これが我慢出来たらやめてあげるね」コチョコチョ
穂乃果「真姫ちゃん。そんなに強く引っ張ったら痛いよー」
真姫「だって、あはっ……仕方ないじゃない!」
ことり「なにが仕方ないのかな?」
真姫「分かったわよ!くっ、くすぐったいのは認めるわ……」
穂乃果「だったら、我慢しないで笑っちゃえばいいのに」
真姫「嫌よ」
ことり「背中とわき腹の間とか結構くすぐったいと思うんだけど、どうかな?」
真姫「ちょ、あははっ、やっ、やめなさいよ」
真姫「あははっ、無理よ!笑わないなんて」
穂乃果「多分、しばらくやめてくれないと思うから、思いっきり笑っちゃえば?」
真姫「絶対、嫌」
穂乃果「その方がスッキリするだけマシだと思うけどな」
ことり「真姫ちゃんはどこが一番くすぐったいのかな?」
真姫「そんなの……あはっ、知らないわよ」
ことり「調べてあげるねっ」
真姫「余計なお世話よ」
真姫「そこダメ!あははははっ」
ことり「真姫ちゃん、かわいいっ。やっぱり、脇の下弱かったんだねっ」
真姫「あはははははっ、本当に……お願い、あはははっ」
穂乃果「やっと思いっきり笑ったね。スッキリした?」
真姫「しっ、しないわよ!あはははっ、それより、あははははっ、手、放してよ!」
モブD「西木野さんって笑うんだ」
モブE「そりゃ、あれだけくすぐられたら普通笑うでしょ」
モブF「なんか新鮮」
穂乃果「真姫ちゃん、耳まで真っ赤だよ?」
ことり「良いな穂乃果ちゃん。ことりも恥ずかしがってる真姫ちゃんみたい」
穂乃果「でも、ことりちゃんが前に来ちゃったら誰が真姫ちゃんくすぐるの?」
ことり「う~ん。じゃあ、横からのぞき込むくらいなら大丈夫かな?」ジー
真姫「いっ、イヤ!あははははっ、見ないでよ!」
ことり「真姫ちゃん、こっち向いて?」
真姫「あははははっ、絶対イヤ!」
ことり「ことりの事見てくれるまでやめないよ?」
真姫「なにそれ……あはははっ、意味分かんない!」
真姫「見る!あははははっ、見れば、あはははっ、良いん……でしょ……」チラッ
ことり「真姫ちゃんかわいいっ!」
真姫「見たんだから、あはははっ、もう、やめてよ!」
ことり「一つだけ約束守ってくれるならやめてあげようかな?」
真姫「守る。あははははっ、守るから!」
真姫「分かった。怒らない……から……」
ことり「約束だよ?」
穂乃果「真姫ちゃん。本当に怒っちゃダメだよ?怒ると海未ちゃんみたいに……」
真姫「怒らないって言ってるでしょ!あはははっ、早く、やめて!」
ことり「じゃあ、やめてあげる」パタ
穂乃果「真姫ちゃん大丈夫?」
真姫「はぁ……はぁ……平気よ……」
ことり「真姫ちゃん、怒ってないかな?」
真姫「……そういう約束なんでしょ」
ことり「大丈夫そうだねっ。行こう穂乃果ちゃん」
穂乃果「えっ?うん」
ことり「海未ちゃんの時よりは手加減したから大丈夫だと思うよ」
穂乃果「(とても手加減しているようには見えなかったけど……)」
ことり「あぁ~真姫ちゃん可愛かったっ」
穂乃果「まぁ、確かに可愛かったけど」
ことり「穂乃果ちゃんもそう思うよね!もっと見たいよねっ」
穂乃果「えっ、まさか」
穂乃果「(どんどん主旨が変わって来ているような……)」
ことり「ねぇ、行こう?穂乃果ちゃん」
穂乃果「でも、流石に絵里ちゃんはマズイんじゃ……」
ことり「大丈夫だよ!穂乃果ちゃん、おねが~い」
穂乃果「ズルいよ……ことりちゃん」
ことり「すすめーすすめー」
真姫「海未……」
海未「どうやら遅かったようですね……」
真姫「なんなのよ、あの二人」
海未「申し訳ありません。私がもう少し早く来て居れば……」
真姫「海未が謝る事ないでしょ」
海未「それより穂乃果とことりは!」
真姫「知らないわよ。やめたらさっさと何処か行っちゃったし」
海未「そうですか……」
海未「廊下に居たクラスメイトから『一年生の教室へ行ったみたい』と聞いたので」
真姫「なるほどね」
海未「私、真姫と来て次は……もしや!」
真姫「なに?何かわかったの?」
海未「絵里……絵里が危ないです!」
真姫「なんで、絵里って……」
海未「とにかく急ぎましょう」
真姫「急ぐって言っても何処に行くのよ」
