【ラブライブ!】穂乃果「雨、やめーー!」8人「すごい…本当に止んだ…」穂乃果「えへへ…」
- 2020.04.09
- SS

ことり「穂乃果ちゃん~、無理だよぉ~」
海未「ことりの言う通りです…もう帰りましょうよ、穂乃果」
穂乃果「絶対に嫌だ!飛べるまで帰らない!!」
穂乃果「ほら!飛べたよ!!やった!」
なぜ私がそこまでして拘ったか。それは飛べることが分かっていたからだ。
それがいつからか?と聞かれても、正直よく覚えていない。気がついたら使えるようになっていたのだ。
この能力は本当に便利だった。
私がなぜアイドルに確信を持てたか。それは成功する未来が見えたからだ。
私が、μ’sをここまで引っ張ってこれたのは、この力があったからなのである。
話は戻る。
穂乃果「ほら!できるって思えばなんでもできるんだよ!」
違う
穂乃果「目指すはμ’s優勝!頑張れば、私たちならできるよ!」
優勝する未来が見えていたからそんなことが言えるのだ。
周りと違ってなぜ自分だけが使えるのだろう。この力を使ってしまってもいいのか?
そう思った。だが、幼い頃の好奇心には敵わなかった。
私はいつの間にか、この力を多用するようになっていた。
一度使うことに慣れると、人間とは恐ろしいもので、歯止めが利かなくなる。この力を使えば、クラスのリーダーになることだって簡単だった。当然のように、私の性格は明るくなっていった。
海未「穂乃果、さすがにそれは無理だと思います…」
穂乃果「大丈夫だよ!時間に余裕はあるって!絶対に間に合うよ!」
今日は、第2回ラブライブ大会の地区予選の日だ。今日の為に、第1回ラブライブの出場は諦めたのだ。
私は、第1回のラブライブに出場することで、μ’sが壊れてしまうことを未来を見ることで分かっていた。
その未来とは、A-RISEは言わずもがな、他の中堅グループにもボロボロに負けて、μ’s全員がやる気を無くしてしまう未来だ。
だから私は敢えて前日に走り込み、風邪を引いた。そして辞退した。全ては、今日A-RISEに勝つ為なのである。
穂乃果「本日はお越しいただきありがとうございます!」
穂乃果「さて、後はラブライブの会場に向かうだけだね!…ことりちゃん?どうしたの?」
ことり「…穂乃果ちゃん、今お母さんから連絡があって、外は大雪、とても会場まで行ける状態じゃないって…」
え?
そんなはずはない。
今日、雪が降る未来は見ていない。
海未「残念ですが、このままだと間に合いません…どうしますか?」
こんなことは初めてだ。今まで未来予知が外れたことなんて無かったのだ。
なんで?
なんで?
どうしよう。
穂乃果「と、とりあえず歩くしかないよ!吹雪いていても頑張ればなんとかなる!行こう、海未ちゃん、ことりちゃん!」
今の私にはこれしか思い浮かばなかった。本当に、このままラブライブに出れなかったら…
穂乃果「みんな!」
なんと、音ノ木坂学院の生徒全員で雪かきをしてくれていたのだ。
ことり「みんな、ありがとう…!」
海未「さあ、急いで会場まで向かいましょう!」
穂乃果「そうだね!こんなに頑張ってくれたみんなのためにも、絶対に間に合わせないと!!」
とりあえず、今は未来予知のことは置いておこう。ラブライブに集中だ。
絵里「3人とも、遅いわよ!さあ、早く準備を始めましょう!」
μ’sは、見事A-RISEに勝つことができた。まあ、分かってはいたことなんだけど、今回は少しばかり焦った。まさか未来予知が外れるとは。
そして、次に私たちμ’sに浮かんできた課題は、「解散」問題だ。
しかし、この問題について私は答えを決めていた。「解散する」これが私の意見だ。
未来を見ても、「解散しない」未来はあまりよく思えなかった。だからなんとか解散する方向にμ’sを持っていった。
そして、それは成功した。
順番は、なんと最後!あの、にこちゃんが、まさか当たりを引くとは誰も思っていなかっただろう。
私?言うまでもない。
穂乃果「みんな、今日は今までの全ての力をぶつける日だよ!でもね、普段の私たち通りにやれば絶対に優勝できるよ!さあ、頑張ろう!」
よくもまあペラペラと言えるものだ。未来が見えていなかったら、私にはこんな台詞は怖くて言えないよ。
これは、私が真姫ちゃんに無理をお願いして作ってもらった曲だ。
μ’sの中の意見では、時間が無いし、浸透してる曲を披露するべきでは?という声もあった。だけど私は譲らなかった。
結果、優勝できたのだから誰も文句はないだろう。
しかし、この展開は予想していなかったものだった。
「アンコール!」 「アンコール!」
「アンコール!」 「アンコール!」
どうして?
