【ラブライブ!】希「中々縮まらないあなたとの距離」
- 2020.04.20
- SS

希「知らない子やね、仲良くなれるとええんやけど…」
希「えりちとは別のクラスやし、こっちのクラスでもいい友達出来るとええなあ」
希「あら?まだ来てないみたいやね。まあゆっくり待ってようかな」
希「どんな子なんかな…楽しみや」
希(隣に座ったし…矢澤さんかな?)
希(随分小さい子なんやね…色々)
希(ってアカン!初対面の子にこんな事言ったら嫌われてしまうやん!)
希(ここは普通に挨拶しよっと)
にこ「…なによ」
希「ウチ、東條希っていうんよ。これからよろしくね」
にこ「……よろしく」
希(ウチ何かしたっけ…むっちゃ機嫌悪いんやけど)
希(こ…ここでへこたれたらアカン!もっと話しかけないと)
にこ「…………」
希「矢澤さん?」
にこ「…別になんでもいいでしょ」
希「あはは…」
にこ「用はそれだけ?」
希(部活の事聞いたらアカンかったのかな…?こうなったら…)
にこ「…ないわ」
希「そんな事言って~女の子なんやから興味あるんやろ?」
希「ウチ、占い得意やから矢澤さんの事占ってあげるわ」
にこ「…勝手にすれば」
希「じゃあ、誕生日教えて…あ」
希「先生来たし、また今度やね」
にこ「…」
希(一番端の席だからお隣さんは矢澤さんしかいないし…もう少し頑張ってみよか)
希(とりあえず朝礼終わったら話しかけてみよ)
希「矢澤さん、さっきの続きしよか」
にこ「用事あるから」
希「そう…ごめんね」
にこ「…別にいいわ」
希(もしかして隣のクラスに友達でもおるんかな?それなら次の休み時間にでも聞いてみよ)
希(どこ行ってるんやろ…気になるわ)
希(次はお昼休みやし、教室から出ていく前にご飯誘ってみよっと)
希「ねえ矢澤さん、一緒にお昼ご飯食べない?」
にこ「用事あるから」
希「用事終わってからでもええよ?」
にこ「…昼休みが終わるまであるの」
希「そう…?ならしょうがないなぁ。いってらっしゃい」
希(これって完全に避けられてるんやろか?なんかショックや…)
希「ねえ矢澤さん、これから暇?」
にこ「…忙しいの」
希(部活の話はタブーみたいやし…)
希「もしかしてアルバイトかな?」
希「ウチも神社でアルバイトみたいな事してるんやけど…」
にこ「急いでるから」
希「そ…そう?ごめんなあ」
にこ「…」
希「じゃあね、矢澤さん」
にこ「…じゃあ」
希(ちゃんと占い用のカードも持ってきて、沢山占い出来るようにしておかないとね)
希(なんか昔のえりち見てるみたいやな)クスッ
希(えりちも入学した時は周りと馴染めてなかったみたいやし、あんなそっけない感じやったわ)フフッ
希(話しかけても最低限の返事しかしてこなかったし、クールというかそんな印象やったなぁ)
希(それに綺麗な容姿してるから、高嶺の花って感じで回りからちょっと浮いてたんよね)
希(まあ、本当は日本語を話すのちょっとだけ自信なかったから最低限の返事しかしてなかったみたいやけど)
希(お互い言葉に苦労したからなぁ…ヘンテコな者同士仲良くなっただけかもしれん)クスッ
希「ええよ、帰ろうか」フフッ
絵里「何かいいことあったの?」
希「ちょっと昔の事を思い出しただけや」
絵里「…そう?」
希(でも…矢澤さんの場合は…?)
