【ラブライブ!】希「凛ちゃん奢るからラーメン食べにいかへん?」凛「ラーメン?行くにゃ」
- 2020.04.01
- SS

凛「今日かよちん用があるとかで放課後暇だったから是非行くにゃ」
希「あれ、ことりちゃん一人?」
ことり「うん、穂乃果ちゃんと海未ちゃんは生徒会の雑用に追われてて」
凛「希ちゃんが奢ってくれるにゃ~」
希「ことりちゃんも良かったらどう? うちの奢りやで」
ことり「わたしも良いの……?」
希「勿論。いいに決まってるやん」
ことり「じゃあ、お言葉に甘えてご馳走になるね♪ ありがとう希ちゃん」
ことり「言われてみれば確かに珍しいね」
希「凛ちゃんとは一緒になることたまにあるんやけどね」
ことり「希ちゃんとこんなに話すのはニューヨークの地下鉄で話して以来だよね」
希「先週のことなのにずいぶん昔のように感じるわ」
凛「それはきっとμ’sがいつも一緒にいたからそう感じるにゃあ」
ことり「あ、それことりも同じこと思ってたんだ。凛ちゃんも一緒だったんだね」
希「二人ともずいぶん心通わせるようになったんやね」
希「最近、音ノ木坂からちょっと行ったところに出来たところがあるんよ」
凛「楽しみにゃー」
ことり「凛ちゃんは花陽ちゃんと食べに行ったりしないの?」
凛「去年はたまに花陽ちゃんの家の近くのラーメン屋さんに食べに行ってたにゃ」
希「花陽ちゃんは白米が食べたがりそうなもんやけど」
凛「そこは家系っていう豚骨醤油のお店なんだけど、無料でご飯もつけてくれるにゃ」
希「へえ、いいわねえ」
凛「しかもご飯のおかわりも何倍も出来たにゃ」
無洗米なのかな
無洗米だけに無銭米、つってね
ごめんよく見えなかったからもう一回言ってくれる?
希「あれ、凛ちゃんなんで『出来た』って過去形なん?」
凛「かよちんが無料なのをいいことにご飯を毎回5合近くおかわりしたから無料ライスは廃止になったにゃ」
希(そりゃ廃止になるわ……)
凛「そして年末にその店は潰れたにゃ-」
ことり「そっかぁ。残念だね」
希「あ、黄色い看板が見えてきたでしょ。あそこなんよ」
凛「この看板たまに見たことあるにゃ」
希「ささ、二人とも寒いから中に入ろう」
凛「券売機があるにゃ」
希「二人とも何がいい?」
凛「初めてでよく分からないから希ちゃんと一緒でいいにゃ」
ことり「じゃあ、わたしも同じので……」
希「分かった。三人分買っておくから先に座ってて」
凛「席取りは任せるにゃー」
ことり「お冷や、わたしが入れるね」
ことり「ここと同じような看板神保町でも見たことあるような……」
希「のれん分けしてて色んなところにあるんよ」
凛「メニュー全く見てないけど楽しみだにゃー」
ことり「おなか空いてたからわたしも楽しみ」
希「二人の笑顔見てると本当に誘って良かったわ」
ことり「希ちゃん声掛けてくれてありがとう」
凛「? 希ちゃん今なんて言ったにゃ?」
希「『ヤサイマシマシニンニクマシアブラカラメ』って言ったんよ」
ことり「それは……何?」
希「トッピングなんやけど、まあ、おいしくなる魔法の呪文みたいなもんやね」
ことり「魔法の呪文……」
希「あ、凛ちゃん店の人がトッピングのオーダー待ってるよ」
凛「にゃにゃ!? よく分からないけど、ヤサイマシマシニンニクマシアブラカラメ」
ことり「わたしもヤサイマシマシニンニクマシアブラカラメ」
ことり(なんか悪寒が……き、気のせいだよね……)
希「ああ、来た来た」
凛「にゃ?」
ことり「あれ? これ何?」