最近未来予知が外れる。
そんな事を考えていると、いつもお世話になっているヒフミが「僕らは今の中で」の衣装を持ってきてくれた。
この曲は、私たち9人だけの曲にしておくつもりだった曲だ。「いざとなった時に披露できるような曲があった方がいいんじゃない?」真姫ちゃんの意見だ。
しかし、ここで披露することになるとは。思っていなかったよ。
案外、ダンスは上手にできた。しばらく練習していなかったのに驚きである。
もちろん結果は優勝。嬉しかった。人生で一番最高の時間だった。努力した成果があったな、と思った。
しかし…私には疑問が残っている。
なぜ最近、未来予知が外れる?
力が衰えてきているのか?
私の中には、誰にも相談できない不安が広がっていった。
ニューヨークでは早速トラブルが起きた。海未ちゃん達がホテルに着いていないのだ。
穂乃果「海未ちゃんたち、どうしちゃったんだろう…」
心配なので、未来を見ることにした。
どうやら私が渡したメモのおかげで迷ってしまったようだ。ごめんね海未ちゃん。
でも凛ちゃんがホテルの名前覚えてるから、多分大丈夫だよ。
今回は、見た予想のとおりになった。良かった、3人とも無事で。
ライブが成功するか未来を見ようと思ったら、未来が見えなくなっていた。
不安が的中したな、と思った。やっぱり私の力は衰えてきているようだ。
しかし、別の未来は見えた。それは、私が道に迷い、謎の女性シンガーと出会っている姿だった。
誰だろう?
結局私は、道に迷うことは無かった。
なぜあんな未来が見えたのだろう?
肝心のライブは、大成功だった。成功しすぎて、日本に帰ってきてから大変なことになってしまったのだが。
そして、μ’sに再度あの問題が起こることとなる。
理事長に、μ’sを続けて欲しいと言われたのだ。
これは予想していなかったことだ。私は迷ってしまった。
今までなら、未来予知をして簡単に解決できただろう。だが、今回はそれがない。自力で解決しなければならないのだ。
初めて、自分がいかに力に頼ってきたかに気がついた。
だが、今更それに気がついても遅い。この力を使いすぎた罰なのだろう。私は、混乱する頭をそう考えてなんとか納得させた。
そして、私が出した結論は、μ’sを続ける、ということだった。
結果的に私はそれをしてしまった。
最初のうちは良かった。学校では6人で練習をして、3人とは休日会ったりして打ち合わせなどをする。練習もみんなでした方が盛り上がったし、何より楽しかった。
だがそれは、長くは続かなかった。
やはり、環境が違うと生活のリズムも変わってくる。大学生になった3人は、休日に会えないことが多くなっていった。
あの3人の存在は、とても大きなものだった。
絵里ちゃん。いなくてはならない存在。まとめ役でもあるし、何よりダンスの指導力がある。
μ’sのダンスは、絵里ちゃんに支えられていた、と言っても過言ではなかった。
希ちゃん。μ’sの母親役。μ’sが揉めていても、希ちゃんがいれば解決できた。居なくなって初めて気がつく、その安心感の大きさはみんなが思ったことだろう。
にこちゃん。みんなをいつも和ませてくれる。一見、自分勝手なように見えるその振る舞いは、いつも他人のことを考えていた上でのものだった。厳しい時は厳しく、楽しい時は楽しく。それが一番できる人だった。
そんな3人がいないμ’sがどうなるかなんて分かるだろう。μ’sはだんだんと、ゆっくりと崩壊していった。
私たちにだって最低限のスキルはある。曲も歌詞も自作できる。
衣装だって作れる。
ダンス指導役も、みんなの母親役だっている。
そう、別に悪くはないのだ。悪くは。
むしろ、レベルは高い方である。
だが、世間がμ’sに求めていたハードルと比べてしまうと、それに答えられるレベルとは言えなかった。
みんな、それぞれ負い目を感じてしまっていた。あれだけ仲が良かった海未ちゃんとことりちゃんでさえ、会うことが少なくなっていった。
そして、時は10年経つ。
私は、穂むらを継いでいた。
何が楽しいかと言われれば、もちろん食べているお客さんの笑顔を見ることができる。それに尽きる。
やってみて分かったことだが、アイドルと似ているなあと思った。お父さんに言えばムスッとされそうだが。
でも、人を喜ばせたいと思う気持ちは一緒だと思う。
満足してる、はず
この仕事に満足している、はずだった。
だけど
やっぱり、アイドル、歌うことに関して心残りはあった。
μ’sを解散し、別のアイドルグループで続けていたらどうなっていたのだろう。
私は卒業までアイドルを続けられたのだろうか?
