【ラブライブ!】俺「何っ!?小泉っ!?」
- 2020.03.27
- SS

小泉「フィーバー!((o(´∀`)o))」
俺(あ、あれは…!こ、小泉がスクールアイドルに……?あの小泉が?)
小泉「小泉花陽ですっ、今日は来てくれてありがとうございます」
俺(通りすがりだけど……見てみるか)
俺(ああ~……)
小泉「友達のままであなたの前で~」
俺(しかし小学校の頃はあんなに大人しかった小泉が……)
小泉「隠し切れない胸のときめき~」
俺(ふむ……三人ユニットか?しかし胸は一番でかいのは小泉だな)
髪の毛オレンジ色の元気そうな子「今日はこれでおしまいですー」
髪の毛がやたら右側に偏ってる子「また会いましょう~」
俺(あの2人は年上に見える……)
横にいた背の低いツインテール「うーん、ちょっと花陽のダンス、ズレてたんじゃないの?」
横にいた紫の巨乳「そうかなぁ?そんなに気にならへんかったけど…」
俺(おっ、女性のファンもいるのか…)
ツインテール「そうよ、お客さんの目線に立たないと見えなこともあるわ。花陽は本番は気持ちがちょっと焦っちゃってる感じね。練習よりもテンポが早いわ」
巨乳「ん~、ピッタリ合わせるよりも、楽しそうにしてるいまの方が元気そうな花陽ちゃん、って感じでええんとちがう?」
ツインテール「うーん、難しいわね」
俺(……この子ら花陽の知り合い?)
ツインテール「うっ……昨日の恨みってわけ?いいわよ、別に!それが目的なんだから、ドンドン来なさいよ!まぁ私の欠点なんて見つかんないでしょーけどねぇ」
俺(小泉のグループと知り合いのグループ……お互いの舞台を批評し合ってるのか)
金髪「にこ。完璧すぎるのも逆に浮いちゃうわよ?私と真姫のレベルに合わせてくれたら嬉しいわ」フフッ
ツインテール「ふふん、その上での完璧なのよ」
俺(……仲悪いのか?)
俺(あっ、こんな聞き耳立ててる場合じゃない、バイト遅れるっ……!!)
俺(……明日は小泉が観客の中にいるのかな……?)
店長「スクールアイドル専門だぞ、俺は」
俺「スクールアイドル!」
店長「あの初々しさがいいんだ。プロのアイドルは出世と資本主義に飲み込まれてどうも素直に楽しめん」
店長「だが、スクールアイドルはいいぞ?彼女らは生計を立てるためじゃなく、ただ単に好きに、楽しんでやってるわけだ。そこに惹かれる」
店長「だから彼女らがそのままプロになってしまうのは、本来喜ばしいはずだが……どうも辛くてね」
俺「はぁ……(長くなりそう)」
店長「で、どうした?」
この店長の気持ちめっちゃ分かる
実際にこちゃんかよちんにはアイドルになって欲しくないもんな
確かにプロになるとお金や人間関係が絡んで苦くなるよな
店長「ふむ」
俺「いやー、なんか、珍しくて、立ち止まっちゃって……はは」
店長「はぁ、君は確か秋葉原の方を通ってここまで来てるんだよね」
俺「あ、はい」
店長「じゃあスクールアイドルぐらい毎日ライブしてるんじゃないのか?珍しく無いんじゃないの?というか羨ましいんだが」
俺「え、まぁなんと無く一回ぐらい立ち止まって見てみよっかなぁ、と」
店長「うんうん…わかる。入り口はそこだよ。俺もね……最初はそこから……」
俺(そういうわけじゃない)
店長「ん?なんて名前だ?」
俺「えーっと…プリン…」
店長「プリン……?」
俺「プリン…チップだったかな?」
店長「プリンチップ!サラエボ事件だろ、それは。第一次世界大戦の引き金を引いた……」
俺「いや、でも近いんですよ、プリン…ここまでは合ってるんです、プリンって!」
店長「えーっとプリンで始まるスクールアイドル……無いぞ。調べてみたけど」
俺「あはは、ちゃんと覚えてないです、すみません!」
店長「そのプリンなんとか、また教えてくれよ。君のような一般人を惹きつけるオーラ、きっと只者じゃないはずだ!」
俺(上手いからじゃなくて、小学校の同級生がいたからなんだけど…)
俺「また明日来る時に探してみますね」
店長「プリン…プリンか…」
俺(中の良いやつに……星空がいたな、あいつとは何回か喋った覚えもある)
俺(私立の中学校行っちゃったからなぁ、俺。あの頃は携帯も持ってなかったし、すっかり忘れてた)
俺(でも間違いない。あいつは小泉の顔をして、『小泉花陽です』と言った。間違いない)
