【ラブライブ!】絵里「ラブライブを経て」

NO IMAGE
1: 名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/ (アウアウ Sa05-FPhQ) 2015/10/25(日) 01:14:07.83 ID:dFhd4/Hba.net

初SSです。
書き溜めておりますので、一気に投下していきます。

頑張って書き(過ぎ)ました。よろしくお願いします。

2: 1(やわらか銀行)@\(^o^)/ (ワッチョイ 8dc3-Z2gR) 2015/10/25(日) 01:14:40.14 ID:l5TcHzsU0.net

穂乃果『にこちゃん! 希ちゃん! 絵里ちゃん! ◯◯◯◯だよ!!』

絵里(3月末の、あの最後のライブから5年が経った)

絵里(μ’sのメンバーとは、たまに会う。連絡だって取り合う)

絵里(それでも、高校の時のように、毎日会うことはもうできない)

絵里(……そのせいなのかしら)

絵里(あの時、あのライブの後、高校を卒業する私達に言った、穂乃果の最後の言葉を…)

絵里(もう私は思い出せない)

絵里「はぁ……」

3: 1(やわらか銀行)@\(^o^)/ (ワッチョイ 8dc3-Z2gR) 2015/10/25(日) 01:16:14.51 ID:l5TcHzsU0.net

?「あれ? もしかして、えりち?」

絵里「え? あ、希? 久しぶりじゃない!」

希「うん、久しぶりやね! あ、そうや。これから時間ある?」

絵里「今日は日曜日だし、私も目的無くブラブラしてるだけだし、時間はあるわよ」

希「流れるような状況説明、さすがえりちやね。じゃあ、ちょっとあそこのカフェに行かん?」

絵里「そうね、久しぶりに会ったんだし、話したいこともいっぱいあるわ」

希「うちもあるよ! 色んなところ回ってるからね」

4: 1(やわらか銀行)@\(^o^)/ (ワッチョイ 8dc3-Z2gR) 2015/10/25(日) 01:16:45.15 ID:l5TcHzsU0.net

~カフェ~

希「えりちは今、結構有名な会社で働いてるんよね? キャリアウーマンやん」

絵里「そう、なんだけどね。今の上司と、ちょっと……」

希「そっか……。上司が、ねぇ……」

絵里「えぇ。どうも合わないみたいなの……」

~回想~

上司『この書類、全部書き直しね』

絵里『なっ、なんでですか!? 内容に間違いはないと思いますけど……!』

上司『内容? あぁ、読んでないわ、そんなの』

絵里『そんなの、って!』

上司『そんなことより、書式よ書式』

絵里『書式……?』

上司『そ。まず、ウチらの会社の書式にしてから、内容を煮詰めてね。はい、やり直し~』バサァ

絵里『……』

~回想終了~

5: 1(やわらか銀行)@\(^o^)/ (ワッチョイ 8dc3-Z2gR) 2015/10/25(日) 01:17:19.33 ID:l5TcHzsU0.net

希「それはもう、合わないというか、なんというか、それ以前の問題って感じやね」

絵里「はぁ~。希に会って、改めて高校時代を思い出しちゃうわ」

絵里「あの頃は本当に楽しかったな、って」

希「楽しかったことを思い出すのは、当たり前のことやよ」

絵里「えぇ、そうね。でも、時々、楽しかっただけなんじゃないかって思うのよ」

希「どういうこと?」

絵里「楽しかっただけで、私はラブライブを経ても、何も変わってないんじゃないかって」

絵里「そう思ってしまうの」

希「……みんなと会いたいとは思わんの?」

絵里「会いたいとは思うけど、どうにも、ね。みんな忙しそうだし……」

希「穂乃果ちゃんとかは? あの子なら、会いに行ったらーー」

絵里「希。……分かってるでしょ?」

希「う。ごめん…」

絵里「あの子だけが、みんなにとって、変わらず一番近いところにいるのに」

絵里「多分、一番遠いのよね……」

希「えりち……」

6: 1(やわらか銀行)@\(^o^)/ (ワッチョイ 8dc3-Z2gR) 2015/10/25(日) 01:17:51.45 ID:l5TcHzsU0.net

絵里「はい、暗い話はここでおしまい。もっと楽しい話をしましょう」

絵里「希は今、フリーのジャーナリストだったわよね?」

希「うん。世界……、にはいずれ行く予定やけど、今は日本各地でカメラ片手に、や」

希「色んなところ回って。色んなもの見て」

希「まぁ、色んなの中にはあまり回りたくないところや、見たくないものもあるんやけど…」

絵里「楽しそうね。……私と違って」

希「えりち……」

絵里「だから聞かせて、希。あなたが体験してきた、楽しい話を」

希「……」

希「分かった! そうやねぇ、じゃあ最近行った静岡での出来事なんやけどーー」

7: 1(やわらか銀行)@\(^o^)/ (ワッチョイ 8dc3-Z2gR) 2015/10/25(日) 01:18:26.61 ID:l5TcHzsU0.net

~~~~~

希「あら? もうこんな時間」

絵里「結構、話し込んじゃったわね」

希「ごめんな、えりち。うちから声かけといて、うちの用事で……」

絵里「いいのよ、そんなこと。久しぶりに希と話せて、楽しかったわ」

絵里「じゃあね、希。また連絡するわ」

希「またね、えりち」

アリガトウゴザイマシター

希「……」スッ ピッピッ

8: 1(やわらか銀行)@\(^o^)/ (ワッチョイ 8dc3-Z2gR) 2015/10/25(日) 01:18:52.61 ID:l5TcHzsU0.net

~~~~~

絵里(久しぶりに希と話せて楽しかったけれど、余計に明日の仕事が嫌になってきたわね)

