【ラブライブ!】穂乃果「今日家に誰もいないんだけど来る?」海未「い、行きます!///」
- 2020.04.03
- SS

海未「確かに誰もいませんね。寂しいです…。」
海未「は、はい!勿論です!」
穂乃果「よかった~!じゃあイブの日店番代わってもらっても良い?」
穂乃果「あ!ちゃんとお給金は出すから!」
海未「…はい、勿論です…」シュン
海未「い、いえ…暇でしたから……」
雪穂「これ…お母さんから。早いけど今日はもう店じまいだからって」
海未「えぇ?まだ6時ですよ?まだ大して働いてないのにこんなに……」
雪穂「え、えっと…それで、あの……っ!」
雪穂「よかったら…ご、ご飯でも一緒に……なんて///」
海未「…え?」
海未「え、えぇ…まぁ……」
海未(言えません…穂乃果と食べに行こうとずっと前から調べてたなんて……)
雪穂「…ごめん、海未さん」
海未「え?」
雪穂「用事が無いからって急に食事に誘ったりして…迷惑だったよね?」
海未「そんなことありませんよ!一人で食べるより楽しいですし」
海未「それに、二人で遊びに行くのも悪くありませんしね」
海未「っ!?///」
海未(う、上目遣いなんて…っ!穂乃果に似て凄く可愛い顔を……!)
雪穂「海未さん…?どうかした?」
海未「へ!?あ、いえ…!なんでも!」
雪穂「?」
海未「そ、そろそろ出ましょうか。近くに可愛い小物屋があるんですよ」
雪穂「そうなんだ!どんなのがあるんだろ、楽しみだなー!」
海未「喜んでもらえるといいんですがね」ヒョイ
海未「はい、ではこれで」
雪穂「あ、えっと…私の分は……」
海未「いえ、私が払っておきますよ」
雪穂「えっ、でも結構値段張ってるし…」
海未「バイト代も相当ありましたし、お小遣いも使い道がありませんから」
雪穂「いやでも、誘ったのは私だから────」
海未「雪穂」ズイッ
海未「こういう時は年上の顔を立てるものですよ。わかりましたか?」
海未「……」
海未(よく見ると姉妹なのに目の形や顔の輪郭も少し違うんですね……)
海未(まつ毛もハッキリしてて…穂乃果とはまた違った可愛さが……)
雪穂「…あ、ああああの!!海未さん!!///」
海未「え?あ、す、すいません!ちょっと考え事をしてて……」
雪穂「も、もうっ…!お会計終わってるし、早く行こうよっ!」グイッ
海未「わ、ちょっ!?」
海未(あれから…ずっとこんな調子です)
海未(顔を見せてもくれませんし…怒らせてしまいましたか……)
雪穂「…あれ?お姉ちゃん?」
海未(まったく…ほんとに今日はツイてませんね…)
雪穂「海未さん、あれお姉ちゃんじゃ────」
海未(穂乃果には振られ、雪穂には飽きられ。私は最低ですね────)
雪穂「…海未さん!!」
海未「へ?」
雪穂「あそこにいるの、お姉ちゃんだよね?」
海未「え?」クルッ
穂乃果『────!』
海未(あ、あれは穂乃果!?)