希「ねえ矢澤さん」
にこ「…ごめん」
希(休み時間になると必ずいなくなるみたいやね…ここまでくると流石に寂しくなるわ)
希(悪意を向けられてるならまだええんやけど、他のクラスの人ともあまり話さないみたいやし…)
希(なんか…放っておけないタイプというか…そんな感じがするんよ)
希(…放課後勝負やね)
希「あそこってなんの部屋やったっけ?」
希「特に札もかかってないし…でも、空き教室ってわけでもなさそうや」
希「こっそり覗いてみよ…アイドルのポスター貼ってあるみたいやね」
希「棚には本とかいっぱいあるし…何やろこの部屋?」
希「それよりも矢澤さんはどこ行ったんやろ?」
希(いた…というか見つかったみたいや…)
にこ「なによ…こんなところまで追いかけてきて…」
希「あはは…いつもどこかに行ってしまうから気になって…」
にこ「はあ…普通ここまでする?関西の人って良く分からないわ」
希「ま…まあ…関西の人ってわけでもないけど…」
希(なんか関西の人扱いされるのも懐かしいなあ)
希(最初、えりちにはあなたの日本語変よって言われたんよね…あんまり方言の事とか分かって無かったからかな?)
にこ「まあいいわ、入りなさいよ」
希「ええの?お邪魔します」
希「アイドルのグッズいっぱいやね?」
にこ「まあね」
にこ「…………部室よ」
希「部室?何の部活?」
にこ「…アイドル研究部」
希「なるほど…このグッズの量も納得やわ」
にこ「そんな事よりなんの用よ…東條さんだっけ?」
希(名前覚えてくれてくれたんや…良かった。でも…)
にこ「はあ?意味わかんないし…」
希「あはは…」
にこ「あははじゃないわよ…」
希「…」
にこ「…」
希「う…占い!占いしにきたんよ!!」
にこ「そんな事の為に来たの?」
希「だって休み時間になるといなくなるんやもん」
にこ「わ…悪かったわよ。確か誕生日教えればいいんだっけ?」
希(ちゃんと覚えててくれてるやん…嫌われてるわけじゃなさそうね)
にこ「ふ~ん、誕生日聞いただけで星座わかるのね。すごいじゃない」
希「まあ今日やる占いは誕生日関係ないんやけど」
にこ「あんた、私を怒らせるために来たの?」
希「冗談やって」アハハ
希「今日の占いはカードを使うんよ」
にこ「なかなか本格的ね。これで何が分かるの?」
にこ「いいじゃない、お願いするわ」
希「じゃあ、ちょっと待っててね」
希「…」
にこ「…」
希「来年努力が報われるからそれまでは我慢やって」
にこ「なんか微妙な年ね…」
希「まあ占いは占いやから」
にこ「占ったアンタがそれを言ってどうするのよ…」
希「占いの結果を信じるのかどうかは本人次第ってことやね」
にこ「ふ~ん、まあ頭の片隅にでも置いておくわ」
にこ「…」
にこ「用事終わったら早く帰りなさいよ。練習の邪魔」
希「そう…?ごめんね」シューン
にこ「…っ」
にこ「これからは…いてあげてもいいわよ」
希「え?」
にこ「休み時間…ここまで来たアンタにこれ以上付きまとわれても困るし」
希「あはは…」
希「じゃあ明日ね、矢澤さん」
にこ「…じゃあね」
希(まだ壁はある感じやけど…ちょっとは進展したかな…)
希(でも、部活の事にはあんまり触れない方がいいみたいやね)
希(なんか訳ありっぽいし…少しずつ…)
希「あれから少しずつ会話できるようになってきたし友達っぽくなって…あれ?」
希「矢澤さん忘れ物しとるね。多分部室にいると思うし届けに行ってあげよっと」
希「部室から誰か出てきた…あれって生徒会長?なんかあったんかなぁ?」
にこ「まだ文句言い足りないわけ!?…あ…」
希「や…矢澤さん?」
にこ「ご…ごめんなさい…アンタに言ったわけじゃ…」
希「別にいいけど…何かあったん?」
希(目も赤いし…生徒会と揉めたんやろか?)
