【ラブライブ!】花陽「お酒……お酒……」
- 2020.04.02
- SS

花陽「ぷはーっ!」
にこ「おっさん臭いわよ……」
花陽「うーっ……」
にこ「それで、悩みってなんなの?」
花陽「……」
にこ「ほら、黙ってちゃわかんないでしょ」
花陽「それが!!!!」
にこ「うわっ、びっくりした……」
花陽「凛ちゃんのことだよ!!!凛ちゃんの!!!!」
にこ「も、もうちょっと音量下げなさい……」
にこ「よそよそしい?」
花陽「大学に入ってから会う機会も減って……だんだん、離れ離れになって……それで……」
にこ「はーっ……よくある話じゃない」
花陽「よくないよぉ!……全然よくないよぉ!」
にこ「要は寂しいんでしょ、それで」
花陽「……高校までずっと一緒だったから……」
にこ「あー……確かにそうね」
にこ「でも、会うことは会うんでしょ」
花陽「最近は二ヶ月に一回くらい……」
にこ「それだけあってたら十分じゃないの」
花陽「でも!凛ちゃんはいつも『久しぶりだねっ!』って言って……」
にこ「うんうん」
花陽「……それが辛いの!」
にこ「え、どうして」
花陽「だって『久しぶり』だよ!……もう凛ちゃんの生活に私はいないってことだよ……うわぁぁん!」
にこ「……」
にこ「じゃあ花陽から誘えばいいじゃないの」
花陽「ううん、違うの……」
にこ「何が?」
花陽「それじゃダメなの……」
にこ「あー、なるほどなるほど……つまり、昔は凛から誘ってくれてたと……」
花陽「そう!!そこですっ!!」
ごくごく
花陽「ぷはーっ!」
にこ「顔赤いわよ」
花陽「ううう……」
花陽「……」
にこ「聞いてる?」
花陽「会った後も……喋ってても、昔と違うの……」
にこ(聞いてないし……)
花陽「前は凛ちゃん、抱きついたりしてきてくれたのに……!今は、距離をとって歩いてるみたいで……」
にこ「凛も大人になったんでしょ」
花陽「私の前にいないうちに、私の知らないところで凛ちゃんが大人になっていく……」
にこ「……」
花陽「私は、凛ちゃんが大人になる邪魔をしてたんだぁ……」グズグズ
にこ「そんなことないし、なんで泣いてるのよ……」
にこ「それにしても意外ねー……」
花陽「……?」
にこ「凛と花陽、二人とも別々の大学に行って……てっきり凛の方が寂しがるかと思ったら……」
花陽「……」
にこ「逆だったとは……これは想像してなかったわ……」ニヤニヤ
花陽「わ、わ、笑わないでよぉ、わたしは、ま、まじめに……」
にこ「お酒が入るとすぐ凛、凛って……」
にこ「……?」
花陽「凛ちゃんは私のことなんて言ってる……?」
にこ「あんまり凛と二人で会ってないから知らないわ」
花陽「どんなことでもいいから……最近、凛ちゃんが私のこと、何か言ってなかった……?」
にこ「別に……」
花陽「やっぱり……うわぁぁん……」
にこ(どうしろっていうのよ……)
にこ「そしたら?」
花陽「にこちゃんと同じようなこと言うの、何言っても『はいはい』って感じで……全然聞いてくれなくて……」
にこ「まぁ、それは……」
花陽「なんでみんなわかってくれないのぉ……」
にこ「……横から見てたらなんか」
花陽「……?」
にこ「その、そんなことで悩んでるの?……って感じで……」
花陽「そんなことどころじゃないよぉ!!!大問題だよぉ!!」
にこ「……えーっと……」
花陽「うわぁぁん……」
花陽「見たの!?」
にこ「何を?」
花陽「最近の私と凛ちゃんの……その……やりとりとかっ!昔と全然違うんだよぉ!見たらわかるよぉ……!」
にこ「見たわよ」
花陽「いつ?最近じゃないよね……」
にこ「最近よ、年末に一回、元μ’sの9人でで集まったじゃない」
花陽「じゃあ、じゃあ……凛ちゃんと私を見て……にこちゃんはどう思ったの!」
