【ラブライブ!】穂乃果「ほのにこなつやすみ」
- 2020.04.01
- SS

にこ「蟹になって、ひんやりした海の底でのんびり暮らしたいわねー…」
にこ「…にっかにっかにー…」チョキチョキ
にこ「……」
にこ「…暑すぎて、わけわかんない一人遊びしちゃったわ」ハァ…
にこ「…んー…。…そういえば…穂乃果の趣味は水泳っていう設定があったわねー…」
にこ「…近くにあるプールの情報とか、詳しかったりするのかしら」ポチポチ
にこ『明日プールに行きたいんだけど、いいところ知らない?』
にこ「で、送信っと…」
穂乃果『プールならあるよ!』
穂乃果『準備しとくから、明日私のおうちにおいでよ!』
にこ「さすが、話が早いわ」ポチポチ
にこ「ふふ…。明日はプールで優雅に涼めそうね…」
にこ「…それに、μ’sの今後のためにも…先輩と後輩の仲を深めるチャンスだわ!」
にこ「張り切っていくわよー!」オー
翌朝
にこ「穂乃果ー、きたわよー」
ガララッ
穂乃果「にこちゃん、おはよーっ!」
にこ「はいおはよう。今日も朝から暑いわねー。早くプール行きましょ」
穂乃果「うんっ! じゃあ早速あがってよ!」クイクイ
にこ「…へ? すぐ出かけるんじゃないの?」
穂乃果「えっ? どこに出かけるの?」キョトン
にこ「ん…?」
穂乃果「あれっ…?」
にこ「……なんか話が噛み合ってないような…」
穂乃果「ことりちゃんは予定が合わないらしいし、海未ちゃんにはさすがにこの歳じゃ…って断られちゃったんだ」
穂乃果「でもにこちゃんは、うちのプールの良さをわかってくれてるみたいで、嬉しいよ!」
にこ「『うちの』プール…?」
穂乃果「ほら、もう準備できてるよー! こっちこっち!」グイグイ
にこ「え? ちょ、ちょっと…! なんで家の中に引っ張り込むのよ…!」
にこ「ま、まさか…」
穂乃果「…じゃーん! にこちゃんのためにー、うちのお庭にオープンしました!」
穂乃果「高坂家の特設プールでーす!」ババーン
にこ「って、子供用プールじゃない! 空気入れて膨らませるタイプの…」
にこ「水深あっさ! せっま!」
にこ「にこはー、こんな家庭用お子様プールで遊びたいんじゃなくてー! 市民プールとかテーマパークみたいなとこに行きたかったのー!」
穂乃果「えーっ!? そうだったのー!?」ガーン
にこ「だからさっさと出かける準備してよね? 待っててあげるから…」
穂乃果「…せっかくにこちゃんのために…押し入れから探し出してきたのに…」ションボリ
にこ「いや、だってプール行きたいっていったら普通は…」
穂乃果「がんばってプール膨らませてお水も入れて…にこちゃんが来るのを待ってたのに…」シクシク
にこ「うっ…」
穂乃果「にこちゃんと一緒に、うちでわいわい水遊びしたいなーって、楽しみにしてたのにぃ…」グスン
にこ「~~~ッ…!」
穂乃果「ほんとっ…!?」パアァ…
にこ「こっちのが安上がりだし…水浴びすれば涼めることには違いないからね」
穂乃果「わーいわーい! にこちゃんとプール~♪」モギュー
にこ「だああー暑苦しい! …しかもあんたすごい汗じゃない!」
穂乃果「あはは…。色々とプールの用意してたから…」ポタポタ
にこ「もう…」
にこ「…ご苦労さま、ありがと」ナデナデ
穂乃果「えへへ…♪」
にこ「あんたのがんばりを無駄にしないためにも、水が温まらないうちに早く水着に着替えるわよ!」
穂乃果「うんっ!」
穂乃果「着替え完了! いっくぞー!」タタタ
穂乃果「わーいわーい!」バチャバチャ
穂乃果「つめたーい! きもちいーい!」
にこ「…よっと…」チャプ…
にこ「うーん…。足はひんやりして気持ちいいけど、体は普通に暑いわ…」ジリジリ
穂乃果「にこちゃんにこちゃん!」
にこ「ん?」
穂乃果「くらえー! 水鉄砲!」ピュッ
にこ「わぶっ!?」ビシャー
にこ「やったわねー!? このこのっ!」バシャバシャ
穂乃果「あははっ! 負けないよー!」バシャバシャ
アハハー! エーイ!
