【ラブライブ!】宇宙ナンバーワンアイドル矢澤にこの朝は早い
- 2020.03.23
- SS

賑やかな電気街の一画
ここに3LDKのマンションがある
世界のYAZAWAこと、矢澤にこの自宅である
今をときめくスクールアイドル
彼女の生活は決して世間に知らされるものではない
我々は彼女の一日を追った
彼女は洗面台の前に立ち顔を洗っていた
いつも6時に目覚ましをセットするも二度寝するが、この時間には必ず目を覚ますという
Q.朝、早いですね?
にこ「ええ、母が仕事で出張の時は私が朝ごはんを作らないといけないんです。」
にこ「私がしっかりしないと。でも、かわいい妹達の為なので全く苦にはならないんですよ」
そう言って彼女はにっこり微笑むと、
美容液とお気に入りの色付きリップを塗り始めた
にこ「いつもは朝はこんな感じにいるんです。アイドルの時のにこはもう一人の私。
髪をキュッと留めた時にスイッチが入る感じで。
普段は自分のこと、にこなんて呼ばないんです。」
髪を結び始める彼女
その眼差しは決してプロのアイドルに引けを取らない
にこ「にっこにっこにー☆今日も一日頑張るにこー!」
手慣れた手付きで野菜を切っていく
Q.何を作っているんですか?
にこ「サラダにこ。
朝はもっと簡単なものでもいいんですけど、
妹達は成長期なので、ちゃんと栄養のあるものを食べてもらいたくて…
サラダだけはいつも作ってるにこ」
たとえ朝食とはいえ気を抜かない
そこに彼女のこだわりが感じられる
今日の朝食はスクランブルエッグとトースト、そしてサラダとコップ1杯の牛乳である
ここあ「お、おはようございます…」
こころ「んあ…」
虎太郎「…かめらー」
次々に目を覚ます子供達
彼女の最愛の妹達だ
こころ「スーパーアイドルで、お料理もお裁縫もとっても上手で、私の自慢の姉です!
私も将来お姉さまみたいなスーパーアイドルになりたいです!」
ここあ「お姉ちゃんはとっても優しくて、お母さんの代わりに何でもしてくれるの!大好きだよお姉ちゃん!」
虎太郎「あいどるー」
にこ「あんた達……にこもみんなの事がだーいすきにこ!!」
そう言って妹達を抱きしめる彼女
多忙な彼女の原動力は家族の愛情である
7時20分 4人で囲む食卓
その光景はとても朝とは思えないほど賑やかだ
こころ「えーまた牛乳?オレンジジュースがいいって言ったじゃん!」
にこ「牛乳は体にいいの!そんな事言ってるとにこみたいに大きくなれないわよ!」
こころ「そんなお姉ちゃんに言われてもあまり説得力がないよ」
にこ「な…!」
ここあ「こころ!お姉さまに何てことを言うの!
…お姉さま、あまりお気になさらないで下さいね」
にこ「………うん」
そっと胸に手をあてる彼女
その時の彼女はどこか物悲しい表情であった
間違えましたすみません
こころとここあが逆です
「「いっただっきまーす!!」」
7時20分 4人で囲む食卓
その光景はとても朝とは思えないほど賑やかだ
ここあ「えーまた牛乳?オレンジジュースがいいって言ったじゃん!」
にこ「牛乳は体にいいの!そんな事言ってるとにこみたいに大きくなれないわよ!」
ここあ「そんなお姉ちゃんに言われてもあまり説得力がないよ」
にこ「な…!」
こころ「ここあ!お姉さまに何てことを言うの!
…お姉さま、あまりお気になさらないで下さいね」
にこ「………うん」
そっと胸に手をあてる彼女
その時の彼女はどこか物悲しい表情であった
「「いってきまーす!!!」」
家を出る彼女とその妹達
近所でも元気で愛らしい子供達と評判のようだ
Q.いつもこの感じで登校ですか?
にこ「今日はお母さんがいないのでにこが虎太郎を保育園まで送っていくにこ。
帰りは妹達が迎えにいくのでいいんですけど朝は妹達も小学校があるので…」
Q.何だか嬉しそうですね?
にこ「はい、今日はμ’sの朝練をお休みしてるので…
朝からあの階段をダッシュしなくていいと思うと…
じゃなかった、虎太郎と登校するのは久しぶりなので嬉しいにこ!
にこの事情を気にしてくれるメンバーがいてくれてとても助かってるにこ」
練習時以外でもいつもメンバーへの感謝の気持ちを忘れない
彼女とメンバーは切っても切れないほど固い絆で結ばれている
彼女も自身の通う学校に登校した
スクールアイドルとはいえ彼女もまた普通の女子高生
秋葉原と神田と神保町という3つの街のはざまにある伝統校
国立音ノ木坂学院が彼女の通う学校である
学校へ到着するやいなや
彼女はある物を鞄から取り出した
Q.これは何ですか?