にこ「別に……昔のままだなぁ……って」
花陽「はぁぁぁっ……」ガクッ
花陽「やっぱりそうなのかな……この微妙な気持ちは……私にしかわからないのかなぁ……」
にこ「じゃあもう帰っていいかしら……」
花陽「待ってよぉ!」
にこ「花陽にしかわからないんでしょ……」
花陽「そ、そういう意味じゃなくて……ただ、にこちゃんに話を聞いて欲しくて……」
にこ「はーっ……それで?この話、これ以上どう続くの?」
にこ「さかのぼるわねぇ!?」
花陽「えーっと、えーっと……」
にこ「……?」
花陽「思い出せないよぉぉぉ……!うわあぁぁぁぁん!!」
にこ「……」
花陽「私の中からも、凛ちゃんの思い出はもう消えかかってるの?そんなの、やだよ、やだよぉ!」
ごくごく
花陽「うわぁぁん!!」
にこ「初めて会った時のことなんか、覚えてる方が怖いわよ……」
にこ「?」
花陽「にこちゃんは、私と初めて会った時のこと、忘れちゃったの!?」
にこ「いや、まぁ、それは覚えてるけど……」
花陽「ほら、ほら、覚えてる!やっぱり、やっぱり……」
にこ「だから……それはたった5年くらい前のことでしょ?ワケが違うんじゃないの……」
花陽「違わないよぉ、そんなの、同じだよぉ……」
にこ「違うわよ」
花陽「同じだよぉ、同じだよぉ……同じだよぉ!うわぁぁん!!」
にこ「……」
にこ「……」
花陽「知らないうちに、私から距離を置き始めて、でも、凛ちゃんは、えーっと……そんなこと、全然、意識してなくて……」
にこ「……うん」
花陽「だから!!……凛ちゃんは、傷ついてなくて、私だけが、こんなに、その、勝手に、寂しいとか、そんなこと考えて」
にこ「……」
花陽「だから、凛ちゃんを責めることは、私には出来なくて、だけど、じゃあどうすればいいのかって、わかんなくて、聞いても、誰も教えてくれなくて……」
にこ「ああっ、もう!」
にこ「ストップ」
花陽「?」
にこ「もういいわ……」
花陽「なんで、なんで?それでね、私がね……」
にこ「ストップ!ストップ!……もうこれ以上は……その……なんていうか……」
花陽「……?」
にこ「疲れてきたっていうか……」
花陽「ああっ!!」
にこ「なによ」
花陽「真姫ちゃんと同じこと言う……」グズグズ
にこ(誰でも言うわよ……)
花陽「?」
にこ「花陽の中から凛が消えてない証拠でしょ……むしろ、凛のことしか喋れないの?って感じよ……」
花陽「凛ちゃんは消えてないの?」
にこ「そうよ」
花陽「私の中にいるの?」
にこ「いるいる」
花陽「ほんとうに?」
にこ「本当よ」
花陽「えへへ、えへへへ……そっかぁ、そっかぁ……」ニヤニヤ
にこ「……」
にこ「どうしたのよ」
花陽「もしそうだとするよね、そうだと!」
にこ「そうって?」
花陽「凛ちゃんは、私の中にいる、とするよね!」
にこ「うんうん」
花陽「だけど、現実の凛ちゃんは、やっぱり、私によそよそしいんだよぉぉ……何も解決してないよぉ!」
にこ「……」
花陽「結局、どうすればいいのぉ、教えてよぉ、教えてよぉ、にこちゃん……」
にこ「はぁ……」
花陽「違うよ、違うよ!昔の凛ちゃんは……もっと……」
にこ「昔の凛と比べても仕方ないでしょ」
花陽「なんで、なんで……?だって……」
にこ「花陽。聞きなさい」
花陽「……?」
にこ「人は成長する、これはわかるわよね?成長しなきゃ、世の中は赤ちゃんばかりになるわ、いいわね?」
花陽「……うん」
花陽「うん、うん」
にこ「だから、凛も成長して、花陽との接し方が変わってきただけ、それだけの話よ」
花陽「……でも、でも」
にこ「でもどうしたの?」
花陽「だって、凛ちゃん、全然違うんだもん、全然……」
にこ「ちょっとの間会ってなかったからよ」
花陽「わかってるけど、それでも、全然違うんだもん……」