希「二人ともお腹空いてたやろ。はよ食べよう」
ことり「希ちゃん、注文間違ってない?」
希「え? 間違ってへんよ?」
ことり「だって、目の前にありえない物体がそびえ立ってるよ?」
希「私たち三人が頼んだのやん。大ブタヤサイマシマシニンニクマシアブラカラメ」
凛「え~!!!」
ことり「これ一つで三人分のメニューじゃあ……」
希「一杯のかけそばじゃないんやで、ことりちゃん。案外古いネタ知ってるんやね」
凛「こんなの食べ切れな――」
希「お残しは!」
凛・こと「……」
希「ギルティやで。わざわざ大盛り頼んで残すんは行儀悪いよ」
こと「ハノケチャン助けて~」
凛(『お残し』なんてフレーズ乱太郎以外で初めて聞いたにゃぁ……)
希「凛ちゃんもことりちゃんも冷めないうちに食べな」
凛「希ちゃん快調に飛ばしてるにゃー。はあ、凛も食べるにゃ」
ことり「……」
凛「あれ? ことりちゃんどうしたの?」
ことり「うん、にんにくがのってて……」
凛「にんにく嫌いなの?」
ことり「うん。わたしににんにくが苦手なんだあ……」
凛(凛も余裕はないけど、このままじゃことりちゃん……)
ことり「わたしに構わず食べてていいよ、凛ちゃん」
凛「ことりちゃんにんにく貰うにゃ~」
ことり「えっ? 凛ちゃんいいの?」
凛「うん。だから一緒に食べるにゃー」
ことり「凛ちゃん! ありがとうっ!」
パクッ。
凛(口いっぱいににんにく頬張ったらちょっと辛いにゃ……おまけに臭い)
希「あー、ことりちゃんがにんにく嫌いなの忘れてたわ。堪忍な」
凛「希ちゃん、もやしの山がもうほぼ無くなってるにゃ」
希「ここは食べるのがちょっとくらい遅くても大丈夫やから、よく噛んで食べな」
凛「そうさせてもらうにゃー……」
ことり「凛ちゃん、にんにく食べてくれてありがとうね」
凛「どういたまして。お役に立てて嬉しいにゃ」
ことり「ついでにもう一つお願いしていいかな?」
凛(もやしまで食べさせられるハメになったらどうしよう……)
ことり「ちょっとお野菜もらっていいかな?」
凛「!! どーぞ! どーぞにゃ!!」
凛(ふ、負担が減ったにゃ! ことりちゃんは天使だにゃ)
凛「にゃ!? 希ちゃん、このピレネーの城みたいな物体なんにゃ?」
希「それはブタって言うんよ。よそのラーメン屋で言うとチャーシューにあたるかなぁ」
凛「これ全部肉なのかにゃ?」
希「うん」
凛(もやしの下にこんなごっつい肉があるなら先に言ってほしかったにゃ……)
希「ホロッとしてておいしいやろ?」
凛「……とってもおいしいにゃ」
凛(おいしいけど、これがいくつも残ってる現実に目眩がしそうにゃ)
希「育ち盛りやから、いっぱいたんぱく質摂るんやで」
凛「はいにゃ」
希「大きくなったら今よりワシワシしやすくなるやろうし」
凛「ひ、貧乳はステータスにゃ!」
チラッ
凛(希ちゃんの丼、ブタが一個も残ってないどころか、麺もかなり減ってるにゃ)
凛「だからアニメーターさんに太く描かれるのかにゃ」
希「? 何か言った?」
凛「なんでもないにゃ!」
凛(思ってることと言ってることが逆になったにゃ)
凛「ことりちゃんも結構食べたんだにゃ~」
凛(あれだけの野菜よく食べきったにゃ)
ことり「あ、そうだお野菜ありがとうね。ついつい食べすぎちゃった」
凛「喜んでもらえて嬉しいにゃ~」
ことり「お礼にお肉あげるね。凛ちゃんお魚はダメだけど、お肉は嫌いじゃないよね?」
凛(にゃああああああああああああああああああああ!!!!)
