【ラブライブ！】凛「友情の瓦解」

凛はこの音ノ木坂で大切な仲間を見つけられたと本当に思う

かよちんに真姫ちゃん、それにμ’sのみんな。

本当にみんな大好きにゃ！自信を持って凛はそう答えられる！

スクールアイドルを通した9人の絆は、ぎゅっと固く結ばれた

だからこの友情は、永遠に不滅にゃ！ズッ友にゃ！マジまぶダチってやつにゃー！

…だけどね、金の切れ目は縁の切れ目とかいう言葉があるみたい。なんかこの言葉を聞くと悲しい気持ちになるんだ。

お金のことで、ギスギスしたり仲悪くなったり…

友情って固いけど脆いんだね

それに、泥沼の恋とか、可愛さ余って憎さ百倍とか…色んな言葉があるみたいだけど、人間関係の難しさを感じちゃうよ

でもね。こんな言葉、凛とは全然関係なーい！

凛はこの最高のμ’sを、最高の仲間を、誇りに思うにゃー！！

そう思ってたの。

借金4億2300万円

凛「……え…？」

それは余りにも唐突に、そして理不尽に突きつけられた。

その額は、凛の膝を地に着けるには十分な額だった

さっきまで呑気に笑っていた自分はどこに行ったことやら

冷や汗が止まらない
脂汗も流れてくる。いけね、ラーメン食べ過ぎたかな？

手も震え、口もパクパクしてる。

こんな額、1人でどうにか出来るものじゃない

漫画やテレビとかで、ざわ…ざわ…やざわ… とか、君って本当にバカだよねぇぇぇぇえええええ！！ とか、笑いながらネタにしてたのに…

やばいやばいやばいやばい

これから何をすれば良いの？もしかして、凛って死んじゃうの？ゲームオーバー？詰みゲ？完全にフルハウス？

思考がグルグルしてる

でもね、焦ってパニクる自分だったけど、たった1つだけ分かってることがあったの。

…もしかしたら、知らなかった方が、知ってしまうよりも幸せであれたのかもしれない。

4億という借金を抱えてる時点でお先真っ暗なのに、どん底に堕ちているというのに！！

…これを知って、より胸を激しく痛めた

この借金を凛に背負わせた憎き人物。張本人を。

絶望に打ちひしがれながら、凛は彼女と対峙する。

夢であって欲しい。出来れば彼女の口から嘘だ と言って欲しい。

そんな、微かな希望を胸に、凛は口を開く

凛「ねぇ……これって…どういうことなの…

……真姫ちゃん」

真姫「…………」

沈黙。

…確定した。今、確定してしまったのだ。

…何故？こんなことってないよ。

お金と友だちを秤にかけて、お金を取ることなんてあり得ないと、凛は思ってた

…だけど、違ったんだね。甘かったんだね。

この立場に追い込まれたことによって、凛はようやく冒頭の言葉の重みを噛み締めたの。

凛「う、嘘…だよね…？ 真姫ちゃんが凛にこんなことするわけないよ…ね？」

思わず自分の発した言葉に驚いてしまう

あぁ、凛もアホだにゃ

希望なんてないのに。確信してしまったというのに。

なのに、凛は未だどこかで、真姫ちゃんを信じていたいんだね

真姫「…しょうがないじゃない。凛しかいなかったんだから。」

それはあまりにも普通のトーンで。

まるで、
「ねぇ、そこのドレッシング取ってー。…いや、そっちの和風じゃなくて胡麻の方！」
くらいのトーン。

日常生活を送る中にありふれたそんな感じの言葉。

真姫ちゃんにとって、凛が負債を抱えたこの事実は、当たり前であったかのようだった。

最期まで醜く、縋り付こうとした凛と真姫ちゃんとの絆は、ぷっつりと切られてしまった

今 友情が音を立てて崩れ落ちたのだ

熱い

熱い熱い熱い！

全身を巡る血液が

沸騰しているのではと思えるほどに

これが怒りなのか

目の前の赤髪が憎くて憎くて堪らない

その赤髪のせいか、悪魔の申し子のように思えてくるよ

むしろ、凛の周りに悪魔が漂っているような幻覚すら見えてきた

許せない

その赤髪を掴んで、豚骨ラーメンの鍋に顔から突っ込んでやりたい。あ、それはご褒美かも。凛もやってみたいし。

そんな憎悪の感情を身に宿して、凛は真姫ちゃんを詰る

凛「ふざけないで！！何で、何で凛なの！？凛たち友だちじゃん！！仲間じゃん！！何で凛をこんな目に合わせるの！？」

怒りを抑えきれず、言葉を捲したてる

ただ、返ってきた言葉は、またも予想に反した言葉であった。

真姫「え、何をそんなに怒っているのよ？」キョトン

そうだ

さっき分かったことだったじゃないか

彼女にとってこの件は当たり前の事だったのだ

だから彼女は別段悪い事をしたとは思っていないだろうし、謝罪の言葉なんて以ての外だろう。

いつからこんな世になってしまったのだろうか。噫無情。

最早、声も出ない

泣いたらダメだ

泣いたら負けだ

折れそうな心を必死に繋ぎとめようとする

真姫「あら、凛。また借金が増えたみたいよ。」
と嬉しそうに話しかける真姫ちゃん。

…この女、何が面白いんだよ
グツグツのシチューぶっかけんぞ

と心の中で毒を吐き、確認してみると

借金 7億9362万円

何故かまたもや増えている借金

ほんとイミワカンナイ

人間、感覚が麻痺するのだろうか？

3億近くも借金が増加したというのに、借金4億を最初に経験したせいで、どうでも良くなってきた