まだ歌うことができていただろうか?
考えてしまうと、モヤッとした気分になる。あぁ、お菓子崩しちゃった。
そう、普通に寝た。はずだった。
しかし、目覚めるとなぜかニューヨークにいた。
なんで?
やっぱり、大きい街だ。高校生の頃に来たことを思い出す。
そして、傍らにはなぜか音楽機器が置かれていた。
私はシンガーソングライターという設定なのだろうか?
そう思いながら、
せっかくなので、アカペラで歌ってみることにした。
和菓子屋を継いでからも、趣味の範囲で音楽を続けていたので、使い方は分かった。
どうやら今日は、声の調子がいいようだ。
人に聞いてもらえるなんていつぶりだろう。ちょっと気分が高揚した。
やっぱり、聞いてもらえると、やる気が出る。私は、思う存分歌った。
最後の1曲は、私の大好きな曲である「As Time Goes By」を歌って締めよう。そう思って歌い出したところ、
私は、
有り得ないものを目にする。
なんと、高校生の頃の私がいた。
どういうこと?
思考が全く追いつかない。
なんとか、歌い上げると、私が拍手してくれた。
そこで、私は思い出した。
この状況、未来で見たことがある。
間違いない。
もしその通りなら、きっと過去の私は道に迷ったのだろう。
聞いてみると、「えへへ…」と言われた。やっぱりね。
そこで、話をしながらホテルまで送っていくことにした。
そこで、私はμ’sを解散させる方向へ話を持っていくことにした。
でも、これが夢だという可能性も捨てきれない。
もし夢だったら、真剣に語る私がバカみたいじゃないか。
だから私は、
それとなく存続を否定するような話をした。
だけどあまり心配させて、翌日のライブに影響させるのもよくない。私は、結論は自分で分かるだろう、と伝えた。
そこで、夢から醒めた。
そう思って家の階段を降りていき、仕込みの準備をしようとした。
あれ?おかしいな。こんな時間に電気がついている。
誰だろう…
雪穂「あれ、お姉ちゃん?こんな時間にどうしたの?」
雪穂「何って、今日の仕込みに決まってるじゃん!お姉ちゃん寝ぼけてるの?」
え?
どういうことなんだ?
まさか、
まさか、過去の私にアドバイスしたことで、未来が変わったとでも言うのか。
つまり、夢で見た私、という訳だ。
混乱しているところに、ことりちゃんから連絡が来た。
ことり「今日の夜、ひま?」
そう思った私は、即座に返事を返した。
「行く行く!」
夜、約束の時間になった。すると、遠くから聞き慣れた、だけど少しばかり大人びた声が聞こえてきた。
ことり「穂乃果ちゃん~、久しぶり~」
穂乃果「久しぶり、ことりちゃん!」
会うのは1ヶ月ぶりらしい。頻繁に会っているみたいだ。
こっちのμ’sはまだ交流があるらしく、仲もいいらしい。
やはりこの世界は解散をした世界なのだろうか?
ことりちゃんとの再会は、夜遅くまで続いた。それにしてもことりちゃんの呑みっぷりはすごい。
…
…あれ?
…ここは?
気がつくと私は、また路上に倒れていた。
また未来が変わるんだろうか?
そう思いながら周りを見渡すと、どうやら秋葉原らしい。
そしてもう1点、ここが夢ではないという証拠がある。
μ’sの、ポスターがあちこちに貼られていた。
私が、高校生であるとき。
また戻ってきた。今度は何をすればいいんだろう。
でも私のことだ。大体の予想はつく。
まだ、解散するかしないか迷っているのだろう。
昨日の時は、どうしたら過去の私と会えたっけ…あ、そうだ、歌ってたら会えたんだ。
じゃあ、歌ってみれば会えるかも。
そんな軽い気持ちで歌ったのだが…どうやら、本当に私が来たようだ。我ながら冴えてる。
また会えたね。と言っておいた。
向こうは、私のことに全く気がついていないようだ。
悩みは解決した?と聞くと、渋そうな顔をした。
やっぱり…悩んでるんだ。
これが解決してないから、今の私も、まだ路上でしか歌えてないのかな?
