【ラブライブ!】千歌「……かも」
- 2020.04.30
- SS

千歌「うん、疲れた疲れた♪」
曜「えっへへ♪ 実は私、緊張で足ガックガクだったんだよ?」
千歌「へ? なんで?」
曜「え?」
千歌「…え?」
曜「だって、ライブ緊張しない…?」
千歌「ライ……ブ…?」
千歌「なにそれ」
曜「…いや」
曜「いやいやいやいや! やったでしょ!? ライブ!!」
千歌「? やってないよ?」
曜「!!?」
千歌「今日はアライグマラスカルは本当は凶暴だったんだって話をしてたんだよ?」
曜「だ、誰と…?」
千歌「曜ちゃんと」
曜「──?!」
千歌「うそー。曜ちゃん、アライグマなら海で何度も見たことあるーって言ってたじゃん」
曜「言ってないよ!?」ガーン
千歌「え? 言ってない?」
曜「言ってない言ってない!!」ブンブン
千歌「じゃあ、そこでアライグマに会った時に噛まれた傷があるーって言うのも?」
曜「言ってない言ってないから!!」ブンブン
千歌「ふぅ~…ん」ジトー
曜「…千歌ちゃん?」
曜「ハッ?!」ドキーン
曜「あ…あるっ! 確かに…噛み傷が!!」
曜「てことは、本当に私は海でアライグマと……」ソッ
曜「! 痛っ」ビクン
曜「?? あれ…? なんで古傷のハズなのにまだ痛いの?」
千歌「バレたか。ちぇー」
曜「千歌ちゃん!!!!!」
千歌「いや、逆になんで騙せちゃったのかな~? って感じだよ…」
曜「本当は何の傷なの!? これ!」
千歌「自分の傷のことを真顔で聞いてるし…!」
曜「///」ハッ
曜「そ、そうだ。私、なんで自分の傷のこと覚えてないの??」
曜「…分かった! ライブに熱中し過ぎて、それで怪我を──」
千歌「ぶっぶー! なのだ」
曜「え…えぇ~!?」ガーン
千歌「ライブはやってませーーん!!」
曜「やったよ!! やったって!!」
千歌「証拠は?」
曜「しょ、証拠……」グム
曜「ほ…ほら、私疲れてるし!」
千歌「私は疲れてないよ?」
曜「うう~んと……痩せ我慢してない?」
千歌「してないしてない」
曜「筋肉を触れば分かるよ!!」ガバッ
千歌「!! きゃ~~~…」
千歌「…ほらね?」
曜「でも千歌ちゃん、確かに最初疲れたって……」
千歌「話し疲れたって意味でしょ! 全く」
千歌「ほーんとっ、曜ちゃんたら思い込みが激しいんだから!」
曜「お、思い込み…って?」
千歌「今日見た声優さんのライブDVDに感化されて、自分がしたと思い込んでるんだよ」
曜「ん? んんんんんんーっ??」
曜「そ、そうだっけ?」
曜「あれ~? あれ~?」グルグル
曜「傷…。そう、これが記憶のヒントになるかも!」
曜「千歌ちゃん? 千歌ちゃんはこの傷が何なのか知ってるんだよねぇ?」
千歌「うん」
曜「教えて!」
千歌「そう…あれは過去に曜ちゃんを噛み損ねた海アライグマが…──」
曜「嘘はいいから!!」
千歌「……じゃあ、ホントのこと言うね」
曜「うん」コクリ
曜「この傷は~…?」
千歌「花丸ちゃんに~……」
曜「は、花丸ちゃんにー…?」
千歌「噛まれた」
曜「はい、嘘!! 嘘だヨーソロー!!」ガタッ
千歌「ホントだって~。なんで嘘は簡単に信じるのにホントの事は信じないの~?」
曜「いやいやいや! だってなんで花丸ちゃんが私の膝噛むの!? おかしいでしょ!?」
曜「うん」
千歌「あ、これは曜ちゃんが噛まれたことと噛み砕いた説明って言葉をかけた……」
曜「そういうのいらないから!!」
千歌「今日、私たちはアライグマラスカルがホントは凶暴なんだって話をしていて」
曜「もうそこから既に嘘っぽいんだけどなぁ~…」
千歌「私は凶暴派、曜ちゃんは温厚派で対立しちゃったんだよねぇ」
曜「そんなことで対立を…? いや、確かにラスカルは温厚だと思うけど……」
千歌「そこで、私たちは遭遇したの! う」
曜「海アライグマに!?」
千歌「……花丸ちゃんに決まってるでしょ~?」ジトー
曜「へ? でも確かに今、千歌ちゃんの口が『う』の形になってたから…」
曜「うめーずら??」
曜「美味い…ってことは、何かを食べてたってこと?」
千歌「そう、花丸ちゃんはノッポパンを食べてたんだよ! 歩きながらに!」
曜「あ~…。うん、それは想像つく」
曜「で、そこからどうして私の膝へガフリと?」
千歌「えー? まだ分からない?」
曜「うん。サッパリ」
千歌「こんなにヒントがあるのに……」
曜「いいよ別に! ネタバレ上等だから!」
曜「うん、可愛い可愛い♪ 特にあのプクプクしたほっぺがもー柔らかそうで!!」
千歌「触らせて貰ったら?」
曜「えー? だって、いきなりほっぺた触らせてー…なんて言ったら変じゃない?」
千歌「そう? じゃあ、『ほっぺの筋肉触らせてー』…って言えば?」
曜「!! そっか! ほっぺも立派な筋肉だもんね!」パァァ
千歌「ついでにあの黒タイツの下に隠された太股も……」
