【ラブライブ!】俺「アタシが10人目…?冗談は顔だけにしなっ!」
- 2020.04.04
- SS

海未「私からもお願いします」
俺「ぷっ、何を言い出すかと思えば…。いい?アタシはこんなだけど戸籍上はヲトコなのよ?オチ○ポ生えてるわけっ!アンタ達は見たことないでしょうけどっ!チ○ポコ!お股から生えてるわけ!」
ことり「ちょ、ちょっと俺君~///」
俺「…そんなアタシがアンタ達みたいな頭ミラクルハッピーこましゃくれガールズの一員に?アホみたいにヨダレ垂らしながら『ドゥーアイドゥアイラ~ッ♪』って?…冗談じゃないわよ」
穂乃果「なっ、ひ、ひどいよ俺君!」
海未「そうです!いくらなんでも酷すぎます!」
俺「わかったらとっとと練習しな!アンタ達の踊り今はただの贅肉振り回しダンスみたいなもんなんだからね!」
ことり「俺くぅん…」
俺「さっ、アタシは行くよ。ま、精々頑張りな。必死なブス達ほど見てて面白い物はないからねぇ」
穂乃果「あ!俺君、待って」
俺「…アンタ達みたいなかわい子ちゃんの中にアタシが居たら…ラブライブなんて遠のく一方でしょ」ボソッ
穂乃果「え…?今なんて…、あ、行っちゃった…」
海未「それにしても俺は相変わらずの毒舌ですね」
ことり「だけど、本心なのかなぁ…」
穂乃果「…違うよ」
海未「…昭和アイドルの知識ならあのにこや花陽すらも凌駕しますからね」
ことり「やっぱり、まだ諦めるのは早いよね!」
穂乃果「うん!…俺君が居なきゃ、μ′sは始まらないよ!」
俺「アイドル…か…」ハァ
俺(アタシは昔から変わってた)
俺(周りのみんなが野球をやってる中、アタシはクネクネしながらおままごとして)
俺(同級生がコロコロやボンボンにハマる中、アタシはりぼんやちゃおにハマって)
俺(グラビア本には目もくれずに、さぶや薔薇族を読み漁ってた)
俺「あ、鏡」
俺「…なんて、ブスなのかしら…」
俺(アタシは、ブスなオカマ)
俺(アイドルなんて夢見ちゃダメ)
俺(ハッテン場では誰にも声をかけられず、闇に溶けゆく妖怪がお似合いなのよ)
俺「っ!な、なんでもないわよ!相変わらずどこにでも出てくるのねこのホルスタインモンスターは!」
希「ひどいなぁ。ウチ一応先輩なんよ?そんな悪い子には、ワシワシが必要やねぇ!」
俺「きゃっ//んもっ、やだぁ!どこ触ってんのよ!ぶつわよこのブス!」
俺「…アタシには、ワシワシするおっぱいなんて…ないんだからっ…!」
希「?ん、なんか言った?」
俺「なんでもないわよ!!」プイ
希「そんなことより、μ′s。アイドル、やってみないん?」
俺「あ、アタシは良いのよ…」
希「えぇ、何で?一緒にやろうよ」
俺「やらないって言ってるでしょ!!無理なのよ!!アタシには無理!!あんた達みたいに何も考えないで可愛い衣装着て!!アホみたいなツラ下げて踊るなんて出来ないのよっ!!!!」
俺「ハッ…」
俺「…い、言い過ぎたわ、ごめん、アタシ行くわね」ダッ
希「あ、…行っちゃったか」
希「…やっぱり、それが引っかかってるみたいやね…」
凛「やっぱり俺先輩、何回誘っても断られちゃうにゃ」
穂乃果「そうなんだよねぇ…」
花陽「俺先輩には是非入っていただいて昭和アイドルのなんたるやを教えて欲しいですっ…!」
にこ「ちょっとぉ?!にこの知識だけじゃ不満ってわけ?!」
花陽「そ、そういうわけじゃないんですぅ!!!た、ただにこ先輩とは別のベクトルと言いますか…」
にこ「まぁ確かにね。アイツ見てたらわかるわ、あぁアイドルが好きなんだなって」
絵里「こないだ生徒会の帰りにたまたま教室で見かけたの。誰もいない夕暮れの教室でひとり…ピンクレディを踊る姿、とても様になっていたわ」
真姫「声は思い切り男だけど、意外なことに綺麗な声もしてるのよね」
希「…問題は、本人の気持ちだけ、ってとこやね」
海未「そうなんです。きっと、やりたいという気持ちは俺にだってあるはずです。なのにどうして…」
ことり「やっぱり、気にしてるのかもしれないね。自分がオカマさんだってこと…」
穂乃果「そんなの!そんなの関係ないよ…!俺君は俺君なんだから!そんなっ、オカマだからってやりたいことしちゃいけないって理由にはならないよ!」