絵里「はぁ……」

??「仮にも元スクールアイドルが街中で溜息?」

絵里「え?」

??「全く。溜息ばかりじゃ、幸せが逃げていくわよ?」

絵里「もしかして、にこ?」

にこ「もしかしなくてもにこよ」

絵里「ツインテール下ろしてるんだもん、気付かなかったわ」

にこ「私の存在を、ツインテールで認識してたっていうの?」

絵里「そういうわけじゃ……」ハハ

にこ「そこで苦笑いは、肯定にしかとれないんだけど」

9: 1(やわらか銀行)@\(^o^)/ (ワッチョイ 8dc3-Z2gR) 2015/10/25(日) 01:19:19.20 ID:l5TcHzsU0.net

絵里「あはは。ところで、にこはここで何を?」

にこ「偶然時間がぽっかり空いちゃってね。散歩よ、散歩」

絵里「そう言えば、にこは今、アイドルだったわね」

にこ「見習い、だけどね。まだ全然、テレビやステージには出てないわ」

絵里「それでも忙しいんでしょ?」

にこ「まぁね。レッスンやら、裏方でメインメンバーのサポートやら、毎日大変よ」

にこ「今日は珍しく時間が空いた、ってタイミングで絵里に会うなんて」

にこ「偶然って、続くものなのね」

絵里「素直じゃないわね」

にこ「ふん!//」

10: 1(やわらか銀行)@\(^o^)/ (ワッチョイ 8dc3-Z2gR) 2015/10/25(日) 01:19:52.63 ID:l5TcHzsU0.net

絵里「……そんなに大変なのに、どうしてにこはアイドルを続けようと思えるの?」

にこ「どういう意味?」

絵里「いえ、深い意味は無いのよ? ただ……」

上司『次はこれな。あぁ、それ終わったら次はこれ』

上司『何やってんだぁ? 早くしろよ、絢瀬ぇ!』

絵里「大変なことから逃げたいと思うことって」

絵里「とても当たり前のことだと思うの……」

にこ「……」

絵里「……」

11: 1(やわらか銀行)@\(^o^)/ (ワッチョイ 8dc3-Z2gR) 2015/10/25(日) 01:20:21.81 ID:l5TcHzsU0.net

にこ「はぁ~。確かに、アイドルは大変よ。見習いで、ステージの上にも出られないのに」

にこ「それに時々、何で私はアイドルをやろうとしているんだろう、って思う」

にこ「辞めたいとも、思う」

絵里「じゃあ!」

にこ「でも、辞めないわよ、私は。絶対に」

絵里「にこ……」

にこ「高校の頃を思い出すの」

にこ「高校の、ラブライブを」

絵里「……!!」

12: 1(やわらか銀行)@\(^o^)/ (ワッチョイ 8dc3-Z2gR) 2015/10/25(日) 01:20:51.35 ID:l5TcHzsU0.net

にこ「ラブライブを経て、私は本当にアイドルをやっていたいってことを…」

にこ「アイドルがやりたいんだってことを、改めて知ることができたの」

にこ「だから、私は辞めない。私はアイドルでい続ける」

にこ「今はまだステージに立てていなくとも」

にこ「世界中のみんなを笑顔にする。それまでは、ね」

絵里「にこ……」

にこ「真面目なこと言っちゃったわね」

にこ「にこはー、アイドルだからー、もっと楽しいこと言っていかないといけないのにー☆」

絵里「やっぱりにこは相変わらずね」

にこ「それは良い意味でしょうね?」

13: 1(やわらか銀行)@\(^o^)/ (ワッチョイ 8dc3-Z2gR) 2015/10/25(日) 01:21:16.66 ID:l5TcHzsU0.net

絵里「あれ? ところでにこ、アレはやらないの?」

にこ「アレ?」

絵里「そう。何だっけ。にっこにっ……、あー思い出せないわ。あの、ちょっと寒いのよ」

にこ「それもうわざとでしょ!」

絵里「いえ、わざとじゃないの。本当に思い出せそうで思い出せないの」

絵里「あーもう。ここ、喉のここまで出かかってるの。にっこにっ……」

にこ「にっこにっこにー、よ!」

絵里「それよそれ! にっこにっこにー! あー、思い出せて良かったわぁ」

にこ「アンタねぇ……」

絵里「それで。やらないの?」

14: 1(やわらか銀行)@\(^o^)/ (ワッチョイ 8dc3-Z2gR) 2015/10/25(日) 01:21:42.41 ID:l5TcHzsU0.net

にこ「つい最近、真姫ちゃんにも同じこと言われたわ」

絵里「真姫? 真姫とは、頻繁に会ってるの?」

にこ「……っ!!!////」

絵里(聞かない方が良かったのかしら……?)

にこ「ごほんっ!// もしかしてアンタ、やってほしいの?」

絵里「いえ、別に」

にこ「……絵里。アンタは私を怒らせた……」ガシッ

絵里「えっ。ちょっ。にこ!?」

にこ「見せてあげようじゃない。裏方ばかりで最近はやらなくなったけれど」

にこ「久しぶりの全力にこにー! 目を見開いて、しかと見なさい!!」

にこ「にっこにっ……!」

15: 1(やわらか銀行)@\(^o^)/ (ワッチョイ 8dc3-Z2gR) 2015/10/25(日) 01:22:07.93 ID:l5TcHzsU0.net

~~~~~

絵里(やっぱりにこは相変わらずだったわ)

絵里(あの調子なら、いつかきっと、素敵なアイドルになるでしょうね)

にこ『ラブライブを経て、私は本当にアイドルをやっていたいってことを…』

にこ『アイドルがやりたいんだってことを、改めて知ることができたの』

絵里(ラブライブを経て、か……)

絵里(あ、服屋。気晴らしに服でも買おうかしら)

16: 1(やわらか銀行)@\(^o^)/ (ワッチョイ 8dc3-Z2gR) 2015/10/25(日) 01:22:35.16 ID:l5TcHzsU0.net

~服屋~

???「いらっしゃいませ~!!」

絵里「あ」

???「え?」

絵里「こ、ことり?」

ことり「絵里ちゃん? すっごい久しぶり!!」

絵里「ここ、ことりの働いているお店だったの!?」

ことり「そうなの! 正確にはお手伝い、って感じなんだけど」

ことり「ちょっと待ってて。店長に言って、ちょっとだけ休憩もらってくるから」

17: 1(やわらか銀行)@\(^o^)/ (ワッチョイ 8dc3-Z2gR) 2015/10/25(日) 01:23:04.65 ID:l5TcHzsU0.net