にこ「それは…関係ないでしょ…」
希「でも…ウチ、そんな顔した矢澤さん放っておけんよ…」
にこ「…」
希「?」
にこ「アンタこの前聞いたでしょ。他の部員の事」
にこ「今、アイドル研究部には私一人しかいないの。それってどういう事か分かるでしょ」
希「部員が一人の部活って事?それって…」
にこ「簡単に言えば廃部って事よ、だからこの部屋明け渡しなさいって」
にこ「…」
希「よ…良かったらウチ!」
にこ「やめて、それ以上言わないで…」
希「で…でも…」
にこ「私がやってることがおかしいって分かってる…だから同情なんてしないで…」
希「矢澤さん…」
にこ「もう…あんな事には……」ボソッ
にこ「私の夢のためよ…」
希「夢…?」
にこ「私は宇宙一のアイドルになる事が夢なの、そのためにここを奪われるわけにはいかないわ」
にこ「だけど、それも来月で終わりのようね」
にこ「これでアンタもここまで私に会いに来る必要はなくなるわよ、良かったわね」
希(そ…そんな泣きそうな顔して言わないで…)
にこ「そんな訳だから、アンタも目を付けられないうちにさっさと行きなさい」
にこ「は?」
希「なんで…そんな泣きそうな顔して…夢諦めちゃうんよ…」
にこ「…うるさいわ」
希「来月まで可能性あるなら諦めたらあかんよ…」
にこ「そんな事…私が一番分かってるわよ」
にこ「…アンタなんでここまでするのよ」
希「ウチ…矢澤さんの事友達だと思ってるから」
にこ「…っ」
にこ「本当、アンタって変な人ね…これ以上私を困らせないでよ…」グスッ
にこ「謝らないでよ…馬鹿」
希「うん…」
――――――――――――――――――――――――――
にこ「…」ムスッ
希「あ…あれ?どしたん?」
にこ「はあ…なんでアンタの前であんな事に…」
希「ウチは気にしないけど」
にこ「はあ…そういう問題でもないんだけど…」
希「溜息ばっかりついて…幸せが逃げるよ」
希「え?なんか言った?」
にこ「…っ」
にこ「仕方ないから、にこがアンタの前でライブしてあげるって言ってんの!」
にこ「私のステージを独占できるのよ!感謝しなさい!」
希「え…ホンマに!?」
希(アカン…見惚れてしまいそうや…)
希(なんで…こんなに凄い力を持っているのに…諦めようとしたんよ…)
にこ「…ふう」
にこ「どうだったかしら…ってアンタ」
希「え?あ…あれ?ウチどうしたんやろ?」
にこ「本当…アンタは私を困らせるのが得意ね…」
希「あはは…」
にこ「な…何よいきなり…しかも変なあだ名つけて…」
希「ライブ、とっても良かったよ」
にこ「あ…ありがと…///」
希「後はまた名前で呼んでくれたら完璧かな?」
にこ「聞こえてたのね…。また…私のパフォーマンス見に来てもいいわよ。希」
希「うん!」
希「今日はにこっちのところ行こうかな」
絵里「希、ちょっといいかしら?」
希「なしたん?」
絵里「あのね…先生に生徒会長やってみないかって聞かれて」
希「すごいやん!」
絵里「それで、希に副会長やって欲しいって思ってるんだけど」
希「え~どうしよっかな?」
絵里「希!お願い!!」
希「えりちのお願いならええよ」
絵里「本当!?ありがとう希!!」
希「ウチがえりちのお願い断るわけないやん」
絵里「助かるわ…希がいてくれたら安心できるわ」
希(生徒会に入ればアイドル研究部の事も守れるかもしれんし)
希「お邪魔しまーす。今日はにこっちにお知らせがあるんよ」
にこ「何よもったいぶって」
希「ウチ、音ノ木坂学院の生徒会副会長になる事に決まりました!」
希「に…にこっち?」
にこ「………出て行って」
希「え?」
にこ「この部屋から出て行ってって言ってんのよ!」
希「ウチ…なんかした?」
