【ラブライブ!】堕天使ヨハネ「生け贄を連れてきたわ!」 梨子「ひっ……」
- 2020.04.30
- SS

梨子「うっ、ぐすっ……」
堕天使ヨハネ「ご苦労ね、下がっていいわよ」
使い魔「……はっ」スッ
梨子「うう、ひっくっ」
ヨハネ「ふふっ、ようやく手に入った」
ヨハネ「これで、この娘は私の……」
ヨハネ「ここは地獄よ。魔なる者達が棲む血濡られた園」
梨子「じ、じごっ……!? なんでそんな所に私……」
梨子「それに、あなたはいったい……!?」
ヨハネ「私は堕天使ヨハネ。天界から此処へ追放され、魔へと堕ちた者」
梨子「だ、堕天使って……」
ヨハネ「地獄に連れて来られた理由、だったわね」
ヨハネ「……魔なる者はね、成長期を迎えると人間の生命力を得なければ生きられなくなってしまうの」
ヨハネ「だから、生命力を吸うために貴女をここへ連れてきた、という訳」
ヨハネ「貴女と私は、他に無いくらいとびきり相性がいいから、ね?」
梨子「相性……?」
ヨハネ「体の相性に決まってるでしょう?」
梨子「……ぇ」
ヨハネ「要するに、キスやそれ以上のこと、しなくちゃいけないの♡」
ヨハネ「それも、とびきり相性の良い相手とじゃないとダメなのよ。貴女みたいに、ね?」
ヨハネ「ふふっ、わかってくれた? 貴女を此処へ連れて来たのは、私のモノにしちゃうため、ってこと」
梨子「えっ、え、そ、そんなの……初めて会ったばかりで……そんなことっ」
ヨハネ「私は、貴女のことずっと見てたわよ?」
ヨハネ「人間界に遣いを放って、相性の良い人間を探して、貴女を見つけて……」
ヨハネ「それから今日までずっと、貴女の事を見てたんだから♡」
ヨハネ「綺麗な顔、潤んだ眼、透き通った肌、温かい体……」
ヨハネ「これからずうっと、私のモノになる……♡」クイッ
梨子「……ひ、ひぃっ」
梨子「や、やだ、……お父さん、お母さんっ……!」
ヨハネ「じゃあ、これからずっとよろしくね♡」
梨子「ぐすっ、千歌ちゃん、曜ちゃぁん……怖い、助けて……ぇ」
ヨハネ「まずはキスを……」
梨子「うっ、ひっく……うわあああん!! やだあああああ!!」
ヨハネ「キスを……」
梨子「いや、いやあ! こんなのやだああ!!」
ヨハネ「……」
梨子「こんな無理矢理連れて来られて、乱暴になんて!やだよぉぉ!!」
ヨハネ「…………」
梨子「初めてが、こっ、こんなのぉ! やだ!」
ヨハネ「こんなの」
梨子「初めてはクールなバリタチお姉さんがいいのぉ! お姉さんに壁ドンされて顎クイされてちょっと強引にでも優しく唇を奪われたいのぉ!! それなのにぃっ!!」
梨子「どうみてもフェムでリバな年下だしぃ!!」
ヨハネ「ふぇむ? りば?」
梨子「うぅっ、やだ、やだよぉ……こんなのやだあぁぁぁ……」
ヨハネ「…………」
梨子「もうやだぁ、怖い……怖いぃ……」
ヨハネ「…………」
梨子「ぐすっ、うっ……や、ぁ……」
ヨハネ「…………その、ご、ごめんなさい……?」
梨子「助けてぇ……怖いのいやぁ……」
ヨハネ「……ごめんなさい、なんか本当、ごめんなさい」
梨子「ううっ、ぐすっ、ひ、っく」
ヨハネ「……ごめんなさいってば!」
梨子「ひぃっ! やだぁ、怒鳴らないで……」
ヨハネ「あっ、あ……ごめんなさい」
梨子「……っ、ひく」
ヨハネ「その、そんなに……?」
梨子「え、えっ……」
ヨハネ「そんなになる位、嫌……?」
梨子「……えっ、と」
ヨハネ「……バリタチ? のお姉さんじゃないとそんな叫ぶ位嫌、なんですか……?」
梨子(敬語になった)
ヨハネ「流石にそこまで拒まれると、いたたまれないというか……」
梨子「あ、えと……」
ヨハネ「いえ、無理矢理連れて来た私が悪い訳だし……当然だとは思うけど……その」
ヨハネ「正直に言ってしまえば……私は、初めて貴女を見つけた時から、その……一目惚れ、みたいな感じで」
ヨハネ「そんなに拒絶されると、その……流石に私も精神的に、ぐすっ、辛い、っていうか……ぁ」
梨子(な、泣かせてしまった)
ヨハネ「うぅ…………ごめんなさい」
梨子「いや、その……」
ヨハネ「ヨハネが勝手な事して、迷惑かけて、こんなに辛い思いさせて……」
ヨハネ「本当に、すみませんでした……」
梨子(心から謝ってる……)
ヨハネ「どうか、お詫びさせて頂きたく……」
梨子(堕天使もお詫びとかするんだ)
ヨハネ「心ばかりではございますが、どうか……」っ菓子折り
梨子(地獄のお菓子って何! 開けるの怖いよ!)
