【ラブライブ！】穂乃果「え、お父さんが喋ってる？」

穂乃果「ご飯食べて、今日は早めに寝ちゃおうっと！」

穂乃果「……宿題出てるけど、明日早起きしてやればいいよね」

穂乃果「たっだいまー！！」

ほのパパ「おかえり」

穂乃果「うんっ。ただいまー！」

穂乃果「ねぇお母さん！　今日のご飯なにー？」

穂乃果「って、ええええええええええええええ！！？！？！？！？」

穂乃果「…………き、聞き間違いか。聞き間違いだよね」

穂乃果「もう一回聞いてみよう。いつものお父さんなら」

ほのパパ（穂乃果）「」ｺｸﾝ

穂乃果「って感じだもんね」

穂乃果「お父さん、ただいまー」

ほのパパ「おかえりんこ」

穂乃果「うええええええええええええ！？！？？！？！！！？！？」

穂乃果「しかもちょっとお茶目に！！」

穂乃果「お父さんってそんなキャラだったの！？」

ほのパパ「どうした、帰ってくるなりさわざわしい」

穂乃果「騒々しいだよ！　お父さんこそどうしたの！？」

ほのパパ「ああ、気付いたか」

穂乃果「そりゃ気付くよ！」

ほのパパ「どうだ？」

穂乃果「え？」

ほのパパ「だから、どうだ？」

穂乃果「え、うん。まぁ寡黙な感じもいいけど、久々に声を聞けて嬉しいなって」

ほのパパ「え、何を言ってるんだ？　急に褒めちゃって」

ほのパパ「お小遣いでも欲しいのか。はい、１００円」

穂乃果「あ、ありがと……」

ほのパパ「それでワンピースの新刊買ってきてくれ」

穂乃果「お小遣いじゃないじゃん！！　むしろマイナスだし！！」

ほのパパ「それか一巻でもいい」

穂乃果「一巻も持ってないのに新刊勝って欲しかったの！？」

穂乃果「ちゃんと最初から読もうよ！！」

穂乃果「え、何が……？」

ほのパパ「ほらここ」ｱﾀﾏﾕﾋﾞｻｼ

穂乃果「あ、髪切ったの？　いいよっ！　さっぱりして！」

ほのパパ「いや、鼻を少し高くしてみた」

穂乃果「整形したの！？　てか、さっき頭指さしてたよね！？」

ほのパパ「ああ、頭はちょっと病気で切り開いた」

穂乃果「整形より先にそっち報告してよ！！　大丈夫なの！？」

ほのパパ「大丈夫だ。ちょっとした軽い本当だから」

穂乃果「ジョークだと言ってよ！！　軽い本当ってなに！？」

ほのパパ「まぁ全部、冗談だ」

穂乃果（お父さんってこんな人だったんだ……）

ほのママ「え、何が？」

穂乃果「喋る！」

ほのママ「何言ってるの。喋るわけ無いでしょ」

ほのパパ「ああ、もちろんだ」

穂乃果「ほら！！」

ほのママ「何言ってんだか……。いいから上がんなさい。お父さんも」

穂乃果「」

雪穂「なに、お姉ちゃん。うるさい。人の名前を大声で呼ばないでよ」

穂乃果「お父さんが喋ってる！！」

雪穂「そんなわけないじゃん」

ほのパパ「かめはめのーピストル！」

穂乃果「混ざってるよ！！　ドラゴンボールとワンピース、混ざってるよ！」

穂乃果「ほらぁ！」

雪穂「はいはい。面白いねー」

穂乃果「雪穂は聞こえたよね！？」

雪穂「何言ってんの。喋るわけ無いでしょー」

穂乃果「」

穂乃果「う、うん」

穂乃果（どうして、お母さんと雪穂にはわからないんだろう……）

ほのパパ「ほら、座れ。お父さん、空気椅子にしとくから」

穂乃果「座ろうよ！」

ほのパパ「そ、それで……くっ……最近どうだ……ぐおっ」ﾌﾟﾙﾌﾟﾙ

穂乃果「座ろうよ！！　話しづらいよ！！」

ほのパパ「そうか。助かる」

穂乃果「お父さんが自分で枷を付けただけじゃん……」

穂乃果「穂乃果、地球でしか生活したことないよ！！」

ほのパパ「そうか、木星か」

穂乃果「人の話聞こうよ！！」

ほのパパ「そうか。で、どうだ。地球でしか生活したことない中での地球の生活は」

穂乃果「よくわかんないけど、楽しいよ」

ほのパパ「もしかしたら火星かもかもしれないという恐怖感に震えてないか」

穂乃果「ここは地球だと信じて疑わないよ！！」

ほのパパ「そうか。よかった」

穂乃果「何がなんだろう……？」

穂乃果「すごく楽しいよっ！　今日もね、μ´ｓの練習、楽しかったし！」

ほのパパ「なにぃ！？」

穂乃果「な、なに！？」ﾋﾞｸｯ

ほのパパ「お前、学校で石鹸の練習してんのか！」

穂乃果「ミューズってそっちじゃないよ！！　穂乃果も最初は間違えたけど……」