雪穂「……」テクテク
雪穂「……ん? なんか声が…」
にこ「そろそろ降参しなさ…へぶっ!?」ビシャー
雪穂「…お姉ちゃん、ほんとにそれ使ってたんだ」ヒョコッ
穂乃果「あっ、雪穂!」
にこ「お邪魔してまあーす…」ビッショリ
雪穂「矢澤先輩、こんにちはー。いつも姉がお世話になってます」ペコリ
穂乃果「楽しいよー! 雪穂も入る?」バチャバチャ
雪穂「いや、二人でも狭そうだし…私は良いよ」
雪穂「こうして風通しの良い縁側でのんびりしてる方が、よっぽど優雅だもんねー」ギシッ…
穂乃果「あー、勿体無い…勿体無いなあ…。夏を満喫できてないよお…」
雪穂「そんなの人それぞれだしぃー。…まあ、私はここで見てるから、構わず遊んでてよ」
穂乃果「ちぇー、ノリが悪いなあー」
穂乃果「ん? なーに?」
にこ「騒ぎすぎたから、プールの水がほとんど溢れて無くなっちゃったんだけど」
穂乃果「あらら…? ほんとだ…」
穂乃果「どーしよー…。またバケツで汲んでくるのめんどくさいよー…」
にこ「バケツで水を入れてたの…!? 効率悪すぎでしょ…」
雪穂「……」
雪穂「多分、そのプールが入ってた押入れに、ホースとかシャワーノズルもあったと思うよ?」
穂乃果「ほんとっ!?」
雪穂「うん。私達が昔そのプールで遊んだ時に使ってた覚えがあるし。だから、それを水道と繋いでくれば?」
穂乃果「探してくるー!」ドタドタ
雪穂「あー! 水浸しで家の中歩かないでよー!」
にこ「やれやれ…」

はい
ありがとう家宝にします
雪穂「…隣、座ります? タオルとか敷けば大丈夫ですよ」
にこ「あ、ありがと…」
チョコン
にこ「……」
雪穂「……」
にこ「…雪穂、ちゃん?」
雪穂「? なんですか?」
にこ「穂乃果は…家でもあんな感じなの?」
雪穂「まあそうですねー。基本的にぐうたらしてるか、変なことを思いついて騒がしくするかのどっちかですね」
雪穂「今日のは、騒がしいパターンのお姉ちゃんです」
にこ「やっぱり? 穂乃果って裏表が全然ないのよねー」
雪穂「食べ終わった後で、これあんパンじゃん! って言って、どこへともなく怒りをぶつけてました」
にこ「あははっ! 話を聞いただけで光景が目に浮かぶわ…」
にこ「穂乃果とは、まだ数ヶ月の付き合いしかないけど…」
にこ「いつも素直に自分をさらけ出して、笑っていられるところは…すごいと思う」
雪穂「…そう、ですねー…」
ドタドタ
穂乃果「ホース持ってきたよー!」
にこ「あっ、ありがと」
雪穂「あー、見つかって良かった」
穂乃果「にこちゃん! 続きいくよー!」シャワアアア
にこ「へっ? 待った待った! 穂乃果だけホース持ってずるいわよ…!」
穂乃果「それーっ!」ジャバババ
にこ「あぶぶぶぶ…!?」ビシャアアア
穂乃果「あははっ! 命中~!」
雪穂「あーあー、派手にやっちゃって…」
にこ「げほげほっ! …このーっ! 覚悟しなさいよー!」ダッ
穂乃果「あっ! バケツ持ってどこ行くの…!? …まさか…」
穂乃果「わーっ! バケツいっぱい水浸しだあ!」
にこ「とりゃあ!」ドバシャア
穂乃果「んぶうっ!?」
穂乃果「…げほげほっ! …うえぇ…つめたぁい……」ポタポタ
にこ「どう? 思い知った?」
穂乃果「…ま、まだまだー! もう一度、どうだー!」シャワアアア
にこ「なんの! バケツガードよ!」サッ
ワイワイ
雪穂「…なんか、プールそっちのけで遊んじゃってるし…」
ウヒョwwニコチャンwwwフヒョヒョwwヒョヒョヒョwwww
雪穂「……でも、楽しそう…」
穂乃果「ちょっとのんびりしよっか…!」ハァ…
穂乃果「プールに水を張って…。頭をプールの縁に置いて休憩するの! 気持ちいいよ!」シャワアアア
