【ラブライブ!】千歌「ダイヤさんの家に住むことになった」
- 2020.05.02
- SS

千歌「…えーと、お世話になります、ダイヤさん」
ダイヤ「…お話は伺っていますが、本当にやるんですの?」
千歌「今回は美渡姉もお母さんも本気で…終わるまでは家に入れないって言われました…」
ダイヤ「何をすればそんなに怒られるのですか…勘当されたわけではないんですわよね?」
千歌「そ、それは流石にないはずです!…多分」
ダイヤ「…ま、まあいいでしょう。とにかくお部屋に案内しますわね」
千歌「…はーい」
千歌(こんなことになるなんて…)
美渡「千歌ー!お客さんいるんだからもう少し静かにしな」
千歌「ご、ごめんなさい…庭でやるね」
美渡「いや庭でもやるんじゃないわよ。お客さんに目の届く範囲ではダンスの練習禁止!」
千歌「えー!そんなぁ!今回のダンスすっごい難しいんだよ!?」
美渡「そんなこと知らんわ!旅館なんだからお客様第一!」
千歌「うっ…それはそうだけど…」
千歌「で、でも遊んでるわけじゃないもん!」
美渡「慎みの一つでも持てって言ってんの!」
千歌「み、美渡姉に言われたくないもん!」
美渡「んな!?あんた今何つった!?」
千歌母「うーん、まあ確かに美渡の言うこともわかるわねえ」
千歌「うぇっ!?」ビクッ
美渡「っ!?母さんいつの間に!?」ビクッ
千歌「お、お母さんまでそんなぁ!」
美渡「ふふふ、ほーらみろ」
千歌母「美渡が人のこと言えないってのもその通りだからね?」
美渡「ええー!?」
千歌母「とにかく、千歌にもそろそろそういうこと学んでほしいかなーって思うのよ」
千歌「そんなこと言われても…」
千歌「黒澤って…ダイヤさんとルビィちゃんの家?なんで?」
千歌母「そうそのダイヤちゃん!お淑やかでしっかりしてて、立派な子じゃない。しばらくお世話になって、色々教えてもらうといいわ」
美渡「あーそれいい!爪の垢でも煎じて飲ませてもらってきな!」
千歌「ち、ちょっと待って!?話が急すぎるよ!?」
美渡「うんうん、さすが母さん」
千歌「って、そんな勝手に決めていいことじゃないよね!?」
千歌母「大丈夫だと思うわよー?まあとにかく、私から連絡しておくから千歌は準備しちゃいなさいねー?」
千歌「なんでそんなことわかるの…えっ、ていうかこれチカほんとに行くの…?」
千歌(まさかこんなにあっさり許可が下りるとは思ってなかったよ…)
ダイヤ「では、この部屋を使ってくださいませ」
千歌「あっはい、ありがとうござ…って、広っ!」
ダイヤ「お布団は襖にしまってありますわ。あと洋服箪笥もお好きに使ってください」
千歌(…チカが言うのもなんだけど、旅館みたいだなぁ)
千歌「大丈夫です!…ていうかほんとにすみません、押しかけちゃって」
ダイヤ「確かに驚きましたが、気にすることはありません。どうせしばらく私しか家にいない予定でしたから」
千歌「へ?そうなんですか?」
千歌(そういえば、あんまり人の気配しないような…)
千歌「え、ダイヤさんだけお留守番なんですか?」
ダイヤ「ええ。何というか、事情がありまして」
千歌「事情?」
ダイヤ「今まで…格式張ったといいますか、そういった場は長女である私が出席していたのです。でもその弊害か、ルビィにそういった教養が身につかず…そのことをお父様が気になさったみたいで…」
千歌「…じゃあまさか、ルビィちゃん」
ダイヤ「お察しの通り、特訓だと連れて行かれましたわ…家を空けておくわけにもいかないので、私が留守を預かってるんですの」
千歌「なんかチ…私と似た状況ですね」
千歌(お母さん、このこと知ってたからあんなこと言い出したのかな)
千歌「そうなんですか…ふふっ」
ダイヤ「?随分と楽しそうですわね?」
千歌「いやあ、ダイヤさんと二人きりってよく考えたら珍しいなーって。お泊まり会って考えたら、楽しくなってきました!」
ダイヤ「…ああ、なるほど。お母様から聞いていないのですね」
千歌「?何をですか?」
ダイヤ「一緒に暮らす間、千歌さんには私と全く同じ生活を送らせてほしい、と仰せつかっているのです」
千歌「え、そうなんですか?全く同じって…」
ダイヤ「とりあえず今日は、お琴の稽古からですわね」
千歌「」
ダイヤ「千歌さん!また間違えてますわ!」
千歌「だ、だってお琴やったことないんですもん!難しいですこれ!」
ダイヤ「きちんと私が教えた基礎に従ってください!それではいつまで経ってもまともに弾けるようになんてなりませんわよ!」
千歌「そんな、ダイヤさんみたいに綺麗に弾けたら苦労しませんよ!」
ダイヤ「だから、まずは基礎をしっかり抑えてください!いいですか、もう一度説明しますわよ?」
千歌(ダイヤさんスパルタすぎるよー!)