穂乃果「てゆーか、ちゃんとμ´ｓのことは話してるよね？」

ほのパパ「ああ」

穂乃果「も～……」

ほのパパ「それで、ちゃんと綺麗に泡立つようになったのか」

穂乃果「だから石鹸じゃないってば！！」

ほのパパ「ギターの松本とはうまくやれてるのか」

穂乃果「B’zでもないから！！」

穂乃果「お父さんもだよね！？」

ほのパパ「ほのっち」

穂乃果「そんな風に呼ばれてたの！？」

ほのパパ「お前、パンばっかり食べているそうじゃないか」

穂乃果「あ、ああ……うん」

ほのパパ「やっぱりか……。ちょっと立ちなさい」

穂乃果「はい……」

ほのパパ「座りなさい」

穂乃果「なんだったの！？　なんで立たせたの！？」

ほのパパ「持ち上げなさい」

穂乃果「よっ！　大統領！　日本一！！」

穂乃果「だから、お父さんもね！」

ほのパパ「かおり！！」ｲｶﾘ

穂乃果「穂乃果だよっ！！　娘の名前間違えないでよ！！」

ほのパパ「おれはお前をそんな息子に育てた覚えはない！！」

穂乃果「娘だよ！！　娘！！　元気いっぱいの女の子だよ！！」

ほのパパ「元気いっぱいだか元気おっぱいだか知らないが」

穂乃果「お父さん！？　娘の前で下ネタはやめようよ！！」

穂乃果「お父さん……。ごめんね。これからはパンを控えめに…」

ほのパパ「全然ビンゴ出来ない！」

穂乃果「何の話！？」

ほのパパ「全然列が揃わない！！」

穂乃果「ビンゴゲームしてたの！？　それで悲しんでたの！？」

ほのパパ「なんで真ん中があかないんだ！！」

穂乃果「最初に開けるんだよ！？」

ほのパパ「そうなのか！　これで揃ったぞ！！」

穂乃果「よかったねっ」

ほのパパ「ああ。これで高坂の高って字になった」

穂乃果「ビンゴで！？　明らかにマス足りないよね！？」

ほのパパ「坂とも読めるな」

穂乃果「高と坂ってだいぶかけ離れてるよね！？」

穂乃果「穂乃果がパンばっかり食べてるって話……はっ！」

穂乃果（言わなきゃよかった……）

ほのパパ「そうだったな」

ほのパパ「穂乃果。お前が小麦粉に酵母と塩と水で作った生地を焼いたものを食べたい気持ちもわかる」

穂乃果「パンでいいじゃん……」

ほのパパ「それはうちが和菓子屋で、普段、小麦粉に酵母と塩と水で作った生地を焼いたものを…」

穂乃果「パンにしようよ！　長いよ！！」

ほのパパ「パンツ」

穂乃果「言うと思ったけど！！」

穂乃果「そうなの？」

ほのパパ「ああ。だがな、一つと言っておく」

穂乃果「……なんで一つって言ったの！！　一つ言っておくでしょ！」

ほのパパ「一つ言っておく」

穂乃果「うん」

ほのパパ「あんまりパンばっかり食べていると、栄養が偏るぞ」

穂乃果「うん。ごめんなさい」

ほのパパ「意外とカロリー高いから気をつけろよ」

穂乃果「……うん」

ほのパパ「コロッケはソースで浸せば茶碗三杯は食える」

穂乃果「……え？」

ほのパパ「いや、二、五杯くらいか？」

穂乃果「一つだけじゃないじゃん！！　しかも最後パン関係ないし！！」

穂乃果「ご飯っ！　穂乃果が運ぶよ！」ﾀｯﾀｯﾀ

穂乃果「うわ～！　グラタンだー！　おいしそ～！」

ほのママ「熱いから気をつけて運びなさい」

穂乃果「大丈夫だよ！　子供じゃないんだし！」ﾃｸﾃｸﾃｸ

穂乃果「おとーさん！　はい、グラ……おわああ！！」ﾎﾟｰｲ

ほのパパ「！？」

ほのパパ「っ！」ｼﾞﾀﾊﾞﾀ

穂乃果「ごめんなさい！　大丈夫！？」

ほのパパ「…………」ｸﾞｯ

穂乃果「あ～よかったぁ……。本当にごめんなさい！」

ほのパパ「」ﾌﾙﾌﾙ

穂乃果「……あ、あれ？　お父さん？」

ほのパパ「？」

穂乃果「喋らないの？」

ほのパパ「」ｶｰｯ

ほのママ「お父さんが喋るわけないじゃない。はぁ～、グラタンもう一つ作らなきゃ」

穂乃果「穂乃果のを分けてあげるから大丈夫！」

ほのパパ「」ｼﾞｰﾝ

穂乃果「も～お父さんったら。大げさなんだから」

穂乃果（……さっきまではなんだったんだろう……？）

穂乃果（ま、どっちもお父さんだし！　なんにも問題なし！）

穂乃果「雪穂ー！　ご飯だよー！」

雪穂「聞こえてるって。ていうか、あれだけ騒いだらわかるよ」

穂乃果「よし！　じゃあ……いただきまーす！！」

終わり。