【ラブライブ!】ルビィ「バレンタイン×インダストリー」
- 2020.04.29
- SS

鞠莉「ハーイ、ルビィ!今日は──」
ルビィ「だっ、だめーーっ!」
鞠莉「まだ何も言ってないじゃないの」
鞠莉「いやいや~大丈夫だから~、今回はダーイジョーブだから~」
ルビィ「それも毎回言う!とにかく今週はダメだよ。学校も部活も休みのテスト期間で忙しいんだから…。」
ルビィ「み、見なくてもノープロブレムだよ…ね?」ガシッ
ルビィ「…。」
鞠莉「新しい振り付けとか──」
ルビィ「…。」
鞠莉「歌にしたいキュートなポエムとか──ね?」
ルビィ「用件を聞きましょう鞠莉さん」
ルビィ「ご用事聞くのでノートから手を離してください鞠莉さんお願いします」
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ルビィ「ふーん…で、例によってこのビジネスイベントを逃す手はないと」
鞠莉「ええ、そう。いつまでも商業バレンタインに踊らされる側じゃあオハラ家長女の名がスタル、ってね!」
鞠莉「チョコレート産業にガツンと乗っかって一儲けってスンポーよ!」
鞠莉「そーいうことは言わないの!ルビィはもっと自分のスペシャリティに気付くべきよ?」
ルビィ「調子いいんだから…」
鞠莉「一緒に来てくれる?」
ルビィ「もう…ちゃんと後でルビィの勉強見てね?」
鞠莉「もちろんよ!流石マイリトルシスター!」ギューッ
ルビィ「鞠莉ちゃん、お姉ちゃん受験近いから静かに!静かに!」
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~十千万~
ルビィ「で、なんで千歌ちゃん家に」
鞠莉「いーい?ビジネスっていうのは多くの消費者のニーズを満たすことが大事なのよ。」
鞠莉「だったらほら!人が集まる旅館で何が求められているのか聞き込みがマーケティングのファーストステップよ!」
ルビィ (だったら鞠莉ちゃんとこのホテルでもいいんじゃないかな…)
鞠莉「ちかっちー!タノモーー!」ガラガラ
鞠莉「あ、あれ…?」
千歌「あ、鞠莉ちゃんルビィちゃん。どしたのー?」
ルビィ「…。」
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千歌「いやー、お正月と春休みの間だからねぇ。2月って旅館は空き気味なんだよ~」
鞠莉「hmm…ウチのホテルもカンコドリだったから千歌っちのとこ来たんだけど──」
ルビィ「いやいや、鞠莉ちゃんとこが居ないならこの一帯みんな同じなんじゃないかな…」
千歌「2月って観光的にもあんまりなんだよね~、この時期暇な大学生客はスノボにとられちゃうし…」
鞠莉「なるほど、この時期は外からのお客がそもそも少ないのね」
鞠莉「……。」
ルビィ「……。」
鞠莉「ルビィ、今回の企画の趣旨を復唱してごらんなさい」
鞠莉「そう!ならバレンタインを武器にこのギャッキョーを乗り切るのが私たちよ!」
ルビィ「ええ…」
鞠莉「見せ場がないなら作ればいい!お客がないなら呼べばいい!」
鞠莉「十千万のピンチ、マリーにお任せよ!!」シャイニー☆
千歌「なんか久しぶりに鞠莉ちゃんに会うと…」
ルビィ「気圧されるよね。わかるよ千歌ちゃん」
ルビィ「えーっと…千歌ちゃん、これどうぞ」ゴソッ
千歌「ん…?わあっ!もぎゅっとの衣装だぁ!」
鞠莉「本格旅館が期間限定で制服をメイドにして話題性を!メイド千歌っちが注文の入ったチョコを配って回るわ!」
ルビィ「えっ、お風呂でチョコって溶けちゃわないかな」
千歌「あっ、はいはい!湯船を全部チョコにするの!チョコレート風呂にしよう!」
ルビィ「いやいくらなんでもそれは…」
鞠莉「いいセンいってるわ千歌っち!」
ルビィ「嘘でしょ!?」
鞠莉「こんなこともあろうかと…ルビィ!」
ルビィ「エスプレッソマシン担がされたときは何事かと思ったけど…」ガシャン
鞠莉「マリーの確かな舌が認めた厳選された豆とチョコフレーバーのカフェメニュー各種!」
千歌「ん!美味しい!甘いのも苦いのも色々あるけど全部すっごく美味しいよ!」
ルビィ「目線お願いしまーす」パシャッ
千歌「いぇーい!」
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ルビィ「うわ!すごいよ鞠莉ちゃん!もうこんなに拡散されてる!」
千歌「もう予約の電話いくつか来てるしホントに凄い!ありがとう鞠莉ちゃん!」
鞠莉「いえいえー困ったときはお互いサマ、ってね☆ 」
鞠莉「あ、マシンのレンタルと豆やチョコの卸しについてはまた後ほど。チャオー!」
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鞠莉「ということで1件契約成立です」
ルビィ「鮮やかすぎてその手の詐欺を疑うレベルだよ鞠莉ちゃん…」
鞠莉「まだまだ終わらないわよ!次の獲物は…」
ルビィ「獲物って言っちゃった…」
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~津島家~
善子「で、私のところに来たと」
鞠莉「チャオー!」
善子「全く、堕天使ヨハネが聖人の儀式に参加するわけ無いでしょうが…」
