【ラブライブ!】海未「おくちが痛いです」 絵里「それは大変ね」
- 2020.04.10
- SS

海未「絵里………」ペコリ
絵里「あら、海未だけ?早く来すぎちゃったのかしら」
海未「………」
海未「穂乃果とことりは用事です」
絵里「ん、そうなの」
海未「………」
絵里(あれ?なんか今日の海未暗くない?もとよりよく喋るタイプじゃないのかもしれないけれど、私とはもうちょっと会話が続いた気がするのに)
絵里(いつもは礼儀正しい子が今日はこんなだしきっとそうよね)
絵里(それなら、元気付けてあげるのが一番よね。なるべく逆鱗に触れないよう、自然な感じで…)
絵里「ね、海未。となりいい?」
海未「………」スッ
絵里(海未は無言で椅子をずらし、間隔をあけてくれた)
絵里(これは……座っていいってことよね?)
絵里「失礼するわね」スクッ
海未「………」コクン
海未「………」
絵里「はやくみんな来ないかしら、こういう日は色々詰めていきたいわ」
海未「………」
絵里「でも、焦りすぎちゃいけないわよね、まだまだ本戦まで時間はあるんだから、パフォーマンスをゆっくりしっかり向上させていきたいわ」
海未「………」
絵里「海未もあまり頑張りすぎないでね?あなたは作詞やスケジュール管理、アイドル活動以外にも弓道部や家のこともあるんだから」
絵里「私、あなたのことが心配なの。海未は穂乃果に似たところも結構あるから、無理しすぎていつか壊れちゃうんじゃないかって」
絵里「もちろん人に迷惑がかからないような振る舞いはするでしょうけど、私はあなた自身が困ることになるのを心配しているの」
海未「……ありがとう…ございます」ペコリ
絵里(小さな声でそれだけいうと、海未は黙ってしまった)
絵里(それとなく相談するように促してみたけど…だめだったかしら)
絵里(海未とも仲良くなれたと思ってたのになぁ、それか事が私に相談できないほど重大なのかな)
絵里(はぁ……なんか自信なくしちゃった…なんの自信とまでは言わないけれど)
絵里(とりあえず……)
絵里「ね、海未。肩揉んであげる、疲れてるでしょ」ポンッ
海未「っ………!」パシッ
絵里「え………」
海未「ぁ……」
絵里「わたし、海未が今日はあまり喋らなくて、元気がないように見えたからなんとか励ましてあげたいって思ってて……」ポロポロ
海未「!?」アセアセ
絵里「あ、あれ?わたしどうして泣いてるんだろう……」ゴシゴシ
絵里「や、やだ…!なんで止まらないのよ…!」ポロポロ
海未「ちょ、絵里……」
絵里「ごめん海未、わたしちょっとお手洗い行ってくるからみんなに遅れるって伝えておいて」ガタッ
海未「ま、待ってください!」ギュッ
絵里「!?は、離して!!」
海未「嫌です!絵里はなにか勘違いしてます!!」
海未「だから違いますってば!あまり喋らなかったのは……うぐっ!」ズキズキ
絵里「え?海未…?」
絵里(海未が呻き声をあげたのに反応して振り向くと海未は苦しそうな表情をしていました)
絵里「ちょっと海未、大丈夫!?」
海未「だ、大丈夫ですから…とりあえずもう一度座っていただけませんか?きちんと話しますので」
絵里「………うん」スッ
海未「…その、今日こんななのは別に不機嫌だったからとかそういったものではないんです」
海未「その、口内炎ができてしまってるんです……」
絵里「……は?」
絵里「いや、それは知ってるわよ」
海未「私、人生で3回くらいしかなったことがなくて…最後になったのが5年くらい前なんです」
海未「ですからあまり慣れていなくて…あまり気にしないようにしているのですが、喋ったりして口を動かすと噛み合わせが当たってしまうんです」
海未「そのせいで黙ったりしてしまって……」
海未「常に痛みを伴うものなので少しだけ神経質になってしまって……絵里に触られたときは反射的に払いのけてしまいました……すみませんでした」
絵里「…わたしのことは?嫌いじゃない?」
海未「あなたを嫌いになんてなるはずありませんよ、大好きです……あっ///」カァァ
絵里「っ……///」
海未「ち、ちがっ、今のはあの…///」
絵里「うん、わかってる。わかってるから……///」
絵里「ほんとに……よかった」
海未「え///あの、その…//」
絵里「はっ!?////」
絵里(なんかどんどん自爆して行ってる感じがするわ……これ以上はやめておきましょう)
絵里「……ん?ねえ海未、それじゃあ結局あまり喋らなかったのは口内炎のせいってことでいいのよね?」
海未「ええ、まあ……そうなりますね」
絵里「それじゃあ何?私は海未の口内炎に一々考えを巡らせたり、気分を落ち込ませたりしていたわけね」
海未「え?」
海未「あの、絵里…?」
絵里「ねえ海未、歯みがきセットある?」
海未「は、はい。バッグの中のポーチに……」
絵里「ん……あった。ちょっとこれ借りていくわね」ガチャ
海未「あ、ちょっと絵里!」
ジャーーーーーーー
絵里(これが海未の歯ブラシ……)
絵里「………」キョロキョロ
絵里(少しくらい……やっても……バレないわよね…?)アーン
絵里(って何やってるのよ!明らかに変態じゃない!)