じゃあ、解決しよう。私は、やっぱり歌うことが好きだ。それも、大勢の前で。
ニューヨークで、それを、実感した。
穂乃果「まだ…迷っているんです。確かに、1度は解散する結論を出しました。でも、私たちを必要としてくれている人がいる。だからまだ続けるべきなんじゃないかな、って」
うーん、なんか変に優しいなぁ。自分のことだけを考えればいいのに。
とはいえ、それをそのまま言うことはできない。
だから私は、「自分のしたいようにすることが1番じゃないかな。君たちが楽しんでいる姿こそ、見ている人が求めているものだよ。」
とアドバイスした。
私は、ありがとう!と言ってくれた。なんか恥ずかしい。
お礼が言いたい!と家の中へ引きずりこもうとされたが、遠慮しておいた。お母さんや雪穂となんて毎日会っているし、何より勘が鋭い2人と会ったら何が起こるか分からない。
落ち着けるところまで来た。一安心だと思ったのも束の間、
どうやら夢から醒めたようだ。
私の使命は果たせたのだろうか?
雪穂に、私のことについて聞いてみる。
雪穂「自慢したいの?」
雪穂「歌番組とかソロ公演とか、大成功してるのにさ」
雪穂「まあ、お姉ちゃんが有名になって私も誇らしいよ!これからも頑張ってね、お姉ちゃん!」
思った以上にスケールが大きかった。そこまで私は有名になっているのか。
だとすれば、テレビ慣れとかもしておかないと…。高校生の頃はそれなりに出てたから耐性はあったけど、数年間出てなかったからなあ。
そんな風に思っていると、ことりちゃんと海未ちゃんから連絡が来た。
またも、今日の夜暇かどうかだ。今回は海未ちゃんもいるし、当然行くことにする。
ことり「穂乃果ちゃん~、久しぶり!」
ことりちゃんに久しぶりと言われると、なんか変な気分するなあ。
穂乃果「2人とも、久しぶり!」
久しぶりに話す3人での話は、昨日以上に盛り上がるものだった。やっぱり友達って大事だよね。
酔いが回ってきた頃、海未ちゃんがこんな事を言い出した。
海未「そういえばあの時、穂乃果が解散をしたのは意外でしたねえ~。」
ことり「うんうん、穂乃果ちゃんのことだから、μ’sを続けるって言うかな?と思ってたよ」
穂乃果「それどういう意味~?ことりちゃ~ん~」
まあ実際、1度は続けたんだけどさ。ことりちゃんには適わないね。
ことり「別に変な意味じゃないよ~!
ただ、穂乃果ちゃんの性格は他人を大事にしすぎる所があるから、お母さんの頼みを断れないんじゃないかなと思ってたの。」
なるほど。
海未「私もです。穂乃果には、本当に辛い決断をさせました。すみませんでした。
ですが、あなたのお陰で今もみんな仲がいいと思っています。感謝しています。」
みんな、悩んでいたんだなあと考えさせられる。
そして、力にばかり頼っていた自分も不甲斐ない。
そうだ、力を無くしたからこそ、みんなの気持ちに気がつくことができた。今までは自分勝手すぎたのかも知れない。これからは、もっと周りを見て行動しなきゃね。
穂乃果「こちらこそ、海未ちゃんとことりちゃんにはすごく感謝してるよ!一緒にスクールアイドル活動をやってくれてありがとね!これからもずっと友達でいてね!」
海未「当たり前です」
ことり「うん!」
私は、この奇妙な体験を通して得た、経験を糧にして、これからも多くの人に感動を届けていきたい。
どうか、皆さん応援してください。
よろしくお願いします!
おわり
最後、いろいろまとめようとして雑な終わり方になってしまいすみませんでした。
こんな稚拙な文書ですが、読んでくれた方、そして保守してくれた方本当にありがとうございました!
それではこれで失礼します。おやすみなさい。
おもしろかった!こういうの大好きだわ
いいまとめかただなあ
グループである宿命というか
そういう意味では終われるタイミングで区切りつけられるのは幸せなことだと思う
乙
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