ダイヤ「…さて、今日はこの辺にしておきましょうか」
千歌(や、やっと終わった…)
ダイヤ「さて、では行きますわよ?千歌さん?」
千歌「へ?行くってどこにですか?」
ダイヤ「次は書道の時間ですわよ?」
千歌「」
ダイヤ「そもそも千歌さんは姿勢かなっていませんわ!はい背筋はまっすぐ!」グイッ
千歌「こ、この態勢保つの辛すぎますよー!腕つりそうだし!」
ダイヤ「普段からきちんとした姿勢を保たないからそういうことになるのです!そういっただらしなさは自然と字にも表れてしまいますわ!」
千歌「うっ…確かに姿勢はよくないですけど…」
ダイヤ「姿勢はあらゆることに繋がるのです!ましてや私たちは学園を代表するスクールアイドル!いつでも優雅な姿であらなければなりませんわ!」
千歌「うう…頑張りますよう…」
千歌「つ、つかれた…」ドサッ
千歌(結局あのあと1時間書道して、終わりかと思ったら今度はお花…)
千歌「ダイヤさんって、普段こんな生活してるの…?」
千歌(うう…まさかこんなに大変だとは思ってなかったよ…)
千歌(チカ、ここでやってけるのかなあ…)
千歌「えっ、はい!?いますよ!」
ダイヤ「何故そんなに無駄に元気な…そろそろお夕食の時間なのでお手伝いをお願いします」
千歌「あ、そっかお夕飯か…わかりました、今行きます」
ダイヤ「まあ急ぐ必要はありませんので、準備が出来たら台所にいらしてくい」
千歌「はーい」
千歌(…私お料理全然できないんだけど大丈夫かなあ)
千歌「ダイヤさん、お待たせしました…って、どうしたんですかその格好…」
ダイヤ「?お料理をするのですから当たり前ではありませんか」
千歌「いや、そうかもしれませんけど…」
千歌(割烹着なんて給食以外で初めて見た…)
ダイヤ「ほら、千歌さんも早くこれを着てください」
千歌「あっ、私も着るんですね…」
千歌(にしてもダイヤさん似合ってるなあ…)
千歌「じ、実はほとんど使ったことなくて」
ダイヤ「あなたもう17でしょう…まあ仕方ありません、せっかくなのでこの機会に覚えて下さい」
千歌「や、やっぱり覚えなきゃまずいですよね…頑張ります」
ダイヤ「まずはその無駄に入りすぎてる力を抜いてください。リラックスしてやらないと怪我しますわよ」
千歌「わ、わかってはいるんですけど…」グッ
ダイヤ「ちょ、危ない危ない危ない危ないですから!」
ダイヤ「…何とか完成しましたわね」
千歌「長い戦いでした…お料理ってこんなに大変なんですね」
ダイヤ「確かに最初は苦戦するのも無理はありませんね。まあ後半には力も抜けていましたし、初めてにしては上出来だと思いますわ」
千歌「そ、そうですか?えへへ…」
ダイヤ「怪我する一歩手前ではありましたがね」
千歌「うっ」ギクッ
ダイヤ「最終的には千歌さん1人でできるようになっていただきたいですわね…さて、冷めてしまう前に頂きましょうか」
千歌「え、なにこれすっごい美味しい…この煮物いつの間に作ったんですか?」
ダイヤ「昨日作り置きしておいたのですわ。お口に合ったなら何よりです」クスッ
千歌「ダイヤさん、お料理も上手なんですね…」
千歌(お味噌汁もすっごい美味しいんだけど、チカが切った野菜だから見た目が…)
ダイヤ「お味噌汁を睨めつけるんじゃありませんよ…これはこれで美味しいですわよ?」
千歌「ほ、ほんとですか?」
ダイヤ「ええ、とても新鮮な気持ちになります」クスッ
千歌「どういう意味ですかそれー!」
ダイヤ「さあ、どうでしょうね?」クスクス
ダイヤ「さて、それでは食器を片付けましょうか」
千歌「はーい」
千歌(ああ、すっごく美味しかった…それに、ダイヤさんと2人でご飯作って食べるのって、新鮮で楽しかったし)
千歌(さっきまで不安だったけど…これならやっていけそう!)