俺「ただいま…」
俺母「あら、お帰り。早かったのね。ご飯もうすぐで出来るからね!おやつ食べすぎちゃダメよ!」
俺「っせーなぁ、ガキじゃねーんだからわかってるよそん位…」
俺母「んもう!そんな乱暴な口聞いて!昔はフリフリした服着て可愛らしくしてたのに!」
俺「っっっ!!///るせーババアんなこと忘れろっ!!///」ダダダッ
俺母「ハイハイ~っと」
俺(家では男っぽく振舞ってるの)
俺(ママやパパは知らないわ。アタシがオカマなこと…女学院に通ってること…)
俺(言えないわ。…アタシはオカマです、なんて)
俺(こんなアタシが…アイドルやりたいんです、なんて…言えないわよっ…)
俺「…アタシはオカマなんだから…」
俺「おはよう~」
穂乃果「俺君!!!」
俺「わっ!なによ朝からいきなり!朝のオンナは生理臭いから近寄んないでよね~」
穂乃果「ひどい!…あ、じゃなくて!きょう!ほうかご!暇?」
海未「良かったら、私たちの練習を見て下さいませんか?」
ことり「おねがぁい!俺君なら、アイドル詳しいし、なにかアドバイスくれるんじゃないかな、と思って!」
俺「は、ハァ?!何でアタシがアンタ達の化粧覚えたての汚い顔面歪ませて踊る姿を見なきゃなんないのよっ!」
穂乃果「いいから!お願い!」ジーッ
俺「…っ、し、仕方ないわねっ…!」
俺「今日だけよっ!」
穂乃果「やった!決まりだね!」
海未「えぇ!」
ことり「えへへ♪」
俺「…な、なによアンタ達気持ち悪いわね…」
俺「全く…あいつらほんと強引なんだから!」
俺「確か屋上よね、ここね」
ガチャ
俺「…!」
パン!パン!ワンツー!
穂乃果「凛ちゃん!ここのところは私に合わせて!」
海未「花陽!ペースがずれています!」
絵里「ことり、重心がやや左に傾きすぎてるわ」
俺「…あいつら…あんな表情もするんだ…」
俺「真剣…だけど、すごく、楽しそう…」
俺「…うらやましい…」
穂乃果「!俺君!!」
俺「!!っ、あ、あぁ…。みっ、見に来てやったわよ!!!感謝してその臭そうな汗水撒き散らして踊りな!ただしアタシにぶっかけたら承知しないわよ!」
希「相変わらずの口の悪さやね」
絵里「ハラショーだわ」
穂乃果「俺君。私ね、やっぱり、μ′sに……」
俺「っ…」
穂乃果「…ううん。その前に、私たちのステージを…見て欲しいんだ」
俺「ステージ…?」
海未「さ!みんな、衣装に着替えますよ!」
ことり「俺君はちょっと待っててね♪」
俺「な、なんなのよ…」
穂乃果「お待たせ!俺君!」
穂乃果「聞いてください…。『それは僕たちの奇跡』」
♪~さぁ、夢を叶えるのはみんなの勇気
俺「すごく…可愛い衣装…」
♪~負けない心で明日へかけて行こう
俺「アタシには縁のない…可愛い衣装…」
俺「…アタシはっ、アタシはっ…!!」
穂乃果「ハァ、ハァ…。俺君、どうだった?」
穂乃果「やっぱり、私、俺君にμ′sに入って欲しい」
俺「…」
穂乃果「…俺君も、ほんとはアイドルやりたいんでしょう…?」
穂乃果「?」
俺「無理なのよ!!!アタシは!!オカマなんだもの!!ただのアイドル好きのブスガマなんだから!!!」
俺「アンタ達は良いわよねぇ?!何のためらいも無くそんな衣装きれて!!!奇特な目でも見られずに!!だって女の子なんだもん!!!」
俺「でも!!アタシは違う!!オカマ!!」
俺「おちんちんのついた汚いオカマよ!!!そんなのがアイドル?!笑われるに決まってる!!そんなのがμ′sに入ったら!!ラブライブ出場どころかお笑い種よっ!!!!」
俺「アタシだって!!可愛い衣装着てっ、踊りたいっ…!!仲良いアンタ達と踊りたい、アイドルやりたいわよっ…!!!!でもっ…!!」
穂乃果「『でも』、なんてないよ」
俺「!」
穂乃果「オカマだからとか、関係ない。女の子だからとかも関係ない。私たちが今踊ってるのは、やりたいからなんだよ!」
俺「…っ」
俺(そうだ…。アタシ、やりたい)
海未「そうです。私も恥ずかしい格好にはまだ慣れませんが…ただ踊りたい。楽しいんです。その気持ちだけでステージに立っているんです」
ことり「それでね、俺君と一緒に踊れるともっと楽しいと思うんだ!」
俺(アタシ、こいつらとアイドルやりたい!)