~~~~~

絵里「いきなりごめんね、ことり。まさかここでことりがお手伝いしてるなんて知らなくて」

ことり「ううん。別にいいよ」

ことり「本当は、もうちょっとしてから、絵里ちゃんに会いに行く予定だったから」

絵里「え?」

ことり「あ……」

絵里「えっ、今のってどういう」

ことり「今の無し! ね! ね!!」

絵里「えっ、えぇぇ……」

18: 1(やわらか銀行)@\(^o^)/ (ワッチョイ 8dc3-Z2gR) 2015/10/25(日) 01:23:25.75 ID:l5TcHzsU0.net

ことり「そ、そういえば、絵里ちゃんは今、お仕事何してるの?」

絵里「それは聞かないで、ことり」

ことり「えっ?」

絵里「そんなことより、ことりのことを教えて!」

絵里「ことりは確か、2年ほど留学してたのよね。服飾関係で」

ことり「うん。短大で2年間、その後2年間留学して、それで今はこっちでまた服飾の仕事!」

絵里「他のみんなとは、会ったりしてる?」

ことり「海未ちゃんとは、たまに会うかな。最近はお互いに忙しいから、難しいけど……」

絵里「穂乃果とはって、聞かない方が良い、のよね……?」

ことり「うん、ごめんね。穂乃果ちゃんとは、1年前からもう……」

絵里「いいえ、こっちこそ。無神経なこと聞いちゃったわね」

19: 1(やわらか銀行)@\(^o^)/ (ワッチョイ 8dc3-Z2gR) 2015/10/25(日) 01:23:52.83 ID:l5TcHzsU0.net

ことり「全然大丈夫! 今は服飾の仕事メインで、もう集中しちゃってるから!」

ことり「新しい服のデザインを考えたりとかもして」

絵里「……」

ことり「どうしたの、絵里ちゃん?」

絵里「いえ。……ただ、ことりはいいわね。自分のやりたいことのために留学までして……」

絵里「今だって、自分の好きなことのために努力してる……」

ことり「絵里ちゃん……」

絵里「あ。ごめん、ことり。そんなつもりじゃ……」

ことり「分かってるよ、絵里ちゃん」

ことり「絵里ちゃんは、私には分からないけど、多分、辛い想いをしてきてるんだね」

絵里「……」

20: 1(やわらか銀行)@\(^o^)/ (ワッチョイ 8dc3-Z2gR) 2015/10/25(日) 01:24:16.81 ID:l5TcHzsU0.net

ことり「でも、ことりだって、絵里ちゃんには甘えに聞こえるかも知れないけど」

ことり「今の仕事、辛いって思うこともあるんだよ」

絵里「そう、なの……?」

ことり「そう。好き、ってだけじゃあ、辛い時もある」

ことり「今だって、上手くいかないことの方が多いの」

ことり「洋服のデザインだって、採用されるのはほんの少し。ほとんどはボツになっちゃう」

絵里「それは……」

ことり「でも。でもね! 辛いから、じゃあ辞めるって、それは違うと思うの」

ことり「諦めずにやり続けて、やり遂げれば、どんなに苦しくても辛くても、楽しいに変わる」

ことり「それをことりは、ラブライブを経て知ることができたから」

ことり「一度はμ’sを辞めようとしちゃった私だから、余計にそう思うのかな」

絵里「ラブライブを、経て……」

21: 1(やわらか銀行)@\(^o^)/ (ワッチョイ 8dc3-Z2gR) 2015/10/25(日) 01:24:46.50 ID:l5TcHzsU0.net