梨子「い、いえいえそんな、お気遣いなく……」
ヨハネ「只今、そちらのお宅まで送らせて頂くためにお帰りの使い魔を待たせてありますので……」
梨子(使い魔タクシーか何か!?)
ヨハネ「うぇぇぇぇん!! もうじわ゛けえええ!!」
梨子「…………」
梨子「えっと、ヨハネちゃん、だよね?」
ヨハネ「…………ぇ」
梨子「さっき『一目惚れ』って言ってたの、本当なの?」
ヨハネ「ぐず、ぐすっ」コクコク
梨子「……そっか」ナデナデ
ヨハネ「ぇ、え……」
梨子「その、最初は訳わからないまま地獄になんて連れて来られて、流石に怖かったし」
梨子「無理矢理に……なんてやっぱり嫌だよ」
ヨハネ「…………うぅ」
梨子「でもね、それは私はまだヨハネちゃんのこと全然知らないからで……」
梨子「ヨハネちゃんだって、私と会話するのはこれが初めてな訳だし」
梨子「これから、少しずつでもお互いの事を知ったらいいと思うの」
ヨハネ「えっ……」
ヨハネ「と、ともだち……?」
梨子「うん」ナデナデ
ヨハネ「ヨハネのこと、嫌いじゃないの……?」
梨子「もう、私が怖かったり、嫌がるような事しないでしょ?」
ヨハネ「しない!しないから! 神に誓……いはしないけど堕天使だし」
梨子「じゃあ大丈夫! 私とヨハネちゃんはこれから友達、ね?」
ヨハネ「うん……うんっ!」ギュッ
梨子「わっ……」
梨子「ふふっ。よろしくね、ヨハネちゃん」ギュッ
ヨハネ「むふ~っ♪」
ヨハネ「リリー! あーそびーましょー!」
それから、ヨハネちゃんは頻繁に私の所に遊びにくるようになりました。
ヨハネ「んふ~ リリー♡」ギュッ
梨子「わっ、ちょっといきなり……」
ヨハネ「リリー、リリーっ」スリスリ
梨子「んっ、そんなスリスリしないで……っ」
ヨハネ「リリーってば、顔赤くなってる」
梨子「もう、 からかわないで!」
ヨハネちゃんは友達(本人曰く『現状』)として、恋愛関係を築こうと私とスキンシップを取りにきます。
ヨハネ「リリー陥落まであと一押し、って所かしら」
梨子「そんな簡単に陥落しません。調子に乗らない」
ヨハネ「むむ……手強いわね」
梨子「使ってまた無理矢理になんてしたら、今度こそ嫌いになるから」
ヨハネ「使わない、使わないから!嫌いにならないで!」
友達になってわかったけど、この堕天使ちゃん凄く良い娘です。
梨子「だったらよろしい」
ヨハネ「ぐぬぬ……このヨハネを振り回すとは、どっちが悪魔だかわかりゃしない」
ヨハネ「諦めないっ! リリーは絶対私のものになるの!」
梨子「…………」
……本当は、そんなひたむきになってくれる所とか。
ヨハネ「だってだって! 天国でも地獄でもこんなことなくて! たまたま見つけた人間にこんな、ドキドキして……」
ヨハネ「好きなんて知らなかったし! もう好きなんてリリーしかあり得ないし!」ギュッ
梨子「…………」
好きだと言われる度、体を密着させてくる度に私もドキドキして。
ヨハネ「だから、大好きなリリーのこと諦めないのっ!」
彼女と堕ちて行くのも、悪い気はしないかな、なんて。
梨子「…………」
ヨハネ「り、リリー?」
梨子「……キス」
ヨハネ「……へ?」
梨子「キスまでなら、許してあげる」
ヨハネ「な、なっ……なぁっ!?」
おわり
曜「本当! ……これどこで買ったの?」
梨子「ごめんね、貰い物だからわからないや」
千歌「そっか……いいの、私たち食べちゃって?」
曜「でもこれ、美味しくて手が止まらないや」
梨子(ヨハネちゃんのくれたものだし毒とかは疑って無かったけど、そんなに美味しいんだ……)
曜「あっ、もう無くなった」
梨子「えっ私まだ食べてない」