海未「二手に分かれましょう。私は部室、真姫は三年生の教室へ行って下さい」
真姫「わかったわ」
穂乃果「ううん。いないみたい」
モブG「貴方達何してるの?」
穂乃果「うわぁぁ、えっと、絵里ちゃ……絢瀬さんを探してて……」
モブG「絢瀬なら部室に行くとか言ってたわよ」
穂乃果「あっ、ありがとうございます」
ことり「部室だって!行こう穂乃果ちゃん」
穂乃果「その前にちょっとお手洗いに……」モジモジ
絵里「海未、どうしたの?そんなに慌てて」
海未「ほっ、穂乃果は!?」
絵里「穂乃果?まだ来てないわよ?」
海未「はぁ、良かった。間に合ったのですね」
絵里「だから、どうしたのよ?」
海未「実は……」
絵里「なるほどね」
海未「協力して頂けますか?」
絵里「えぇ、いいわよ」
海未「ありがとうございます」
ガチャ……
海未「!」ビクッ
真姫「教室には居なかったわよ」
海未「真姫でしたか。てっきり穂乃果たちかと……」
真姫「どうやら絵里は助かったみたいね。それでどうするの?」
海未「絵里にはもう話したのですが……」
絵里「えぇ、いるわよ。何か用事かしら?」
穂乃果「用事って程でも無いんだけど、『おちゃらか』やらない?」
絵里「『おちゃらか』?」
穂乃果「あっ!絵里ちゃん『おちゃらか』知ってる……?」
絵里「名前は聞いたことがあるわ」
穂乃果「じゃあ、教えながらやるから手、握って?」
絵里「……かかったわね」ギュ
穂乃果「へ?……っ!?」ピクッ
穂乃果「海未ちゃん!?なっ、なんでここに……」
海未「なんで、って勿論仕返しをするためにです」コチョコチョ
穂乃果「あははっ、ことりちゃん!助け……あはっ」
ことり「穂乃果ちゃん!いま助けに……」
真姫「させないわよ」パッ
ことり「ひぇ!?」
真姫「ことりは私が抑えるから海未は穂乃果を!」
海未「ありがとうございます。真姫の分までしっかりと仕返しさせて頂きます」
海未「言い訳とは見苦しいですね」
穂乃果「言い訳じゃ……あははっ、じゃないもん!」
海未「それにしても穂乃果はずいぶんとくすぐりが弱いみたいですね」
穂乃果「そう思うなら、あはっ、やめてよ!」
海未「シャツの上からでこの反応なら直接やったらどうなるのでしょうか?」
穂乃果「あははっ、ダメ!もう十分、あはははっ、くすぐったいから!」
海未「問答無用」
海未「くすぐったいのは知っていますよ?私も真姫も散々やられましたから」
穂乃果「あはははっ、本当に!あははっ、息できない!」
海未「私にはあれだけやっておいて、この程度で弱音を上げるのですか?」
穂乃果「ごめん、あははははっ、穂乃果が……悪かったです!」
海未「穂乃果はあの時私に言った事を覚えていますか?」
穂乃果「まっ、まさか……」
穂乃果「あははははっ、無理!勝手に笑っちゃう、あははははっ」
絵里「海未や真姫ほどじゃないにしろ、穂乃果が大笑いしてるのも結構珍しいわね」
ことり「(いわれてみれば確かに…………穂乃果ちゃんかわいいっ!)」
穂乃果「えっ、絵里ちゃん……あまり、あはははっ、見ないでよ!」
真姫「穂乃果はまだいいじゃない。私や海未なんてクラスの子にも見られたのよ」
海未「あの時、私たちがどれだけ恥ずかしい思いをしたか穂乃果にはわかりますか?」
穂乃果「だから、あははははっ、本当に、ごめんって!」
海未「本当に反省してますか?」
穂乃果「してる!だから、あはははっ」
穂乃果「にこちゃん、助けてー」
希「なんで、穂乃果ちゃんくすぐられてるん?」
にこ「どうせ何かバカなことでもしたんでしょ」
海未「その通りです」
穂乃果「あはははっ、謝ってるのに、許して、あははははっ、くれないんだよ!」
希「にこっちはこちょこちょ平気なん?」
にこ「あっ、当たり前でしょ!」
希「ふーん」
にこ「なによ……っ!?」
希「もしウソだったらどうなると思う?」
にこ「ごめんなさい……」
花陽「あっ本当だ。なにやってるだろう?」
凛「よくわからないけど、楽しそうにゃー。かよちん、早く行こ」グイッ
花陽「えっ、待ってよ。凛ちゃん」
凛「とうちゃーく」ガチャ
穂乃果「あはははっ、本当に……本当に無理だって!あははっ」
凛「!?」ビクッ
