【ラブライブ!】曜「想いを消してくれる薬?」
- 2020.05.02
- SS

千歌「ごめんね、よーちゃんのこと、そういう目で見たことがないの…」
千歌ちゃんが大好きすぎて、気持ちが抑えきれなくなった私は千歌ちゃんに告白した。
そして、玉砕した。
やっぱり心の何処かで期待してたんだ、私と千歌ちゃんの想いが一つであってほしいって
千歌「でもねでもね、私にとってよーちゃんは大切な人なの!だからこれからも親友として、一緒にいてくれないかな…?」
千歌ちゃんにそう言われた時、自然と涙が出てきた。
…残念ながら嬉し涙じゃない。
このまま千歌ちゃんと一緒にいれば、私の恋心は消えない。ますます千歌ちゃんのこと好きになっちゃう。
私と千歌ちゃんの想いは一つになれないと分かってるのに、一緒にいるのはつらい、耐えられない。
曜「ごめんね…千歌ちゃん」
思わず私はその場から逃げ出した。
後ろから千歌ちゃんの声が聞こえたけど、決して振り向かなかった。
私は人通りの少ない道を1人で歩き、1人で悩んでた。
今のまま千歌ちゃんと一緒にいることは耐えられない。正直Aqoursやめたい。
でもそんなことしたら大好きな千歌ちゃんが悲しんじゃう。
それも耐えられない。
…やっぱり千歌ちゃんのこと好きなんだなぁ。
でもこの想いは消さなきゃいけない。私のためにも、千歌ちゃんのためにも。
この千歌ちゃんが異性愛者かどうかはわからないけど
「お嬢さん、悩んでるようだねえ」
曜「ッ!?」
突然、声をかけられて思わずビクッとしてしまった。
声の主はフードを被っていて、道端で露店を開いていた。
古臭そうな本やペンダントが置いてある。
なんというか見た目とあいまって…うん、胡散臭さがはんぱない。
曜「なんでしょうか?」
恐る恐る聞いてみた。
フードの人「いま想いを消したいって言ったよね?」
どうやら独り言を聞かれたみたいだ。とても恥ずかしい。
フードの人「フッフッフッ、それならちょうどいいものがあるんだよ」
そういって、その人は後ろにあったカバンから袋に入った薬を取り出した。
あ、これやばいやつだ。
私は少しずつ後ずさりして、逃げだすことに決めた。
フードの人「ちょっ、ちょっと待ってよ。まあいきなりこんなこと言われてものすごーく怪しいのはわかる。うん、わかるよ」
フードの人「でも、君、禁断の恋で悩んでるでしょ?」
曜「ッ!?」
フード「まあ要するに特定の人への想いを消してくれる薬なんだ」
曜「…想いを消してくれる?」
フード「そう、これは飲んだ人の恋心だけを消してくれるんだよ。友情とかは普通に残るから関係は険悪になることもないし、うん、便利だね」
まさに今の私からしたら喉から手が出るほど欲しいものだった。
でもこんなの信じていいの…?
どの道、今のままじゃ八方塞りなんだ。
なら藁にすがるのも悪くないかもしれない。
私は購入を決めた。
1.この薬は特定の人への恋心を消してくれる薬です。
2.恋心以外の感情、友情や親愛などは残ります。
3.薬を飲むときは今現在、恋心を抱いてる相手を思い浮かべ、その人の名前を口に出してから飲みましょう。
4.効果は飲んですぐに表れます。
5.消えた恋心は決して元には戻りません。
でも今はこれにすがるしかない。
薬はお得セットということで2錠貰ってきた。
私は袋の中からそれを1錠取り出し….