ダイヤ「千歌さん?ちゃんと聞いていますか?」
千歌「えっ?なんですか?」
ダイヤ「ですから、片付けが終わってからの話ですが」
千歌「はいはい」
千歌(もう結構遅い時間だし、お風呂のことかな?)
ダイヤ「私の部屋でお勉強ですからね?」
千歌「」
千歌「ううう…疲れた~…」グッタリ
曜「千歌ちゃんぐったりだね…今日の練習も大変だったからねえ」
千歌「そうだけどそうじゃないよ~…最近結構忙しいんだー」
曜「そうなの?何で?」
千歌「チカは今修行中なのです…それはそれは大変なんだよ」
曜「?」
千歌(ダイヤさんの生活は考えてたよりずっと大変で、チカはもう限界寸前です)
千歌「朝は早いし家事がいっぱいだしお稽古は大変だし毎日お勉強だしご飯は美味しいし…こんなの続けられないよ~…」
曜「お稽古ってなにそれ…花嫁修業?」
曜(ていうか最後のはいいことなんじゃ…)
千歌「うーん、ある意味それに近いかも。それがすっごく厳しいんだよ…」
曜「よ、よくわからないけど大変だね千歌ちゃん」
千歌(ダイヤさんお稽古のとき厳しいし…って)
千歌「あ、そうだ。ダイヤさん探さないと」
曜「へ?どしたの急に」
千歌「ダイヤさんと一緒に帰らなきゃいけないから探さなきゃ。じゃあまた明日ね、曜ちゃん!」ガタッ
曜「えっ、うん。ヨーソロー」
ガラッ
曜「…なんでダイヤさん?」
ダイヤ「あ、千歌さん。いいところにいらっしゃいましたわ」
千歌「あ、いたいたダイヤさん。もう夕方ですし帰りましょう?」
ダイヤ「そのことなのですが、私は少し帰りが遅くなってしまいそうなのです」
千歌「へっ?なんでですか?」
ダイヤ「…まあ、野暮用というやつですわ。なので千歌さんは先に帰ってくださいな。これ、家の鍵です」チャリッ
ダイヤ「仕方ないので今日はお休みにしますわ。お夕飯は、昨日の余りがまだあるはずですのでそちらを召し上がってください」
千歌「ほんとですか!?やったー!」
ダイヤ「そんな正直に喜ぶ人がいますか…」
千歌「い、いやー、あはは…」
ダイヤ「まあいいです。とにかく、戸締りはしっかりしておいてくださいね?あと、火は一応使わないでおいてください」
千歌「了解です!じゃあ、お先に帰りますね!」
ダイヤ「はい、気を付けてお帰りなさい」クスッ
千歌(お稽古休みはラッキーだよ!これでゆっくり休める!)
千歌「…でも」
千歌(ダイヤさんの用事ってなんだろ?)
千歌(冬休み中に、わざわざ練習終わりに学校に残る用事なんてあるのかな?)
千歌「…気になる」
千歌(どうせ時間ならあるし…ちょっと戻ってみよっと)
ダイヤ「…さてと、やりましょうか」
ダイヤ「…さすがに冬休み中にこの量の仕事が舞い込んでくるとは思いませんでしたわ」
ダイヤ(鞠莉さんはまだしばらく海外から帰ってきませんし)
ダイヤ(先生方からのお願いなのでさすがに断るわけにはいきませんが…)
ダイヤ「…文句を言っていても仕方ありませんわね。早く終わらせてしまいましょう」
ダイヤ(なるべく早く帰れるといいのですが…)
ペラッ
千歌(ダイヤさん、生徒会の仕事してるの?)