にこ「アンタの顔なんて見たくないの!」
にこ「なんで…にこがアイドルを始めようとすると…みんな私の前からいなくなるのよ…」
にこ「だから…友達なんて…」
希「…ごめん」
希「にこっちが生徒会の事嫌ってるって知ってたのに…」
希「きっと…敵になってしまったんかな…ウチも…」
希「…いや、ウチにしか出来ないことがあるはず」
希「にこっち…少しだけ待ってて」
希「休み時間になると部室に行く少し前の生活に戻ってしまった」
希「誰にも部室を渡さない…きっとそのために…」
にこ「そろそろ荷物まとめないと…」
コンコン
にこ「…どうぞ」
希「失礼します。生徒会です。お話があってきました」
にこ「これから荷物まとめるところよ。明日にはいなくなるから」
にこ「もういいわ、アンタが最後に来るなんて皮肉なものね」
希「本当にアイドル続けたくないん?」
にこ「…そんなわけないでしょ。でも約束だもの」
希「そんな事で夢諦めてもええの?」
にこ「なんなのよ!しつこいわね!!そんな簡単に諦められる訳ないでしょ!!」
にこ「…は?」
希「アイドル研究部は今年度存続決定っと、にこっちここにサインちょうだい」
にこ「な…なに言ってるのよ…」
希「何ってそのままやん。にこっち今年度はこの部室使ってええよ」
にこ「い…いや…その…」
希「いいからサインして」
にこ「…うん」
希「ん?別ににこっちの為だけってわけじゃないんよ」
希「この学校年々生徒が減ってきて、今の3年生が部活から引退しちゃうと存続できない部活が結構あるんよ」
希「だから、一定の要件さえ満たせば部として存続してもいいって理事長に許可取ってきたわ」
希「空き教室も多いし部室もそのまま使っていいって言われたから、ここ部室として使ってええよ」
希「まあ…にこっちの事知らなかったらこんな事しなかったかもしれんけど」
にこ「…希」
希「ウチって先生の数も少なくなってきてるから人数の少ない文化系の部活には顧問の先生いないところも多いんよ」
希「だから、名ばかり部活にならないように月に一度生徒会に活動報告をすること」
希「今回は初回やし報告とかもいらないからウチが承認しておくわ。いっぱい練習してるの見てたし」
希「基本的には生徒会長がやるんやけど、ちょっと真面目やからお小言が多いかもしれん…我慢して」アハハ
にこ「あんなにひどい事言ったのに…」
希「なんでってにこっちはウチの大切な友達やもん♪」
にこ「…っ」
にこ「希は本当に…私を困らせることが得意ね………」グスッ
希「それに、アイドル矢澤にこちゃんの大ファンやから!!」
にこ「うるさい…ばか」
にこ「ねえ、希」
希「なしたん?もしかして緊張してるん?」
にこ「1年前にしてくれた占い…覚えてる?意外と当たってたかもしれないわね」
にこ「希が色々してくれたおかげでもあるけど」
希「ごめんなあ…忘れてしもた…」
にこ「そ、ならいいわ」
希(ごめん、にこっち。あの占いの事はよく覚えてるんよ)
希(でも、ウチはなんにもしてないし、にこっちの努力が成果としてようやく表れただけ…一緒にアイドルとしてステージに立つとは思ってなかったけど)クスッ
希「ウチはやっぱりにこっちの大ファンやなって」
にこ「うるさい…ばか」
希(ふふっ…占いしなくてもわかるよ、にこっちが宇宙一のアイドルになるって)
にこ「それと一応伝えておくわ…」
にこ「希…ありがと」
にこ「これからも…よろしく」
希「…ウチも伝えておきたいことがあるんよ」
希「これからもよろしく、にこっち♪」
おわり
とにかく良かった
良かったよ
ありがとう乙乙
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