花陽「……?」
にこ「ありゃ、伝わらなかった……?」
花陽「……やっぱり、やっぱりダメなんだぁ、うわぁぁぁん!!」グズグズ
にこ「……はぁ」
花陽「うっ、うっ、うっ……」
にこ「……」
花陽「うっ、うっ、うっ……」
にこ(……もうちょっと冷静になりなさいよ)
花陽「……」
にこ「花陽?」
花陽「……」
にこ「どうしたのよ」
花陽「……死なせてください」
にこ「……はぁ」
花陽「……死ぬんです、死んだほうがマシです……」
にこ「死んだら凛が悲しむわよ」
花陽「それでも、私の方に振り向いてくれるなら……うっ、うっ、う……」
にこ「……」
花陽「うっ、ううっ、うっ、うっ」
にこ「……いつまで泣いてんのよ」
花陽「もう嫌です、何もかも嫌です、もう……うううう……」
にこ「明日、学校あるの?あんまり遅くなると……」
花陽「うっ、うっ……」
にこ(無さそうね、この様子だと……じゃあ……)
にこ「あぁ、もう」
花陽「……」
にこ「しょうがないわね、ほんとに……」
花陽「……」
にこ「友達一人でそこまで泣けるなんて……幸せ者だってこと、気づいてないのかしら」
花陽「わたしは、わたしは……うっ、うっ……」
にこ「はぁ……」
花陽「……」
ユサユサ
かーよちん……
花陽「……?」
凛「かーよちん」
花陽「……うぅん?」
凛「ほら、起きて、かよちん」
花陽「……?えっ、えっ?なんで?なんで凛ちゃん?えっ」
にこ「呼んだの、今さっき」
花陽「えっ、えっ?」
にこ「すぐ来れる?って聞いたら、来れるって言ったから……」
凛「もう、にこちゃん、かよちんをひとりじめして、ずるいよっ!」
にこ「はいはい、だから呼んだんでしょ」
凛「ビールひとつ!」
花陽「……凛ちゃん」
凛「?」
花陽「……ううん、あのね……」
凛「どうしたの?」
花陽「覚えてる?初めて会ったときのことって……」
凛「かよちんと凛が?」
花陽「うん」
凛「初めて会ったとき?」
花陽「うん」
凛「えーっとね……」
花陽「……」
凛「うーん……?」
花陽「あはは……やっぱり……」
凛「どっちのこと?」
花陽「え?」
花陽「……」
凛「どっちかなぁ?」
花陽「……ううん、どっちでもいいや」
凛「?」
花陽「ふふふ……」
凛「……あはははっ……」
花陽「あはははっ……」
にこ(完全に蚊帳の外と化してしまったわ……)
にこ(何がよそよそしいよ……しょうもな……)
花陽「え!……そ、それは……」
凛「教えてよ、なになに?」
花陽「……それは、ひみつだよ、凛ちゃん……」
凛「あーっ、ずるいよぉ」
花陽「ふふふ……」
にこ「凛のことよ」
花陽「!?」
凛「えっ、凛のこと!?」
にこ「最初から最後までずーーーっとね。うんざりしたわ……」
花陽「ちょ、ちょっ、にこちゃん、にこちゃん!!」
にこ「凛に会いたい、会いたい、会いたい、寂しい、凛に会えないなら死ぬって……」
凛「……」アゼン
花陽「……い、い、言い過ぎだよぉ!」
にこ「ふふふ……」
凛「かよちん!」
花陽「……?」
凛「凛も、いつでも会いたいよ!だからいつでも呼んでね、待ってるよ!」
花陽「……凛ちゃん」
凛「……えへへ」
花陽「凛ちゃぁん!」
にこ(はぁ……しょうもな……)
にこ(あの愚痴に付き合わされた私、なんの意味が……)
にこ(お酒、お酒……)
にこ(私だって、飲まなきゃやってられないわよ……)
にこ「……」
花陽「……ありがとう」
にこ「……ん」
にこ(まぁ……)
にこ(いっか、別に、どうでも……)
にこ(どうでもいい夜に、どうでもいい話……)
にこ(たまになら、別に……)
おわり
良い気分になる
乙
これで今日も頑張れる
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