絵里(…もどりましょう)
絵里「おまたせ、海未」
海未「いえ……あの、なにを?」
絵里「んー、そうね。とりあえずここに横になりなさい」ポンポン
海未「どうして!?」
絵里「大丈夫よ、誰も見てないから」
海未「いえ、そういう問題ではなく……」
絵里「はやく横にならないとほっぺムニュムニュってするわよ」
海未「ひっ……やめてください」ポフッ
海未「うぅ……///」
絵里「さあ海未、口を開けなさい」
海未「口って…もしかして絵里……」
絵里「ええ、今からあなたの歯を磨くわ」
海未「なぜなのです!?」
絵里「なぜって……口内炎なんでしょう?はやく治すにはしっかり歯を磨くのが一番よ」
海未「それはそうですが…自分でできますっ」
絵里「ああもう……おとなしく磨かれなさいっ」ギュッ
海未「んみゅっ!?」
海未「こんなことして……絶対に絵里の言いなりになんかなりませんから!」
ー40秒後ー
海未「ぷはっ……!」
絵里「それっ♪」ズボッ
海未「んぶぅっ!?」
絵里「ああもう、今閉じてちゃよく磨けないでしょ、歯ブラシ突っ込んだままも危ないんだから観念しなさいよ」クイクイ
海未「ぐぅっ!?」ビクッ
絵里「ど、どうしたの海未!?」
絵里「もしかして口内炎に当てちゃった?」
海未「………」コクコク
絵里「こっち側にあったのね…ごめんなさい」
絵里(でも………)
絵里(海未が苦悶に顔を歪ませて涙を流す表情……結構好きかも…♥ )ニヤ
絵里「……ねえ海未ちゃん」
絵里「私、あなたがこのまま口を開かなかったらあなたの口内炎の部分にブラシを何回も当てちゃうかもね…♥ 」
海未「!!!んー!!」ブンブン
海未「ぷはっ……!サディストですかあなたは!」
絵里「海未がいつまでも磨かれようとしないからいけないんじゃないの、歯を磨くって行為を始めるまでにどれだけ時間かかってるのよ」
海未「いやでも…友人に歯を磨かれるのは恥ずかしい……です」
絵里「膝枕してる時点で観念しなさいよ……それじゃあ口を大きく開けてくれるかしら」
海未「はい……あーーん」
絵里「どれどれ……」グイッ
海未(近い……///)
海未「っ~~~~~~!!!???!?!?」ビクビクッ
絵里「あ、ごめん」
海未「私を◯したいのですか!?」
絵里「ごめんごめん、今のはほんと無意識だったから。痛くしないわよ」
絵里「…それにしても…すごい大きい口内炎ね……慣れてる人でも流石に痛いと思うわ」
絵里「これなら終始だんまりでも納得できるかも…」
海未「すみませんでした……」
絵里「いいわよ、もう気にしてないってば」
絵里「それじゃ、磨いていくわね」
海未(なにか今とても頭にきました)
絵里「痛かったら言ってね」シャコシャコシャコ
海未「ふぁい……」
シャコシャコシャコシャコシャコシャコ
絵里(海未は黙って歯を磨かせてくれているけれど)
絵里(たまに口内炎にしみるようで体をビクつかせている)
絵里(そんな海未の姿がとても愛おしくて……色々と間違いを冒してしまいそうだ)
海未「っ!?////」
絵里「やっぱり一人だとちゃんと磨けてないんじゃない」クスクス
海未「◯×※△□!?~~~~~~」ジタバタ
絵里「ちょ、暴れないの!危ないでしょう!?」
