【ラブライブ!】あんじゅ「ほら、歯医者行くわよ」英玲奈「嫌だ」
- 2020.04.01
- SS

英玲奈「私はそれでも構わないぞ」
あんじゅ「こらこら駄々っ子しないの。A-RISEのお仕事にも影響するんだから」
英玲奈「そこは耐える」
あんじゅ「もー!バカなこと言ってないで歯医者行きなさい」
英玲奈「全力で断る!!」
あんじゅ「知らないわよぉ。なる人はなるでしょ」
英玲奈「そもそもあんじゅ、お前は食後と仕事前にしか磨かないのになぜ虫歯にならん!おかしいだろ!理不尽だ!」
あんじゅ「多分虫歯菌ないからじゃなあい?」
英玲奈「そんなミュータントいるわけないだろ」
あんじゅ「今ミュータンス菌と掛けたの?」
英玲奈「掛けるか!」
英玲奈「経口摂取せずに点滴で生きていくからいいぞ」
あんじゅ「1人だけ点滴パック持参のアイドルなんか誰が見たがるのよ……」
英玲奈「世の中にはいるかもしれんぞ。点滴パック付けたアイドルに萌える輩が。私はそいつのためにもマイノリティーを貫こうと思う」
あんじゅ「どこにそんなファンがいるのよ!」
英玲奈「病弱萌えだ」
あんじゅ「歯医者行きたくないだけでしょ」
英玲奈「そうだ」
あんじゅ「開き直らない」
英玲奈「お歯黒で通す」
あんじゅ「もお、バカバカ」
英玲奈「私のことは放っておいてくれ。私も大人だ。干渉するのはやめてほしい」
あんじゅ「まだまだ子どもよ。そもそも英玲奈、オフの日と表舞台とでギャップありすぎ」
英玲奈「そうか?」パリパリ
あんじゅ「寝っ転がりながらポテトチップス食べない。色気ないジャージも脱ぎなさい」
英玲奈「……歯が痛い」
あんじゅ「しーらない」
英玲奈「あのチュィィィンって音が嫌だ」
あんじゅ「私だってあの音は嫌いよ。でも行かないと治らないでしょ?」
英玲奈「私は選ばれし人類だ。虫歯くらい自己治癒で治す」
あんじゅ「治るわけないじゃない」
英玲奈「私を侮るな。賢いかっこいいエレーチカと呼ばれてるくらいだぞ」
あんじゅ「意味わかんない。あと今の英玲奈はどちらの称号も無いに等しいわよ」
英玲奈「そうか?」
あんじゅ「そうよ」
英玲奈「…………」
あんじゅ「…………」
あんじゅ「ほら、ナチュラルに引き伸ばしてないで行くわよ歯医者!」
英玲奈「断る…….うっ!」
英玲奈「うっ!痛い!痛い痛い痛い!」
あんじゅ「え?ちょ、英玲奈!大丈夫!?」
英玲奈「ああっ!痛い!痛い!」
あんじゅ「え?え?ど、どうしよう……救急車……?うぇぇ!?」
英玲奈「……なんてな」
あんじゅ「」
英玲奈「ほら、私はこの通り痛いフリもできるくらい元気だ。だから心配せずに帰れあんじゅ」
あんじゅ「…………」
英玲奈「……ん?なぜ拳を握ってる?え?いやちょ。待って、顔怖い顔怖い……待って落ち着け冗談……」
あんじゅ「……」ニコッ
英玲奈「…………」
あんじゅ「反省した?」
英玲奈「……はい。すみません」
あんじゅ「じゃあ、歯医者行きましょ」
英玲奈「えっ」
あんじゅ「“えっ”じゃないわよ!どんだけ嫌なの!?」
英玲奈「いや、さすがにあんじゅの説教の後の歯医者は厳しい」
あんじゅ「私の説教の威力ってどれくらいなのよ」
英玲奈「53万」
あんじゅ「歯医者」
英玲奈「いやどす」
英玲奈(おっ、やっと諦めたか)
あんじゅ「英玲奈バイバイ。あなたの事は忘れないわ」
あんじゅ「虫歯がだんだん神経にめり込んで死んでも忘れないからね」
英玲奈「え?」
あんじゅ「神経の方まで侵食したら、もう助からないのよ……」
英玲奈「え」
あんじゅ「痛まないってことは、もう……痛覚まで侵されてるのね……」
英玲奈「えっ!?」
あんじゅ「さよなら英玲奈。墓にはこう書くから。“虫歯に殺された乙女”って」
英玲奈「ま、待てあんじゅ……!」
英玲奈「い、今の本当なのか!?虫歯で人が死ぬって……」
あんじゅ「ええ、英玲奈はもってあと24時間よ」
英玲奈「!?」
英玲奈「あ、あははは、か、か、か、からかっているのか?あははは……グスッ……」
あんじゅ(あら、今にも泣き出しそうな顔。あと一押しかな?)
