【ラブライブ!】梨子「眠れない……」
- 2020.05.01
- SS

梨子「………………」
梨子(本でも読もうかな)
梨子「…………」
梨子(少しだけ眠くなって来たかも)
梨子(目をつぶれば)
梨子「………………」
パチッ
梨子(電気を消したら案外すぐ寝られる……)
ピロン
梨子「…………」
梨子(千歌ちゃんの部屋の電気はもう消えてるし)
梨子(曜ちゃん……は飛び込みの大会あるっていってたから、早寝してるだろうし)
梨子(つまり……)
梨子(やっぱり気になる)
ガサゴソ
梨子(どうせ寝られないなら見ちゃおう)
ポチポチ
梨子(ええっと……鞠莉ちゃんから……?)
『起きてますか?』
梨子「…………」
梨子(……それにしても嫌な予感しかしない)
ピコン
梨子(既読が速い)
『今家の前にいるよ☆』
梨子(いやいや、まさか……)
『ヨハネちゃんもいるよ』
梨子「…………」
梨子(もう寝るんですけど……と)
梨子(この文はよっちゃんが書いたんだってことはわかった)
『ピンポンならすわよ☆』
梨子(インターホンのことかな……)
梨子(2人ともこんな夜中に何をしてるの……)
梨子(電気付けよ)
カチッ
梨子(急に明るくすると目がちょっとぼやける)
梨子(心なしか眠気が覚めて来た)
梨子「…………」
梨子(落ち着いて桜内梨子、まずほんとに2人がいるかどうか確認しないと、いたずらかも知れないよ)
梨子(家の中からインターホンを使って覗けるはず……)
──────
───
梨子(……家族は気づいてないと思いたい)
梨子(玄関モニターで2人を確認……)
梨子「…………」
梨子(ほんとにいた)
梨子(……これで夜を過ごせるかも)
梨子「…………」
ピロン
『見てるのはわかってるのよ?』
梨子(……バレた)
梨子「……夜遅くにこんばんは」
鞠莉「Good evening、やっぱり来ると信じてた」
善子「グーテンアーベンド、お嬢さん、もし差し支えなければ私の腕をお貸しして、闇夜に送ってあげましょう」ニコッ
梨子「扉を開けたら外国に来ちゃった……」
梨子「おかげさまで」
鞠莉「でももう家から出たからには同じ穴の骸、違う?」
梨子「そんな日本語あったっけ……」
鞠莉「小さいことはdon’t worry♪」
梨子「……何で2人だけで私の家に」
鞠莉「当然私が起きてるか確認して集めたのよ」
善子「他は誰も返信来なかったけど……」
善子「……ちょっと散歩でもしない?」
梨子「……そんなことなら」
善子「千歌ちゃんも呼んでこようかしら」
梨子「もう寝てるよ…」
鞠莉「行くところを決めたところで、それは深夜に行くべきところじゃないでしょう?」
梨子「……確かに深夜に行かないといけないところなんて……ないかな」
鞠莉「そう、だから場所なんか決めたってもったいない、この特別の時間が。違う?」
梨子「……やるべきことは、他の時間にやればいいってことかな」
鞠莉「うーん……ちょっと違う」
鞠莉「特別な時間くらい、楽しむことだけ考えてもいいでしょう?」
善子「コンビニへ行きましょう」
鞠莉「Sounds good!」
梨子「……さっきの言葉はどこへ」
鞠莉「でもこのくらいの気温が散歩には丁度いいの!」
梨子「確かに、このくらいが一番空気が澄んでるよね」
善子「スマホの電気は消さないでよね、マリー」
鞠莉「あと2回言ったら消しちゃうわよ?」ニヤニヤ
梨子「こうやってスマホの光に頼って歩いてると、私達だけの空間を歩いてるみたいだね」
鞠莉「この辺りは警官もきっといないわ」
梨子「……じゃあいいけど」
善子「ちょっと背徳的な方が燃えるのよ!」
鞠莉「まさにguilty night!」
梨子「……鞠莉ちゃんはもう18歳だと思ってた」
鞠莉「ええ、18歳よ。マリーがあなた達の保護者になってあげる♪」
──────
───
善子「さて何買おうかしら」
梨子「うう店の中は温かい……」
鞠莉「私はcoffee♪」
善子「ヨハネは……無難にあんまんとコーヒー。リリーは?」
梨子「じゃあレモンティーにしようかな」
鞠莉「夜にくると、コンビニもちょっとだけ違って見えると思わない?」
善子「どこも寝てるなかで輝く、夜型人間のオアシスって感じね」
梨子「……………」チラッ
鞠莉「……もしかして梨子、あなたほんとはサンドイッチ買いたいんじゃないの?」