絵里「よし、これで隅々まで磨けたかしら、うがいしにいきましょ」
海未「………」
絵里「もう、悪かったってば。海未も乙女ですもの、私が無神経だったわ」
絵里「今度からは見つけても黙っておくことにするから…ね?」
海未「~~~~~~っっ///」ポカポカ
?「っ!」サッ
海未「………?」
絵里「どうしたの?」
海未「………」フルフル
絵里「そう、いつまでもそのままだと気持ち悪いからはやくうがいしちゃいなさい」
海未「………んっ」グチュグチュ
海未「ぺっ………」
海未「ふぅ………」
海未「えりぃ………」キッ
絵里「ごめんってば、でも少しは楽になったでしょう?」
海未「それは……まあ、楽にはなりましたが…」
海未「……絵里に私の恥ずかしいところを余すところなく全て見られてしまいました……///」
絵里「ちょ、その言い方やめなさい」
海未「私、もうお嫁に行けません……」
絵里「……私が貰うから安心していいわよ」
海未「本気で言ってます?それ」
絵里「………どうかしら」
絵里(むしろこれ以外に答える方法ないでしょ!)
海未「はいっ」
ガチャ バタン
?「………//」ポー
絵里「……あ、そうだ」
海未「どうかしました?」
絵里「確か……この辺に…あった!」ガサゴソ
海未「それは…チューブ?軟膏ですか?」
絵里「そうよ、ケナログ(※)。口腔用の軟膏ね、高くとも900円くらいで主に口内炎に使うわ」
※
海未「ま、またですか!?」
絵里「どうせ一人じゃ難しいでしょ?任せなさいよ」
海未「で、でも……指を入れるのですよね?」
絵里「まあ……そうね。綿棒はないわけだし…でも安心して、さっき入念に手を洗ってきたから」
海未「いえ、そういう問題ではなく……」
海未「むぅ………わかりました、私も覚悟を決めましょう」
絵里(覚悟するほどのことかしら)
海未「さぁ…どうぞ///」アーン
絵里(どうぞって言いながら口を開くってなんか……ねえ?)
絵里「………」ピトッ
海未「んっ……」
絵里(この距離感……)
絵里「………」ヌリヌリ
絵里「一応少し広めに塗っておくわね」ヌリヌリ
海未「ふぁい…あふぃがろうございましゅ……」ペロッ
絵里「ひっ!?」ビクッ
絵里「う、海未……!今、舐めたでしょ!?指!」スッ
絵里「別に舐めるなとは言わないけど……さすがにビックリしちゃうわ…///」
海未「ですから違いますってば!!////」
絵里「じゃあ……気を取り直して」ピトッ
海未「………///」
絵里「……舐めてもいいわよ?」
海未「っ~~~~~~///」
海未「はあ…生きた心地がしませんでした……」
海未「でも…ありがとうございました、絵里。とても楽になりました」
絵里「そう、それはよかった。一応今日のリードは私が代わるわ。気をつけて喋るようにしてね」
海未「なにからなにまで…ありがとうございます」
絵里「さて……そろそろみんな来る時間なんだけれど………」
?「にゃあああああ………///」
絵里「じゃあみんな今日も張り切っていくわよー」
絵里「あと、海未は諸事情で大きな声が出せないから、今日は私がリードするわね」
みんな「はーい!」
穂乃果(口内炎のことかな?)