千歌「ご、ごめんね! ついうっかり……」
曜「なんか今度お菓子奢るね……」
梨子「ううん、いいよ気にしないで。今度それをくれた娘にまた買えるか聞いてみるね」
ようちか「「いいの!?」」
梨子「……そんなに美味しかったんだ」
千歌「あっ、そうなの?」
曜「……もしかして、デートですな~?」
梨子「ち、違うよぉ!」
千歌「ほうほう、梨子ちゃんとデートできる幸せなお方はどこのどちらで……」
梨子「いや、本当に違うし!」
曜「もしかして、本当にクールなバリタチお姉さんと……」ボソッ
梨子「違うってば!」
千歌「ん? 曜ちゃん今なんてー?」
梨子「な、なんでもない!」
梨子「曜ちゃん、私のことからかうならこっちだって……」ボソッ
曜「ちょ、流石にここでは勘弁して」ボソッ
梨子「ふふっ、愛しの幼馴染の前だから、かな?」ボソッ
曜「そ、そうだよ! 悪い!?///」
千歌「? 曜ちゃん?」
曜「や、なんでもない! なんでもないのであります!」
梨子「じゃ、私はそろそろ……」
千歌「あ、うん! またね!」
曜「ぐぬぬ……勝ち逃げされた……」
千歌「……」
曜「……」
千歌「…………っ、ぅ」
曜「…………ぁ」
曜(……なんか、ヘンだ)
千歌(胸の屋がフワフワするような、ドキドキするような)
曜(……さっきのお菓子のせいかな)
千歌(体、熱い……)
曜(千歌ちゃんのことが)
千歌(曜ちゃんのことが)
曜(胸とか、唇とか綺麗でゾクゾクして)
千歌(いつもより意識して、目が離せなくなってる……)
曜「……な、なに?」
千歌「曜ちゃんはチカのこと、どう思ってるの?」
曜「え……」
千歌「……最近、気付いたんだ。曜ちゃん、たまにそわそわしてるよね」
曜「……」
千歌「私が近づいたり、抱きついたときなんか、特に」
曜「それは……」
千歌「どうしたいの……?」
曜「……えっ」
千歌「チカのこと、曜ちゃんはどうしたいって、思ってたの?」
千歌「言ったでしょ、気付いたって」
千歌「もう、隠さないでいいよ……?」グイッ
曜「わっ……」
曜(向かい合って座る千歌ちゃんが、私の首に手を回して……)
曜(そのまま引き寄せて、横になって、仰向けに……)
千歌「えへへっ、よーちゃんに押し倒されちゃったぁ♡」
曜「ち、ちかちゃ、こんなの……」
千歌「だーめ、離してあげない」
千歌「よーちゃんには、チカをこんなにしちゃったせきにんをとってもらうのだ♡」
曜「……本当に、いいの?」
千歌「よーちゃんならいいの」
千歌「よーちゃんになら、ってずっと思ってたよ」
曜「ちかちゃ、わたし、も」
千歌(曜ちゃんのことしか頭になくて)
曜(千歌ちゃんのことしか見えなくて)
千歌(二人でめちゃくちゃになりたいの)
曜(もう、抑えられない)
曜「ちかちゃ、すき、すきっ……」
千歌「チカも、よーちゃんのこと、大好きだよ……」
千歌「ね、我慢できないの♡ はやく、して♡」
曜「うん、いっぱい、しちゃおうね♡」
ヨハネ「そういえばリリー、この前のお菓子どうだった?」
梨子「あ……それが、友達が食べちゃって」
ヨハネ「なっ!?」
梨子「も、もしかして危険だった……!?」
ヨハネ「いえ、実害はないけど……」
ヨハネ「ただ、魔族と相性良くもない人間には刺激が……」
梨子「刺激?」
梨子「……そういえば食べた友達二人が付き合い始めたって」
ヨハネ「あー……」
おわり
そちらも書き終えたら投下するつもりだけれど、本当に長くなりかねないので別の場所での投下になるかもしれません
かわいかった
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