凛「凛のおっぱいに関しては長い目で見てほしいにゃ。そしてできれば触れない方向で」
凛(うえ~、丼の上がちょとした岩場みたいなことになってるにゃ)
ことり「麺がのびちゃうから食べよ?(にっこり)」
凛(可愛いにゃー、でもこのブタは正直にいってありがた迷惑にゃ)
凛「ことりちゃんブタありがとうにゃ。でもことりちゃんは食べなくていいの?」
ことり「わたしは一つ食べたから、もう十分。残りは凛ちゃんの為にとっておいたんだあ」
凛(これはとてもブタを突き返せる雰囲気じゃないにゃ)
凛「凛のために……本当にありがとうにゃ、ことりちゃん」
凛(凛は日本の建前社会の犠牲者にゃ。というか、ことりちゃんの申し出って凄い断りづらいにゃ)
凛「二人で頑張って一緒にゴールするにゃー!」
凛(もう自棄にゃあああああ)
ことり「ふふっ、なんだかマラソンみたいだね。凛ちゃん、頑張ろうね」
ことり「どうしたの? 考え込んじゃって」
凛「こ、ことりちゃんの髪をかき上げて麺をすする姿が色っぽいにゃ~って思って」
凛(キャパ超えたコレをどう攻略しようか考えてたなんて言えないにゃ)
ことり「え~、そうかな? そんなこと言われると照れちゃうなぁ///」
凛(言ってから気付いたけど本当に色っぽいにゃ。穂乃果ちゃんの良いお嫁さんになるにゃあ)
希「お二人さん進んでる? こっちはそろそろ食べ終わるけど」
ことり「あと半分かな。希ちゃんはやーい」
凛(ブタを片付けるべきか、麺を食べるべきか、それが問題にゃ)
ことり「麺にたどりつくまでちょっと時間掛かったけど、あんまりのびてないねぇ」
ズズーッ
凛(確かにことりちゃんの言うとおり、けっこうコシがあってのびにくそうな麺にゃ)
凛「作戦は決まったにゃ」
ことり「?」
凛(ここはブタをかたづけるにゃ!)
凛(麺を完食した状態からブタの攻略なんて二○三高地くらいの犠牲を出しかねないにゃ!)
凛「こ、ことりちゃんから貰ったブタおいしいにゃ……」
ことり「喜んでもらえて嬉しいな。凛ちゃんお冷やのおかわりどう?」
凛「り、凛はもういいにゃ」
凛(水が入り込むスペースなんてもう胃袋にはないにゃ……)
希「凛ちゃん、汗凄いけど暑いん?」
凛「暖房が思ったより効いてるからかにゃー」
ことり「暑いなら少しお水のんだほうがいいよ」
凛(ことりちゃん、なみなみとお水注ぐのはどうかと思うにゃ)
ことり「一口だけでもお水飲んだ方がいいよ?」
希「汗も拭いたほうがええよ。ほい、ティッシュ」
凛(ファミレスとかで店員さんがお冷やを注ぎ足してくれるけど……)
凛(そうされるとなんだか飲まなきゃいけない気がしてくるにゃー)
凛(お冷やセルフサービスの店であの気持ちを味わうことになるとは思わなかったにゃ)
ことり「凛ちゃん、ボーッとしちゃってどうしたの?」
凛「や、優しい先輩に恵まれて感極まっていたんだにゃ」
希「凛ちゃんもお世辞が言えるようになったのやね」
ことり「お世辞でも嬉しいよ凛ちゃん(にっこり)」
凛「お水頂くにゃ」
ゴクゴクッ
凛(注ぎ足されない為に、二口くらい飲んで止めとくにゃ)
ことり「あと、麺半分くらいでお終い。スープまで飲むのはさすがに無理かな」
凛(ことりちゃんいつの間に! 凛はようやく本来の自分の分のブタにたどりついたのに)
凛(凛もさっさとブタを食べてしまおう)
希「凄い勢いで食べてるね。凛ちゃんもここのブタの虜やね」
凛(ようやくブタを片付けたにゃ~。長い道のりだった……)
凛「麺のボリュームが凄い……」
希「凛ちゃんの好きな麺にようやく到達やね」
凛(ハイペースで食べ続けた上で、まだこの麺の量が残存してるのか……)
ズズー
凛「さっきもちょっと食べたけど癖になる味だにゃ~」
凛(量さえまともなら、という条件付きだけど)
希「スープ単体で啜ってもおいしいんよ」
凛「きょ、今日は遠慮しておこうかな。かよちんに付き合って一時期塩分摂りすぎだったし」
希「そっか、今度試してみてね。うちは丼にほとんどスープ残ってないやろ」
凛「そうするにゃ」
凛(麺はあまり噛まずに押し込もう。顎もブタの咀嚼で疲れたし……)
凛(何より時間が掛かれば掛かるほど、満腹感が出てきてしまう!)