曜「さよなら千歌ちゃん」
そして、それを
梨子「千歌ちゃん、今日なんだか元気がないね。何かあった?」
千歌「そ、そんなことないよ。チカはいつも通り元気いっぱいだよっ!」
梨子(怪しい…)
タッタッタッタ
曜「千歌ちゃん、梨子ちゃん、おはヨーソロー!!」ニコッ
梨子「あっ、曜ちゃん、おはよう。廊下は走っちゃ危ないよ」
千歌「よ、よーちゃん」
曜「私今日日直だから先行くね!!」
梨子「ふふっ、曜ちゃんはいつも通り元気いっぱいだね」
千歌「…今のよーちゃん、何か変じゃなかった?」
梨子「え?そんなことないと思うけど…どうしてそう思うの?」
千歌「私、あんなよーちゃん見たことない…」
千歌「よーちゃん、少し話があるんだけどいいかな…?」
曜「大丈夫だよー、千歌ちゃんのためなら全速全速ヨーソロー」
千歌「…屋上に行こうか」
屋上
千歌「よーちゃん、昨日はごめんね」
曜「? なんで千歌ちゃんが謝るのさ」
千歌「だって今日1日見てたけど、なんだかよーちゃんいつもと違ってたから…」
曜「そんなことないと思うよ?もう吹っ切れたからね!」
千歌「えっ?」
曜「千歌ちゃん、昨日は勝手に帰っちゃってごめんね。これからは千歌ちゃんの1番の親友としてよろしくお願いするであります!」ケイレイ
千歌「…やっぱり私、よーちゃんのこんな顔見たことないよ。よーちゃん、無理してない…?」
曜「あはは、だからそんなことないってばぁ。それより千歌ちゃん、練習始まっちゃうよ?」
千歌「あっ、もうこんな時間…」
曜「よし、部室に着替えに行こう!」
タッタッタッタッ
千歌「…..」
「えっ、曜ちゃんに違和感?うーん、前も同じこと聞いてきたけど、私は特に感じないなぁ」
「曜さんの様子?特に変なとこはないでしょ。いつも通り完璧超人ヨーソローよ」
「曜について何か変わったこと?うーん、いつも通りの曜だとは思うけど…でも、そうだね、最近、練習終わりにちょっと疲れてる感じがするかなぁ。他のメンバーには隠してるみたいだけどね。」
「元々水泳部の掛け持ちに加えて、衣装作製と負担が大きいからね、私たちでサポートしていかないと…」
千歌「…..」
ダイヤ「今日の練習はここまでですわ」
花丸「つ、疲れたずらぁ」
ルビィ「ピ、ピギギギ」
善子「だ、堕天使にはこの程度余裕よ余裕」
果南「足が痙攣してるよ」
鞠莉「か、果南だけは本気で平気そうネ」
千歌「…..よーちゃん、今日ちょっと寄り道していかない?」
曜「」
千歌「よーちゃん…?」
曜「」フラッ
バタン
「よーちゃん!?よーちゃん!?」
「曜、大丈夫!?」
「曜さん!?すぐに保険室の先生を呼んできましょう!!」
ダイヤ「曜さんの容体についてですが…」
7人「」ゴクリッ
ダイヤ「過労で倒れたようですわ。ですが不幸中の幸いで、大事には至っていません。今日は1日自宅で安静にしてるよう指示されたそうですが」
花丸「よ、よかったずらぁ」ホッ
千歌「よーちゃんが無事でほんとによかった」ウルウル
果南「でも今回のことは私たちに責任があるね。曜は負担が大きいんだから、私たちがサポートしてあげなくちゃいけなかったのに」
ルビィ「これからはもっとルビィが衣装製作とかお手伝いするよ」ガンバルビィ
7人「?」
ダイヤ「最近、曜さんは水泳部とスクールアイドルの活動に加えて衣装製作と普段から負担を重く感じていたようです」
善子「そりゃ当然ね…」
ダイヤ「なのでスクールアイドルとしての活動を辞退したいとのことです…」
千歌「……え?」
善子「Aqoursをやめるってこと!?」
梨子「嘘….そんな…」
ダイヤ「厳密には衣装製作など自分ができる範囲で協力していくということですが…」
鞠莉「もう曜とは踊れなくなるってことよね」
ルビィ「そんなぁいやだよぉ」ウルウル
果南「どうにかならないの…?」
ダイヤ「私としても認めたくはありませんが本人が決めたことですし、曜さんに何かあってからでは遅いですから…」
千歌「ッ!!」タッ
梨子「千歌ちゃん、何処行くの!?」
鞠莉「…ちかっちに任せましょう」
果南「最後の賭けだね…」
曜「ふぅ、まだ体に力入らないや。やっぱり水泳部にスクールアイドルに衣装に全部やるのはきついなぁ」
曜「ちょっと前の私だったら楽々こなしてたんだけどね。やっぱり私の原動力は…」
ヨ-チャ-ン
曜「ん?誰かに呼ばれたような?」
ヨ-チャ-ン
曜「窓の外から聞こえる。この感じはまさか…」ガラッ
千歌「よーちゃん!!」アセダクダク
曜「千歌ちゃん!?」
千歌「よーちゃん、話があるの!!」
曜「なんかよくわからないけどちょっと待ってて!」
曜「話って何かな?やっぱりスクールアイドルやめる件?」
千歌「それもだけど私ね、よーちゃんに聞いてほしいことがあるんだ」
曜「…うん、聞くよ」
千歌「まずよーちゃんが変わったこと。実はね、他のみんなに聞いてみたんだけど、そんなことないって言われたの。でもチカはよーちゃんが変わったとしか思えなかったの」
千歌「なんていうか私に対する態度が変わったというか。わかりづらいけど笑顔が違うの。これまでずっとチカに向けてくれた笑顔といまのよーちゃんの笑顔は違うの」