千歌(冬休みの、しかも練習終わったあとなのに…)
千歌(普段あれだけ色んなことやってるのに、学校でもこんなに頑張ってるんだ…)
千歌(しかも今はチカが家にいるから、きっと普段よりもっと大変なんだよね…)
千歌(…なのに、あれだけ熱心に色々教えてくれてたんだ)
千歌「…よしっ」
ダイヤ「…」ペラッ
ダイヤ(1人で作業しても虚しいですし…何か音楽でも欲しいですわね)
ダイヤ「…」
ダイヤ「…うれしーいとしー、せかいいちー。はーっぴーなこいー」
ダイヤ「みーせーてーみせてどーうーかーみせてうんとがんばっちゃーう」
ダイヤ「嬉しい?愛しい?いじらしい?すきよ…すごく…すきよ…」♪
ダイヤ「つーかまえてーぎゅーっともーっと私をー見てー」♪♪
ダイヤ「”love”で接近!だって、だいす」
千歌「ダイヤさん!!」ガラッ!!
ダイヤ「きゃあああああああ!?」ビクッ!!
千歌「えーと、その…忘れ物とりにきたんです!」
ダイヤ「そ、そうですか…でしたら今度こそ気を付けて」
千歌「何言ってるんですか!私も手伝いますよ!」
ダイヤ「えっ?いやいや、何も手伝っていただくことなんて」
千歌「だって私はダイヤさんと同じ生活を送らなきゃいけないんですよ?だったらお手伝いしなきゃ!」
ダイヤ「それはそうですけれど…」
ダイヤ「…いいのですか?せっかくお稽古をお休みにしたのですよ?」
千歌「ダイヤさんのお手伝いをする方が大切です!さあ!」
ダイヤ「…」
ダイヤ(…まったく、仕方のない方ですね)クスッ
ダイヤ「それでは、お手伝いをお願いしますわ。千歌さん、こちらにいらしてください」
千歌「はーい!」
ペラッペラッ
千歌「…そういえばダイヤさん、もぎゅっとの歌い方可愛いですね?」
ダイヤ「や、やっぱり聞いていたのですか!」
ダイヤ「…はい、今日はこのくらいにしましょうか。随分上達されましたね、千歌さん」
千歌「えへへー、そうですか?」
千歌(あれからは、凄くお稽古に集中できるようになった)
千歌(ダイヤさんの凄さを見たからかな。私も頑張らなくちゃって思ったんだー)
千歌(それに、ダイヤさんと一緒にするお稽古は、いつの間にか楽しく感じるようにもなったし)
ダイヤ「ええ。まだ数日しか経っていませんのに、大したものですわ。…お勉強は未だに苦手なようですが」
千歌「い、いやー、頑張ってはいるんですけど…」
千歌「はーい」
ピリリリ
千歌「…って、すみません電話です」
ダイヤ「では先に用意していますね」
千歌「はーい…誰だろう」チラッ
『お母さん』
千歌「え、なんだろ…もしもし?」ピッ
千歌「久しぶりって、まだ1週間も経ってないよ」
千歌母『あら?てっきり大変ですぐに音をあげると思ってたのに…意外と平気そうね?』
千歌「ふふーんだ、チカすっごく成長してるからね。お母さん驚くくらい」
千歌母『ほんとにちゃんとやってるみたいねえ…予想外だわ』
千歌「お母さんチカのことバカにしすきですー」
千歌(まあ、最初は帰りたいって本気で思ってたけど…)
千歌母『はいはい…じゃあ、もう帰ってきていいわよ?』
千歌「へ?」
千歌「い、いやいや、さすがに早くない?」
千歌母『それに、黒澤さん家ももう東京から帰ってくるようだし』
千歌「え、そうなの?」
千歌母『正直、黒澤さんが『娘1人残していくのが不安だし申し訳ない』って話してたから今回のこと言い出したんだしね』
千歌(やっぱりそうだったんかい)
千歌母『とにかく、皆さん帰ってくるならこれ以上お邪魔するわけにもいかないでしょう?今すぐとは言わないけど明後日には帰るようにね』
千歌「…わかったよー」
千歌「…」
千歌(もうチカ、帰らなきゃいけないんだ…)
千歌「仕方ないよね…でも…」
千歌(楽しかったのになあ…)
千歌「…とりあえず、ダイヤさんに伝えなきゃ」
千歌「はい…」
ダイヤ「まあ荷物もそれほど多くないようですし、支度にそれほど時間はかからないでしょう。帰るまでは、今の生活を続けますからね?」
千歌「…」
ダイヤ「?どうしたのですか?」
千歌「…いや、終わっちゃうの寂しいなーって」
千歌「そうですけど…」
ダイヤ「…寂しいと言っていただけるのは嬉しいですが、仕方のないことです。千歌さんも家に戻られないと、御家族の方たちも困ってしまいますわ」
千歌「…そうですよね。えへへ、すみません」
千歌「よーし、じゃああと1日頑張りますね!」
ダイヤ「ふふっ…それではお夕飯をいただきましょうか」
千歌「そうですね!…えへへ、いただきまーす!」
千歌(…寝れない)
千歌(…明日でこの生活も終わりかー)
千歌(…ダイヤさんに、ほんとにお世話になりっぱなしだったなー)
千歌(…けど)
千歌「チカはダイヤさんに、何もできてないなあ…」
千歌(せめて一つでも、なにか出来ないかな…)
千歌「…よしっ」
ガタッ
千歌「お疲れ様!じゃあね、曜ちゃん!梨子ちゃん!」
曜「え、千歌ちゃんもう帰るの?」
梨子「どうしたの、そんなに急いで」
千歌「うん、今日は早く帰らなきゃいけないんだ!また明日ね!」ダダダッ!!