あんじゅ「歯医者……行こ?」
英玲奈「……」
あんじゅ「英玲奈ぁ……おねがぁい!」ウルウル
英玲奈「はぅあ!?」ズッキュ-ン!
英玲奈「なんだ今のは」
あんじゅ「……ごめんなんでもない」
女「キャー!A-RISEのあんじゅさんと英玲奈さんよー!」
女2「サインいただけますかー!?」
英玲奈「ふふっ、いいとも」
あんじゅ「はーい♪」
女「あの、今日はどこかお出かけですか?」
あんじゅ「ええ、英玲奈が歯医…英玲奈「今度のライブに向けてのミーティングだ」
女「そうなんですか!」
女2「ライブ絶対に行きます!」
英玲奈「ああ、では失礼するよ」
あんじゅ「ばいばーい♪」
英玲奈「……歯が痛い」
あんじゅ「はいはい、頑張った頑張った」
あんじゅ「別にいいじゃない。ほんと英玲奈ってファンが見てると全然違うわね」
英玲奈「悪いか。人前では自然とこうなる」
あんじゅ「私の前では?」
英玲奈「あんじゅは数少ない私が真の姿を見せれる存在だ!」
あんじゅ「その真の姿を見せるのは数少ない方がいいわ。ほら、歯医者着いたよ」
英玲奈「あ、ケーキ屋」
あんじゅ「コラ」
英玲奈「見学だ」
あんじゅ「歯の治療です」
英玲奈「そうか、あんじゅ。歯は大丈夫か?」
あんじゅ「歯の治療するのはあなたよ英玲奈」
英玲奈「そうだったか?」
受付(なんだこの子達)
麻酔もあるし
英玲奈「……はい」
あんじゅ「ほら、向こうで書きましょう」
英玲奈「ふむふむ……毎日歯を磨いてますか?当たり前だ」
あんじゅ「ちゃんと正直に書きなさいよ」
英玲奈「わかっている」
英玲奈「名前欄……綺羅ツバサ」
あんじゅ「怒られるわよ」
あんじゅ「そう?」
英玲奈「ああ、だって歯を磨かなくても生きていけるだろう?」
あんじゅ「そっち?口臭とか考えないの?」
英玲奈「ガムがある」
あんじゅ(ダメだこの子……)
あんじゅ「ちなみに、虫歯にかからないからって磨かないと歯周病になったり歯が溶けるわよ」
英玲奈「……本当か?」
あんじゅ「……本当に歯磨いてるの?」
英玲奈「さすがにそこは嘘はついてないぞ!」
英玲奈「ひっ!?」
チュィィィン!!
イヤ-!ヤダヤダヤダァ!
ガマンシテ! ホラ!ガンバッテ!
イヤ-!オウチカェルゥゥゥ!
マダナニモシテナイヤナイカイ!
英玲奈「あわあわあわあわ」
あんじゅ「帰っちゃダメよ」
英玲奈「わわわ、わかっている!」
イヤ-!オトガモウヤダ-!!!
ア!コラ!
あんじゅ「ていうか、やけに騒がしいわね……」
バァン!!