にこ「これ?これはスーパーのチラシにこ。
にこが夕飯の準備をしないといけないから見てるの。これが意外と楽しいのよ。」
家族と離れたばかりなのにすでに夕飯の事を考えている
我々はここに家事のプロフェッショナルを見た
にこ「Zzz…」
にこ「むにゃむにゃ……」
授業が開始するとすぐ眠りについた彼女
教科書で寝顔をバッチリガードし
寝息を最小限に抑えることで先生に発見されることを回避している
これぞプロの成せる技である
1限目が終了してすぐ彼女が大声をあげた
どうやら非常事態のようだ
急いで教室を出る彼女
我々はその後を追った
ガラッ
にこ「絵里!!大変なの!」
同じスクールアイドルのメンバー
絢瀬絵里さんの所だ
絵里「どうしたの、にこ!」
にこ「次の授業、英語の小テストなの!
にこすっかり忘れてて全然勉強してなくて…
絵里のクラスは先に小テスト終わったでしょ?
だからお願い!見せてほしいの!」
絵里「それはダメよ。ズルは認められないわ」
クールで正義感が強いことで有名な絢瀬さん
答案を見せることは彼女のポリシーに反するようだ
にこ「違うの!にこは昨日家族のごはん作ったり忙しくて…本当は時間があれば勉強もしたにこ…なのに…うぅ…うわーん!!!」
絵里「ちょっと、にこ、こんな所で大声出して泣かないでよ…みんな見てるじゃない…わかったわ、見せてあげるから…」
にこ「本当?」(ケロッ
しかしそこはスーパーアイドル矢澤にこ
絢瀬さんの上をいく世間体を駆使したテクニックで
小テストの答案を手に入れる
彼女の匠なテクニック、これぞ熟練の技だ
無事小テストの答案を手に入れた彼女
しかし彼女の災難はこれで終わらなかった
にこ「問題が違うなんて聞いてないわよ…」
クラスによって問題を変える
そこは伝統校、音ノ木坂学園
生徒の考えなどお見通しなのだ
後日、彼女は居残り再テストを受けることとなった
絵里「にこはちょっとドジで素直じゃないところもあるけど、
アイドルにかける情熱はとても素晴らしいと思うわ!
ハラショーね!」
絵里「一緒にアイドルをやっていて思うの。こんなにアイドルを楽しくやっていて、生き生きしていて…本当にアイドルが好きなんだなって。
見ているこっちまで楽しい気持ちにさせてくれるわ。
勉強もこのぐらい頑張ってくれると助かるのだけど。」
そう言うと絢瀬さんはクスッと小さな微笑みを浮かべた
お昼休みの時間だ
彼女は手作りのお弁当を持って中庭へ向かった
穂乃果「あれ?にこちゃん?
珍しいね、にこちゃんが中庭に来るなん…
あ、ううんなんでもないよ!
いつものように一緒に食べよ!」
中庭には同じスクールアイドルμ’sのメンバー
高坂穂乃果さん、園田海未さん、南ことりさん
の3人がいた
いつも中庭でメンバーが集まって一緒にお昼ご飯を食べるようだ
うさぎさんの形のりんごもタコさんのウインナーもかわいいー!」
海未「色どりも美しくて、見ているだけで幸せな気持ちになれますね」
にこ「ふふーん!そうでしょ!にこにかかればこんなかわいいお弁当も作れちゃうにこ!」
メンバーにも大好評のお弁当
色どり、キャラクターの形のデコレーション、そして味、
その全てが折り紙付きだ
穂乃果「いっただっきまーす!おーいしー!」パクッ
にこ「あ!ちょっと!それ、にこのから揚げ!返しなさい!」
そう言いながら高坂さんのほっぺたを引っ張る彼女
その表情はとても嬉しそうだった
穂乃果「にこちゃんは一緒にいるととっても楽しくて、みんなを笑わせてくれるんだよ!
たまに厳しい事も言われちゃうけど、
すごく穂乃果の事を真剣に考えてくれてるんだなって思う!」
ことり「とってもかわいらしくて、見ていてほわほわーって気持ちになります。
お裁縫も上手でとっても女の子らしいなぁって。ことりもすごく助かってます☆」
海未「アイドルに賭ける真っ直ぐな思い、そしてその情熱はとても素晴らしいと感じます。
私ももっと見習わなければ。
もうちょっと練習熱心だったら言うことはないんですけどね。」
彼女がまたもや慌てだした
またもや緊急事態のようだ
我々は彼女の向かう先に同行した
ガラッ
にこ「希!!大変なの!!」
彼女の向かった先はまたしても別のクラス
同じμ’sのメンバー、東條希さんのところだ
にこ「次の授業、体育なんだけど体操服忘れちゃって…
それで希の体操服を貸してほしいの!」
希「体操服?ええよ!貸してあげる」ゴソゴソ
にこ「よかった!ありがとう希!…ってあれ?」スカッ
希「ただし、忘れたことについてはお仕置きが必要やないかな?