にこ「おー。…そうそう、こういうのがしたかったのよ」
穂乃果「…こんなもんかなー…。…じゃあ早速」チャプ…
穂乃果「…あー…ひんやりして気持ちいいよお~…」プカプカ
にこ「よーし、私も…」ザブ…
にこ「…あー…いいわこれ…。ちょうど頭の部分は日陰だし、快適ねー…」
穂乃果「このまま寝ちゃいそうー…」
にこ「穂乃果は寝相悪いから、寝たら頭が水に落ちて溺れそうねー…」
穂乃果「ふにゃあー…」
にこ「あふうー…」
プカプカ
雪穂「…あー、すごい平和な光景」
穂乃果「あっ雪穂ー、私の分もちょうだーい」
雪穂「はいはい…。でっかいペットボトルのジュース持ってくるから待ってて」スタスタ
プカプカ
穂乃果「ふー…。のんびりー…。しあわせ~♪」
にこ「穂乃果と二人っきりってのは珍しいけど…。なかなか楽しいわね」
穂乃果「ふぇ…?」
にこ「……うちね、妹が二人いるの」
にこ「ふざけ合うこともできなくはないんだけど…。年がそこそこ離れてるから、どうしても気を遣ったり譲っちゃう部分があるのよ」
にこ「だから…あんたみたいに、心からふざけ合える妹みたいな存在は…意外と新鮮なの」
穂乃果「へえーっ…」
穂乃果「……」ウーン…
穂乃果「…矢澤穂乃果…」ボソッ
にこ「!?」ドキッ
にこ「…あ…。…そ…そうね…!」
にこ「…でっ、でも…今のは仮定にすらなってない話だから…」アハハ
穂乃果「そうだねー、雪穂をどうしたら良いか心配だし…。お父さんやお母さんも!」
にこ「…あはは…はは…」
にこ「……」
穂乃果「……」
シーン…
にこ「…そっ、そろそろ…! 上がりましょうか…」ザバアッ
穂乃果「えっ? もう…?」
ツルッ
にこ「わっわっわっ…!?」
穂乃果「!」
穂乃果「わああっ!? にこちゃんが水の中に倒れちゃったあ!」
にこ「ごぼごぼごぼ…!」バシャバシャ
穂乃果「た、たいへーん! にこちゃん、大丈夫…!?」グイッ
にこ「げほげほっ…! はぁ…はぁ…!」ザバァ…
穂乃果「しっかりぃー…!」
にこ「うぅ~…くるし…。げほげほっ…」
穂乃果「えーとえーと、こういう時はぁ…!」オロオロ
穂乃果「そうだ! 人口呼吸だっ!」ピコーン
にこ「へっ…?」ゴホゴホ…

穂乃果「はむっ!」チューッ
にこ「んんんーっ!?///」
穂乃果「ふぅぅぅぅぅーっ…!」
にこ(い…いきなりなんてことしてくれてんのよこいつはぁ…!?///)ムグググ
にこ(ほ、穂乃果の熱い息が…口の中いっぱいに入ってくりゅう…!///)モガモガ
穂乃果「…ぷはっ! まだまだぁー!」スゥーッ…
にこ「…ごほっ…! 待っ…! 人口呼吸ってのは…もっと重症な…意識がない人にするもので…!///」ハァ…ハァ…
穂乃果「まだ息が安定してないのに…無理しちゃダメだよお!」ガシイッ
にこ「ふわっ!///」
にこ「んむぅぅぅうっ…!///」ビクビクン
にこ(プールの縁に押さえつけられて…抵抗できない…!///)
にこ(でも、嫌じゃない…。頭が真っ白になって…身体が熱い…)
にこ(なんなの…この気持ち…!?///)ドキン…ドキン…
タッタッタ
雪穂「お待たせー。お姉ちゃん、矢澤せんぱ…」ヒョコッ…
穂乃果「ちゅうっ…はむっ…」チュッチュ
にこ「んーっ! んうーっ…!///」
雪穂「あっ…///」
にこ「んっ!? んむーっ!///」ジタバタ
にこ「んうーっ…! ……ぷはっ! はぁ…はぁ…///」
穂乃果「にこちゃん! どう? もう平気?」
にこ「…あ…あのねえ…!///」ゼェゼェ
穂乃果「…よかったあー! 穂乃果のおかげだね!」モギュー
にこ「ふわぁっ…!?///」
にこ(み、水着で抱きつかれると…。肌の感触が直に伝わってくるわ…!///)ムニィ…