ことり「絵里ちゃんは?」

絵里「えっ?」

ことり「絵里ちゃんは、ラブライブを経て、何かを知れた?」

ことり「何か、変われた?」

絵里「私、は……」

店長「ことりちゃーん! ちょっとこっち来てくれるー?」

ことり「はーい! ごめんね、絵里ちゃん。私、行かなくちゃ」

絵里「えっ、えぇ。また連絡するわね、ことり」

ことり「うん。待ってるね!」

22: 1(やわらか銀行)@\(^o^)/ (ワッチョイ 8dc3-Z2gR) 2015/10/25(日) 01:25:13.62 ID:l5TcHzsU0.net

~~~~~

絵里「こんなにみんなに会うなんて、今日はホント、珍しい日ね」

ことり『絵里ちゃんは、ラブライブを経て……』

絵里「私は、何も……」

?「絵、里、ちゃぁあああああああああああああああん!!!!」ドンッ

絵里「ぅぇええええぇぇっ!!?」

絵里(思わず変な声が出たわ!)

絵里「って、誰!?」

?「絵里ちゃん、久しぶりぃ!」

絵里「……。いや、本当に誰?」

23: 1(やわらか銀行)@\(^o^)/ (ワッチョイ 8dc3-Z2gR) 2015/10/25(日) 01:26:08.99 ID:l5TcHzsU0.net

?「酷いっ! う~ん……。酷いにゃー! って言えば分かるのかな?」

絵里「えっ。もしかして……、凛っ!!?」

凛「そうだよ、絵里ちゃん。本当に久しぶり!」

絵里(前会った時より随分髪も伸びて、化粧もしてて、失礼に聞こえるかも知れないけど……)

絵里「可愛い……」

凛「ホント? 変じゃない?」

絵里「えぇ。ハラショーよ、凛」グッ

凛「良かったぁ。絵里ちゃんに変って言われたら、落ち込んじゃうから」

絵里「言わないわよ、そんなこと。でも、あれ? 凛はもう、にゃーとか言わないの?」

絵里「それに、一人称も私になってるのね」

凛「私だって大学4年目、来年には社会人だよ? 自分のことを凛なんて呼ばないよ~」

絵里(そりゃそうよね。でも、あれ? ことりって、確か自分のこと……)

凛「どうしたの、絵里ちゃん?」

絵里「いえ、何でもないわ」

24: 1(やわらか銀行)@\(^o^)/ (ワッチョイ 8dc3-Z2gR) 2015/10/25(日) 01:26:35.15 ID:l5TcHzsU0.net

絵里「凛は、えっと……」

凛「体育学部の大学で毎日勉強中! もう4年生だから、勉強ってよりかは就活中だけど」

絵里「あら。じゃあ、将来は体育の先生とか?」

凛「えっ!? えっと……」

絵里「違うの?」

凛「違わない、けど……。先生なんて、あんなにバカだった私には、似合わない、かな?」

絵里「そんなことない!」

凛「絵里ちゃん……」

絵里「凛の持ち前の明るさがあれば、きっといい先生になれるわ。生徒もついてきてくれる」

凛「そっ、そうかな?///」

絵里「私が言うんだから、間違いないわ!」

凛「うん。やっと絵里ちゃんらしくなってきた!」

25: 1(やわらか銀行)@\(^o^)/ (ワッチョイ 8dc3-Z2gR) 2015/10/25(日) 01:27:03.32 ID:l5TcHzsU0.net

絵里「えっ?」

凛「私がタックルする直前まで、絵里ちゃん、暗い顔してたから」

絵里「そう、かもね……」

凛「今の、ちょっと誇らしげな凛々しい顔が、絵里ちゃんらしい!」

絵里「それ、褒めてるのよね……?」

凛「ところで、絵里ちゃん」

凛「何で私が、似合わないかもって思いながらも、体育の先生目指してるか分かる?」

絵里「だから、似合わないなんてこと……」

凛「少なくとも、私は似合わないかもって考えてる。でも、目指すのを辞める気は無いよ」

凛「それはね、絵里ちゃん。ラブライブを経て、人は変われるってことを知ったからだよ」

凛「私だって……、ううん。凛だって、きっと変われる。そう信じてるの」

絵里「人は、変われる……」

凛「そう!」

凛「さて。じゃあ、絵里ちゃんは、ラブライブを経て何を知れたのかにゃ!?」

26: 1(やわらか銀行)@\(^o^)/ (ワッチョイ 8dc3-Z2gR) 2015/10/25(日) 01:27:34.96 ID:l5TcHzsU0.net

~~~~~

絵里「朝から次々と懐かしいメンバーに会うわね……」グー

絵里「/// そう言えば、もうお昼をとっくに過ぎてるのね」

絵里「何か食べよ」

~ハンバーガーショップ~

絵里「あら、ライスバーガーが新発売?」

絵里「ふふっ、この調子で花陽にも会っちゃうかも、なんて」ウィーン

イラッシャイマセー

花陽「……」

絵里「……」

絵里「あ、会っちゃったわ……」

花陽「久しぶり……、絵里ちゃん」ハムッ

絵里「挨拶交わしながらでも食べるのね、花陽」

27: 1(やわらか銀行)@\(^o^)/ (ワッチョイ 8dc3-Z2gR) 2015/10/25(日) 01:28:01.03 ID:l5TcHzsU0.net

~~~~~

絵里「……それで花陽は今、農業系の大学に通ってるのよね?」

花陽「うん。良いお米を作ろう、作ろうと思い立って……」

絵里「花陽にとても向いていると思うわ」

花陽『ご・は・ん♪ ご・は・ん♪』

絵里(大量の稲の中、笑顔で駆け回る花陽を思い浮かべたわ。何故か似合ってるのよね)

絵里「来年はどうするの?」

花陽「えっと、院に行こうと思ってて」

花陽「今、品種改良の研究を進めてるんだけど、先輩の協力もあって上手くいきそうだから」

絵里「その研究を院でも引き続きって訳ね?」

花陽「うん! 院だと、予算も多く配分されてるから、より詳しく研究できるの」

花陽「お米の研究でね、今困ってるのが……」

28: 1(やわらか銀行)@\(^o^)/ (ワッチョイ 8dc3-Z2gR) 2015/10/25(日) 01:28:26.51 ID:l5TcHzsU0.net

~~~~~

花陽「そこから逆転の発想で、配合を変えてみたの。そうしたら、なんと……!」

絵里「ごめん、花陽。もう、ついていけないわ……」

花陽「あ、こっちこそ、ごめん……」

絵里「でも、良かった」

花陽「……どうして?」

絵里「花陽達が卒業する時、凛と別の大学を選択したはいいけど、ずっと泣き止まなかったでしょ」

絵里「だから、良かった、って。今の花陽の楽しそうな顔を見て、そう思ったわ」

花陽「まだ、寂しいって思う時もあるけどね。でも、会えない訳じゃないから」

花陽「それに、私のやりたいことだったから」

絵里「花陽……」

29: 1(やわらか銀行)@\(^o^)/ (ワッチョイ 8dc3-Z2gR) 2015/10/25(日) 01:28:57.94 ID:l5TcHzsU0.net

花陽「μ’sに入った時から、ラブライブを終えるまで、私にとってそれは、勇気の連続」

花陽「私1人の勇気じゃない時もあったけど。……そこで、知っちゃったの」

絵里「……何を?」

花陽「勇気を出して見える、景色の素晴らしさ、かな」

花陽「ラブライブを経て、私は、勇気を出すことの素晴らしさを知れたんだよ」

絵里「みんな、そう言うのね」

花陽「……えっ?」

30: 1(やわらか銀行)@\(^o^)/ (ワッチョイ 8dc3-Z2gR) 2015/10/25(日) 01:29:21.37 ID:l5TcHzsU0.net