俺(……明日、もう一回……)
俺(今日もこの場所で……あ、いた)
オレンジ色「真姫ちゃん!しっかり見とくからねっ!」
まきちゃん(?)「ヴェェ、いいわよ、私ばっかり見なくても……」
髪の毛が右側に偏ってる子「真姫ちゃん、昨日のアドバイス、すっごく役に立ったよ、今日はお返し!」
まきちゃん「もうっ……わかったわよ、ちゃんと見ときなさいよっ」
俺(まきちゃんか。なるほど。なんかちょっとずつ人間関係がわかってきてしまった)
俺(昨日の巨乳もいない……ってことは小泉もいないのかな。うーん、これじゃ来た意味が……)
俺(まぁ…一応見てみよっかな……)
俺(………)
金髪「キライキライヨヤンナッチャウ!」
ツインテール「にこっにこーすーまいるー」
俺(んん……明るい曲だ)
俺(……いかん、ハマってしまってるんじゃないのか俺?店長みたいになるのはハッキリ言って客観的に見て見苦しいぞ、嫌だ嫌だ……)
俺(この子しか名前がわからん)
ツインテール「んん~元気いっぱいで~にこも~この歌はすっごい好きかなぁ~?なんて~♡」
俺(あれ?この子は昨日とキャラが違う……なんか違和感が……)
金髪「次はダイヤモンドプリンセスの憂鬱でーす、いくわよ~」
俺(うーん、この子はアホそうだなぁ)
横のデブ「むほおおお!真姫ちゃーん!にこちゃーん!絵里ちゃーん!」
俺(うわっ!こいつ、押すなよっ……)
デブ「おやっ、失敬、お兄さん……見苦しい姿を見えせしまいましたなぁ、ヌポォ」
俺「あ、いや、いいんです、ははは」
俺「えっ、推し……?え、えーっと」
俺(どうしよう、わからん)
デブ「んん、拙者はにこちゃんですな、やはり!」
俺「え、えー…俺は…小泉……かな?」
デブ「こwwwwいwwwwずwwwwwみwwwwそんな呼び方をする人は初めて見ましたなぁ!かよちんのことですな!?なかなかお兄さんもわかってらっしゃる!」
俺「あ、うん、かよちん、ですね!かよちん!」
デブ「お兄さんは、かよちん、いや失礼、小泉殿の何処に惹かれるのでっ!?」
俺「う、うーん……身近に感じる、ところですかね?(嘘ではない)」
デブ「んんwwwww模範解答ですなwwww確かに小泉殿はそんな雰囲気がありますなwwww」
俺(ううっ、つらい)
デブ「お兄さん、先ほどのご無礼、お許し頂きたい!償いに、私の小泉殿のグッズ、一つ献上差し上げましょうwww」
俺「(な、なんだこれ、小泉の缶バッジ?)あの、いいんですか?」
デブ「いいんですよwww小泉殿は50個くらい持ってますからwwww布教用にwwwwwもちろん拙者の推しメンのにこちゃんのは252個持ってますがなwwwwwヌポwwwww」
俺「は、はぁ、ありがとうございます」
俺(……デブが気になって曲に集中できないまま終わってしまった、結局小泉は現れなかった)
俺(……もういいや。小泉を追いかけ回して、なにやってんだ俺は)
店長「君、今日は昨日言ってたグループはいたか?」
俺「ああ店長、今日はね、居ませんでしたよ」
店長「そうか……残念だな、そうだ、そのグループ名、もしかしたらプランタンじゃないか?昨日思い当たる節かあってな」
俺「あ、そうかもしれないですね…」
俺(もう今更、別に……)
俺(持っていても仕方ないのに、家に置いておけばいいのに)
俺(何故か見ることさえも辛かったから、カバンの底に眠っている)
俺(いったいこれをどうすればいいのか)
俺(もう一度小泉を見ないと、どうにも気持ちの整理がつかない気がした)
俺(かといって自分からライブを追いかけるのも、恥ずかしかった)
俺(俺は偶然にも、もう一度、小泉の姿を見れることを期待して、あの日からいつもより注意深く秋葉原の街を通っている)
俺(もちろん『スクールアイドル 小泉』と検索すればすぐにわかる情報のはずだ)
俺(だけど、なんだか自分から知ろうとするのはなんだか、ためらわれる。違う、違う!俺は小泉のファンじゃない!)
俺(俺は小学生の小泉を知っている。いや、話した記憶は無い。だけど、たぶん、覚えてないだけだ。優しいヤツだった気がする。覚えてないけど、そんな感じだったような気がする)
俺(ファンじゃない。俺は小泉のファンじゃない!あってたまるか、そんなこと。あいつは、俺の同級生だ!ばったり街で出くわしたら、何気なく喋っても許されるんだ!)