にこ(確かに、穂乃果ともっと仲良くなりたいって思って来たけど…! それはこういう意味じゃないのにぃ…!///)
穂乃果「そろそろお昼ご飯の時間かな!」
にこ「…そ、そうね…」
穂乃果「どうする? 午後もプール入る?」
にこ「うーん…」
にこ「人の家で水着のままご飯食べるのもなんか変だし…」
にこ「…プール以外にも…穂乃果ともっといろんなことして楽しみたいかも…」
穂乃果「わかった! じゃあプールはとりあえず置いておくとして…。まずは着替えよっか!」
穂乃果「わーびっしょり…。…でもさっぱりしたあー♪」ヌギヌギ
にこ「そうねー、久しぶりに思いっきりふざけられたわ」
にこ「……」チラッ…
穂乃果「よいしょっと…」ポヨン…
にこ「うっ…///」ドキッ
にこ(ちょ、ちょっと待ってよ…! 胸を見てドキッとするなんて…! …なーに穂乃果なんかを意識しちゃってんのよぉ…!///)ブンブン
にこ(プールに入る前にも穂乃果の裸は見たはずなのに…! …あんな…人口呼吸なんてしてくるから…!///)ドキドキドキ
にこ(……いや、落ち着くのよ矢澤にこ! 惑わされちゃダメ!)
にこ(無邪気で、そそっかしくて、過剰なほどに仲間想い…! それが穂乃果って人間なのよ!)
にこ(見知らぬ人にまで、いきなりあそこまでのことをするとまでは思わないけど…。あの場で溺れかけてたのが私以外のμ’sの誰かだったとしても、穂乃果はきっと同じことをしてるはずだわ!)
にこ(だから落ち着いて、今まで通り自然に接すればOK! よし、レッツゴー!)クワッ
にこ「…ねえ穂乃果! 午後はなにをしま…」クルッ
穂乃果「にこちゃんどうしたの? 顔が赤いけど…」スッポンポン
にこ「ぶっ!?///」
穂乃果「もしかしてまだ暑いの? 午後もプール入る?」ズイッ
にこ「あ…あわわ…! そ、その…!///」オロオロ
にこ(しかもいつの間にか距離が近い…! 私がちょっと手を伸ばしただけで抱きしめられそうなぐらい…!///)
にこ(髪から胸や鎖骨に滴る水を、目の前で見てるだけで…もう…///)グルグル
穂乃果「にこちゃん…?」
にこ「ぐ…///」
にこ「ほ…穂乃果…! あのね…!///」
ほのママ『穂乃果ー? にこちゃーん? ご飯できたわよー?』
にこ「!」
穂乃果「あっ! はーい! 着替えたら行くよー!」
穂乃果「急いで身体拭いて、着替えちゃお?」フキフキ
にこ「……」
にこ「…あはは…。そうね…」
にこ「ふー。美味しかったー」
穂乃果「せっかくだから流しそうめんとかしたかったけど…。あの坂みたいなやつをすぐ用意するのは無理だったから…仕方ないね」
にこ「別にお昼ご飯くらいは普通でもいいのよ。にこが来てるからって、なんでも特別にする必要はないわ」
にこ「…それより、午後はなにする?」
穂乃果「うーん…」テクテク
穂乃果「…あっ、そういえばこのプール置きっぱなしだったね…」
にこ「片付けちゃう?」
穂乃果「んー…。…そうだ!」ピコーン
穂乃果「プールを縁側の下に置いてー…」ズルズル
穂乃果「足だけ浸かるの! これなら楽ちんだし溺れないよ!」チャプ…
にこ「おー、足湯みたいな感じでこれも良いわね」
にこ「それはしょうがないわよ…。また水を入れ直すしかないわ」
穂乃果「うんっ!」
ジョボジョボ
穂乃果「…あー…。ホースを持ってると、またふざけたくなってきちゃったあ…」ウズウズ
にこ「や、やめなさいよ…! 着替えはもう、今着てる分しかないんだから…!」
穂乃果「冗談だって~♪」ジョロジョロ
にこ(…ん…?)
にこ(…ってことは、にこが今着てる服が濡れて使えなくなったら…。…もしかして、穂乃果の服を代わりに着られたりするかも…?)