海未(そして、その隣にいるのは……)
絵里『────』
海未(…絵里……)
海未「────いえ、行きましょう。雪穂」
雪穂「…え?」
海未「お説教は明日でもいいでしょう。今日は……今日くらいは構いません」
雪穂「でも……っ」
海未「雪穂…」
雪穂「…うん、わかった」
海未(そういう、ことですか……)
雪穂「海未さん、どうぞ」
海未「え?あ、今お金を……」
雪穂「いいですよ。さっきのお礼です。……隣、いいですか?」
海未「えぇ…どうぞ」
雪穂「はー…急に冷えてきましたね」
海未「えぇ」
雪穂「朝も寒いからお布団から出たくなくて…お姉ちゃんたら、3回起こしても起きてこないんだ」
海未「えぇ」
雪穂「それでお母さんに怒られて…まったく、姉としての自覚が足りないよね」
雪穂「…好き、だったの?お姉ちゃんのこと」
海未「!?」
雪穂「あ、やっとこっち向いてくれた」
海未「なっ…!か、からかったんですか?」
雪穂「ううん。ただ、本当に聞きたくて」
雪穂「どうなの?海未さん」
海未「…私は、穂乃果のことが好きです」
海未「正直言うと今の今まで、穂乃果には自分が必要なんだとタカを括ってました」
海未「穂乃果の笑顔のために、私はいる。穂乃果の幸せは私の幸せなのだ、と」
雪穂「でも…違った」
海未「…穂乃果は絵里と一緒にいて、凄く幸せそうでした」
海未「16年間、生まれた時から傍にいる私には出来なかったことを、絵里は……」
雪穂「……」
海未「私は…私は最低です……。それはつまり、穂乃果を自身の価値観で見下げていた」
海未「穂乃果の全てを…知っていた気になっていたんです」
海未「…ここまで聞いて、雪穂はどうするつもりですか?」
海未「私を罰しますか?穂乃果を、貴女の姉を偏見の泥で汚した、罪深き私を」
雪穂「だって私も、同じだったから」
雪穂「私もね、海未さんのこと…好きなんだ」
海未「え……!?ぁ、ゆ、雪穂が…わ、私を!?」
雪穂「そんなに驚くことかな?結構アプローチしてたつもりだったんだけどなー…」
海未「い、いえ…すみません。その…まったく……」
雪穂「…やっぱり私も海未さんと同罪だ」
雪穂「私もね…海未さんの事を自分の価値観で判断してたから、自分の偏見で固めてたから」
雪穂「だから、折角のアプローチも通用しなかったんだと思う」
雪穂「でもこれって極々当たり前のことじゃない?」
海未「……当たり前?」
雪穂「ましてや好きな人の事なんて…頭がぐちゃぐちゃになって当然だよ」
雪穂「だからさ、大事なのはこれからだと思うんだ」
海未「大事な…こと……」
雪穂「自分の中にある地図が間違ってたって気付けたならさ、それを修整しなくちゃ」
雪穂「もしかして、もう諦めちゃうの?お姉ちゃんのこと」
海未「そんなこと…!……で、でも……」
雪穂「怖いよね。わかるよ。ここから先は、生まれた時からの幼馴染みでもわからない闇の中」
雪穂「前も、後ろも。どこまで続くのかすらもわからない」
雪穂「……でも、一人じゃない」
雪穂「私が側にいる…同じ苦しみを背負う者として、貴女を好きな想い人として」
雪穂「暗くて冷たい心の、支えになりたい」
雪穂「さ、立ち上がって!絵里さんは強敵だよ!うかうかしてるとホントに取り返しが付かなくなっちゃう!」
雪穂「お姉ちゃんかー…そうだな。まずは飴と鞭のバランスを考えながら────」
海未「雪穂っ!!」ギュ
雪穂「うわっ!?う、海未さんどうしたの?そんなことより早く次の……」
海未「わかりました…私は、私はもう諦めません。もう二度と弱音なんて吐かないと誓います」
海未「だから…だから……」
海未「もう、泣き止んでください……雪穂……」
雪穂「ぅ……ぐすっ、好きなのに…っ、やっと想いを伝えられたのにぃ……っ!!」
雪穂「どうして…どうしてお姉ちゃんなの……海未さんっ!!」
雪穂「うわああああああああぁぁん!!!あああああぁあぁ!」
夏も終わりの季節。冷たい風が吹き、一年の終わりを、夢の終わりを告げる。
そんな中でも強く、熱く、しっかりと前を向いて立つ雪穂は、さながら稲穂の輝きを持っていた。
────だから、ここから始まる。
海未「制服よし、持ち物よし」
────ガラッ
海未「……天気もよし」
海未「お母様、行ってまいります」
強く、志を持つこと。
海未「……よしっ」
────ガチャッ
絵里「あら、海未おはよう。今日は早いのね、一人?」
自分の願いを、諦めないこと。
雪穂「持ち物おっけー時間も大丈夫…っと」
────ガチャ
穂乃果「…ぅうん……」
雪穂「お姉ちゃん、朝だよ。起きて」
可能性を、信じること。
穂乃果「ぁー…雪穂ー……おはよー…」
雪穂「ほら、だらけてないで。二度寝しないでよ?」
信じた道の、その先へ。
海未「絵里、私は負けませんよ」
海未「諦めません。なぜなら────」
*
雪穂「お姉ちゃん、私、負けないよ」
雪穂「諦めない…だって────」
そうすればきっと、夢は叶う。
おわり
認められないわぁ
だからおいで?稲穂の輝き
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