絵里「みんな、ラブライブを経て何かを知った、そう言うわ」

絵里「何かを知って。変わって。前に進んでる。進むことができてる!」

絵里「でも、私は……。私には……!」

花陽「きっとあるよ」

絵里「花、陽……」

花陽「絵里ちゃんにも、きっとあるよ」

絵里「じゃあそれって!」

花陽「でもね、それが何なのかは、絵里ちゃんにしか分からないんだよ……」

31: 1(やわらか銀行)@\(^o^)/ (ワッチョイ 8dc3-Z2gR) 2015/10/25(日) 01:30:08.85 ID:l5TcHzsU0.net

~~~~~

花陽『それが何なのかは、絵里ちゃんにしか分からないんだよ……』

絵里「そんなの、分かってるわよ……」

絵里「でも、分からないのよ……」

ザァァァァァァァァッ……

絵里「あ、雨……」

絵里(傘、持ってきてなかったわね……)

??「傘も差さずに外にいては、風邪を引いてしまいますよ?」

絵里「海未…」

海未「宜しければ、雨宿りのできる場所で、少しお話ししませんか?」

32: 1(やわらか銀行)@\(^o^)/ (ワッチョイ 8dc3-Z2gR) 2015/10/25(日) 01:30:39.04 ID:l5TcHzsU0.net

~カフェ~

絵里「髪、少し短くしたのね」

海未「えぇ。最近の稽古で、少し邪魔かなと思ったので。思い切って、切ってみました」

絵里「ふふっ。ショートもとっても似合ってるわよ」

海未「じょ、冗談は止めてください!///」

絵里「冗談じゃないのに」フフッ

海未「その顔です。絵里には、笑った顔がお似合いですよ。凹んでいる顔よりは、ずっと」

絵里「海未も、冗談は止めてよ///」

海未「お返しです」

33: 1(やわらか銀行)@\(^o^)/ (ワッチョイ 8dc3-Z2gR) 2015/10/25(日) 01:31:07.55 ID:l5TcHzsU0.net

絵里「それにしても、海未のその格好。こういうカフェじゃ、ちょっと浮いちゃうわね」

絵里「海未には和服が似合うから、まぁいいと思うけど」

海未「そう、ですかね? 最近はもう、ずっとこの格好なので」

絵里「家を、継いだのね」

海未「正確にはその一歩手前、継ぐための最終稽古中、と言ったところですけど」

海未「そのせいで、最近は皆との集まりに参加できず、すみません」

絵里「それはいいのよ。仕方のないことだもの」

絵里「……でも、辛くはないの?」

海未「……そう、ですね。確かに、学生時代が終わって、格段に遊べる時間は減りました」

海未「穂乃果とは元からもうほとんど会えないのですが、ことりとも最近は会えていません」

34: 1(やわらか銀行)@\(^o^)/ (ワッチョイ 8dc3-Z2gR) 2015/10/25(日) 01:31:30.00 ID:l5TcHzsU0.net

海未「そういう意味では、辛い、ということになってしまうのかも知れませんね」

海未「だからって、家を継ぐのを止めろと、絵里は言うのですか?」

絵里「それは……」

海未「ずるいことを言ってしまいましたね。すみません」

絵里「いいえ! 謝るのは、私の方……」

海未「でも、今の辛いは、そういう側面で見ると、という意味です」

海未「私の本意とは全く別です」

絵里「そう、なの?」

海未「はい。私は今あるこの現状に、誇りを持っています」

35: 1(やわらか銀行)@\(^o^)/ (ワッチョイ 8dc3-Z2gR) 2015/10/25(日) 01:31:57.02 ID:l5TcHzsU0.net

海未「家を継ぐという、誇りです」

海未「言ってしまえば、辛いかどうかなんて見方1つ。気の持ちようなんですよ」

海未「そして、そうですね。何かをする時は、それをどんな想いでするのかが大切なんです」

絵里「どんな、想いで……」

海未「最初は、緊張ばかりしていたスクールアイドルでした」

海未「皆に追いつこうと必死で、皆と並びたくて必死で、とにかく皆と一緒にいたくて……」

絵里「それは違うわ」

絵里「海未は、グループのまとめ役として、いつだってみんなの前に立っていたわ」

海未「それも、見方1つ、ですよ。それに、まとめ役なら絵里だってそうだったじゃないですか」

海未「私は、慣れないアイドル活動に対して、必死にもがいていただけなんです」

海未「結果的にまとめ役になっていただけで……、いつだって不安だったんです」

36: 1(やわらか銀行)@\(^o^)/ (ワッチョイ 8dc3-Z2gR) 2015/10/25(日) 01:32:26.31 ID:l5TcHzsU0.net

海未「でも、9人でライブをする内に、私は変わりました」

海未「皆を楽しませようという想い。皆と楽しみたいという想い」

海未「その想いで、緊張していた私とはさよならして、なんとかやってこれました」

海未「だからこれが、私がラブライブを経て知ったこと、ですね」

絵里「また、それなのね……」

絵里「私は、不安になるわ。高校の頃を思い出すと、逆に。余計に。不安になるの」

絵里「私のその先には、何もないから……」

海未「絵里……」ダキッ

絵里「えっ、ちょっ、海未!?///」

海未「きっとあなたは、忘れているだけです」

海未「ラブライブを経て、あの1年間を経て、あなたが知ることのできたものを」

海未「だってそれは、高校時代のあなたにとって、きっと当たり前のことだったんですから」

37: 1(やわらか銀行)@\(^o^)/ (ワッチョイ 8dc3-Z2gR) 2015/10/25(日) 01:32:55.15 ID:l5TcHzsU0.net

~~~~~

ザァァァァァァァァァ…

絵里(当たり前の、こと……)

~回想~

海未『この傘、絵里に貸しますね』

絵里『えっ。それじゃあ、海未が濡れちゃうじゃない』

海未『私はいいんです。それに』

絵里『それに?』

海未『今度、この傘を返してもらうためにも、また会いましょう?』

絵里『えぇ、そうね。また会いましょう!』

~回想終了~

38: 1(やわらか銀行)@\(^o^)/ (ワッチョイ 8dc3-Z2gR) 2015/10/25(日) 01:33:22.35 ID:l5TcHzsU0.net