にこ(……)
にこ(…いや、そんなことしたらさすがに申し訳ないわ…。やめとこ…)
穂乃果「…よーし、これで良いね!」
にこ「あ、できた?」
チャプ…
穂乃果「快適~♪」ゴロリン
にこ「どれどれ…」チャポン
にこ「…あ~…。ほんとねー…。風通しも良いし~…」ゴロリン
にこ「……で? 午後はこのまま、ごろごろして過ごすの?」
穂乃果「んー…。そうだねー…今のところはー…」
にこ「ふーん…。私は別に良いけど、穂乃果は物足りなくない?」
穂乃果「いいの! 寝っ転がりながらのんびりお話するだけでも楽しいし!」
穂乃果「だから、にこちゃんの好きなアイドルのこととか…なんでも教えて!」
にこ「…いいわ。アイドルについてだったら…何十時間でも語ってあげられるから、覚悟しなさいよ!」ウキウキ
穂乃果「あっ、あくまで目標はにこちゃんと仲良くなることだから…。あんまり専門的な話をされるとついていけないかも…」
にこ「わかってるって! まずはあんた達が入部してきた時にやった、にこにーアイドル講座~初心者向け~の再放送から始めて…」
穂乃果「もーっ! そうじゃなくてー!」プンスカ
にこ「えっ…?」
穂乃果「にこちゃん! …にこちゃんは、なんでアイドルを好きなの?」
にこ「そ、それはもちろん…。かわいく歌って踊ることでみんなに笑顔を与えられる…素敵な存在だからよ!」
穂乃果「ふむふむ…」
にこ「あんまり覚えてないけど…とにかく小さい頃からね…」
にこ「…って、なによこれ…。ただの質問攻めじゃない…」
穂乃果「うんっ! だから穂乃果は…こんな風に、にこちゃん自身のことを知りたかったの!」
穂乃果「アイドル講座なら、もっと人数がいる時にやった方が良いよ!」
穂乃果「…今は…穂乃果と二人しかいないんだから…。……ね…?」ススス…
にこ「……っ…!///」ドキッ…
にこ「…そ…そうだったわね…! …ごめん、アイドルのことが絡むと熱くなりすぎちゃって…」
穂乃果「いいのいいの!」
穂乃果「ほらっ、にこちゃんも穂乃果になんでも質問してよ! アイドルに関することでも…そうじゃなくてもいいから!」
にこ「ん? うーん…そうねえ…」
穂乃果「えっとね…。…みんなに夢や希望をあげて…笑顔にできるようなアイドルかな!」
にこ「なによー、にこの真似しないでよー!」
穂乃果「真似じゃないもーん! 微妙に違うもーん!」ブーブー
にこ「ぶっ…くくく…」ヒクヒク
穂乃果「ほれほれ~」グイグイ
にこ「あ~もう~…!」
アハハハッ…
ミーンミーン…
穂乃果「んー…」ゴロン
穂乃果「だいぶおしゃべりした気がする…。…今何時かな?」
にこ「えーっと…」ゴソゴソ
にこ「…三時過ぎぐらいね」カチカチ
穂乃果「おやつの時間だね!」ムクリ
穂乃果「穂乃果、にこちゃんと一緒にスイカ割りしたい!」
にこ「いいわね! スイカあるの?」
穂乃果「うんっ! 確か冷蔵庫にあるよ!」
穂乃果「取りに行こうっ!」ドタドタ
にこ「スイカかー…。こころ達にも食べさせてあげたいわねー…」テクテク
にこ「……ん? …そういえば、うちにもスイカあったんだったわね…」
にこ「昨日買って…冷やしてから食べようって思ってたら、そのまま忘れてたわ…」
穂乃果「スイカ発見! よーし、早速スイカ割りしよっか!」ヒョイ
にこ「んー…」ボーッ…
穂乃果「あれっ? どうしたの?」
にこ「…ん? ああ…! …うちにもスイカ買ってあったのを思い出しちゃって…。…どうしようかしら…」
穂乃果「へえー! にこちゃんがスイカを2個食べて、にっこにっこにーだね!」
にこ「…なーにしょーもないこと言ってんのよ…」
穂乃果「あははっ! 今のは気にしないで! それより…」
穂乃果「…にこちゃん、今日は妹さん達はなにしてるの?」
にこ「え? …まあ…家でのんびりしてると思うわ」
にこ「お昼ご飯のそうめんやざるそばぐらいならつくれるから、心配しなくていいってさ…」