絵里「もう帰る!帰らせて!お願い!エリチカお家帰るゥゥ!」
あんじゅ「」
英玲奈「」
亜里沙「そうだよお姉ちゃん!っていうかなんでその歳で歯医者に妹の私が付いてなきゃいけないの!?」
絵里「無理無理無理無理無理無理!あんなの拷問よ!非人道的な殺戮よ!訴えてやるわ!」
あんじゅ「」
英玲奈「」
希「麻酔するって言ったやん!いい歳して情けないよ!ほら、戻ろ」
絵里「いやー!!鬼ー!悪魔ー!希ー!亜里沙ー!」
亜里沙「恥ずかしいからやめてよもお!」
絵里「帰る!帰って……あっ」
あんじゅ「こんにちは」
英玲奈「こんにちは」
希「えりち?」
英玲奈「……!」
あんじゅ「英玲奈?」
その時、両者は互いに理解した
同じ運命を背負い、同じ境遇に陥っているということに
絵里「…………」
英玲奈「…………」
共通の敵を相手にしている者、同じ痛みを味わっている者同士にしか理解できない言葉なき語り合い
絵里(お前もか)
英玲奈(貴様もか)
英玲奈(行くのか?)
絵里(ええ、もう逃げない)
英玲奈(死ぬなよ)
絵里(あなたこそね。私は先に高みで待ってるわ)
英玲奈(ああ……幸運を祈る!)
希(どこで会話してんねん)
絵里「さあ、続きを始めましょう」
亜里沙「いや中止になったのお姉ちゃんのせいでしょ!」
ウィィィン!!チュィィィン!!
イヤ-!!ヤダヤダ!
ヤッパリムリ-!ムリ-チカ-!!
あんじゅ「……なんだったの?」
英玲奈「やっぱり帰っていいか?」
あんじゅ「だーめっ♪」
亜里沙「だから言ったじゃん」
希「お騒がせしました」
あんじゅ「あ、うん」
亜里沙「ほら、お姉ちゃん泣かないの」
絵里「うぅっ……怖かった……」
英玲奈「よく頑張った。パフェでもどうだ?奢るよ」
あんじゅ「英玲奈はこーっち♪」ガシッ
英玲奈「くっ……!」
英玲奈「は、はい……」
あんじゅ「頑張れ♪頑張れ♪」
英玲奈「他人事だと思ってるな」
あんじゅ「だって他人事だもん」
英玲奈「終わったら覚えてろよ」
あんじゅ「はいはい。覚えとくね」
歯医者「それでは始めますよ」
英玲奈「ば、ばっちこい……」
あんじゅ(ほんとキャラ違うわね。おもしろいからいいけど)
あんじゅ「お疲れ様」
英玲奈「……終わった。勝った……勝ったぞ、エイドリアン」
あんじゅ「おめでとうロッキー。私はエイドリアンじゃないから」
英玲奈「意外とあれだな。怖くなかったな」
あんじゅ「めっちゃビビってたのは誰よ」
英玲奈「ははは。さて、どこか食べに行くか」
あんじゅ「ウキウキしちゃって可愛いやつめ」
英玲奈「♪」
歯医者「すみません。経過を見たいので後日またお願いします」
英玲奈「」
あんじゅ「……だって」
英玲奈「」
あんじゅ「あれから歯はどうなの?」
英玲奈「大丈夫だ。毎日のようにパフェを食べても平気だしな」
あんじゅ(体重大丈夫なのかしら……)
あんじゅ「食べ過ぎはダメよお?」
英玲奈「わかっている。ところで、歯医者の件だが、ツバサには言ってないだろうな?」
あんじゅ「言ってないわ。でも別にバラしてもいいんじゃない?」
英玲奈「ダメだ」
あんじゅ「ほんとツバサの前だとクールなのを装うんだから」
英玲奈「装ってなどない」
あんじゅ「はいはい、体育館に行こ。朝礼始まるよ」
芸能科担当者「はい、えー、実は最近夏風邪も流行っているので芸能科のみなさんは今度予防接種の注射を受けてもらいます。以上です」
あんじゅ「夏風邪ってそんなの流行ってたっけ?……英玲奈?」
英玲奈「」
あんじゅ「英玲奈?どうしたのよ?おーい」
英玲奈「あ、あんじゅ……」
あんじゅ「?」
英玲奈「ち……注射、嫌だ……」
あんじゅ「」
終わり
かわいかったおつおつ
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