鞠莉「またまた~、そんなこと言う割にお手手からスウィートな匂いがするのよねぇ~」スンスン
善子「ちょっ、やめなさい!」
善子「…。」
鞠莉「練習中、だったかしら?」
善子「っ…!」
善子「ぐっ…」
鞠莉「勝手が分からなすぎて失敗続き!ネットであちこち調べたはいいものの何故か同じようにいかない!」
善子「むぐぐっ…!」
鞠莉「溜まるストレス!かさむ材料費!そんな顔ね!!」
善子「なによ!千里眼でも持ってるわけ!?」
ルビィ「鞠莉ちゃんホントに持ってるんじゃないかなってときどきルビィも思うよ」
鞠莉「でもたくさんの時間とお金と食べ物を無駄にしてるわ。それはnot so goodよ。」
善子「…。」
鞠莉「なので!」
鞠莉「私たちがヨハネのバレンタインを手伝いマショー!!」
善子「…えっ」
ルビィ「任せて善子ちゃん。お料理は得意ってほどじゃないけど──でもバレンタインは毎年やってるし、ちょっとは力になれると思う」
善子「マリー…ルビィ…!」
鞠莉「じゃあまずこの用紙に必要事項を記入して──」
善子「用紙!?」
───────────
善子「で、」
ルビィ「で…」
鞠莉「出来たわーーー!アメイジン!Congratulation!!」
善子「ありがとう2人とも!なんて言ったらいいか…」
鞠莉「何言ってるのヨハネ、これはアナタが1人でやったことよ?このcuteなチョコレートに私たちは指一本触れてないわ」
ルビィ「キュート…うん、まあ堕天チックで可愛い──かな…」
善子「マリー…」
鞠莉「で、今回提供した材料費・ラッピング代・レッスン費なんだけど…」
善子「お、おお…?」
善子「おおっ!」
鞠莉「ま、その代わりと言ってはなんだけど…」
善子「おお…」
ルビィ「…。」
───────────
鞠莉「お望みのデザイン・タイプ・費用・個数から最適な手作りチョコレート制作を提案、指南する…」
鞠莉「はい、新規事業の『バレンタイン完全コンサルトサービス』立ち上げ成功です。」
ルビィ「疲れた…マニュアル作るのってこんな大変なの…」
鞠莉「Webデザインは善子に任せて正解ねー。真面目なときはちゃんと出来る子だし、仕事が丁寧ね☆」
ルビィ「サギ師だよ…正真正銘サギ師の手口だよ鞠莉ちゃん…」
鞠莉「バレンタイン無興味層を開拓できたのは大きいわねー。そういう意味では今回の企画、大成功じゃない?」
ルビィ「ああテスト…勉強する気力が…」
───────────
1週間後
~黒澤家~
鞠莉「シャイニー☆」
ルビィ「鞠莉ちゃんホント静かにして」
鞠莉「してるしてる。だってダイヤが──」
ルビィ「受験だから、ね。滑り止めだけど明日からなんだ。」
鞠莉「だからテストが終わったのにルビィは遊びに出てこないのね」
ルビィ「お姉ちゃんが頑張ってるのにルビィだけ気楽にしていられないもん…」
ルビィ「プレゼント…?」
鞠莉「そ、この前さんざん働かせて報酬も出さないなんてことあったら経営者失格だからね☆」
───────────
~翌日 朝~
ダイヤ「では…行ってきますわ」
ルビィ「あ、あのね…お姉ちゃんその──」
ダイヤ「どうしたの?」
ルビィ「これ、持って行って…」ガサッ
ダイヤ「これは…そうね、今日はバレンタインだったわね。ルビィがバタバタしないもんだから今年は忘れてたわよ」
ルビィ「えへへ…鞠莉ちゃんとこにキッチン借りてそっちで用意してたんだ」
ダイヤ「いえ…ありがたく頂戴しておくわ。行ってきます。」
ルビィ「あ、あとお姉ちゃんこれもお願い…」
ダイヤ「…! ふふっ、分かりました。」
ルビィ「あの…行ってらっしゃい!頑張ってね!」
ピシャン
ダイヤ「ふう…」
ダイヤ「こんな朝早くから待ち伏せですか鞠莉さん」
鞠莉「むふふ~、良かったわねー ルビィからチョコ貰えて☆」
ダイヤ「オマケにのぞき見ですか。重ねて趣味が悪いですわね」
ダイヤ「オハラグループのチョコ…これ高いんですわよね。ありがとうございます。お返しと言っては何ですが──」
鞠莉「わーい!キットカットねー!!ってオイオーイ!」
ダイヤ「ふふっ、持っていくつもりでしたが私にはもう不要なので。それと──」ガサッ
ダイヤ「ルビィからです。チョコみたいですね。私とはラッピングも中身も違うようですが」
鞠莉「…。」ポカーン
ダイヤ「鞠莉さんの はからいのおかげで私も今日は一層頑張れそうです。これはルビィから鞠莉さんへのチョコレートですが私からも感謝の気持ちを乗せさせて下さい。」
鞠莉「そ、そう…うん…。うん…。」
ダイヤ「では私はこれで」
鞠莉「いってらっしゃ…いってらっシャイニー☆」
ダイヤ「思い出したように持ちネタやらないで下さい」
ルビィ「ちょっ、朝からうるさいよ鞠莉ちゃん!ルビィこれから朝ごはんだから!」
ダイヤ「ふふっ、ルビィも鞠莉さんと居るときはまるで別人みたい」
ダイヤ「こうしてみると…まるで妹が2人いるようですわね」クスクス
鞠莉「愛してるわよルビィ~!!」ピンポンピンポンピンポン
ルビィ「わかったから!開けるから!ピンポンやめて鞠莉ちゃん!」
おわり
ルビまりを信じろ
素晴らしい、おつおつ
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