曜「あっ千歌ちゃ…言っちゃった」
梨子「…どうしたんだろうね?」
曜「…さあ?」
ガラッ!!
千歌「ダイヤさん!!」
ダイヤ「ひっ!?ど、どうしたのですかそんなに慌てて!」ビクッ
千歌「今日なんですけど、生徒会の用事お手伝い休ませてください!」
ダイヤ「へっ?いや、構いませんが…どうしたのですか?」
千歌「秘密です!とにかく、鍵貸してもらってもいいですか!」
ダイヤ「あっはい、どうぞ」スッ
千歌「ありがとうございます!じゃあダイヤさん、お先に!」
千歌「あっ、そうだ!ダイヤさん!」
ダイヤ「こ、今度は何ですの?」
千歌「今日帰ってくる前に、絶対私にLineしてください!」
ダイヤ「へ?何故です?」
千歌「なんでもです!いいですか!?絶対してくださいね!それじゃあ!」ダダダッ!!
ガラッ
ピシャッ
ダダダッ…
ダイヤ「…なんだったのですか」
ダイヤ「…っと、これで終わりですわね」
ダイヤ「もう日も落ちかけていますわね…早く帰りませんと」
ダイヤ(そういえば、千歌さんに連絡しなければいけないんでしたね)
ダイヤ「それにしても、いったいどうしたんでしょう…」
ダイヤ(最後の日なので…できれば一緒に帰りたかったのですが)
ダイヤ「…仕方ありませんね。とにかく帰りましょうか」
ダイヤ「…着きましたけど、入ってよろしいのでしょうか」
ダイヤ(一応連絡はしましたが、返事がありませんわね)
ダイヤ(まあ既読になってることですし、大丈夫でしょう。入りましょう)
ガラッ
ダイヤ「ただいま帰りましたわ…って」
ダイヤ(…なにか、いい匂いがします)
ダイヤ「え、ええ…それより、この匂いはなんですの?」
千歌「えへへ…ダイヤさん、こっち来てください!」グイグイ
ダイヤ「え、ちょっと、引っ張らないでくださいな!」
千歌「ほら、早く早く!」
ダイヤ「もう…なんなんですの…?」
ダイヤ「これは…」
ダイヤ(出来立てと思しきお料理達が並んでいますわ…)
ダイヤ(野菜炒めに、玉子焼きに、お味噌汁、ご飯)
ダイヤ(まさかこれ…)
ダイヤ「千歌さんが作ったんですか?」
千歌「もちろんです!」
千歌「い、いやー、やっぱり1人だとまだ時間かかっちゃって」
ダイヤ「それはいいのですが…急にどうしたのです?」
千歌「えーと…私、この1週間ダイヤさんにお世話になりっぱなしだったなーって思って」
ダイヤ「まさか、それでこれを?」
千歌「お礼になるかはわからないですけど…ダイヤさんに食べてほしいなって思ったんです」
千歌「ありがとうって気持ちと…ダイヤさんのおかげでこれだけできるようになりました!っていうのを込めて」
千歌「ていっても、まだ簡単なものしか作れないですけど…」
ダイヤ「…ふふっ、いただいてもよろしいですか?」
千歌「!はい、どうぞどうぞ!」
ダイヤ「では、いただきます」
千歌「…」ジー
ダイヤ(…これだけ見られると食べづらいですわね)
ダイヤ(…野菜炒めは少し、味付けが濃いですわね)
ダイヤ(玉子焼きは甘すぎます。砂糖の量が多いですわ)
ダイヤ(お味噌汁は、逆に味が薄いですね。お豆腐も崩れてしまっています)
ダイヤ(完成度で言ったら、拙いと評価せざるを得ません)
ダイヤ(ですが、何故でしょう。こんなにも…)
ダイヤ「…美味しいですわ」
ダイヤ「ええ、本当に…」
ダイヤ「たった1週間で、よくここまで出来るようになりましたわね」
千歌「えへへ、ダイヤさんのおかげです!」