この前も貸してあげた時、反省するからって言うてたやん?
あと……午前中にもえりちを困らせてたみたいやんな…?」
にこ「あ、いや…それは…その……
にっこにっこにー☆」
希「お仕置きやー!」ワシワシワシワシワシワシワシワシワシワシ
にこ「いやあああああああああ!!!」
小さな胸でさえ的確にツボを押さえ
敏感な胸のさらに敏感な部分を
大胆に且つ繊細に揉みほぐしていく
東條さんのワシワシ
それはまさにゴッドハンドである
にこ「……………」
にこ「……やっぱり体操服のサイズが合わないにこ」
そういうと彼女は再び自分の胸に手をあて
また物悲しげな表情をして
体育の授業に臨むのであった
希「にこっち?
にこっちはとっても目立ちたがりやさん。
いっつもメンバーの驚くようなおもしろい事してみんなの気をひいてるんよ。」
希「でも、それ以上に頑張り屋さん。
みんなの見えない所で一生懸命努力してるんや。
そういうところがホンマにすごいなぁって思う。
これ、にこっちには内緒やで☆」
ホームルームが終わり放課後が始まる
彼女もまた一つ背伸びをして席を立った
Q.これからどうされるんですか?
にこ「今日は本当は帰って夕食の準備をしないといけないところだけど、
折角取材も来ていることだし、少しだけ練習に参加するわ!」
少し真面目な表情でそう言い放つと
彼女はある場所へ向かった
我々も彼女の後を追った
μ’sの活動拠点であり
彼女が高校生活の大半を過ごした
彼女の原点というべき場所である
彼女が部室のドアを開けると
そこにはすでに何人かのメンバーが集まっていた
凛「にこちゃんだにゃー!」
真姫「あら?にこちゃん、今日は夕食の支度があるから練習休むんじゃなかったの?」
花陽「わわっ、カメラです…緊張しちゃいます!」
にこ「みんな早いにこ!今日は取材があるから少しだけ参加して帰ろうと思ってるところにこ」
凛「にこ?にこちゃんが珍しくにこ使ってるにゃー!普段はうっさい!しょーがないわね!って…
ジロッ
凛「…なんでもないよ、にこ先輩はいつも通りとっても素敵です!」
花陽「凛ちゃん…」
真姫「キモチワルイ」
にこ「こ、これは福岡のスクールアイドルのインディーズCD!」
花陽「にこちゃんが教えてくれたアイドル情報サイトを使って買ったんだよ!」
にこ「さすが花陽、パソコンもすぐ使いこなせるようになって上達が早いにこね」
花陽「えへへ…」
真姫「私もパソコン最近使って色々アイドル情報見たりしてるわよ」
にこ「え?そうなの?なんか真姫ちゃんは動画観る程度にしかパソコン使えないと思ってたにこ」
真姫「パソコンぐらい使えるわよ!にこちゃんだって動画ににっこにっこにー☆って書き込むぐらいしか出来ないくせに!」
にこ「なんですって!にこはそんな自演行為なんてしないわよ!」
真姫「あれ?誰も自演だなんて言ってないんですけど?」
にこ「むっかー!真姫ちゃんのバカ!」
真姫「なによ!にこちゃんのバカ!」
凛「二人はいつもこんな感じで仲がいいんだにゃー」
後輩のメンバーと楽しくおしゃべりをする彼女
部室から聞こえる笑い声は遠くまで響いていた
凛「にこちゃんはたまーにさむいことを言ったりするけど、とってもいい先輩だにゃ!
あとは、可愛くて女の子らしくて…
たまーに羨ましく思ったりするかにゃ」
花陽「誰よりもアイドルに詳しくって、誰よりもアイドルに対する思いが強くて、
自分にすごく自信を持ってて、
花陽には無いものをたくさん持ってるけれど、
花陽にも優しく時に厳しく接してくれて、すごく可愛がってくれます!
そんなにこちゃんと一緒にアイドル出来るのを花陽はとても誇りに思います」
真姫「にこちゃん?一言でいうとお調子者かしら?