穂乃果「うーん…えらいねー…」
穂乃果「…ふえー…。穂乃果も見習わなきゃ…!」
にこ「いいのよ、家庭の事情なんて人それぞれなんだから…気にしなくても…」
穂乃果「……ねっ、にこちゃんの妹さん達も呼んで…一緒にスイカ割りしない?」
にこ「へっ?」
穂乃果「みんなでやった方がきっと楽しいし、美味しいよ!」
にこ「それはまあ確かに…。…でも、穂乃果の家の方はそれで良いの?」
穂乃果「だいじょぶだいじょぶ!」
穂乃果「それと、花火もあるんだよ!」ズイッ
穂乃果「夜になったら、みんなで一緒に花火やろうよ!」
穂乃果「せっかく夏休みなんだから…良いよね? ねっ?」グイグイ
にこ「う…」
穂乃果「妹さん達も、きっと楽しんでくれると思うよ!」
にこ「…わ、わかったわよ…。一応訊いてみるわ」
穂乃果「やったー!」
プルルル…
???『はーい、もしもーし?』ガチャッ
にこ「もしもし、こころ? 今、穂乃果の家にいるんだけど…」
にこ「こころとここあもスイカ割りしに来ないかってお誘いがあったのよ。…あと、夜になったら花火もやるから、一緒に…」
???『残念、私はこころじゃありませーん』
にこ「えっ…? じゃあここあ?」
???『ここあでもありませーん。…正解はー…』
にこママ『仕事が早く終わって、たった今帰ってきたお母さんでしたー!』
にこ「まっ、ママぁ…!?」
穂乃果「ん?」
にこ「あっ…え…えっと…! そうだけど…」
にこ「スイカ割りや花火は大勢のが楽しいからって、こころとここあを誘おうと思って電話したの…」
にこママ『あぁ、そういうこと…?』
にこママ『楽しそうね! 今からみんなで行くから待っててね!』
にこ「ま、ママも来るの…!?」
にこママ『和菓子屋の穂むらさんに行けばいいのよね? んじゃ、スイカも持ってすぐ行くわー♪』ブツッ
にこ「あっ!?」
にこ「……」
穂乃果「にこちゃんのお母さんが出たの?」
にこ「…ええ…。…マ…お母さんも来るって」
穂乃果「ほんとっ!? わー、どんな人か楽しみー♪」
にこ「人の母親になにを期待してんのよ…」
ワイワイ…
ここあ「んー…」
にこ「はい、目隠しおっけー! 始めていいわよー!」ギュッ…
雪穂「スイカ割りスタートー!」
ここあ「はーい…」テクテク…
穂乃果「ここあちゃーん! そのまま真っ直ぐだよー!」
ここあ「わかってるよおー…」フラフラ
こころ「いい感じです! あと三歩ぐらい…!」
にこ「あっ、そこでストップ! 叩いて!」
ここあ「よーし!」ピタッ…
ここあ「ていっ!」ヒュッ
バコッ
穂乃果「やったー! すごーい!」
にこ「上手だったわ!」
ここあ「えへへ…! やったあ!」ニコニコ
こころ「がんばりますっ!」
ここあ「……スイカが2個…にこにー…。…ぶふっ…」クスクス
穂乃果「あっ、やっぱりそれ思いついた? ここあちゃん、穂乃果と気が合うねえ~!」
雪穂「…はーい、目隠し準備できたよー」ギュッ…
にこ「こころ、がんばってー!」
こころ「…うーん…」フラフラ
穂乃果「そのまま真っ直ぐ~…。…あれっ、方向ずれてるよお~!」
こころ「ええ…? どっちですかあ…?」フラッ…
ここあ「もっと右! あー違うよっ! 右だってば!」
雪穂「だ、大丈夫…!?」
こころ「うー…スイカ割りがこんなに難しいなんて…」フラフラ…
こころ「んん…? お姉さまの声が近くから…」フラッ…
ここあ「お姉ちゃん! ストップストップ! 止まって!」
穂乃果「にこちゃーん! あぶなーい!」バッ
にこ「へっ…!?」
ドッシーン
こころ「ん…?」ピタリ
こころ「あっ、あれえ…!? 変な音がしましたけど…皆さん大丈夫ですかあ…!?」オロオロ
ここあ「…私は大丈夫だけど…」
雪穂「お姉ちゃん達が倒れちゃって…」
ムニュッ
にこ「んん~…? なんか顔が柔らかいものに覆われてて、前が見えないわねえ…」