ことり(口内炎のことだね)
真姫「諸事情……?」
凛「やっぱり………///」
花陽「?なにか知ってるの?凛ちゃん」
凛「にゃっ!?いや、なにも、なーんにも知らないよ!?あはは………」
花陽「……?」
みんな「お疲れ様でしたー」
花陽「凛ちゃん、真姫ちゃん、帰ろうー?」
真姫「ええ、凛も早く支度しなさいよ」
凛「う、うん」
スタスタスタ
凛「ね、ねえ…かよちん、真姫ちゃん。ちょっと話聞いてもらってもいいかな?」
花陽「どうしたの?改まって……」
凛「あのね、凛。二人より先に部室に行ったんだけど」
凛「ドアの窓からチラッと気になるものが見えて…」
凛「なんとなく静かに覗いてみると海未ちゃんと絵里ちゃんがいたんだ」
花陽「その?」
真姫(あっ………)
凛「その、海未ちゃんが絵里ちゃんに……」
凛「海未ちゃんが絵里ちゃんに膝枕してもらってたんだにゃあああああ!!!////」
花陽「え、えぇっ!?」
真姫「ちょっ……」
凛「なんかその後もよく見えなかったけどお嫁にいけないとか貰ってやるとか言ってたし!!」
花陽「ほぇーーー////」
真姫「り、凛、ストップ」
花陽「ひゃああああっっ///」
凛「あれって絶対…凛、そういうことまだよくわかんないけど絶対…だよね!?」
真姫「ちょ、凛!あなかま!あなかま!!!」クチオサエ
凛「むぐっ…!?」
花陽「真姫ちゃん!?」
真姫「この話題をここで…しかも大声でするのはマズイわよ…!」
「えっ…園田先輩と生徒会長ってやっぱり」
「なんとなくそうじゃないかとは……」
「園田さんの方が受けなんだ……」
真姫「あぁ………」
凛「え?え?」
真姫「凛……とりあえず明日……エリーと海未に謝ってきなさいよ……」
ガラッ
海未「みなさま、おはようございます」
「あ……///おはよう、園田さん」
「お、おはよー///」
海未「……?」
穂乃果「あ、海未ちゃん……ぷふっ…おはよう」ニヤニヤ
ことり「今日!も!今日も!楽しい!!……くくっ」ニヤニヤ
海未「な、なんですかニヤニヤして……」
「あの……園田海未先輩はいらっしゃいますか?」
「あ、あのっ…園田先輩!園田先輩はあの……」
ゴクリ……
「絢瀬先輩とはそういう関係なんでしょうか!?」
キターーー!!!
海未「……え?」
「も、もし!そうなら…やっぱり園田先輩が受けっていうのもホントなんですか!?」ハァハァ
ソコマデキイチャウンダ…
海未「え、あの…おっしゃっている意味がよく……」
「はっきりしてください!オトノキの存亡がかかってるんです!!」
「私も!!」
「わたしにもおしえて!!」
海未「え!?ちょっとみなさん!?うわあああああ!!!???」
「あ、絵里ね!ちょっと待ってて」
「絵里~!『また』きてるわよー!」
絵里「もう、わかったわよっ」
絵里「って凛じゃない……まさかあなたもなの?」
凛「あ、うん……その…そのことで言いたいことが……」
凛「その……実は…この騒ぎの原因の噂が凛にあるの!ごめんなさい!!」
絵里「え?…どういうことよ?」
凛「その…実は…昨日海未ちゃんと絵里ちゃんが部室にいるの見ちゃって…それをあることないこと大声で話しちゃって…だから……」
凛「ご、ごめんなさいっ!迷惑かけちゃって……」
絵里「……凛、顔を上げなさい」
凛「はい………」
絵里「ハラショーよ!!」
凛「はら……?」
絵里「最高よ凛!今日の帰りラーメン奢ってあげるわ!トッピングも替え玉もいいわよ!!」
凛「え、でも……」
絵里「でもも何もないわ、この話はこれで終わり、また放課後にね」
凛「う、うん………」
絵里(まさか見られているなんて思わなかったけれど…こんな噂になるとは……)
絵里(でも…)
絵里(私を泣かせた罰ですもの、75日くらい…少しは私と一緒に噂になりなさい)
絵里(ねえ、海未ちゃん♥ )
海未「ちょ、みなさん落ち着いてください!?穂乃果もことりもなんとかしてくださいよおおお!?」
おわり
スクフェスやりながら投稿すると捗るので登校間隔長くなってごめんなさいでした
すき
あなかまなんて言葉初めて知ったわ。
-
前の記事
【ラブライブ!】リメイク版ラブライブ!(全26話)にありそうなこと 2020.04.10
-
次の記事
【ラブライブ!】穂乃果「添い寝するだけのバイトがあるんだって!」 2020.04.10