慣れとは怖いものだ

しかし、この債務は全て凛に背負わされたものだ。一切の責任は私にある。凛が何とかしなければならない。

必死に考える

考えて、考えて、考え抜いて

_____________凛は閃いた

ある！あるにゃ！

一発逆転の大チャンスが！

この借金をチャラにして、あの赤髪デビルに一泡吹かせてやれる方法が！

凛はフラフラとある目的地へと向かう。

凛「あそこに行けば…あそこに行けばぁ！」

そうすれば、凛は解放されるのだ

凛「間に合えっ！間に合えぇぇぇぇぇ！！」

そして、ようやく辿り着いた目的地には

何もなかった。誰も居なかった。

いや、正確には、その場にただ1人だけ居たのだ

それは凛にとっての大切な仲間

にこ「…遅かったようね、凛」

凛「にこ…ちゃん…」

にこ「悪いわね。お先に戴いちゃったわ。

…凛の起死回生のチャンスとやらを」ニヤァ

あぁ、そうか

どうして私は1人だけに裏切られたと勘違いしていたのだろう

真姫ちゃんへの信頼が潰えた今、にこちゃんだって敵に回っている可能性だって無いわけではないのに…

視界がグニャアと歪む

目に見えぬものに亀裂が入った感覚

また1つ、凛の友情は瓦解していったのだ

仲間に見捨てられ、裏切られ…凛の手元には何も無くなった

気づけば、頬伝う涙

詰んだ

たった、今全てが終わったんだ…

…いや、訂正しよう

_________今から全てを終わらせる

人として犯してはならぬ域がある

そこを踏み越えていった者は、みな裁きを受けるのだ

今、その一線を今から跨ごうとする自分自身に凛は戦慄する。

…これを手に取ったら、凛は人として終わりを迎えるだろう。

自分がこれ程までに薄汚れた人間だったのかと、心の中で嘲笑し

にこちゃんに気付かれぬよう、それに手をかける

これで終わり……

花陽「ダメッ！！凛ちゃん、早まらないでっ！！」ガシッ

あぁ、かよちん

何で凛は忘れていたんだろう

凛の大好きな幼馴染

優しくて可愛い最高なかよちん

きっと凛が罪に染まらぬように止めてくれようとしてくれてるんだね

ありがとう

だけどね、もう遅いの

凛「嫌っ！かよちんお願い離して！もう凛は辛いの！全て終わらせたいのっ！！」ジタバタ

こんなにかよちんに抵抗したのは初めてかもしれない

だけど、かよちんも必死になって、凛を体に抱きついて離れない

花陽「凛ちゃん！本当にごめんね！辛かったよね？絶対花陽が助けるからっ！！だから！だからそれだけはやっちゃダメ！！」

あぁ、かよちんそんな悲しそうな顔をしないで

凛の決心が鈍っちゃうよ…

真姫「…ふふ、無様ね。凛」

いつ現れたのか、この悪魔め

みかんぶつけんぞみかん

真姫「現実を受け入れなさい」

止めろ

真姫「ほら、貴女の転落人生を」

止めろ止めろ止めろ止めろ

真姫「これが示してくれてるじゃない！」

やめろぉぉおおおおおおおおおお！！！

真姫が指さしたのは40インチのデジタルテレビ

そこに映し出されていたのは

キングボンビー『グエッヘッヘ！！ りんがべ社長！ボンビラスの世界では金などいらぬのだ！オレ様が捨ててやるぞ！』

凛「うわああああああああああああ！！」ジタバタ

そう、これは桃鉄。桃太郎電鉄。

金を貯め、起業・拡大を繰り返し富を築く

そのくせ、迫り来る唐突な理不尽を、今まで同じ釜の飯を食った仲間に、躊躇いなく擦りつける。

醜き汚き人間の性

そう、まさに目の前には、人生の縮図が映し出されていたのだ

安心した

凛「にゃああああああ！！こんなデータ糞食らえにゃあ！切ってやる！リセットしてやるぅ！」

にこ「こらっ！凛！電源コード引っこ抜こうとするのは反則でしょ！早く離しなさい！」

凛「やかましいちっぱい！その僅かばかりの胸も引きちぎんぞ！？」グルル

にこ「テメーがちっぱい言うんじゃねぇよ！アホんだら！」クワッ

花陽「凛ちゃんダメだよ！このゲームみんなでやりたいって言ったのは凛ちゃんなんだから」

凛「ぐぬぬぬぬ」

真姫「いいんじゃない？途中で消した人には罰ゲーム(裁き)があるって本人が言ってたんだし」

凛「横槍入れんじゃねえよ、チョロトマト。トマトがキングボンビー擦りつけてきたせいでこうなったんだにゃ！」フシャーッ

真姫「何よ！そういうゲームでしょっ！？あとチョロトマトって何よ！？」キーッ

ギャーギャー

花陽「あうう…ダレカタスケテーッ！」

この後も、
スリの銀次に持ち金を全て奪われ発狂する者
忍者のっとりくんで、お互いに物件を奪い合う者たち
ハリケーンボンビーにコシヒカリ水田を吹き飛ばされ大号泣する者

様々な波乱があったが、何だかんだ言いつつも無事に100年をやり遂げましたとさ

おしまい

乙乙

優しい世界で良かった
乙

優しい世界だった

ワロタ

いいね

ご覧いただきありがとうございました！

優しい世界で良かったね乙

安心した
乙

百年やったのかよ
おつおつ

4人で100年とか何時間かかるんですかね

乙
桃鉄は楽しいなー(白目)

おもろかった
凛ちゃんとかよちんは桃鉄弱そうだなあって思ったけどにこも真姫ちゃんも弱そうだわ