絵里(まだ、ラブライブを経て知ったことが何なのか、私には見えてない……)

絵里(でも、メンバーのみんなに会えただけで、元気が出てくる……)

絵里(明日を、乗り切れるって思えそう)

??「ちょっとそこのあなた」

絵里「え? 私?」

??「そう。金髪のあなたよ」

絵里「ふふっ。どうしたのかしら?」

??「ちょっとお話しない? 良ければ、だけど///」カミノケクルクル

絵里「大歓迎よ、真姫。そんな恥ずかしそうに言われたら、余計にね」

真姫「ふん!///」

39: 1(やわらか銀行)@\(^o^)/ (ワッチョイ 8dc3-Z2gR) 2015/10/25(日) 01:33:52.27 ID:l5TcHzsU0.net

~高級なバー~

絵里「……ハラショー……。こんなとこ、私初めて入ったわ」

真姫「そう? パパの知り合いがやってるお店でね」

真姫「近くにいい店も無さそうだし、貸切にしてもらったの」

絵里「しかも貸切なのね……」

絵里「あ。で、話って?」

真姫「別に。久しぶりに見かけたから、声をかけただけよ」

絵里「そ、そう。じゃあ。えーと、真姫は今、医学部だったわよね?」

真姫「そうよ。6年生だから、後2年は大学生だけど」

絵里「やっぱり、大変?」

真姫「実習が増えてきたけど、別に大したことないわ」

40: 1(やわらか銀行)@\(^o^)/ (ワッチョイ 8dc3-Z2gR) 2015/10/25(日) 01:34:17.37 ID:l5TcHzsU0.net

絵里「へぇ~。じゃあ、ピアノは? 大学に入って、もう止めちゃったとか……?」

真姫「そ、そんなことあるわけないでしょ! 続けてるわよ、ピアノも」

絵里「えっ、そうなの? 一時期は、アイドル辞めろって話まで出てたのに……」

真姫「ラブライブが終わった時、パパとママに私が言ってやったのよ」

真姫「医者への道も、ピアノのことも、全部完璧にこなしてやるんだから! ってね」

絵里「その両立は、大変そうね……」

真姫「そう? 大したことないわよ」

絵里「それはちょっと」

真姫「だって。私の好きなことなんだから」

41: 1(やわらか銀行)@\(^o^)/ (ワッチョイ 8dc3-Z2gR) 2015/10/25(日) 01:36:00.28 ID:l5TcHzsU0.net

真姫「医者への夢も。ピアノへの想いも。どっちが大事とかじゃないの」

真姫「どっちも、失くしちゃいけない大切なものだから」

真姫「ラブライブを経て、好きなものが何なのかと、それを好きでい続ける大切さを知ったわ」

真姫「私は、それをもう絶対に忘れない」

絵里「……真姫」

真姫「な、なによ?」

絵里「カッコいいわよ。惚れちゃうくらい」

真姫「ゔぇええ!?」

絵里「照れなくてもいいわよ。だって本当に、カッコいいんだから」

真姫「…からかわないで!///」

42: 1(やわらか銀行)@\(^o^)/ (ワッチョイ 8dc3-Z2gR) 2015/10/25(日) 01:36:28.66 ID:l5TcHzsU0.net

ズールイヨー ズールイヨー ホンネヲー

真姫「あ、ごめんなさい。ちょっと電話が」

絵里(真姫は凄いわね……。難しいことをさらっと言って。でも、それをやり遂げるんだから)

真姫「あ、にこちゃん?」

絵里「ん?」

真姫「私の家に服? ……あー、あのちょっとダサい奴よね、確か」

真姫「耳元でうるさい。ダサいって言って、悪かったわよ」

真姫「えーと、確か私の部屋のどこかにあったような……」

真姫「あ! ちょっと待って。今、絵里と話してて……」

真姫「そう。だから、絵里が目の前にいるから……」

真姫「え? ……もう、イミワカンナイ!///」ピッ

絵里「ふふっ。好きなものが何なのかと、それを好きでい続ける大切さ、ね」

真姫「な、何よ?」

絵里「何でもないわ」

真姫「ま。別にいいけど」

43: 1(やわらか銀行)@\(^o^)/ (ワッチョイ 8dc3-Z2gR) 2015/10/25(日) 01:36:57.70 ID:l5TcHzsU0.net

真姫「それにしても、好きでい続けるって言うなら、彼女も相当よね」

絵里「彼女?」

真姫「希よ、希」

真姫「希が、メンバー全員に声をかけたのよ」

真姫「あなたが心配だって。何とかしたい、って」

絵里「えっ……」

真姫「最初は何事かとも思ったけど、みんな乗り気だったし、私もと思って」

絵里「そっ、それ……、言って、良かったの……?」グスッ

真姫「良かったわよ」

真姫「にこちゃんのことで希もからかってきたから、その仕返しもしたかったし」

絵里「……」

真姫「それに、あなたのその顔を見たら、やっぱり良かったと思うわ」

44: 1(やわらか銀行)@\(^o^)/ (ワッチョイ 8dc3-Z2gR) 2015/10/25(日) 01:37:32.82 ID:l5TcHzsU0.net

絵里「希……」スッ ピッピッ

プルルルル プルルルル ガチャッ

希『もしもし? えりち、どないしたん? さっき会ったばっかりなのに』

希『もしかして、うちのこと恋しくなっちゃった?』

絵里「えぇ、そう。きっと、そうなのよね」

絵里「希……。私、言いたいことがあって……」

絵里「高校の時からずっと! いつだってあなたは、私のために……!!」

希『私がラブライブを経て知ったこと……。えりち、分かる?』

絵里「えっ……?」

希『えりちや、μ’sのみんなを大切だって思う気持ちと、一緒にいる楽しさ』

希『えりちのためなら、うちは何だってやるんよ?』

希『だって、えりちは大切な仲間で、友達やからね』

絵里「うん。うん……!!」

45: 1(やわらか銀行)@\(^o^)/ (ワッチョイ 8dc3-Z2gR) 2015/10/25(日) 01:38:06.91 ID:l5TcHzsU0.net