梨子「……やっぱりバレちゃってた?」
鞠莉「ずっとあそこのコーナー見てるでしょう?」
梨子「……でも夜だし、ダメかなって」
鞠莉「ふ~ん……じゃあヨハネちゃん!これも追加で」ヒョイ
梨子「ちょっとまっ」
善子「あと、あんまんありますか?」
>チョウドキレテマス
善子「……じゃあにくまんで」
>カシコマリマシタ
梨子「よっちゃん不運だったね……」
善子「この悪魔級の運の悪さは夜でも付きまとってくるのかしら……」
梨子「……当たり前だけど、いつもは人がいる公園も夜だと寂しげだね」
善子「いろいろなものが違って見えるから、夜はいいのよ」
梨子「……そういえば、今の時間帯、鳥ってどこにいるんだろう、いつもはアレほどいるのに」
善子「鴉は混沌の闇にすでに消えていったわ……」
鞠莉「夜はコウモリ達が主役よねっ!」
善子「蝙蝠は漆黒の空への使者、そして堕天使ヨハネは夜の無慈悲な女王!」
鞠莉「イェーイ!」
善子「……ほんとのこと言うと、多分公園の木の上で寝てるんじゃないかしら」
梨子「……そうなんだ」
梨子「……」
梨子「……えっ」
鞠莉「Wow!」
善子「これぞ真の地獄の番犬、いや狼……」
梨子「…………」
善子「そういえばリリー犬苦手だったっけ」
梨子「……うん」
鞠莉「……梨子、手を握ってあげる」
梨子「…………ありがとう //」
善子「ヨハネも!」
梨子「…………温かい ////」
梨子「……うん」
善子「居場所を持たないのに、どうして生きていられるのかしら」
梨子「…………」
鞠莉「……多分それは、生きようというしっかりした気持ちがあるからよ」
梨子「……じゃあ野良犬には特別な時間はないのかな」
鞠莉「居場所があった時は、スペシャルな時間もあったんでしょう」
善子「……ただの野良犬も、少し不思議な存在に見えてきたような」
梨子「……かなりこわい」
鞠莉「私が保護者って言っちゃったから守らないと」
善子「……襲って来ないわよね?」
梨子「あ、行っちゃった」
善子「……吠えなかったわね」
鞠莉「私たちはおかしな人じゃないもの」
善子「傍から見たら完全に不良集団かも知れないけど」
梨子「1番騒いでるのはよっちゃんだよ……」
鞠莉「……ありがとう」
梨子「……ありがとう」
善子「1人だけ食べてたら悪いでしょう?それに私はほんとはあんまんが食べたかったの」
鞠莉「素直になりさいよ、夜の小悪魔ちゃん♪」
善子「きっと、3人で分けたからよ」
鞠莉「飲み物を飲んだあと、手に息を吹きかけたら……ちょっぴりロマンチックな気持ちになっちゃうわね」
梨子「……サンドイッチも、みんなで食べよ?」
鞠莉「……私だけ上げられなくてちょっと気まずい」
梨子「鞠莉ちゃんは手が温かいからいいよ」
鞠莉「どうしたの?急に、手を強く握り締めなくても、私は逃げないわよ」
善子「……電気、ちょっと消してみて」
鞠莉「…………わかった」
梨子「……ねえ、空を見て」
善子「あれがアルタイル、デネブ、ベガね」
梨子「今はそれの季節じゃないと思う……」
善子「……この夜空も、みんなの中に残せたらいいな」
鞠莉「きっとこんな特別な時間、忘れないわよ」
梨子「…………心の目では、肝心なものを見てる」
鞠莉「…………そうね」
善子「…………私達、やっぱり内浦と、みんなが好きみたい」
鞠莉「……さて、親が起きる前に帰りましょう」
──────
───
梨子(家の場所がそれぞれ違うからあそこで分かれちゃったけど)
梨子(もうちょっとだけ一緒にいたかった)
梨子(ちょっと明るくなってきたとはいっても、女の子1人だと危ないような)
梨子(……多分、私が無事だったんだからみんな大丈夫だと思いたい)
梨子(鍵はかけて合った、忘れてたら危ない……)
梨子(……誰も起きてないよね?)
梨子(……今日は日曜日だから昼まで寝ていても許されるよね)
梨子(あの2人、いつも夜中に散歩してるのかな)
梨子(もう鳥の声が聞こえる時間……)
梨子「…………」
梨子(…………またいつか、あの景色、見られるかな)
ゆったりした感じがすごく良かった
凄くいい雰囲気だった
乙
独特の雰囲気で良かった
また読みたい!
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