ダイヤ「ふふっ…千歌さんも一緒に食べましょう?」
千歌「そうですね!いただきまーす!」
千歌「…んー、ちょっとしょっぱいような」
ダイヤ「あら、作ってるときに気付かなかったのですね」
千歌「えー!ダイヤさん、美味しいって言ってくれたじゃないですかー!」
ダイヤ「ええ、美味しいですわよ?…私にとっては、何よりも」
千歌「えー、絶対ダイヤさんが作ったやつの方が美味しいですよー…」
ダイヤ「それは当然です。私がお料理を学び初めてから何年経っていると思っているのですか」
千歌「むー…次は、もっと美味しく作りますからね!」
ダイヤ「ふふっ、楽しみにしていますわ」
ダイヤ「さて、もう寝ませんと…」
ダイヤ「…」
ダイヤ(明日の朝で、この生活も終わりですか…)
ダイヤ「…なんでしょうね、この気持ちは」
ダイヤ(…少しだけ、名残惜しいですわね)
千歌「ダイヤさん?起きてますか?」フスマゴシ
ダイヤ「?千歌さん?」
千歌「えーっと、その…お部屋、入ってもいいですか?」
ダイヤ「?ええ、構いませんが…」
千歌「じゃあ、えと、お邪魔します」スッ
ダイヤ「どうぞ…って」
ダイヤ(枕を抱えて入ってきましたわ)
ダイヤ(…多分これ、アレですわね)
千歌「えへへ、えーっと、一緒に寝てもいいですか?」
ダイヤ(やっぱりですか)
ダイヤ(…眠れませんわね)
ダイヤ(一緒の布団で寝るなんて、ルビィくらいのものでしたし)
ダイヤ(なんというか…緊張しますわ)
千歌「…ダイヤさん?」
ダイヤ「?なんです?」
千歌「えっと…この1週間、ありがとうございました」
ダイヤ「…」
千歌「ダイヤさんが、なんというか、お姉ちゃんみたいに思えたりして」
千歌「…お姉ちゃん2人もいるのに、何言ってんだって感じですけど」クスッ
千歌「でもそのくらい楽しくて、嬉しくて」
千歌「だから今私、すっごく寂しいです」
千歌「学校で会えるってわかってはいるんですけど、それでも寂しいです」
千歌「ダイヤさんと、離れたくないないです」
千歌「ダイヤさんが、なんというか、お姉ちゃんみたいに思えたりして」
千歌「…お姉ちゃん2人もいるのに、何言ってんだって感じですけど」クスッ
千歌「でもそのくらい楽しくて、嬉しくて」
千歌「だから今私、すっごく寂しいです」
千歌「学校で会えるってわかってはいるんですけど、それでも寂しいです」
千歌「ダイヤさんと、離れたくないです」
ダイヤ(まるで告白されてるみたいですね)クスッ
ダイヤ「…お礼を言うのは私の方です」
ダイヤ(ちょっとおかしいけれど、でも、とても嬉しいです)
千歌「え?」
ダイヤ「正直、1人きりで1週間も過ごすのが心細かったのです」
ダイヤ「長女としてしっかり留守を預からなければいけないとわかってはいたのですが…やはり、家に自分しかいないというのは寂しいものです」
ダイヤ「でも千歌さんがいてくれました」
ダイヤ「騒がしくて、手が掛かって、目が離せなくて、でも一生懸命だから応援したくなって」
ダイヤ「一緒にいて落ち着くような…そんな感じでした」
ダイヤ「…ルビィが聞いたら、拗ねるかもしれませんが」クスッ
ダイヤ「大切な大切な、妹のようでしたわ」
ダイヤ「だから、千歌さん。ありがとうございました」
ダイヤ「…」
千歌「…なんか、真面目な感じで話すと照れくさいですね」
ダイヤ「ま、まあそれは言いっこなしですわ」