凛「あ、あと麺半分てとこかな」
凛(おなかパンパンにゃ。おまけに汗が目に入って痛いにゃ~)
希「今日は不思議と店凄い空いてるから慌てんでもええよ」
ことり「そういえば空いてるね」
希「おかげでゆっくりスープを味わえて幸せや」
ことり「私たちに合わせようと急がなくていいからね」
凛「味わって食べてるよう」
凛(とは言ったものの、ちょっとでも気を抜くと意識が飛びそう)
ことり「凛ちゃん、鼻水出てるよ」
凛{にゃ!?」
フキフキ
凛「あ、ありがとう」
凛(昇天しかけた! あぶないあぶない)
凛(ことりちゃんが話しかけてくれたおかげで踏みとどまれたよ)
ことり「汗さっきよりすごいよー」
凛「凛、運動神経と新陳代謝は人よりいいんだよ」
希「凛ちゃん、あともう少しやん。ファイト!」
凛「う、うん」
希「凛ちゃんも、あとほんのちょっとのとこまできたね」
凛「……」
凛(そのラスト数口がとてもきついにゃ。箸を持つ手がピクリとも反応してくれない)
ことり「すごくおいしかった~。今度からにんにくは抜いてもらおう」
希「二人とも、あとで注文についてレクチャーしてあげるからね」
凛(それ最初にしてほしかったなぁ)
ことり「凛ちゃん、麺のびちゃうよ?」
凛「う、うん食べる食べる」
ズルッ
凛(顎を上下に動かすだけで胃から逆流してきそう……)
ゴクリ
凛(なるべく噛まずに飲み込もう……)
ズズッー
希「名残惜しいけどあと一口やね」
凛(微塵も惜別感はないにゃー……)
ことり「ふふっ、最後の一口が勿体なくて食べられないのも分かるかな」
希「凛ちゃんは根っからのラーメン好きやね」
凛(……手が止まってる理由くらい察してほしいなぁ)
凛(と、ともかく。気持ちを奮い立たせるにゃ!)
凛(そして、長い長い激闘にピリオドを打とう!)
凛「……いくにゃ!」
ズ、ズズー
ゴクリッ
希「はい、お疲れさん」
ことり「スープは飲まなくていいの?」
凛(もう喋る気力はないにゃー……。首振って答えるしかできない)
ことり「そっか。あ、凛ちゃん汗拭いてあげるね」
凛(ことりちゃん優しいにゃ。こんなお姉ちゃん欲しかったな)
希「さて三人食べ終えたし、帰りますか」
希「二人ともどうやった?」
ことり「初めて食べたけどおいしかったよ。希ちゃんご馳走様でした」
希「どういたしまして。凛ちゃんも目に涙まで浮かべて食べてたし、喜んでくれたみたいやね」
凛(希ちゃんもけっこう天然な部分があるにゃ。絵里ちゃんの影響かな)
凛「……おいしかったにゃ」
凛(ただ、もうあの量は食べたくないな……)
凛「……希ちゃん、凛思うけど、あれはラーメンじゃないにゃ」
希「そういう人おるね。二郎はラーメンやない、二郎という食べ物やと」
ことり「なんか哲学的かも」
希「凛ちゃんの感想を聞いてると、ジロリアンになる素質を感じるわ」
凛「それは褒めてるのかにゃ」
希「もちろんや」
凛「て、照れるにゃ」
希「凛ちゃん、ことりちゃん。また今度食べに来ようね」
ことり「賛成。凛ちゃんもいいよね」
凛「うん」
凛(今度来るときはなるべく空腹にしておこう)
希「じゃあ、また明日食べに来ようね凛ちゃん、ことりちゃん」
凛「にゃあああああああああああああああ」
〈了〉
さっさと二郎ネタだと看破されてたけど、とりあえず書いた
これから飯ですわ
面白かった
それがこんな内容になってるとはww
いや、状況考えるのうまいね
というか凛ちゃんお疲れ
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