曜「うん! うん!」
千歌「…お腹も」
曜「うん! いいねいいね!」
千歌「おっぱい…お尻…」
曜「触ってみたーーーい!!」
千歌「変態…女の敵…」ボソ
曜「へ?! なんでーーー!?」ガーン
千歌「ああ、うん。それで、海アライグマがね……」
曜「話迷子になっちゃったよ!!」
千歌「あれ~? 私どこまで話したっけ?」
曜「花丸ちゃんが『うめーずら~』のとこ!!」
千歌「嘘!? もうそんなことまで話したの!?」ガーン
曜「いや、まだ超序盤だったけどぉ!?」ガガーン
千歌「そっか、とにかくその辺からね?」
曜「やっぱり千歌ちゃん、海アライグマの話を……」
曜「阻止してなかったら、何時間聞かされてたんだろう」
曜「うんうん」
千歌「私、こう言ったの……」
曜「『花丸ちゃん、可愛いね』でしょ?」
千歌「!! よ、曜ちゃん…?」フルフル
曜「へ? な、何?」
千歌「まさか、曜ちゃんは花丸ちゃんのことが! 花丸ちゃんのことが……」
千歌「は・な・ま・る・ちゃ・ん・の・こ・と・が!!」
曜「違っ?! 千歌ちゃんのセリフを先に言っただけだって!! ///」
千歌「ほんとにぃ~?」ジトー
曜「逆にそれ以外何があるっていうの?」
千歌「可愛い花丸ちゃんのプニプニ筋肉を抱き枕にして寝てみたい…とか?」
曜「そんなこと!! ──…有りかも」
千歌「変態!!」
曜「ちょ、だから違うって~」
千歌「それで、曜ちゃんが花丸ちゃんのことをプニプニ筋肉超可愛いって言ってぇ」
曜「……ツッコまないから」
千歌「だから、花丸ちゃんをアライグマに例えて実験することにしたの!!」
曜「なんでそうなったのぉ!?」ガーン
千歌「いや、だって花丸ちゃんとアライグマには多くの共通点が……」
曜「特にないよ!!」
千歌「えぇ~? その時は曜ちゃんも確かにアライグマっぽいねって言ってたのに…」
曜「ねぇ、それ本当に私なの!?」
千歌「その実験内容とは~…」
曜「実験内容…とは?」ゴクリ
千歌「温厚なアライグマである花丸ちゃんはノッポパンを取られても怒らないのか」
曜「な、何それ…」
千歌「だから~、本当にアライグマが温厚だったら花丸ちゃんは怒らないよねって」
曜「んん~…??」
千歌「つまり、それで花丸ちゃんが怒ったらラスカルも凶暴だったって事でしょ?」
曜「ちょっと、なんか、もう全く理解が」
曜「しかも取る役は私なんだ……」
千歌「そこからの激闘は……凄かったなぁ」
曜「へ?」
千歌「ノッポパンに手をかけられた花丸ちゃんはまるで野獣そのものだったよ」
曜「きょ、凶暴化しちゃったの…!?」
千歌「けど、曜ちゃんも負けてないよー? これが最後だー! って本気だしちゃって」
曜「しかも私側は最後の覚悟決めちゃったんだ!?」ガーン
千歌「ノッポパンを巡る戦いは何時間にも及び……」
曜「いやいや、諦めようよ、私!!」
曜「ど…どうなったの?」ゴクリ
ガブリ!!
曜『くっ…! ひ、膝の一本くらいくれてやるーーーーー!!!』ブン
花丸『ずらららら?! 取られた……ずら』バタン
曜『ハァ…ハァ…! やったよ、千歌ちゃん。これで、私との約束を──』バタン
千歌『よ……曜ちゃぁぁぁああん!!!!!』
千歌「記憶を失ったんだよ…」
曜「えぇ~~っと……」
曜「ん? …誰が!? 私!?」
千歌「原因は記憶の欠陥が大きすぎるせいだからって、声優さんのDVD見せたり」
曜「そ、それでライブをした後だと勘違いを…?」
千歌「うん。けど、そのお陰でこうして復活出来たんだよ♡ 曜ちゃん」
曜「そっか…。じゃあ最初の千歌ちゃんの対応は私を混乱させない為に……」
千歌「ゆっくりゆっくりと思い出せるよう、わざと嘘ついたりしてね♪」
曜「なるほど~。ちゃんと説明されたら納得出来たよ!」パァァ
千歌「曜ちゃんかしこい!」
千歌「ん?」
曜「さっきの話に出てた、私と千歌ちゃんとの約束ってなんだったの?」
千歌「あ…ああ~。それはね」
曜「それは?」
千歌「うぅ~~~ん… ///」モジモジ
曜「??」
千歌「──あ!」
千歌「この話、全部嘘なのでしたー♡」
曜「は…?」
曜「はいいいいいいいいいい?!?!?」ガタッ
曜「千歌ちゃーーーん???」
千歌「あはははは! 自分じゃ何にも思い出せない曜ちゃんが悪いのだー!」
曜「もーう! 知らない! 帰る!」スタスタ
千歌「あ……」
千歌「………」
クスッ
千歌「これで……いいんだよね?」
千歌「もう、記憶の海に溶けてしまったのだから」ツムリ
千歌『曜ちゃん! 花丸ちゃんのノッポパンを無事に取ってきてくれたら私……///』
曜『…うん! 必ず取ってくるから待っててね、千歌ちゃん♡』ニコッ
お わ り !
乙乙
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