真姫「……」スッ ピッピッ

プルルルル プルルルル ガチャッ

にこ『もしもし。どうしたの、真姫ちゃん? もう私の声が聞きたくなっちゃったー?』

真姫「わざと電話してきたでしょ?」

にこ『なんのことか分からないにこー☆』

真姫「私が希のことを言うように、仕組んだわね」

にこ『……ごめんね、真姫ちゃん』

にこ『あぁでもしなきゃ、希は裏方のままだったと思うから』

にこ『でもそれは、絵里にとっても希にとっても、絶対にダメだから……』

真姫「ま、別にいいわ。許してあげる。気付いた上で乗ってあげたのも事実だしね」

にこ『ありがと。真姫ちゃん』

真姫「でも、にこちゃんは? にこちゃんだって、絵里と希のために……」

にこ『私はいいのよ。私は、アイドル見習い』

にこ『裏方のサポートは、もう慣れっこなのよ』

真姫「にこちゃん……」

46: 1(やわらか銀行)@\(^o^)/ (ワッチョイ 8dc3-Z2gR) 2015/10/25(日) 01:38:36.13 ID:l5TcHzsU0.net

絵里「真姫。ちょっとそれ貸して」

真姫「えっ?」

絵里「裏方なんて許さないわよ、にこ!」

にこ『なっ、え、絵里!?』

絵里「あなたも希も、ううん、μ’sのみんなは、大切な大切な仲間で、友達なんだから!」

にこ『絵里。……あんたって、ホント不器用ね』

絵里「うふふ。そうね。私は昔から不器用だったわ」

絵里「じゃあ、にこ。また連絡するから。希と3人で、今度飲みに行きましょ」

絵里「話したいこと、いっぱいあるから。裏方なんて言って、逃げないでよね」

にこ『分かったわよ。逃げないわ』

にこ『だから、待ってるから』

プツッ ツーツーツー

47: 1(やわらか銀行)@\(^o^)/ (ワッチョイ 8dc3-Z2gR) 2015/10/25(日) 01:39:35.09 ID:l5TcHzsU0.net

sageつけたり、つけわすれたりしてすみません。
気をつけます。

あと、書いたからには、読んくれる人いなくても続けます。

48: 1(やわらか銀行)@\(^o^)/ (ワッチョイ 8dc3-Z2gR) 2015/10/25(日) 01:40:19.93 ID:l5TcHzsU0.net

絵里「さて。あ、携帯ありがと」

真姫「これからどうするの?」

絵里「ここまできたら、最後の1人にも会ってくるわ」

真姫「それって、穂乃果のこと?」

絵里「えぇ。話ができるかは分からないけど、一目でも見ておきたいわ」

真姫「そ。じゃあ、いってらっしゃい」

絵里「いってくるわ。……それと、にこによろしくね」

真姫「……っ!!」

49: 1(やわらか銀行)@\(^o^)/ (ワッチョイ 8dc3-Z2gR) 2015/10/25(日) 01:40:47.73 ID:l5TcHzsU0.net

~~~~~

絵里(希のお陰で、みんなのお陰で、何となく見えてきたものがある)

絵里(ラブライブを経て、知ったこと……)

絵里(私には、何も無いと思っていたわ。でも、違った)

絵里(ラブライブの時からずっと……、いいえ。きっとその前からずっと)

絵里(私はいつも、不器用ながらに前を見て進んできた)

絵里(自分を押し殺して。自分を犠牲にして。周りを犠牲にして。前だけを見て)

絵里(気付けばいつだって、周りには誰もいなくなってた)

絵里(でも、ラブライブを経て、私は知った)

絵里(そんな私のやり方を、それでも正しいんだって言ってくれる仲間がいることを)

絵里(時に間違えれば、それを正してくれる友達がいるってことを!)

絵里(かしこい? かわいい? そんなのもうどうでもいいわ)

絵里(私はいつだって前を見続ける! 不器用なりに、ね)

50: 1(やわらか銀行)@\(^o^)/ (ワッチョイ 8dc3-Z2gR) 2015/10/25(日) 01:41:34.35 ID:l5TcHzsU0.net

~穂むら~

ワイワイ ガヤガヤ

絵里「やっぱり凄い人ね……」

~~~~~

にこ「絵里は穂乃果に会えると思う?」

希「うーん。会えはするけど、話せんかもしれんね」

にこ「ラブライブ優勝グループのリーダーが住む店、ってだけでも箔がついてるっていうのに」

希「その上、穂乃果ちゃんが思いつく商品全部大ヒットで、連日大忙しやもんなぁ」

希「穂乃果ちゃん自身も正式に店を継いで、店長として日夜てんてこ舞いやし」

にこ「毎日あたふたしてる穂乃果の顔が、簡単に想像つくわ」

希「まぁでも、話せなくても大丈夫」

にこ「どうして?」

希「カードがうちにそう告げるんよ」

にこ「……そのカード、埃被ってないでしょうね?」

希「失礼やな、にこっちは」

51: 1(やわらか銀行)@\(^o^)/ (ワッチョイ 8dc3-Z2gR) 2015/10/25(日) 01:41:59.88 ID:l5TcHzsU0.net

~~~~~

絵里「な、なんとか店の前に来れたわ……」

絵里「さ。入るわよ!」ガラァッ

???「いらっしゃいませー! って、あー! 絵里ちゃーん!!」

絵里「穂乃果……っ!」

52: 1(やわらか銀行)@\(^o^)/ (ワッチョイ 8dc3-Z2gR) 2015/10/25(日) 01:42:28.34 ID:l5TcHzsU0.net