でも、いきなり真面目な事を言い出したり、私じゃ思いつかない事を言い出したりして、
何でも言いたい事をはっきり言えて…
そこは正直にすごいなって思うかな。
自分の気持ちに素直なところは私も見習わなきゃなって、少し思うの。
い、一応これでも褒めてるのよ!」
着替えを済ませる
彼女達が移動した先は屋上
いつも練習で使っている場所だ
絵里「それじゃあ、まずは柔軟からやっていきましょう!」
海未「今日はこの後、動きの激しいサビの部分を合わせていきますので、
怪我をしないように気をつけてくださいね」
柔軟体操の後、リズムに合わせて
ダンスの練習をする彼女達
彼女達の眼差しはプロのアイドルに引けを取らない
真剣そのものである
絵里「にこ、少し遅れてるわよ!」
にこ「わかったにこ!」
凛「にこちゃんがいつになく真面目だにゃ…」
花陽「凛ちゃん!」
にこ「それじゃあ悪いけど、お先に失礼するにこ!」
穂乃果「またねー!こころちゃん達によろしく!」
ことり「にこちゃんは本当妹さん思いだよねー」
真姫「…ちょっと妹さん達が羨ましいかも」
メンバーより早めに練習を切り上げ
帰路につく彼女
その道中、近所のスーパーへ立ち寄る
Q.夕食の買い物ですか?
にこ「そう。今日は牛肉が安いからビーフシチューにしようと思うの。
あの子達の大好物だからきっと大喜びするにこ!」
そう話す彼女の顔はとても楽しそうだった
もちろん朝チラシでチェックした特売品の購入も忘れない
にこ「勉強は全然記憶に残らないのに、
こういうチラシの情報は覚えてるの。
にこっていいお嫁さんになりそうよね」
そう言うと彼女はふふっと笑い
続けてこう話した
にこ「にこはアイドルになりたいのはもちろんだけど、
プロのアイドルになって夢が叶ったら、
その後はお母さんみたいな素敵なママになりたいなぁって思ってるの
にこが宇宙ナンバーワンアイドルだとしたら
にこのお母さんは宇宙ナンバーワンママなんだから」
こころ「おかえりなさい!お姉さま!」
ここあ「おかえり!お姉ちゃん!」
虎太郎「おかえりー」
にこ「ゴメンね遅くなっちゃって!
すぐ夕飯作るから。今日はみんなの大好きなビーフシチューにこ!」
ここあ「ビーフシチュー!やったー!」
18時30分
帰宅してすぐエプロンを身に付け
料理に取り掛かる彼女
Q.練習の後に夕食を作るの疲れませんか?
にこ「疲れるといえば疲れるけど、見て、あの子達の笑顔。
あれをみたら疲れなんて吹っ飛ぶわ!」
そういって彼女は手慣れた手付きで
ビーフシチューを作っていく
彼女の愛情のこもったビーフシチューはとてもいい香りがした
こころ「わあ!いい匂い!」
ここあ「ビーフシチューだ!おいしそー!」
虎太郎「びーふしちゅー」
にこ「食べる前にちゃんと手洗い、うがいをするのよ」
家族の健康に気を遣う彼女
食事前の手うがはもちろん欠かさない
「「それじゃあいっただっきまー
ガチャッ
にこママ「ただいまー、仕事早く終わったから帰ってきちゃった」
ここあ「ママだ!おかえりなさい!」
こころ「おかえりなさいお母様!」
虎太郎「おかえりー」
妹達よりも真っ先に母の元へ駆け寄る彼女
その表情はまさに子供のように
無邪気で屈託のない笑顔だ
にこ「ママー!!おかえりなさい!」モギュッ
にこママ「ただいま、にこ。
あら?美味しそうな匂いね!にこが作ってくれたの?」
にこ「うん、今日のご飯はにこの特製ビーフシチューにこ!」
にこママ「ごめんなさい、μ’sの練習もあったでしょ?
ありがとう、あなたは私の自慢の娘よ」ダキッ
にこ「えへへ…」
とても美しい親子の光景
しかし我々は一つ気になる点があった
Q.今、ママって言いました?
にこ「あ……い、今のところはカットで…」
それ以上に美しい家族団欒が
そこにはあった
Q.最後にあなたにとってアイドルとは?
にこ「みんなを笑顔にする仕事。
みんなの前で歌って、踊って、みんなと一緒に盛り上がって、明日からまた頑張ろうって。
そういう気持ちに出来るアイドルが私は大好きなの。
にこ「でも、一番元気を貰ってるのはにこかもしれない。
家族やメンバーに元気を貰って、その元気をさらに多くのみんなに分けてあげたい。
にこはそういうアイドルになりたいにこ!
にっこにっこにー☆」
夜空で一際輝く
一番星のような笑顔で彼女はそう言った
スクールアイドルμ’s、矢澤にこ
明日も彼女の朝は早い
fin
よかった
乙乙
これは宇宙ナンバーワン
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