千歌「そうですね…えへへ、ダイヤさんもそう思ってくれてたなんて、嬉しいです。ダイヤお姉ちゃん、ですね!」
ダイヤ「お、おねっ…何を言ってるのですかまったく」
千歌「えへへー、いいじゃないですかー。ダイヤお姉ちゃ~ん♡」ギュッ
千歌「今だけは私達は姉妹だよ、ダイヤお姉ちゃん!」
ダイヤ「うっ…」
ダイヤ(恥ずかしい、ですが…悪い気はしませんわね)
ダイヤ「じ、じゃあ…千歌?」
千歌「…なんかダイヤさんに呼び捨てされると照れますね」
ダイヤ「お姉ちゃんと呼ばれる方が恥ずかしいですわよ」
ダイヤ「もう…どうしたの千歌?」ギュッ
千歌「今のうちに呼んでおくの!お姉ちゃんお姉ちゃんお姉ちゃ~ん♡」
ダイヤ「…ふふっ、別に今だけじゃなくてもいいのよ?これからも2人きりの時くらいは、ね」
千歌「…ほんと?いいの?」
ダイヤ「ええ。…皆さんには秘密だけれど」
ダイヤ「く、苦しいですわよ…まったくもう、千歌は甘えん坊ね?」クスッ
千歌「お姉ちゃんに抱きつくの気持ちいいー…柔らかい…」
ダイヤ「や、柔らかいって」
千歌「お姉ちゃんあったかーい♡それにいい匂い」クンクン
ダイヤ「に、匂いを嗅ぐのはやめなさい!」
…………
ダイヤ「さて、忘れ物はありませんか?」
千歌「大丈夫です!ダイヤさん、お世話になりました!」
ダイヤ「いえ、こちらこそ。楽しかったですわよ」
千歌「…」
ダイヤ「…」
千歌(なんというか、昨日の夜ずっとあんな調子だったから…)
ダイヤ(少し気まずいというか、照れくさいですわ…)
ダイヤ「ふふっ、そう言って頂けるのはありがたいです」
千歌「まあ、だからこそ名残惜しいんですけど」
千歌「お稽古も、楽しくなってきたのでもう少し続けてみたかったです」
ダイヤ(…)
ダイヤ「なら、また来ればよろしいではありませんか」
ダイヤ「うちに来たら、また一緒にお稽古できますわよ。」
ダイヤ「それだけではなく、お料理や、お勉強も、たくさん一緒にできます」
千歌「い、いいんですか?」
ダイヤ「?当たり前でしょう?」
千歌「いや、でも…やっぱりご迷惑なのかも、とか…」
ダイヤ「…」
ダイヤ(まったく、何を気にしてらっしゃるのですか…)ハァ
ダイヤ「千歌さんが来てくれたら、きっとルビィも喜…」
ダイヤ(…)
千歌「…ダイヤさん?」
ダイヤ「いえ、違いますわね」
千歌「?」
ダイヤ「ルビィは関係ないわ」
ダイヤ「千歌が来てくれたら、私がとても嬉しいわ。だからまたいつでも遊びにおいでなさい」クスッ
千歌「!」
千歌「えへへ…また遊びに来るね!ダイヤお姉ちゃん!」
ダイヤ「さて、ルビィも鞠莉さんも帰ってきたことですし、これで全員合わせた練習ができますわ!」
果南「まあでもその前に、2人は動きの確認しとかなきゃね。皆は先に準備運動しててー」
ダイヤ「わかりましたわ。では皆さん、行きましょう!」
千歌(…前の生活に戻っちゃってちょっと寂しいけど、でも9人一緒に楽しく過ごしてます)
千歌「…ふふっ」
ダイヤ「ほら千歌、なにぼーとしてるの。行きますわよ?」
千歌「あ、ごめんダイヤお姉ちゃん」
曜梨子果南鞠莉善子花丸ルビィ「えっ」
ダイヤ「」
千歌「」
乙
また書いて下さいまし
千歌ちゃんの味噌汁が毎日飲みたい
ダイやっほーの人だったのね
こういう優しい感じの話すき
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