~~~~~

穂乃果『私達のライブはもうお終い。これで、正式にμ’s解散だね……』

海未『穂乃果……』

ことり『穂乃果ちゃん……』

穂乃果『でもね! この1年間、μ’sでいられて、本当に楽しかった!』

穂乃果『ラブライブで、私は本当に、歌うことや踊ることが好きなんだなって思った!』

穂乃果『そこから、みんなを笑顔にしたいって想って、実践することもできた!』

穂乃果『それもこれも、勇気を出して、変わることができたから!』

穂乃果『時には辛いことや、苦しいこともあったけど……』

穂乃果『でもそれも、みんなと一緒なら乗り越えられた!』

穂乃果『私、アイドルをやれて、μ’sでいられて、本当に良かった!!』

53: 1(やわらか銀行)@\(^o^)/ (ワッチョイ 8dc3-Z2gR) 2015/10/25(日) 01:42:59.93 ID:l5TcHzsU0.net

穂乃果『だから! ……だからね』

穂乃果『卒業しても、この1年間のこと……、絶対絶対、忘れないでね……』グスッ

絵里『穂乃果……』

にこ『忘れるなんて、できるわけないでしょ……』

希『うちもそう思う!』

絵里『穂乃果。最後に私達に何か一言くれる?』

穂乃果『えっ?』

絵里『あなたのその言葉を胸に、卒業しても、その先へ進んでも、私達頑張っていきたいの』

穂乃果『絵里ちゃん……。うん、分かったよ!』

穂乃果『にこちゃん! 希ちゃん! 絵里ちゃん! ファイトだよ!!』

54: 1(やわらか銀行)@\(^o^)/ (ワッチョイ 8dc3-Z2gR) 2015/10/25(日) 01:43:28.14 ID:l5TcHzsU0.net

~~~~~

絵里(思い、出せた……)

絵里(私が、自分から言い出したのに忘れるなんて……)

穂乃果「ごめんね、絵里ちゃん。希ちゃんからの連絡は来てたんだけど……」

穂乃果「って、あ! 希ちゃんの名前、言ったらダメなんだった!!」

絵里「もう、それはいいのよ」

穂乃果「え? そーなの?」

絵里「えぇ。穂乃果も忙しそうだし、私もう行くわね。一目見れて良かったわ」

穂乃果「もう行っちゃうの?」

絵里「ごめんなさい。でも、私、明日も仕事があるから」

55: 1(やわらか銀行)@\(^o^)/ (ワッチョイ 8dc3-Z2gR) 2015/10/25(日) 01:44:06.04 ID:l5TcHzsU0.net

穂乃果「えー! 私も絵里ちゃんとお喋りしたーい!」

穂乃果「私がラブライブを経て何を知ったか、だよね! う~ん……」

雪穂「ちょっとお姉ちゃん! 手、止めないでよ! まだまだお客さん待ってるんだから!!」

穂乃果「あ、雪穂ごめ~ん! 絵里ちゃんも、ごめんね!」

絵里「大丈夫。また連絡するわね」

穂乃果「うん。待ってるね!!」

絵里(まぁ、最初から穂乃果に聞くつもりは無かったんだけどね)

絵里(だってあなたは、いつだって、私達にそれを教えてくれる側だったんだもの)

絵里「さて。明日からまた、仕事頑張るわよ~!!」

56: 1(やわらか銀行)@\(^o^)/ (ワッチョイ 8dc3-Z2gR) 2015/10/25(日) 01:44:36.10 ID:l5TcHzsU0.net

~後日談~

希「で? 仕事はどうなったん?」

絵里「ん~? 最近は順調よ」

絵里「やっぱりなんでもかんでも考え過ぎ、っていうのはダメね」

にこ「だから、絵里は不器用なんだって」

希「え~? にこっちがそれ言うん?」

にこ「どういう意味よ?」

絵里「ホントに。真姫に聞いてみたら、なんて答えるのかしら?」

にこ「そこでなんで真姫ちゃんが出てくるの!」

絵里「なんででしょう、ね~?」

希「ね~」

にこ「もう。イミワカンナイ!///」

絵里「それ、もしかして真姫の真似?」

希「流石やわ、にこっち。今のかなり似てたで!」

にこ「もうっ!!///」

絵里(この3人で飲むのは、やっぱり楽しいわ♪)

57: 1(やわらか銀行)@\(^o^)/ (ワッチョイ 8dc3-Z2gR) 2015/10/25(日) 01:45:16.45 ID:l5TcHzsU0.net

おしまい、つけるの忘れました笑
58: 1(やわらか銀行)@\(^o^)/ (ワッチョイ 8dc3-Z2gR) 2015/10/25(日) 01:46:22.07 ID:l5TcHzsU0.net

初めてSS書きましたが、難しいですね……。
もっと人に読んでもらえるように工夫できたらと思いました。

ちなみに、自分はにこ推しのにこまき好きです。

59: 名無しで叶える物語(やわらか銀行)@\(^o^)/ (ワッチョイW 8dc3-6evR) 2015/10/25(日) 01:46:53.05 ID:On69lNPg0.net

乙 見てたぜ
落ちがちょっと弱かったけど楽しかったよ
62: 名無しで叶える物語(きしめん だぎゃー)@\(^o^)/ (ワッチョイW 02a7-6evR) 2015/10/25(日) 01:51:30.82 ID:eyVBVi/40.net

ことほのうみは忙しくても月1くらいには会ってるイメージ(個人的には)

63: 名無しで叶える物語(きしめん だぎゃー)@\(^o^)/ (ワッチョイW dad1-FPhQ) 2015/10/25(日) 01:57:37.32 ID:RmubaZyC0.net

初SSなのにすごく惹きこまれた
78: 名無しで叶える物語(ぎょうざ)@\(^o^)/ (ワッチョイ 366f-uLsx) 2015/10/25(日) 16:36:43.16 ID:0N5FxldH0.net

面白かったよー
やっぱり前向きなラストのほうが読んでて嬉しい

他のみんなが穂乃果に会えない理由が弱かったかも?
鬱な理由にするよりは全然いいけど