小泉「……」
俺「……あ」
小泉「……あ、あれ」
俺「……あ、こ、小泉……だよな」
小泉「え、えっと、小学校の時一緒……でした、よね」
俺「う、うん」
俺(いや、なにが偶然だ。あの時、小泉を見た、あの場所を、俺は意識してゆっくり、キョロキョロして歩いてたんじゃないか。『小泉に見つかりやすい』ように、ゆっくり)
小泉「ご、ごめんなさい……私立、行ったんだよね?」
俺「う、うん……久しぶり……」
俺(ああぁ。しかしマズい。なんで俺は緊張してるんだ。言葉が拙い)
俺(あぁ。俺がつまらない人間だから、小泉が困ってしまっている。小泉があって喜べないような、そんな思い出もない同級生なんだ、俺は。寧ろ、腐った縁だけ持ち続けてる、迷惑な他人に過ぎないじゃないのか)
小泉「覚えててくれてて、嬉しいなぁ……私、地味だったから…、あ、今も、だけど……」
俺「わ、忘れてないって。同級生なんだから。あ、そうだ、星空とか、仲良かったよな、あいつも元気かな…」
小泉「うん、一緒の高校だよ、凛ちゃんは」
俺「そうなんだ……」
小泉「凛ちゃん、たまに小学校のころの話をして…」
俺(もうやめよう。俺は、この子の記憶にいない)
小泉「俺君のことも、たまに話したりしてて…」
俺(やめてくれ、やめてくれ……)
小泉「あはは……」
俺(分かったよ。小泉に会いたがってたのは俺だけだ。それでいい)
小泉「……俺君?」
俺(だったら、もういい。同級生なんて、どうでもいい)
小泉「……?」
俺「アイドル、がんばってくれ」
小泉「ぴゃぁ!?」
俺「冗談言ってるんじゃない、応援してるんだ!」
小泉「わ、わっ、わっ……ばれちゃってた、って……そうだよね、みんなに見える所でやってるからね……あわわ」
俺「ライブ、見に行くよ」
小泉「あっ、ありがとうございます!」
俺「……バイトの時間だ、じゃあ、また今度!」
小泉「う、うん!」
俺「じゃな!」
俺(俺が、小泉に会いたいんだ。ハッキリしたよ。同級生だから、小泉と俺は、特別な関係……?馬鹿げてる!違うだろ!今更そんなの、ムシが良すぎる!)
俺(恥ずかしがるなっ、俺!いいじゃないか、小泉が好きでも!小泉のファンでも!一番汚らしいのは、そんな関係を利用してる、俺だろうがっ!)
俺(ふふふ……頭の中が、小泉でいっぱいじゃないか、馬鹿か俺は)
俺(店長よ。あんたは正しかった。あれが確かに入口だったよ)
俺(そしてデブよ。缶バッジをありがとう。ここに確かに。このカバンに)
俺(ああ……あったよ……)
ギュッ
俺(今日から俺は……)
俺(今日から……)
デブ「お兄さんwwwww久しぶりですなwwwwおおっ、そのバッジwwww大事にしてくれてるんですなwww」
俺「当たり前ですよ、俺は、μ’sのファンですからね!真姫ちゃん、凛ちゃん、海未ちゃん、穂乃果ちゃん、ことりちゃん、絵里ちゃん、希ちゃん、にこちゃん……」
デブ「そ~して~?」
俺「もちろん……かよちんですよ」
デブ「おや?小泉殿では?」
俺「小泉じゃありませんよ、かよちんですよ!」
デブ「ふむぅwwww心境の変化ですかなwww」
俺「まぁそんなところですかね」
デブ「おっ!出てきましたよ~www」
俺「うおおおお!かよちーん!!!」ブンブン
デブ「うおおおお!!にこちゃあああん!!」ブンブン
店長「まきちゃあああああん!」ブンブン
俺(でも、きっとこうしたかったんだろう)
俺(彼女は、俺とは遠すぎた)
俺(でもこうやって近づいて行くのも、悪くないじゃないか)
俺(あいつを追いかけるのだって、恥ずかしくないじゃないか)
俺(……星空のヤツは、なんかまだ割り切れないところはあるけどな、まあいいや、そのうち慣れるだろ)
俺「うおおおおおお!かよちーん!」
デブ「にこちゃあああああああん!」
店長「まきちゃあああああん!!!」
おわり
よかった
俺はこんなにかっこよくない(断言)
この揺れる感情、上手いな
いやそれなりに覚えてるけどな
俺がまだ若いからか
ハラショーよ
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