花陽「一体なにが……」
穂乃果「もう!誰でも良いから、あはははははっ、助けてよ!」
花陽「穂乃果ちゃん苦しそう……」
真姫「花陽、同情しちゃダメよ。私と海未だって散々やられたんだから」
花陽「でも、このままじゃ穂乃果ちゃんが……」
絵里「そうね。もう全員集まったのだし、そろそろ許してあげても良いんじゃないかしら?」
希「穂乃果ちゃんも反省しているみたいやしね」
真姫「もう少し懲らしめたい気もするけど、みんなの時間を使うのも悪いわよね」
海未「穂乃果、反省していますね?」
穂乃果「あはははっ、してる!本当にしてるから!あはははははっ」
海未「わかりました。しかし、次やったら容赦しませんよ」パタ
ことり「穂乃果ちゃん、大丈夫?」
穂乃果「大丈夫……じゃない……かも……」
絵里「穂乃果もぐったりしているし、部活は三十分後に始めようと思うけど、みんな良い?」
にこ「仕方ないわねー、まぁこれで少しはダイエットになったんじゃない?」
凛「……」
花陽「凜ちゃん、さっきから元気無いけど、どうしたの?具合でも悪い?」
凛「えっ!?そっ、そんなことないよ!それより今日も部活頑張ろうね。かよちん!」
花陽「うっ、うん。そうだね。凜ちゃん(気のせいだったのかな……)」
海未「いいお湯でした。まるで一日の疲れが溶け出したようです」
海未「疲れといえば、今日は穂乃果とことりのせいでとんでもない目に逢いました」
海未「週が明けたらもう一度しっかりとお灸をすえておかなければなりませんね」
海未「しかし、くすぐられるのがあんなに辛いものだったとは……」コチョ
海未「……」
海未「自分でやっても全然くすぐったくはないのですね……」
海未「はぁ!?私は一体何をやっているのでしょう!」
海未「今日は最後の最後まであの二人に振り回されてしまいました」
海未「なにも予定の無い休日は久しぶりですね」
海未「普段日程が詰まっている分、
こういった休日は少々手持ち無沙汰な感じがしてしまいます」
海未「宿題も午前中の内に終わらせてしまいましたし……」
携帯電話「プルルルッ」
海未「誰でしょう?……穂乃果?」
海未「はい、園田です」
海未「いえ、特にこれといって用は……」
穂乃果「それなら穂乃果の家に来ない?ことりちゃんも来てるんだ」
海未「ことりもですか。……もしかして、また変なことを」
穂乃果「違うよー、穂乃果だって海未ちゃんにやられて反省したもん」
海未「本当ですね」
穂乃果「本当だって!」
海未「わかりました。それでしたら伺わせていただきます」
穂乃果「うん。待ってるね」
海未「こんにちは。穂乃果は……」
穂乃果ママ「上に居るわよ。上がってちょうだい」
海未「ありがとうございます。お邪魔します」
トントン……トントン……
海未「穂乃果ー」
ことり「開けて大丈夫だよ」
海未「失礼します」
海未「なっ……何をやっているのですか」ドキッ
ことり「こちょこちょ遊び。かな?」
海未「それは見ればわかります。一体どういう事ですか。やはり、私を騙して」
穂乃果「はぁはぁ……違うよー。海未ちゃんを待ってる間にね。
『そういえば、昨日ことりちゃんだけくすぐられて無いよね』って話になって」
ことり「穂乃果ちゃんが『そんなのズルいー』っていうから」
ことり「穂乃果ちゃんが三連敗中」
穂乃果「もうーなんで穂乃果ばっかりなの!やっぱりズルい」
ことり「でも、もう海未ちゃんも来たし……」
穂乃果「えぇーせめてあと一回だけ!」
ことり「うーん。どうしようか。海未ちゃん」
海未「どうするもなにも……」
海未「当たり前です。しっしかし、私だけ除け者にされるのは気持ちのいい事ではありません」
穂乃果「だったら、海未ちゃんもやる?」
ことり「昨日みたいにはやらないから大丈夫だと思うよ」
海未「しっ仕方ないですね。くすぐられるのはイヤですが、
二人がどうしてもというのなら少しだけでしたら……」
穂乃果「じゃあ」
ことり「どうしても」
END
定期的に読み返すと思う
くすぐりSSもっと増えて欲しい切実に
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