にこ「柔らかい上にあったかいし…芳しくて癖になっちゃう汗の匂いもするわ」クンクン
にこ「……って、もしかしなくてもこれは…」
穂乃果「にこちゃん! 無事で良かったあー!」ギュー
ほのぱい「」ムニィィ
にこ「」
にこ(ああああああああ穂乃果の胸にある2つのスイカが、にこの顔面ににっこにっこにー!///)プシュウウウ…
雪穂「おーおー、大胆に見せつけてくれるねえー」
こころ「す、スイカはどうなりましたあー…?」オロオロ
ここあ「とりあえずお姉ちゃんは目隠し取って、最初から仕切り直した方がいいかも」
ほのママ「みんな楽しそうでなによりですねー…」ホノボノ
にこママ「ええ、ほんとに…」シミジミ
ほのパパ「……」ウム…
こころ「はー…。やっと割れましたあー…」
穂乃果「おかーさーん! おとーさーん! スイカ食べないのー?」
ここあ「甘くて美味しいよー?」
ほのママ「おっと…! はいはい、頂くわ…」スクッ
にこママ「ふふっ、ありがとうね…」
ここあ「わーい! 花火久しぶりー!」シュアアアア
雪穂「うおっすごい…。ここあちゃん、そんな派手なの持って怖くないの…?」パチパチパチ
ほのパパ「……」シュアアアア
雪穂「…って、お父さんも!?」
こころ「…綺麗ですねー…」パチパチパチ
こころ「穂乃果さん、今日は招待して頂いてありがとうございます!」ペコリ
穂乃果「あはは…。こころちゃんは丁寧でえらいね!」
にこ「そうよー? 真面目なこころと、元気なここあ…。どっちもにこにーに負けないくらいかわいいんだから!」
にこママ「にこだって、真面目で元気でかわいいわよ?」ナデナデ
にこ「ふわっ!?///」ドキィ
にこママ「うふふ…。なんてね…♪」
穂乃果「むーっ…」ジトーッ…
にこママ「…あっ、高坂さん! 今日は本当にありがとうございます! 娘が色々とお世話になりまして…」タッ
ほのママ「いえいえ、お構いなく! 私も、にぎやかな方が楽しいものですから…」
ほのママ「…あ、うちのお饅頭食べます?」ヒョイ
にこママ「いいんですか? いただきます~!」
ワイワイ
にこ「ふう…」
穂乃果「……」ピトッ…
にこ「……ん…?」
にこ「…な、なによ穂乃果…。いきなりくっついてきちゃって…」
穂乃果「にこちゃん…お母さんに撫でられて、顔真っ赤だった!」
穂乃果「……穂乃果だって、負けないもん!」ギュッ…
にこ「ママや妹達については、あくまで家族として大事なわけだから…恋愛感情とは違うの! わかった?」
穂乃果「……え…?」
にこ「ん…?」
穂乃果「…じゃあ…穂乃果に対しては…?///」
にこ「……あれ…? …あ…!///」カアァ…
にこ「……い、今のなし! 今のは…その…!///」アタフタ
穂乃果「……」
穂乃果「…ぷっ…」クスッ…
穂乃果「……あははっ…! にこちゃん、また顔真っ赤だよ~!」
にこ「うぐっ!?///」
穂乃果「なんのことかわからないにこ~♪」ニッコニッコニー
にこ「こんのー!」ムギュー
穂乃果「ああん穂乃果ぁ! 暑苦しいから抱きつくのはやめるにこ~!」キャッキャッ
にこ「その雑なモノマネをやめないと、もっと暑苦しくするわよ~!」ギュウウウ
穂乃果「きゃあ~♪」
ワイワイ
にこ(まったく…。今日一日で、なんでこんなんを好きになっちゃったんだっけ…)
穂乃果「にこちゃんっ! いいかげん穂乃果達も花火やろうよ!」グイッ
にこ(…ま、好きになった理由を過去に求めるよりも…。未来に希望を持つ方が、にこと穂乃果には合ってると思うけどね)
穂乃果「よーし! まだまだ夏は終わらないよー!」
にこ「…当然よ!」
にこ「あんた達との高校生活やスクールアイドルだって…これからが本番なんだから!」
おわり
夏、終わらないで。
こんな夏を送りたかった
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