千歌「チカはね、よーちゃんのことが大好きだったんだよ。前にそういう目で見たことないって言っちゃったけど、見たことがないだけだったんだよ。チカはよーちゃんのことが本当に本当に好きだったんだよ」ポロポロ
千歌「今頃気づいてごめんね、よーちゃん。大好きだよ」ポロポロ
曜「….」
曜「千歌ちゃん、ごめんね…ごめんね…もう遅いんだよ…」ポロポロ
千歌「…え?」
曜「私ね、この薬を飲んだんだ」
千歌「何、この説明書…?これは…」
曜「私は千歌ちゃんが好きなままで、千歌ちゃんと一緒にいることに耐えらなかったの。だからこの薬を飲んで、無理やり千歌ちゃんへの想いを消したんだ…」
曜「この薬で消した想いはもう2度と戻らない…だから私と千歌ちゃんの想いが1つになることはもうないんだよ…」
千歌「そんな…」
曜「ごめんね、千歌ちゃん。千歌ちゃんのためなら何でも頑張れるぐらい大好きだったよ」ポロポロ
千歌「…」ポロポロ
曜「千歌ちゃん、そのままじゃつらいでしょ?この薬、もう1錠あるからあげるよ…これを飲んで親友に戻ろう?」
千歌「あはは、なぜか学校に来ちゃった。ここはよーちゃんとの思い出がいっぱいあるしね。この想いの最期の場所にはふさわしい気がするよ…」
千歌「曜ちゃんへの想いを捨てないといけないのか…」
千歌「つらいなぁ…つらいよぉ」
千歌「最期に同じ想いになれたね、よーちゃん」
千歌「さよなら、よーちゃん」
そして、それを
飲み込めなかった
鞠莉「WHAT?大声が聞こえて来たけど何事!?」
千歌「鞠莉さぁん….!!」ボロボロ
鞠莉「ちかっち?どうしたの!?曜と何かあったの!?」
たまたま理事長室にいた鞠莉に事情説明中
鞠莉「想いを消す薬ねえ….ちかっち、それ貸してもらえる?」
千歌「いいけど…チカはどーしたらいいのかな…?」
鞠莉「私の考えが正しければ、ちかっちは何も心配しなくていいわよ」
千歌「…?」
鞠莉「私に任せなさい!」
曜「千歌ちゃんから部室に呼び出されたけど…千歌ちゃん、薬飲んだのかな?」
曜「これで二人は元どおり親友になる…これでいいんだよね?」
曜「うん、いいはずだよ!よし、いつも通り元気よく部室に入ろう!」
ガラッ
曜「千歌ちゃん、おはヨーソ」千歌「よーちゃん、大好き!」
ブチュゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥ
曜「」
曜「」
曜「ナ、ナ、ナニシテルノチカチャン!?///」
千歌「私ね、やっぱりよーちゃんのことが大好きなの。大好きは隠せないの!!」
千歌「だからよーちゃんの本当の気持ちを教えて!!」
曜「で、でも私は薬で」
千歌「薬なんか関係ない!!よーちゃんのいまの本当の気持ちを教えて!!!」
曜「私のいまの気持ち…?私は、私は、私は…あれ、千歌ちゃんに抱きつかれて、キスされて私これ以上なく嬉しい?私、やっぱり千歌ちゃんのこと大好きだ!」
千歌「へへ、よーちゃん、笑顔戻ったね…」
曜「千歌ちゃん…」
鞠莉「それは私から説明シマショウ!」
曜「鞠莉ちゃん、いつからそこに!?」
鞠莉「これ、なんだと思う?」
曜「それは私が千歌ちゃんにあげた薬!?」
鞠莉「果南」ゴクリッ
曜「鞠莉ちゃんだめだよ!!」
鞠莉「果南、アイラービュー」
曜「あれ…?」
鞠莉「要するにあなたは騙されたのよ」
曜「え?えぇぇぇぇ!?」
鞠莉「特定の想いを消す薬なんてメルヘンじゃあるまいし、そう簡単に作れるわけないでしょう。これはただのビタミン剤よ」
曜「え?じゃあ私の3万、ビタミン剤2錠と交換になったの?」
鞠莉「それはご愁傷ね…」
鞠莉「それは曜のただの思い込みよ!いわゆるプラシーボ交換ってやつよ!」
曜「」
鞠莉「そもそもちかっちからまた聞きで薬もらったシチュエーション聞いたけど、中学生でもそんな薬信じないわよ!それに怪しい人から怪しい薬もらうなんてどうかしてるわ!ビタミン剤だったから良かったものの危ない薬だったらどうするつもりだったの!反省しなさい!」
曜「はい….」
鞠莉「…それでAqoursの活動はどうするの?やめるの?」
曜「やめない!確かに色々こなすのは辛い時もあるけど、やっぱり私は千歌ちゃんと一緒にやり遂げたい!」
鞠莉「うふふ、それなら私たちも全力でサポートさせてもらうわ。ね、みんな?」
果南「そうだね、私たちにできることならなんでも手伝うよ」
ルビィ「がんばルビィ!」
曜「果南ちゃん!?ルビィちゃん!?」
梨子花丸善子「///」
ダイヤ「せ、接吻なんて破廉恥ですわ///」
曜「みんな見てたの!?///」
曜「みんな….本当にありがとう」
千歌「でもこれで公認だね。大好きはもう隠さなくていいんだよ」ニコッ
曜「千歌ちゃん…私もう絶対この想いを消そうなんて思わないよ」
曜「千歌ちゃん、大好きだよ」
想いは一つに fin
ハッピーエンドでよかった!
(もう少し後日談とかあってもええんやで?)
もしかしたらもうちょい書くかも
続きも待ってます!
展開予想して悪かった反省する
怪しげな人が関西弁じゃなくて助かったな
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