俺「アンタ達…!」
穂乃果「俺君が、10人目だよ!」
ことり「実はさっきの曲の衣装、俺君の分もあるんだぁ♪」
俺「あえ?!いつの間に…!」
海未「さぁて、じゃあもう一回さっきの曲行きましょうか!」
みんな「おー!」
俺「ちょ、ちょっとアタシもいきなりなわけ?!」
穂乃果「あったりまえじゃん!ほら、振りはテキトーに合わせて!」
俺「…まったく、えっらそうねぇブスっ!!!」ぐすっ
俺「振り付けならさっきので完コピしたっていうのよ!!アタシのキレに醜い肉塊どもがついてこれるかしら?!」
穂乃果「俺君…!」
俺(何を躊躇ってたのかしら)
俺(そう、オカマだからとか関係ない)
俺(昔はそうだったじゃない。やりたいこと、やってたのに。いつの間にか無理してた)
俺(そうよ!アタシは、アタシのやりたいことをやる!)
俺「アタシはもう偽らない!!」
俺「さぁ、行くわよー!!μ′s、しゅっぱーっつ★」
9人「オーッ!」
おわり
~10年後、にこ宅マンション~
俺「んもう、気付けばアタシ達も20代。過ぎ去りし思い出を懐かしんでお酒もついつい進むのはわかるけど…」
にこ「たんたれぇ、このにこはれぇ、永遠の10代なんらからぁ~」
俺「だからってにこ!アンタ毎回毎回飲み過ぎよ!まったく、これだからブスは加減って言うものを知らないんだから!過ぎたるはアンタの顔面のブス具合だけにしなって話よ!」
俺「ここがあんたんちね。着いたわよ~。ってーかなんでアタシがコイツ送る役目なのよ!!」
俺「ふぅ、しかし日付け変わる前でよかったわ…。こころちゃん達ももう高校生とは言えまだ未成年だし、日付け変わって深夜に訪れるのは気がひけるもの」
インターホン押しっ
ピンポーン
にこ「あれぇ~いつの間にかにこんちにこぉ~キャハハハハハ!!!」
俺「アタシが送ってやったんだっつうのよ!!!!」
ガチャ
俺「っ!」
コタロー「っわ!て、お、俺さん!!」
俺「っ(か、顔!近いっ///)」
にこ「あぁ~こらろ~お姉ちゃんがかえったわよぉ~」
コタロー「…姉貴、酔っ払ってんのかよ…。送ってもらってほんとスンマセン、俺さん」
俺「あ、や、べ、別にっ…帰るついでだし…!!」
俺(って何しどろもどろになってんの?!)
俺(コタロー君って、…近くで見るとなんか男らしい顔してて…ってダメダメダメ!!!相手は未成年よ!!気を保つのよ!!オカマは分別を無くしてはダメ!!)
コタロー「おーい、ここあー、こころー。姉貴、部屋連れてってやって」
こころあ「はーい」
コタロー「で、家まで送ります。俺さん」
俺「うぇ?!?!な、なんで…アタシは別にっ…///」
コタロー「ダメっすよ、もう遅いし…なんてったって俺さんはオレのアイドル、なんすからね!」
俺「ま、またまたぁ。オカマをからかうんじゃないの!!///」
俺(…ていうかその顔、反則よ…///)
コタロー「…からかってません///」
俺「え…」
コタロー「今の、本気で言ったんです」
グイッ
チュッ
俺「…ッ…?!」
俺(えええ?!な、なによ、何なのこれ!!)
俺「ぁ、ぁ…///」
俺(今、アタシーーキスされたァっ?!?!///)
今始まる恋の予感…って相手は高校生?!
どうするアタシ!?どうするのよーっ!
次回に続きません
おわり
-
前の記事
【ラブライブ!】ルビィ「精一杯の笑顔なら誰にも負けません」←これ 2020.04.04
-
次の記事
【ラブライブ!】「これからのSomeday」が隠れた名曲すぎると思う 2020.04.04